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万雑715_万葉集に載っている柿本人麻呂の歌_19
次は、人麻呂が石見の国にあって、死ぬ前に自ら悲しんで作った
歌(223)です。なお、参考として死んだ人麻呂に妻が詠んだ歌2首と、死んだ人麻呂に代わって、
丹比真人が人麻呂の
心中を察して詠んだ歌を載せました。
223_「鴨山の岩根しまける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ」
※_
「
鴨山の岩を枕に伏している私なのに、それとは知らずに、妻は今も待ち続けていることであろう
」
と歌っています。
<参考1>
人麻呂が死んだ時に、妻の依羅娘子が作った歌2首(224,225)です。
224_「今日今日と我が待つ君は石川の峡に交じりてありといはずやも」
※_「
今日か今日と、私が待っているあなたは、石川の峡に入っているというではありませんか
」と歌っています。
225_
「
直の逢ひは逢ひかつましじ石川に雲立ちわたれ見つつ偲はむ
」
※_
「直接お逢いすることはむつかしいでしょう。石川に雲よ立ちわたれ、それを見てあの方を偲びましょう」
と歌っています。
<参考2>
丹比真人が死んだ人麻呂の心中を推察して、代わって答えた歌(226)です。
226_「荒波に寄り来る玉を枕に置き我ここにありと誰か告げけむ」
※_「
荒波に打ち寄せられて来る玉を枕辺に置いて、私がここに伏せていると、誰が妻に告げ知らせたのだろうか
」と歌っています。
以上
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