全98件 (98件中 1-50件目)
Contingency Contractについて。交渉時に、将来の価値について見解相違が生じる場合がある。例えば、売り手がテレビ番組を売ろうとしているときに、両者で以下のような確率を予測しているとする(視聴率は大きいほうがよい)。視聴率 売り手 買い手15%-20% 10% 20%20%-25% 10% 50%25%-30% 10% 10%30%-35% 50% 10% 35%-40% 20% 10%この場合、お互いそれぞれ根拠を持っているであろうから、両者歩み寄るのは非常に難しい。そこで、Contingency Contractを結ぶ余地が出てくる。つまり、お互いが自分の考える方に賭けをして、結果を踏まえて最終価格を決めるという方法だ。例えば、もし視聴率が25%以下であったなら売り手は1億円を買い手に支払い、30%以上であったなら買い手は売り手に1億円を支払うようにする、などとしてしまうのである。こうすれば、売り手から見ても買い手から見ても1億円を支払う確率は20%、1億円を受領する確率は70%であり、取引は成立するはずだ。このようにContingency Contractは、しばしば不毛となる将来の予測に関する議論を、お互い自分の信じる将来に賭けをするという形に変え、結果に対するリスクをお互いシェアするとともにいい結果を出すインセンティブを増加させる(上記売り手の場合)という効果をもたらす。また、相手が効果に関して嘘を言っている場合にも有効な対応策となるであろう。しかしながら、このContractがうまくいくには、交渉相手同士がうまくコミュニケーションを取っていて、かつここで合意した条件が将来きちんと履行される保証があり、結果が明快に計量可能な形でないとうまく行かない。また、相手が自分より情報を持っている場合、或いは自分がこの賭けに負けることが出来ない場合などは避けるべきであろう。私は、プロレスの売り興行で、この方式が使われていたら面白いと思うのだが、実際はどうなんだろう。つづく
January 20, 2006
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今日は、交渉中の相手との見解相違について。交渉中は、以下ような見解相違が発生する。1.項目ごとの優先順位の違い2.将来の出来事に関する見方の違い3.リスクに対する考えの違い4.スケジュール感に関する考えの違いなどなど、たくさん出てくるであろう。交渉は相手と見解が違うことにより合意に達することが出来るという側面があるので、優先順位の違うものをやり取りしたり、新しい問題を追加してお互い納得出来る条件で合意出来たりもする。もし自分が譲歩する場合には、自分の譲歩と相手の譲歩のバランスを取っていくことも重要である。繰り返しになるが、相手の考えを知る(或いは相手が嘘をついていることを見破る)一番いい方法は、MESOs(複数の問題に関して、自分にとっての価値が大体同じくらいになり、かつ自分が目指すターゲットを上回るコンビネーション)が非常に有効である。しかし、しばしば将来についての見解が違う事態が起こりうる。例えば、売り手がテレビ番組を売ろうとしていて、買い手が考える視聴率よりも高い視聴率を主張している場合などである。この場合、Contingency Contractと呼ばれる条件を加えることにより、両者納得のいく形で合意することも可能だ。Contingency Contractの詳細は明日に。つづく
January 19, 2006
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前回までは一般的な交渉の話をしていたが、今日は交渉後に使えるテクニックを。交渉が一度終わった段階で、実は両者にとってもっといい条件がありうる場合がある。これは、必勝交渉術(8)で述べたパレート最適になっていない段階で両者合意してしまった場合に、両者もしくはどちらか一方にとってよりよい条件が有り得る、ということである。このような場合、一度合意した条件を変更して、Post-Settlement-Settlement(合意後の合意)を行う余地がある。つまり、握手をした後に、お互いの手の内を明かし、もっといい条件で合意することが出来る。しかし、当然のことながらそれまでの交渉の雰囲気もあるだろうし、かつ交渉が終わってすぐにこの話を持ちかけないと(しかも、こうすればあなたはもっといい条件になるのではないか、というように相手の立場に立って話を持ちかけるのがいいであろう)、タイミングを逃してしまう。私は、交渉のときに相手が頑なでにっちもさっちも行かなくなったときに、Post-Settlement-Settlementを期待して、あえて厳しい玉を投げて、予想通り交渉が決裂した後に、すかさずPost-Settlement-Settlementを持ちかけたということが、一度だけある。この時は、相手のReservation Priceをある程度読みきっていたことにより、相手が固執している条件は最終条件ではないであろうということが分かり、かと言ってここで我々が厳しい条件を出したら、向こうも今までの流れで折れるわけには行かず交渉決裂させてしまうであろう、という状態だったのである。そこで、一度交渉が決裂した後に、すぐその場で雑談風に相手と条件についてもう一度話し始め、お互い交渉決裂より好ましい条件で合意出来ることを確認して、最終的に交渉はうまくまとめることが出来た。計画してPost-Settlement-Settlementを行っても必ずしもうまく行くわけではないであろうが、交渉が終わった後でお互いこれよりもっといい条件で締結出来ないであろうかと考えることは意味あることではないかと思う。つづく
January 18, 2006
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ちょっと時間が経ってしまったが、必勝交渉術(10)のつづき。なかなか相手の優先順位が分からない場合には、複数の問題に関して、自分にとっての価値(スコアリング・システムによるスコア)が大体同じくらいになり、かつ自分が目指すターゲットを上回るコンビネーションを相手側に提示する、という戦略(MESOs=Multiple Equivalent Simultaneous Offersと呼ばれる)が非常に有効である。これにより、相手がどのオファーを好むかによって、相手にとってどの部分に関する妥協が受け入れやすいか、どの部分が重要か、などの情報を得ることが期待出来る。MESOsは、非常に強力な手法であるが、いくつか難点がある。まず、実際にやってみると分かるが、自分のMESOsを作るのに結構面倒だということである。これは、時間をかけてやるしか方法がないが、その価値は十分にあるであろう。次に、折角自分の作ったアイデアだということで、交渉中にそのアイデアに固執してしまう場合がある。交渉が込み入ってきたら、常にスコアリングシステムに戻って、自分にとってどれくらいの価値があるか確認することが重要だ。また、MESOsを自ら公開することによって、相手に自分の情報を出す、というリスクもある。しかし、相手がきちんと交渉に乗ってきているのであれば、話は前に進むであろう。きちんと雰囲気を見極めることが重要である。最後に、MESOsを提示したとき、相手が都合のところの条件だけを取り出そうとすることが有りうる。パッケージディールだということを明確にすることを忘れないようにしなくてはならない。つづく
January 17, 2006
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。大晦日は、ずっとPRIDEを見ていたが、6時間近く見ていても全く飽きの来ない非常にいい大会であった。その中でも、吉田対小川は試合前から騒がれていたが、大物日本人対決はやはり盛り上がりますな。しかしながら、この試合を通じていろいろなことを感じてしまった。まず、試合に対する覚悟がやはり吉田の方が全然上であったということだ。試合前のニュースでは、小川は格闘技からの引退を示唆していたらしい。この時点で何となく小川は勝てないのだろうな、という感じがしていしまった。また、当初の試合発表の会見での2人のやり取り、前日の選手全員の会見(選手は出席を義務付けられていたらしい)を小川が欠席したこと、などを見ても、小川が何だか吉田と向き合うのを拒否しているような感じがしてしまった。小川はチキンである、というように言われていたが、今回の一戦では吉田の男らしさが光る一方、小川はあまり輝くことが出来なかったのではないかと思う。最後のマイクパフォーマンスは小川らしくてよかったが、一方で「俺は試合では勝負していなくて、こういうパフォーマンスで勝負しているのだ」というような感じもしてしまった。やっぱりプロレスと格闘技というのはそもそも勝負しているところが違うのであり、この2人は最後までうまく噛み合っていなかったのかなと(いろんな見方があるだろうけど)。しかし、PRIDE、K1ともに盛り上がっており、これはプロレスが世間に入り込む余地というのはなかなかないのだろうなということを痛感した。だって格闘技の方がどう考えても面白いから。試合の煽りとか選手のキャラクターとかプロレスが得意としていたことも含めて。プロレス界は何で勝負していったらいいのか、ということをもっと考えた方がいい。例えば、新日本プロレスが売りにしている(していた?)ストロング・スタイルというのは、PRIDEなどを見てしまうと最早あまりアピールしないということは明白であろう。やはり、ハッスル、ドラゴンドアなどのように新しいことをやっていくのがこの時代にあっているのだろう。
