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カテゴリ: 南仏生活
月曜日の夜交通事故に遭い、そのまま検査入院、昨日の朝退院しました。


事の発端は月曜日の20時過ぎ、主人の運転する車で買い物からの帰り道。
高速を出たところで突然 目の前にフロントライト が輝いているのを発見。

「えっ!!??」

前の車のテールランプなら見慣れているけれど、
目の前にフロントライトって滅多にありえない。

「なんで!?何してるの!?何でそこにいるの!!??」


クラクションを鳴らしたりライトを点滅するが、そのフロントライトはゆっくり近付いてくる。

近付くスピードがあまりゆっくりだったので、道に迷っているのかとも思われるほど。
ゆっくりでもどんどん停止している私たちの車に近付いてくる車、
辺りはすっかり真っ暗でも、車種も分かるくらいの至近距離まで来た際、
「停まるでしょう」と思っていたら、そのままガシャッ!!

見事に正面衝突

すぐさま降りて運転手相手に怒鳴る主人。

「何やってるんだ!!あんたの走るべき道は(反対車線を指して)こっちだろう!!」
「…あ~?ちょっとはみ出しちゃったかな?」

と言いつつエンジンをかけようとする60代の男性からは アルコールのニオイ が。

次々に続く後続車も非常停止ランプを点け、前に後ろにと停止してくれました。
私たちは電話を持っていなかったので、
主人が後続車の一人に救急車、警察、叔父さんに電話をしてもらっている間、
私は車から降りて歩道に避難。

私たちの車は勿論、事故を起こした当の本人のオヤジの車もフロント部分は大破。


「出るの助けてください~…」

と私に何度も言うのでしょうがない、ギシギシ鉄片がきしむ音を立てながらドアを引っ張ると、
ようやくオヤジはふらふらの足取りで車から脱出できた。

オヤジ「ちょっとぶつかっちゃったけど、けが人いないんでしょ?」
私「ちょっと、って、あなたがやったこと見てください!アルコールのニオイはするし、
逆走してぶつけておいて、しかも私妊娠しているんですよ!!」

それを聞いた、駆けつけた後続車の一人の親切な男性が私に言う。

「妊娠しているのなら、今はなんとも無くとも救急車が来た時に
一緒に病院へ行って検査受けた方がいいですね!」

その時異常が無くても、直後に書類上、記録されていた方が後々役に立つから…、
と話し込んでいる男性越しに、千鳥足のオヤジの遠のく後姿が目に入った。

私「あのっ、もしかして彼、逃げないですよね??」
男性「しまった!!」

ダッシュで親父を捕まえに走る男性。

徒歩で逃げるか????
教訓、自分に被害を与えた人間を助けてもろくなことは無い…。

男性が捕まえるとオヤジは「ちょっとタバコを吸いに」とか「水を飲みに」とほざく。
救急車・警察が到着するのを待っている間、男性が盾になり、一通り連絡をし終えた主人も加わり、
やりあいになりそうな状況をハラハラしながら見守る。

どのくらい待っただろう?
十数分後にようやく救急車・警察が到着、オヤジはあがき、後ろ手に捕まれ警察に連行、
私は救急車に乗り病院へ、時を同じくして到着した叔父さんにキューピーを託し、
主人は事情聴取のためそのまま残り後で病院で落ち合うことになった。

病院に着くとすぐに腹部に心電図を取り付けられ、胎児の心音と胎盤の収縮の様子を30分ほど記録。
その後エコグラフィーで胎児と胎盤の様子、羊水の量を確認。
たまたま産科の担当医が宿直医でラッキー。
検査直前に名前を見て「知ってるよね?検診この間だったよね?」
「はい!」

衝突した衝撃の際にシートベルトが下腹部を強く締め付けたのが唯一心配だったものの、
検査結果は特に問題は無く、私自身出血もなければ痛みも無い。
6ヶ月に入った妊婦が事故に遭った場合、
最低24時間以上は入院することとされていると助産婦が伝え、
病室に案内される。

後から聞いたことだが、6ヶ月からなら胎児にも消化器系が出来ているので、
早産になった場合でも延命できるというのが理由らしい。
つまり、6ヶ月未満なら流産でもしょうがないということだ。

しばらくすると首にコルセット(なんて言うんでしたっけ?ムチウチの時につける…)
をつけた主人がやってきた。
私は衝撃の際、頭をシートにぴったりつけていたけれど、彼はガクンッとショックを感じ、
首の後ろから背中にかけ痛みがあり、診断を受けてきたとのこと。

そして、驚くべき事実を知らせてくれた。
事故を起こしたオヤジはニオイからも察した通り 飲酒 した上、
車線逆走
免許書無し
保険未加入 で、
1年前にも全く同じことをして、しかもその時も 徒歩で逃亡 を図り、
怪我人 を出していたという。

って言うか、 なんで免許無いのに車持ってんの!???

