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October 31, 2005
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M&Aによる会社価値向上手段のもう1つは、富の移転である。富の移転とは、他のものが享受していた富を、M&Aを通じて新会社が奪ってしまうということだ。


1.債券保有者、銀行から、新会社への富の移転

もし、ある会社がM&Aによってよりリスクの高い企業を買収した場合、当然のことながら、会社全体としてのリスクは上がるであろう。本来的には、もともとの企業が行っている借入れ(銀行借入れもしくは債券)についても、それに合わせて、適正な金利を求めなくてはならないが、状況によっては、それを実現できないケースもありえる。その場合、本来支払うべきであるが、支払わなくてすむ金利分については、債券保有者もしくは銀行から、M&A後の新会社に富が移転しているということが出来る。


2.従業員から会社への富の移転

実は、M&Aによる経営統合は、従業員にとっては、賃金カット、リストラされてしまう絶好の機会となってしまう。これは、会社にとってはコスト削減となるので、会社価値向上に寄与することとなる。従業員が損する代わりに会社が得をするわけだ。M&A報道があると、買収企業が被買収企業の従業員をそのまま雇用しつづけるということがよくあるが、それはその懸念が大きいからだ。日本と欧米では企業文化も違うので、この要素は欧米(特に米)で、富の移転がよく起こる。


3.消費者から会社への富の移転

M&Aによって、消費者が富を奪われる場合もある。経営統合をした新会社が巨大なマーケットパワーを得ることにより、独占に近い形態で価格コントロールなどを行なえるようになった場合、実質的に、消費者にとっては損となり、会社にとって得となる。このことによってM&Aによる企業価値向上を実現することが出来る。経営統合の際に、独占禁止法などの問題が絡んでくることがあるが、それはこの富の移転に関連するものだ。


4.税金を逃れることによる富の移転

最後に、M&Aは税金を減らす効果をもたらすことがある。



第二に、そもそも税金を免れるためにM&Aを行う場合もある。有名な事例としては、British PetroleumとAMOCOが合併した際に、数百万ポンドという非常に大きいStamp Duty Reserve Taxを支払わなくてすんだというものがある。この税法の抜け穴はもう無くなってしまったが、両者の合併の際には、税金を支払わなくてすむことが1つのモチベーションとなったようだ。


あまり、楽天とTBSの話とは関係なくなってしまったが、楽天の場合には、これらの富の移転を目的とした統合を目指しているわけではないだろう。


次回は、キャッシュを使って買収する場合、株式交換方式を使って買収する場合の違いについて述べたいと思う。


つづく





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Last updated  October 31, 2005 11:34:11 AM
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