January 2, 2006
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これが今年最後の話題。少し前の話になるが、プロレス大賞受賞者の中に川田の名前がなかった。今年の川田は様々な団体をまたにかけて活躍しており、昨年の健介ほどではなかったにせよ、自分の幅広さを存分にアピールしていたと思う。今回、川田がフリーとなったのもMVPを取った健介の影響があるだろうし、もしかしたらプロレス対象MVPとかも狙っているんじゃないのかな、なぞと思っていた。だから、今回選に漏れたことも少し気にしているのではないのかと、全くもってお節介なことを考えてしまうのだ。健介は、鬼嫁北斗の存在とか、健介ファミリーでの話題とかいろいろあるけど、川田にはそれがないから、何となく孤独なイメージもある。来年も是非様々な引き出しを開けてプロレス界を盛り上げて欲しいものだ。ところで、今日の小川対吉田は非常に結果が気になる試合だ。どちらが勝つか分からない、という緊張感が最近のプロレスにはなくなってきているような気がする。。。今回の記事は、カクトウログさんと闘魂ハッスルさんの記事を参考にさせて頂きました。
December 31, 2005
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前回の続き。日本の会社のトップ15(カッコ内は前回のランキング)。14位(17位) トヨタ25位(65位) 三菱UFJフィナンシャルグループ49位(87位) みずほフィナンシャルグループ55位(37位) NTTドコモ60位(121位) 三井住友フィナンシャルグループ61位(49位) NTT99位(100位) ホンダ107位(110位) キャノン109位(112位) 武田薬品125位(132位) 松下電器126位(97位) 日産151位(147位) ソニー153位(139位) Yahoo! Japan170位(178位) 野村證券171位(178位) 東京電力トヨタはさすが。金融機関の躍進が目立つ一方、NTTグループはランキングを下げている。こう見るといわゆるIT系の会社というのはYahoo! Japanだけで(ドコモも近いものはあるが)、後は長い歴史を誇る会社が多いことが分かる。来年はどうなっているだろう。また銀行が合併していたりして。
December 31, 2005
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前回の続き。トップ10は以下の通り。1位 GE2位 エクソン・モービル3位 マイクロソフト4位 シティグループ5位 BP6位 シェル7位 ウォルマート8位 P&G9位 バンク・オブ・アメリカ10位 ジョンソン&ジョンソンFTの尊敬されている会社ランキングに上位ランクインされている会社が結構あるが、石油会社、金融機関が多いことが目に付く。今回は、規模が大きさを競っている面があるので、それを反映したものであろう。トップ10は全て米英企業であり、日本企業はトップ10には入っていない。次回は日本のトップ10ランキング。どこが入っているでしょうか。
December 31, 2005
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というランキングをビジネスウィークが発表していた。少し前にFTがやっていた尊敬される会社ランキングというのと似ていて、みんなランキング好きだなー、とあきれつつ、日本企業がどこにランキングされているのかが気になって見てしまう。今回のランキングは、単純に市場株価総額がいくらかを計算したもので(株価×株式数)、純粋な企業価値というわけではない。企業価値=借入+市場株価総額であり、今回のランキングは株式だけを取り上げているので、もし借入が多ければ企業価値全体としては、もっとランキングが高くなる企業もあるかもしれない。という前提でこのランキングを見てみると、FTがやっていた尊敬されている会社ランキングとはまた一味違うランキングとなっていた。本日はまず全体像をつかむための国別ランキング。今回のランキングは1200位まで出しており、その1200社の中で、各国別のランキングを出すとどのようなランキングになるか、というものである。1位 アメリカ 全体の48.7%2位 イギリス 全体の10.4%3位 日本 全体の9.8%4位 フランス 全体の4.6%5位 ドイツ 全体の3.3%というわけで、アメリカ企業が半分近くを占め、トップ3で全体の約7割を占めている。日本の経済規模は世界2位であるが、ここでは3位になっている。次回は、トップ10。日本企業は入っているでしょうか。
December 31, 2005
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前回のつづき。なかなか相手の優先順位が分からない場合には、複数の問題に関して、自分にとっての価値(スコアリング・システムによるスコア)が大体同じくらいになり、かつ自分が目指すターゲットを上回るコンビネーションを相手側に提示する、という戦略(MESOs=Multiple Equivalent Simultaneous Offersと呼ばれる)が非常に有効である。これにより、相手がどのオファーを好むかによって、相手にとってどの部分に関する妥協が受け入れやすいか、どの部分が重要か、などの情報を得ることが期待出来る。MESOsは、非常に強力な手法であるが、いくつか難点がある。まず、実際にやってみると分かるが、自分のMESOsを作るのに結構面倒だということである。これは、時間をかけてやるしか方法がないが、その価値は十分にあるであろう。次に、折角自分の作ったアイデアだということで、交渉中にそのアイデアに固執してしまう場合がある。交渉が込み入ってきたら、常にスコアリングシステムに戻って、自分にとってどれくらいの価値があるか確認することが重要だ。また、MESOsを自ら公開することによって、相手に自分の情報を出す、というリスクもある。しかし、相手がきちんと交渉に乗ってきているのであれば、話は前に進むであろう。きちんと雰囲気を見極めることが重要である。最後に、MESOsを提示したとき、相手が都合のところの条件だけを取り出そうとすることが有りうる。パッケージディールだということを明確にすることを忘れないようにしなくてはならない。つづく
December 23, 2005
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先週以降もFinancial Timesはこの問題をほぼ毎日取り上げており、大きく扱っていた。一度は、10分間のやりとりも含めて新聞の1ページをほぼこの問題に使っていたくらいである。その中で日本での報道と少し違う視点があったのでその話をしてみたい。まず、日本ではみずほから東証が悪者になって叩かれているという印象が強い。しかし、FTでは、そのような捉え方はしておらず、日本経済全体の中でのこの問題の位置づけ、株式を売買するトレーダーから見たこの問題の衝撃、利益を返上する証券会社の立場、などについての記事が目に付く。面白い見方だなと思ったのが、日本社会は間違いを起こさないという前提で昔から動いてきているが、実際はそんなことはなく、間違いはどうしても出てきてしまう。従って、それをどのように回避していくかの仕組み作りが重要となるが、日本はそれを怠ってきた。その結果、生じたのが一連の企業の不祥事で(三菱自動車の隠蔽問題、東京電力の原発問題、日本ハムの偽装問題、UFJ、鐘紡、西武などの決算に関連する問題を全てリストアップ)、今回のみずほ&東証問題もそれと同じ類の事件であり、そのような間違いをなくすような仕組みを考えなくてはならないというトーンで報じていた。あと、もう1つ面白いと思ったのは、こちらでは証券会社の利益返上の記事の見出しには、利益額が少ないにも関わらずリーマンブラザーズのみが出ており、それはリーマンが今年、過去最高益を出しているということと結びつけて報じられていたことだ。ちなみにリーマンはライブドア対フジテレビの時、ライブドア側のアドバイザーであったが、これが過去最高益に繋がった大きな原因であったわけではなく、債券運用とかで大きな利益を上げた。また気になる追加記事が出てきたら書いていきたいと思う。
