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2017.06.13
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カテゴリ: 映画を観たよ
クリント・イーストウッドが監督主演をしたヒューマンドラマを観た。

〇ストーリー

妻を亡くした元フォード社作業員のウォルト・コワルスキーの隣家に,アジア人家族が越してくる。ただでさえ偏屈で,息子たちとも上手く関係を築けない彼は,朝鮮戦争に従軍した体験からアジア人に対して素直に接することが出来す,感じの悪い隣人を演じてしまう。だが家族の孫・タオが,ギャングの従兄たちに命じられてウォルトの愛車〈グラン・トリノ〉を盗もうとしたところを捕らえてから,彼はタオに仕事を与え,隣家の修理を手伝い,姉のスーたちと徐々に友情を育む。タオへの嫌がらせに対し抗議をしたウォルトへの報復に,タオの家は襲われ,スーはギャングに凌辱される。ウォルトは単身,ギャングたちの家へと向かい,そして??

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クリント・イーストウッド自身がマカロニ・ウェスタンの俳優として,男性至上主義のマッチョなキャラクターを演じてきたこともあり,この作品での元フォード社作業員,元朝鮮戦争従軍の男というキャラは見事にマッチしている。

本人も,家族も,隣人たちも,彼が偏屈で,ワガママで,アジア人嫌いで人間嫌い,だと思っていたのに,最後にはあの行動をとる,という意外性がこの作品の魅力だ。

主人公が嫌なヤツである,ということはベタな手法で述べられているが,彼が少年・タオの行動をきっかけとして,周りの人々への興味を再び持ち始める,という流れはひじょうに丁寧に描かれている。

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イーストウッドが象徴している中西部,南部に多くいるブルーカラーのアメリカ人が,あるところからアジア人移民の味方になる,という流れは,ある意味アイデンティティの崩壊だ。



もっとも,アジア人のタオやスーは,ウォルトが住んでいるデトロイトの自動車産業を崩壊させた日本人や韓国人ではなく,ラオス出身ということになっている。微妙に直接なコンフリクトを避けていて,なんだか男らしくないなあ。

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『ローガン』でも感じたが,アメリカの西部劇,日本の時代劇は衰退の一途を辿っているものの,その精神を踏襲した作品は今でも多く製作されている。

『グラン・トリノ』でも,クリント・イーストウッドが演じるのは,きちんと自分の人生を生き,そして若手が自由に生きられるように無法者と対決をする西部劇のガンマンの精神だ。

かなりクサイ正義感なのだけれど,これだけの大人物が正面から主張してくれると,やはり社会的に大きな影響があると思う。

助けてくれる白人と自分で努力する有色人種がいて,双方幸せになる。『ジャイアンツ』でも描かれていたアメリカ社会の理想だろう。

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アメリカ社会がその理念を失いつつある今日,この映画を観てまたそこに立ち戻ってもらいたい。

・・・って,リベラリストっぽいことを考えてみた。














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Last updated  2017.06.13 21:59:24
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