ちなみに今回、彼の血液中から確認されたアルコール量は2.8グラム。
フランスで運転する際に許されている量は0.5グラムと言うから
ほぼ6倍を摂取していたということ!??

非常識も甚だしい、こっちはささやかでつつましい生活をせっせと送っているというのに、
たまたま出会った、たった一人の狂人のお陰でさっきまでの生活、幸せが突然なくなる。
紙一重な世の中に生きているんだと恐ろしくなった。

翌日は朝から再び心電図の記録、胎児は超元気!!で、お腹の中を動き回り、
心音を失っては端末で探すという鬼ごっこをしている気分で楽しかった(^^♪

夕方になり警察が事情聴取にやって来る。
理由は知らないが書類の不手際か何かで去年は刑務所に送ることが
出来なかったのが警察側でも悔やまれており、
今度こそは、とやる気マンマンらしいと主人が言っていた。

聴取が終わり、警察の人に聞いてみた。

私「アルコールが切れて、様子は変わりましたか?後悔しているとか…」
刑事「全然。
アル中だろうからね、同じ世界に生きていないんですよ。
何処から何処までが現実か分かっていない。
一般論も通用しない。
彼が言うのは
『近所へ買い物へ行くだけだから免許は必要ない』、
『事故にも遭わないから保険も必要ない』、
彼にしたら今回の事故はただの接触程度」

恐ろしい…。
こんな人間と隣同士で生きているなんてこっちの命がいくつあっても足りはしない。
大体こういう人間は大抵他人を道連れにして後悔の念も持ちはしない。
一緒の世界に住んでいること自体無理なのだ。

今朝トゥーロンで刑事裁判にかけられ、
結果によっては即効隣町の刑務所に送られるとのこと。
ああ、次の被害者が出ないうちに早く刑務所に入れて欲しい。

事情聴取に来た刑事が言う。

「僕の妻も妊娠中で3週間後にここで出産する予定なんです。」

ことさら私たちのケースは他人事ではなかったのだろう。

最後に刑事が心配そうに尋ねる。

刑事「フランス語は読めますか?」
私「難しい時もありますが大体はわかると思います」
刑事「(ホッとして)そうですか。
…フランスというのは抜け道の多い国でね、外国人の被害者から調書をとった場合、
加害者が悪知恵の働く弁護士をつけていたりすると突っつかれるんですよ。
『調書に「相違ありません」とサインしてあるのに被害者はフランス語が読めません、
よってこの調書は無効です』
なんていう風に。」

うわ~~ん、責任重大!!
ドキドキしながら刑事の書いた調書に目を通す。

私「大丈夫です、理解できたと思います」

厳しい国だわ、フランス…。
フランス語、もっと頑張ろう…!!

私はと言えばもう1泊することになり、計2泊の検査入院となった。

マミーがよく心臓発作で運ばれるので、一般病棟の雰囲気は知っていたのだが、
私の部屋は産科、全然張り詰めた感じが無い。

一人部屋にはシャワー、トイレ完備、壁もピンクで暖かく
たまに聞こえてくる赤ちゃんの声には頬が緩む。
廊下ですれ違う赤ちゃんたちは本当にちっちゃくて壊れそう!
新米ママたちが恐る恐るお世話している。

常に新しい生命が誕生する場所だからか
スタッフは皆にこやかで冗談を交わしながら仕事をしている。
やっぱり産科って病院の中でも特別…。
出産前にお試し入院できて良かったね、なんて言われ、ごもっとも。

退院前にもう一度心電図とエコグラフィーで確認、異常なし。
昨日の朝ようやく我が家に帰宅。
出かけた時のまま残してあったアイロンがけの済んだ衣類の整理に追われたのでした。

ちなみに今回のタイトル、「交通事故に遭いました」にしようと思っていたのですが
昨日のイエールの地方紙にも載ったので変えてみました。
親戚やら主人の職場、知人やらから「まさかあなたたちのこととは!!」と電話が殺到、
一躍有名人(苦)?





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Last updated  2005.10.28 01:23:29


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