December 22, 2005
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少し前に、「猪木よ、いい加減にしてくれ」という記事を書いた。これは、新日本の1・4東京ドーム大会欠場の裏には猪木が絡んでおり(というのも藤田はいつも猪木の意向に沿う形で動いているから)、今回の欠場にも猪木が裏で手を引いているのかなと思ったからだ(こんな記事もありました)。でも、藤田サイドからすると、別のストーリーがあるということが分かった(カクトウログさんの記事ご参照)。これを見ると、正式に藤田の参戦が決まっていないのに発表をしてしまった新日本の方が悪い感じを受けてしまう。でも、本当の問題は、プロレス界では契約というものがあまり重視されておらず、通常口約束などを以って試合をすることが一般的だということだ(これは、自分が経験したというわけではなく、本とかで仕入れた知識だが)。新日本は昔、高田対佐々木健介というカードを発表しておきながら、高田の許可を得ていなかったため、流れてしまったということもあった。口約束というのも昔ながらの流儀でプロレスらしいということもあるかもしれないが、結局はファンを裏切ることとなってしまうので、あまり好ましくないのではないかなーという気がする。K1もPRIDEもきちんと契約を行っているだろうし、WWEに至っては言わずもがなである。少なくとも自分がプロレス会社をマネージしているのであれば、契約なしでカード発表するのは極めて危険な気がするであろう。最近は、プロレス対世間という話をあまり聞かなくなってしまったが、こういうところから変えていくことも必要ではないかと感じる。それはさておき、藤田が大晦日にどこで誰と戦うのでしょうか。
December 21, 2005
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前回のつづき。複数の問題を話し合う際には、相手との情報交換が非常に重要である。分け前を分けるパイを大きくするためには、相手が何を重要視しているかを知らなくてはならないし、こちらもある程度は情報を開示しないとならないからだ。まず重要なのは、相手と信頼関係を作り、情報を共有することである。それを踏まえた上で、相手の情報を引き出し、自らも何を優先しいているかを相手に伝えることだ。優先事項が違えば、お互いの利益を最大にして交渉を締結することが出来る。従って、交渉のテーブルにのっている議題を明確にして、おのおのの優先順位を明快にすることは交渉をスムーズにすることになるであろう。しかし、自らのReservation Price(このポイントを逃したら交渉のテーブルから離れる、逆に言うとこれが満たされれば合意する、というポイント)は、決して明かしてはならない。交渉中に足元を見られることになってしまうからだ。つづく
December 20, 2005
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必勝交渉術(7)、必勝交渉術(8)で述べたように、スコアリング・システムを作ることと、パッケージディールを心がけ、お互いの要求をMaximizeすることが複数問題交渉の基本である。ここで、再びUインターと新日本の交渉の話に戻ってみる(こちらとこちらを参照下さい)。Uインターサイドは高田の負け(さらには足四の字という超古典的な技で)を認めたわけであるが、これはUインターにとっては非常に大きなマイナスである。従って、これを認めるのであれば、それ相応のリターンをほかのところで得なくてはならない。それは金銭的なものかもしれないし、その後の試合での勝利かもしれないし、その他のUインター勢の勝利かもしれない。高田の「泣き虫」によれば、本当は、再戦で高田が勝利して、新日本の第一線級の選手(橋本や蝶野、佐々木健介)との防衛ロードを歩むことになっていたらしい。しかし、これは実現しなかった。いずれにせよ、自分が妥協した分に見合うリターンをきっちりと得なければ、いい交渉結果を得ることは出来ない。そのときに必要となるのが、スコアリング・シートというわけだ。また、両者のパイを最大化するという観点から見ると、新日本サイドももう少しUインターを活かすことによって(つぶしにかからないで、もう少し抗争を長引かせるなど)、この対抗戦を盛り上げることは出来たかもしれない。ただ、現実的には武藤対高田は伝説となって、この試合を契機に新日本の評判は上がったので、その意味においてはつぶしにかかるということがベストだったのかもしれない。
December 19, 2005
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必勝交渉術(5)で述べたように、複数の問題を話し合う場合、相手と共有するパイを大きくすることが可能である(問題の重要度が違うため)。The Pareto Efficient Frontier(パレート最適)という概念があるが(これはもともと経済学の概念)、それは、相手の満足度を下げないと、自分の満足度が上がらない状態である。もし、その状態でないのであれば、一方の満足度を下げないで、もう一方の満足度を上げることが可能である。従って、複数の問題を交渉する場合、パレート最適まで持っていくのが理想的である(ただし、このFrontierを実現した場合にも、より大きいパイを分けなくてはいけないことには変わりないので、相手とパイを奪い合うという部分は残る)。そのパレート最適を実現するために、注意しなくてはならないことは以下の通り。まず、1つ1つの問題を話し合うのではなく、問題をまとめたパッケージとして交渉した方がいい。1つ1つの問題を片付けてから、次の問題にいくという形にすると、それぞれの小さいパイを2人で分けることとなり、より厳しい交渉となる。また、小さい問題で相手が譲歩して、後の重要な問題でこちらの譲歩を迫ってくるということも有りうる(私は一度これにはまり、その後の交渉で取り戻すのが大変だったことがある)。それに対して、パッケージディール、つまりたくさんの問題をまとめて考えて、これはこちらが譲歩できるから、別のものそちらが譲歩して下さい、というように交渉を進めると、お互いの優先している事項が分かり、交渉がしやすくなる。また、一般的にいい結果が出る。つづく
December 18, 2005
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複数の問題を交渉する際には、Scoring SystemというSystemを使って、1つ1つの問題を数値化することが重要である。何故なら、数値化することによって、交渉全体としてのReservation Priceを設定することが出来たり、パッケージとして相手側に提案したり、いくつかの違うパッケージを提案したり、交渉の中での妥協度合いを素早く評価出来たりするからである。私は、重要な交渉の際には、必ず作成するようにしている。もはやないと不安であるというレベルである。では、具体的に、Scoring Systemとはどのようなものなのだろうか。まず、大きな問題点をいくつか並べて、それぞれの重要度をパーセントで表し、全部足したら100%になるようにする。例えば、転職の際に新しい雇用主と交渉するのであれは、給与レベル、勤務地、休日数、などを交渉することになる。自分にとって重要なもの程高い%を付与する。次に、それぞれの項目で、どれだけの条件を勝ち得たらどれくらいの価値が自分にとってあるか、ということも数値化していく。自分の希望通りであれば100%だし、そうでなければ必要に応じて減らしていく。大きい項目と条件の数値をかけあわせたものが、最終的な自分にとっての価値となる。数値化するのは大変であるが、何回かシミュレーションしてみて、自分にとっての価値観と合うように調整していく。以下がScoring Systemの例だ(いつもだったらエクセルファイルで作成する)。給与(50%)2000万円(100%)-> 最終価値 501500万円(50%)-> 最終価値 251000万円(30%)-> 最終価値 15勤務地(30%)東京(100%)-> 最終価値 30NY(60%)-> 最終価値 18Singapore(60%)-> 最終価値 18シベリア(0%)-> 最終価値 0休日数(20%)4週間(100%) -> 最終価値 202週間(35%)-> 最終価値 71週間(0%)-> 最終価値 0この情報を使って、全体のReservation Priceを決めて交渉に臨むと大変助かる。ただ、交渉中にパソコンに気を取られたりしないようにすること、この表に固執するあまりFlexibilityを失ったりすることがないように(特に相手側が新しい項目を出してきたとき、など)注意しなくてはならない。つづく
December 17, 2005
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まずは、10・9東京ドーム大会を軸に考えてみよう。メインは武藤対高田となった。これは当時の頂上対決である。これを含めて全9試合が組まれた(実際には蝶野対宮戸が中止になって全8試合)。結局メインの武藤対高田は足四の字というプロレス古典的な技で武藤の勝利。団体としても5勝3敗で新日本の勝利。高田は、翌年1月4日の大会に再度武藤にチャレンジ。今度は高田の勝利。IWGP奪取。一度、Uインターのリングで越中を相手に防衛。そして1996年4月29日に橋本に破れ、王座陥落。これらの試合と相前後して、新日本、Uインター共に対抗戦関係の興行を主催。というような流れであるが、どう考えてもUインターサイドが新日本にいい条件を与えすぎである。例えば、第1戦目で高田が負ける(しかも足四の字)ということは、その後のUインター崩壊へと繋がることとなった。また、武藤との再戦には勝ったものの、防衛相手が越中だけでは浮かばれない。高田がこれだけの条件を飲むのであれば、それ相応の金銭的メリットがなくてはならないであろう。もし金銭面で折り合いがつかなければ、他の部分、例えば東京ドーム大会では高田以外は全部Uインター勢が勝つ、或いは第一線級の新日本選手をUインターに呼ぶ、などの条件を勝ち取ってもいいような気がした。しかし、それが実現できていないこと、更にはその後Uインターの経営状況は悪くなる一方であったので、どう考えてもこれはPayしていない交渉であろう。ここからは勝手な想像となるが、Uインター側は交渉準備をきちんとしておらず、達成すべきターゲット、交渉をやめるべきポイントであるReservation Priceも把握せず、その場しのぎで交渉をしてしまったのではないか。また、パッケージで交渉すると、全体のバランスがよく見えて、交渉で負けることを防ぐ効果があるが、これだけ多くの項目で新日本サイドが有利な条件を勝ち得ているので、1つかもしくは2つの問題ごとに話し合いをしていたのではないかとも思える。一方、新日本サイドから見ると、対Uインターとの抗争からもっと儲けようということであれば、もっといいやり方(抗争をもっと長引かせる)があったであろう。しかし、この時は長州の「Uを消す」というようなセリフもあったように、Uインターの存在をなくすことが第一義であったのかもしれない。もう過去のことなのだが、交渉論を学んだ後には、この時のやりとりがどんなものだか非常に興味が出てきてしまった。どうしたらこのような事態が避けられるかは、のちのち述べていきたいと思う。新日本対Uインター抗争の経緯についてはカクトウログさんをご参照下さい。
December 16, 2005
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以前に書いた複数の問題を話し合う場合(必勝交渉術(6)を参照)の具体的な事例。これは、新日本対UWFインターナショナルの抗争がすぐに思いついた。もっと具体的に言うと1995年10月9日の武藤対高田が決定する過程でいろいろと話し合われたということだ。ちなみにこの時のドーム大会は実数では一番入っていたと言われている(数字上は猪木の引退試合の方が多いみたいだけど)。この時の両者の経営環境はどうであったかというと、新日本はまだ全盛期を謳歌しており、東京ドームもしっかりとお客が入っていた。ただし、同年猪木が行った北朝鮮興行(私も行きました)で赤字が出ていたので、出来ればそれを返したいと思っていた。一方、UWFインターの方は、1994年に安生がヒクソン道場の道場破りに失敗して、UWF最強神話が崩れ去ろうとしており、人気も低迷、経営的に相当苦しかった。お互いのニーズが一致して対抗戦話が進んでいったのだと思われる。その時に両者間でいろいろな条件が話されたはずだ。誰と誰が戦うのか、対抗戦第一弾はどちらの興行とするのか、勝敗はどうするのか(個別の試合、団体)、決め技はどうするのか、第二段以降はどうするのか、などである。この交渉はパッケージディールとしてうまく2団体のパイを大きく出来たのかどうかは定かではない(というようり逆に言うとパイを大きく出来なかった事例であろう)。が、複数の問題が話し合われたことは事実である。Uインターが交渉当時どこまで求めていたのかにもよるが、この時の交渉では、客観的に見てUインターサイドの負けである。次回、それを検証してみる。つづくこの記事はカクトウログさんの記事を参考にさせて頂きました。
December 15, 2005
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先週の話になるが、みずほ東証以外で目についた記事は、楽天とライブドアに関する記事だ。日本では、両者ともに新しいタイプの会社として、日本経済に新風を巻き込んでいると考えてられていて、私もそう思っているが、FTは違うトーンであった。それは、両者とも買収すると派手な花火を打ち上げていたが、結局は和解ということで落ち着いている。特に、楽天のケースでは、SMBCの西川元社長とみずほコーポレート銀行の斉藤頭取が間に入って話をまとめており、いかにも昔ながらの日本のやり方である、とのことだ。確かにFTのトーンも分からないでもないが、やはり買収は少し前の日本では、そもそもアクションを起こすこと自体が考えられなかったし、今回の楽天とTBSのケースで言えば、TBSが統合と拒んだ時点で、楽天が彼らにとってメリットがある形での統合は難しかったと思う(こちらをご参照)。三木谷社長の考えるネットとテレビの融合は、間違いなく進んでいくと思う。この問題がどう落ち着くかを見るのはまだ先の話となるだろうが、日本人からすると随分世の中変わったと思うので、FTにももう少し暖かい目で見てもらいたいものだ。あと、ジェイコム株で儲けたところが利益をみずほに返還することになったらしい(こちらをご参照)。これって、どの分が今回のトラブルによるものとか明快に分かるのかなーという気もするし、個人投資家とかでも得している人はいるだろうから、その人たちはどうするのとか、いろいろ不明瞭なものを残すような気がしてしまう。日本の株式市場として信頼性が失われてしまう側面もあるだろう。しっくりと来ないやりとりだ。利益返還する証券会社には相当の圧力があったのではないか、などと勘ぐってしまう。
December 14, 2005
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やはり今日の(というか昨日)Financial Timesビジネス欄一面には、東証のシステムが作動していなかったということと、社長が辞任するということが出ていた。どうもこのニュースが気になる。というのは、最後にどういう風に損失を分けるか、という点が非常に興味あるからだ。ピーウィーくんさんの情報によれば、システムを作った富士通にも何らかの責任問題が浮上してきているとのことだし、これから白熱していくであろう。現在、必勝交渉術というシリーズを書いているが、そのうちこのような争いごと(まだそんなに争ってはいないようだけど)も取り上げるつもりだ。みずほからすれば、東証のシステムが作動していれば損失は6億円で済んだだろうし、東証からすればみずほがもともとの操作ミスをしなければこの問題は生じなかったので、お互いが自分の利益(少なくても金銭的な)を最大化しようとすれば、完全に意見は異なるであろう。そんな中交渉して、どちらかが得をすればどちらかが必ず損をする。これは非常にお互いにとって大変難しい交渉となるはずだ。というわけでどんな交渉となるのか興味しんしん。
December 13, 2005
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先週、久しぶりに日本企業がFTのビジネス面一面に登場したかと思ったらみずほ証券の問題だった。内容は、日本のニュースにも出ているようなことであり、目新しいものはないが、先週の金曜、土曜と連日紙面を割いて報道されている。原因は、一担当者のミスとのことであるが、一担当者のミスから300億円も損失を出してしまうのであれば、これは組織として当然何らかの仕組みを作ってそのようなミスをなくすべきであり、企業としての管理体制を問われても致し方ないであろう。しかし、これにつけこんで儲けようとしているモルガンスタンレーと野村證券はさすがと思った。と思っていたら、今日のニュースで、実は東証のシステムにエラーがあって、みずほの取引取り消しが出来なかったそうだ。これって、どうやって処理するのだろうか。みずほサイドとしても東証のシステムがしっかりとしていればこのような問題が起こらなかったわけだし、損害賠償を請求できる立場にあるであろう。東証は社長がやめるだけではすまないであろう。今後が非常に気になるニュースだ。
December 12, 2005
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藤田が東京ドームに参戦できなくなったらしい(カクトウログさんの記事参照)。個人的には猪木事務所所属の藤田より、期待の中邑が挑戦したほうが、新日本のためにもいいような気がするので、カード的にはそんなに問題ではない(藤田対レスナーに期待している人も多いであろうが)。しかしながら、カードが一度発表されながら、突然試合を辞退するというのは、プロフェッショナルなレスラーとしていかがなものであろうか。藤田の株が落ちるのは間違いがないであろう。また、藤田を操っているのは猪木である。多分大晦日に何かイベントをやるので、それに藤田が必要になったのであろう。しかし、K1、PRIDEの協力がなくて、猪木に何が出来るのであろう。おととしの猪木祭りは大失敗だった。猪木もあまり無茶をしないで、名声を傷つけるのはいい加減やめた方がいいのではないか。猪木の行動を見ていると、自分がいないと困るだろう的な考えが根底にあるように思う(前に猪木と親しくしていた人が書いていた暴露本にもそのようなことが書いてあったような気がする。本の名前は忘れたけど)。また、新日本は猪木事務所に頼らないでやっていった方がいい。猪木はもう株主ではないのだから、新日本の選手を使っている限りは、文句は言われないであろう。サイモン社長になったので少しは猪木も協力的になるのかなと思っていたら全然そんなことなかった。中邑には、是非藤田の存在を消すくらい頑張って欲しい。
December 11, 2005
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今回は、複数の問題点を解決する場合の交渉術について(2者或いは2パーティによる交渉を想定)。まず、1つの問題を交渉する場合には、単純に1つのパイを2者で分けるという交渉が主である。その場合、1者が得をすれば、もう1者は損をする。一方、複数の問題を交渉する場合には、交渉によって2者が分けるパイを大きくすることが可能である。それは、お互いの優先項目が違うことから、お互いが相手の優先するものに対して妥協することにより、パイを大きくすることが出来るからである。しかし、これがうまくいかないと、パイは小さくなってしまう。また、複数の問題とはいえ、1つの問題と同じようにパイを分け合うという概念を常に内包していることに留意しなくてはならない。複数の問題を交渉しているときに問題となるのは、パイを拡げるためには、相手の情報を探りつつ、自分の情報も公開していかなくてはならないが、その一方でパイを分ける際には、自分の方が多く分け前をとらなくてはならない。そのバランスがなかなか難しい。これは後々に取り上げたいと思う。つづく
December 10, 2005
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実は、プロレス界でも結構挑戦的な戦術は使われていると思う。試合に関してではなく、試合の出場交渉などさまざまな交渉でのことである。すぐに思いつくのは、以前、高田対蝶野の機運が盛り上がったことがあったが(高田対武藤の前)、結局実現しなかったときのことだ。この時は、蝶野がNWA王者になったときに雑誌のインタビューで高田と戦いたいというような発言をして、それにUインターが反応して一気に対決の機運が盛り上がった。当時のUインターは、宮戸が参謀であり、エースの高田を使って、昔の新日本(猪木&新間)みたいに「最強」を証明しようと、いろいろと積極的に動いていた。従って、蝶野の発言には真っ先に飛びついたわけである。しかし、新日本が外部と試合をするのであれば、今までお金をかけて手に入れたベルトが流出する可能性があるとの理由で3000万円の保証金を要求してきたので話が壊れたとのことだ(UWFインター側の言い分)。何で保証金が必要であったのか私にはよく分からないが、真剣勝負でもしようとしていたのであろうか。或いは、ストーリーが出来上がっていたとしても、試合の途中で高田が真剣勝負をしかけてくるリスクを新日本は取れなかったのであろうか(実際に高田対北尾はそれに近いものがあったらしい)。いずれにせよ、もしこの話が本当であれば、この時、新日本は実現に向けてあまり動き出しておらず、最初から高い要求を出して、交渉を決裂に持っていこうとしていたのではないかと思われる。ふと思ったら、旅行先(特に発展途上国)で全く欲しくないものを売ろうとしているお土産屋に値段を聞かれて、無茶苦茶高い言い値をふっかけるというのもその1つかもしれない。でも、インドではパン1つ買うのにも最初は1万円とかをふっかけられて、それを50円くらいまでに値切ったりしなくてはならないらしい。考えてみると、挑戦的戦術というのはどこにでもあるのかもしれない。
December 9, 2005
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前回の挑戦的な戦術(Hardball Tactics)を相手が使ってきたときの対応方法。1.相手が意図的でなくこのような戦術を使って来ている時○もっと生産的に交渉するように提案○交渉のルールと手順についてまずは合意する○コミュニケーションをもっと正確にして相手の意図を読み取るようにする○問題点をコントロールする(数を減らす、問題を正確に定義する、など)2.相手が意図的に使ってきている場合○相手は交渉のプロで、相当タフだと認識しなくてはならない。その場合、自分もタフに交渉するように心がける(安易に飲み込まれたりしない)○まずは、小さい妥協をして、相手からも妥協を引き出すことにより、突破口を見出すしかし、相手が挑発的に交渉してきた場合には、困ってしまう。もしかしたら相手は交渉を壊すためにやっているかもしれない。ちなみに、私が挑戦的交渉術にもっとも優れていると思うのは北朝鮮である。プロレス界でもこのようなことは、カード交渉などの時にありそうだ。つづく
December 8, 2005
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今日は、挑戦的な戦術(Hardball Tactics)について。これらは、使い方が難しいので、効果をよく考えて使わなくてはならない。1.Good Cop / Bad Cop警察で伝統的に使われる、優しい警官と怖い警官が交互に出てきて相手を落とす、という戦術。交渉の中でもこのように役割分担できる。怖い警官役は、相手を脅かしたり、挑発したりする役目。2.Highball / Lowball常識外のオファーを出して、相手を挑発する。3.Bogey重要ではない問題を重要であるように振舞って交渉する。このように振舞うと、交渉の中で、最終的に重要でない項目を勝ち取ってしまうことも有りうるので、使い方が難しい。個人的には、交渉の要素がなくなってしまったときに、重要でない項目に対してBogeyを使って、本当に重要な項目での相手の妥協を引き出すときに使ったりする。4.The nibble交渉の最後の方で、駄々をこねて相手になんらかの妥協やプラスアルファを迫る。これは比較的使いやすいかも。5.Snow Job難しい専門用語や、情報を大量に相手に伝えて、相手を混乱させて、交渉を有利に持っていく。相手からは嫌われるであろう。これらの戦術は自分から使わなくても相手が使ってくることがある。というわけで、次回は相手が使ってきた場合の対応策。つづく
December 7, 2005
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昨日のつづき。ミスター高橋本で紹介されていたエピソードは、バックランドが負けるシナリオをオファーしたところ、なかなかそれを受け入れず、最終的にテレビの生放送が終わった後に負ける、という条件でバックランドがこのシナリオを受け入れたというものだ。この時は、バックランドは長々と試合をして生放送が終わるのを待っていたらしい。バックランドは自分のレスラーとしての価値、というものに非常に敏感で、自分の負けはなかなか受け入れなかった。そこで、最終的にそのシナリオに合意する条件として出されたのが、テレビに映らなければいいというものであった。また、昨日紹介した不可解な状況下でのスリーカウント、というのも、相手によってフォールされたわけではなく、自分が技をかけようとしている状態でスリーかウントを許したものなので、バックランドの価値を下げるものではない。このように、バックランドの交渉術というのは、結果は受け入れるものの、自分の価値を下げないようにする何かプラスアルファを得て合意する、というものであった。そういえば、両者ダブルカウントフォール状態から1人だけ肩を上げて勝ち、という試合もあったような気がする(もしかしたらバックランドじゃないかもしれないけど)。多分プロレス界では、この類の交渉というのは結構行われているのではないかと思う。
December 6, 2005
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昨日の記事で、交渉を最後にまとめる際の戦術をいくつか示して、その中に、最後に相手に何かプラスアルファを与えて合意する、というテクニックについて述べた。これは何かおまけをつけて買わせる、など非常に古典的な方法であるが、この話を聞くと思い出すレスラーがいる。元WWF(現WWE)ヘビー級チャンピオンのボブ・バックランドだ(そういえばUインターにも来ていましたね)。今のWWEを考えると隔世の感があるが、当時のWWFは全盛時代の新日本と提携しており、バックランドはホーガン、アンドレらと共によく日本に来ていた。猪木ともWWF戦を行ったりしていた。また、当時、藤波がヘビー級に変更したばかりであったが、藤波との対決も黄金カードの1つであった。その中で、私がフィニッシュを鮮明に覚えているのは、バックランドが何か返し技をかけようとしている中で(これは後でたるぞんさんよりキーロックだったとのご指摘を頂きました。私も思い出してきました。たるぞんさん、どうも有難うございました)肩がマットについてしまい、ミスター高橋(だったと思う)がスリーカウントを取ってしまった、という試合だ。藤波がお決まりの指3本を立てて、レフリーにカウントが入っているのを確認するポーズをしていた(ような気がする)。普通であれば、明らかにフォールを狙っているという状態でなければ、肩がついていてもいちいちカウントを取ったりしない。この時は、非常に不可解な感じがしたものだ。その謎を解決する糸口がつかめたのは、ミスター高橋暴露本を読んだ時だ。つづく
December 5, 2005
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一度、交渉が始まれば、お互いどこまで妥協していくか、ということで最終的な合意をすることになる。最終的に合意する時の戦術として、以下の戦術がある(1が一番弱くて、だんだんと相手に対して強く合意を迫るという順序)。1.相手にお互い納得できる代替案を提示して合意する2.お互いのオファーが離れているときは、真ん中をとって合意する3.最後の一押しで何か相手にプラスアルファを与えて(例えば車を買うときに何かおまけでつけるなど)合意する4.まだ合意していないときにも、合意した場合の手続きを進めて合意させる(何か買い物しようとしているときに、店の人がレシートを書いたり、或いはまだ予約すると決めていないのに予約してしまう、などがこれに当たる)5.自分より上の意思決定者の意思だとして、合意を迫る(相手はどうしようもなくなるが、交渉の最後のほうにしか使えない。何故ならば交渉中に言うと自分が相手にされなくなるから。)6.最後のオファーだとして、これを受けなければ交渉決裂だとして、合意を迫る(これは、危険なかけにもなるので、自分のReservation Price、相手との将来の関係なども踏まえてよく考えてから実行する)7.今すぐに意思決定しないと交渉決裂だとして、相手にその場での意思決定を迫り、合意させる(相当強気なので、いい条件を持っている人が、交渉の初期段階でこの戦術を使ったりする)つづく
December 4, 2005
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昨日の記事に関連して。実は、交渉というのはプロレス界でも頻繁に起こっている。マッチメーカーによる他団体選手との交渉もそうだし、プロレス団体の方針においてもいろいろと交渉ごとはあるであろう。その中で、相手のReservation Priceを読み違えて、痛い目にあったと思えるのが、三沢選手らが大量離脱したときの馬場元子さんである。Reservation Priceという響きは、価格に関連するというイメージがあるが、必ずしも価格交渉だけに使われるわけではなく、この条件を満たさなかったら交渉決裂というポイントを表す。三沢達が離脱した原因は、全日本に新しい風を吹かせようといろいろ企画したが、ジャイアント馬場さんがいた頃から続く伝統にこだわる元子さんに認められず、結局新団体ノアを起こすこととなった。三沢は、元子さんとの話し合いがうまくいかない中、自分で団体を起こすという代替案を育てていき、それをReservation Priceとしたのであろう。つまり、Reservation Priceを下回ることしか全日本で実現できないのであれば、独立して新団体を作ろうと考えていたはずである。元子さんは、それに全く気づいていなかった。結局全日本には川田選手と渕選手しか残らず、伝統を守るも何も生き残り策に奔走しなくてはならなくなり、結局は以前だったら絶対に有り得なかった新日本との開戦へと突き進んでいき、挙句の果てには新日本から移籍した武藤選手を社長にしてしまった。歴史は繰り返すで、王道プロレスを目指すべくキングス・ロードなる新団体が最近出来たが、ノアには全日本の主力選手が集まり、新しい企画を打ち出す中でも伝統的な王道プロレスの継承者としてプロレス界に君臨している。当時の元子さんの選択で言えば、王道プロレスを守るということであれば、三沢選手との話し合いの中で妥協した方がよかったわけだ。これは、元子さんが、自分がどれくらいのReservation Priceを持っているかに対する理解がなく、また、三沢選手がどれくらいのReservation Priceを持っているかも把握していなかったということから生じてしまったのではないかと思われる。従って、自分のReservation Priceを高めるとともに、相手のReservation Priceも把握した上で交渉をしていかないと、本来合意すべきものを否決したり、その逆だったりと誤った結論を引き出してしまうことがあるので注意しなくてはならない。
December 3, 2005
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ずっと前に書いた必勝交渉術(1)(こちら)の続き軽く復習すると、交渉の際には、必ず交渉が決裂した場合にどうなるかという代替案を用意しておかなくてはならない。よりよい代替案があればあるほど、交渉が強くなる。そして、交渉に臨む前には、Reservation Price(この条件を勝ち取れなければ決裂した方がいいというポイント)を用意しておく。代替案が強ければ強いほど、Reservation Priceはよくなり、交渉に有利。代替案が1つであれば、Reservation Priceとほぼ同じ(手間とかも考慮に入れる)。もし、代替案が複数ある場合でそれぞれの代替案を成約する可能性が100%でないのであれば、可能性も考えてReservation Priceを考える。また、Reservation Priceより上のターゲットもしっかりと考えておき、そのターゲットを目指して交渉するようにする。実際に交渉に入るときには、自ら最初のオファーを出した方が有利。何故ならばそこを基準に相手も考えるようになるから。オファーは当然ターゲットより上。そこからReservation Priceまでが自分が交渉を締結してもよりBargaining Zoneとなる。相手にもBargaining Zoneがあるはずであるが、お互いのBargaining Zoneが重ならない場合には、交渉しても意味がないので、打ち切るべし(海外のお土産ものを買おうとしているときにはこのようなことがよくある)。従って、交渉の際には相手のReservation Priceを知るということが非常に重要となる。Bargaining Zoneがないかもしれないし、その場合には交渉をストップすればよく、もしBargaining Zoneがあるようであれば、相手のReservation Priceを推察することにより、よりよい条件を勝ち得やすくなる。つづく
December 2, 2005
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今日、ネットサーフィンしていたら、「パンクロックの雄セックス・ピストルズ、遂に『ロック」の殿堂入り』との記事が。以前にも書いた通り(こちら)、自分は一時期ピストルズにはまっていた時期があったので、へー、ピストルズも最早そういうのを受けるようになっちゃったんだ、サーの称号を受けたミック・ジャガーと同じだな、なぞと思いながら記事を見てみると、同時にブラックサバス、レーナード・スキナード、マイルス・デイビスなども殿堂入りとのこと。実は、ブラックサバス、レーナード・スキナードはプロレス界と関係がある。ブラックサバスの「アイアンマン」はロード・ウォリアーズのテーマ曲だったし、レーナード・スキナードの「フリーバード」は、あのフリーバーズのテーマ曲だ。そこで、「フリーバード」である。これは、名曲中の名曲である。前半の美しい旋律から後半の激しいギター三重奏まで10分近くあり、構成的にはツェッペリンの「天国への階段」をほうふつさせる。今も「フリーバード」を聴きながらこれを書いているけど、この曲を聴くとなぜだか分からないけど、何となくノスタルジックな気分になってしまう。レーナード・スキナードって確か、高校時代の体育教師かなんかの名前だかあだ名だかからとってきたふざけた名前だった。飛行機事故にあって、結局解散に追い込まれたけど、ロックバンドらしいヒストリーだ。「フリーバード」を知ったのは、マイケル・ヘイズ、テリー・ゴディ、バディ・ロバーツのザ・ファビュラス・フリーバーズが入場曲を使っていたからだ。オリジナルではなかったけど(ヘイズが歌っていたという気もする)、ほとんど原曲と一緒で最初に聞いた時から好きになった。フリーバーズはテキサスとかを中心に活躍していて、エリック兄弟とかと抗争をしていた。日本では、チームとして何度か全日本プロレスに来ていた。マイケル・ヘイズは典型的なアメリカンレスラーで、旗(アメリカ国旗だったような気もするし、フリーバーズの旗だったような気もする)を掲げながらの入場やフレアー的なオーバーアクションが結構好きだったけど、日本に一番なじみがあるのはその後日本を主戦場にしていたゴディだろう。個人的な思い入れはそんなにないけど、若かった頃の彼は自分の記憶の中によく残っている。例えば、テリーファンクの引退試合で、最後に回転えび固めで丸め込まれたのはゴディだったし、鉄の爪フリッツ・フォン・エリックの引退試合もゴディだったような気がする。ゴディを最初に見たのは馬場さん(なぜかさん付けしたくなりますね)がアメリカ遠征行って当時若手だったゴディと戦ったときで、試合開始前からロープワークを激しくやっていたのを今でも鮮明に覚えている。結構どうでもいいことを覚えているものだなあと。やっぱりプロレスが好きだったんでしょう。
December 1, 2005
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というわけでランキングシリーズ最終回は、Best for Shareholder Value、Best Turnaround、Best Customer Services、Best for Innovation (CEO投票とファンドマネージャー投票)の上位3社&日本関連。Best for Shareholder Value1位 Microsoft2位 GE3位 トヨタBest Turnaround1位 日産2位 Apple3位 IBM7位 トヨタBest for Customer Services1位 トヨタ2位 Dell3位 IBMBest for Innovation (上がCEO投票、下がファンドマネージャー投票)1位 Microsoft 2位 トヨタ 3位 Apple 5位 Sony Ericsson 1位 Microsoft2位 Dell3位 Apple8位 トヨタというわけで、ここでも同じような顔ぶれが。トヨタの株主の方、トヨタに乗っている方、ご安心を。株主価値は3位だし、顧客サービスは1位。おまけによく分からないけど、ターンアラウンドで7位。日産の1位はよく分かるけど。FTランキングシリーズ終わり
November 30, 2005
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Financial TimesによるMost Influential Business Writer & Management Guruランキング。これは、世界中の経営者の方に、経営に関する考え方などで影響を与えている人のランキングと置き換えてもいいであろう。ランキング上位+日本関連は以下の通り。1位 Peter Drucker2位 Bill Gates3位 Jack Welch4位 Philip Kotler5位 Michael E Porter6位 Jim Collins7位 Richard Branson8位 Warren Buffet9位 Tom Peters10位 Stephen Covey12位 Kenichi Omae14位 Carlos Ghosnちょっとでもビジネスに興味のあるような方であれば、ご存知であるような顔ぶれが並んでいるが、1位のドラッカー氏は残念ながらこのランキングが発表された直後くらいに亡くなってしまった。日本からは、大前健一氏が12位にランクイン。外国の本屋さんでも結構目につく場所に本が並べられていたりして凄いなーと思っていたら、やっぱり相当影響力がある方なのですね。カルロス・ゴーン氏も14位に。その他のランキングがいくつかあったので、次回にまとめて日本関連のところだけご紹介。
November 29, 2005
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この前の世界で尊敬されている会社ランキングのつづき。Financial Timesは、経営者ランキングというのも作っていた。ランキング上位及び日本関連は以下の通り(肩書きはFTによる)。1位 Bill Gates (Microsoft Founder)2位 Jack Welch(GE前会長)3位 Carlos Ghosn(日産/Renault)4位 Steve Jobs(Apple)5位 John Browne(BP)6位 Michael Dell(Dell)7位 Richard Branson(Virgin)8位 Hiroshi Okuda(トヨタ前会長)9位 Warren Buffet(Berkshire Hathway)10位 Jeffery Immelt(GE)20位 Fujio Cho(トヨタ)31位 Carl-Henric Svanberg(Sony Ericsson)ここでもMicrosoft、GE強し(GEはトップ10に2人も送り込んでいる)、という感じだが、カルロス・ゴーン氏の3位というのも凄い。日産のTurnaroundを実現したというのは、世界中に知れ渡っている。同じ自動車業界では、トヨタも奥田氏&張氏とトップ20に2人送り込んでいる。でもこのランキングは、世界中のCEOや投資家が決めているらしいので、国際的に業務展開している企業の経営者が有利ということなのだろう。次回は、ビジネス書の著者、マネージメント・グル・ランキング。日本人もランクインしていますが、それは誰でしょう。
November 28, 2005
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猪木が新日本をユークスに株式を売却した際、このブログでも関連する話を書いていたが(こちらとこちら)、お前らの好きにはさせねえ!さん(こちら)に面白い話が。週刊ファイトでの新間寿氏へのインタビューによると、猪木事務所が新日本を買おうとしていたらしい。これは、新日本からすると、確かに敵対的買収かも(笑)。昔から猪木は何かとカードにいちゃもんをつけて、せっかく新日本がドーム興行を盛り上げようとしていたのを邪魔したり、緊張感がない!などと言いながらも女子レスラーであるチャイナをリングに上げたり、殺るか殺られるかの試合を見せろ!といいつつエンターテインメントであることを告白済みのWWEの選手を新日本のリングに上げたり、外から見ていてもいろいろ問題はあった。「だったら、株式の過半数を持っていることだし、いっそのこと猪木が直接経営をやればいいではないか」と自分は思っていたのだが、猪木によればそんな時間はなかったらしい。永久電池の研究に忙しかったのであろう。でも、より自分の意思を反映できる猪木事務所への株式売却は検討していたらしい。自分は週刊ファイトを入手できないので、そこで新間氏が語っていることの詳細は分からないのであるが、多分猪木事務所へ売却した場合には、新しいキャッシュが入るわけではなく、それだと新日本は本当に倒産してしまうという状況、更には猪木事務所が新日本向けに持っている債権も回収できないという状況で、結局新しくキャッシュを注入できる会社が入ってこないと両方ともまずい両方だったらしい。そこで、猪木が株式を売って、資金力のあるユークスが新日本に入り、更にはそれにより猪木事務所の持っている債権も回収するという話らしい。うーん、週刊ファイトが見てみたい(もしご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい)。
November 27, 2005
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ちょっと前のことになるが、11月18日のFinancial Timesで、世界で尊敬されている会社というランキングが出ていた。欧米社会では何でもランキングにするのが好きだなあと少し閉口しつつも結構興味深かったりする。この特集の中でいくつかのランキングが紹介されていたのだが、まずは、メインの世界で尊敬されている会社ランキング。1位 マイクロソフト2位 GE3位 トヨタ4位 コカコーラ5位 IBM6位 Wal-Mart7位 BP8位 P&G9位 アップル・コンピュータ10位 シーメンス18位 Sony Ericsson20位 ホンダ37位 日産トヨタはもう世界で3番目に尊敬されている会社になっている。日本で強いのは、やっぱり自動車で、3社もベスト50にランクイン。ソニーも名前を出している。1位から5位までは、若干のランクの入れ替えはあるものの、5社とも同じ顔ぶれなので、こういうのは蓄積されたものがものをいうのであろう。ちなみに、アップルは去年は42位だったらしいので、iPodのおかげで大幅ランクアップ。世界で最も尊敬されるビジネス・リーダーズ・ランキングにつづく。日本人はベストテンに入っているでしょうか。
November 26, 2005
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前回の記事までに、IPOのメリットとデメリットを述べたが、ここで、最近、話題になっている村上ファンドによる阪神電鉄などの株買占め、楽天による金にものを言わせたTBS買収について考えてみる。阪神電鉄もTBSも株式を公開しているから、このような問題が起こるからである。まず、IPOというのはメリットもあれば、デメリットもあるということだ。IPOすれば、資金調達などが容易になる、などいくつかのメリットがある一方、全く自分たちが感知しないところで、好ましくない人たちが株主になってしまう可能性もある。IPOする際には、当然、そういったリスクを考えてIPOしたはずであり、それを今更買い増しは勘弁してくれ、などというのは、はっきりいって経営者として駄目っぷりを露呈しているとしか思えない(別にTBSの井上社長に限ったことではないけど)。というわけで、今後とも買収に対する偏見などは減っていき、日本の経営者もきちんと株式市場を見て、自社の株価動向、株主動向をきちんと把握した上で、株価が本来の価値に見合うレベルとなるように(低いと買収ファンドの標的にされるから)、市場との対話をきちっと行っていかなくてはならないということだろう。この流れはもう止めることは出来ないであろうが、実は、日本式の経営に大きな影響を与えることになると思う。日本では、従来から株主価値というのは軽視されてきたように感じる(海外投資家が多い企業は別だが)。しかし、今後は株主をより意識した経営(他の利害関係者、例えば従業員よりもより株主を意識する経営など)というものも求められていくではないであろうか。
November 25, 2005
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IPOの話の続き(前回のはこちら)。前回までは、IPOのメリットについてまとめたので、今回はデメリットについて。まず第1に、IPO自体が非常にコストと体力がかかるということだ。例えば、IPOは通常業務に加えての追加業務となるので、そのために人材を投入する必要があるだろうし、投資銀行・証券会社などにも高いフィーを支払わなければならない。第2に、IPOした後には、パブリックな投資家たちに対する会社状況の説明が必要となるので、投資家との良好な関係を保つためにディスクロージャーに力を入れなくてはならないであろう。これは、当然ながらそれを行う人の確保、社内情報整理のための時間、など時間的なものも含めたコスト増につながるだろう。第3に、パブリックな投資家が入ることにより、今までプライベート株主の間で会社をコントロールしていたものが維持しにくくなるであろう。第4に、会社経営陣は、株主の意向に沿う形で経営を行う必要があるが、株主が多くなることによって、その実現がより難しくなるであろう(Agency Problem)。第5に、投資家の持っている情報と会社が持っている情報は、本来同一であることが望ましいが、それも難しくなる。マーケットとうまく対話していかなくては、株価が本来あるべき価格より下がってしまう、などの問題も出てくるであろう。つづく
November 24, 2005
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先週はさらに音楽づいて、ベートーベンコンサートへ。もともと好きな曲2つだったので(あと、レオノーレ序曲も)、忙しいのに調子に乗っていってしまった。人気曲のせいか会場は超満員。指揮者Haitink、オーケストラLSO、バイオリンZimmermann。全然指揮者の知識がなかったのだけど、どうやらこの日の指揮者は非常に早い。自分は、フルトベングラーのCDで育ってきたので、何か違和感が。Zimmermannは私的には美しいバイオリンでよかったのだけど、文句を言っている人も(多分技術的には優れているけどハートに迫ってこないということだろう)。結構いいのに小うるさい聴衆もいるものだ、と思っていたら、7番ですぐに自分も同じ思いをすることに。7番はベートーベンの中では5番の「運命」と並んで好きな交響曲だが、多分この日の7番は、世界で一番早い演奏だろう。ちょっと自分には早すぎ。特に2番とかは、もう少しゆっくりで重々しいほうが個人的には好きだ。多分ベートーベンもそっちの方がいいと思うに違いない。それはまあいいとして、何故か管楽器のレベルが最悪で(というかホルンの2人)、音楽を壊しまくっていた。第一楽章で既に「なんじゃこりゃ」と思ってしまったので、いまいち楽しめず。折角7番期待していたのに残念。でもその後の、音楽を肴にしたパブ飲みはGood。
November 23, 2005
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ここ最近、音楽の話づいていたので、ついでにジャズの話も。今月、わが街でジャズ・フェスティバルが開催されていて、私もちょっと行ってみようかという気になった。しかし、私が持っているジャズCDはほとんどジャズ・ジャイアンツと呼ばれる伝説の人たちで、今は残念ながらほとんどの人が生きていない。というわけで、名前を聞いたことがあるというだけの理由(つまり、1960年代くらいから活動していたということ)で、アーチー・シェップのコンサートに行くことに(先週くらいかな)。前座は、Mina Aggossiという女性ジャズ・シンガー。パリベースで、欧州大陸では既に結構人気があるらしい。ベースとドラムとのトリオで登場。そして、何とドラムはOnoe Ichiroさんという日本人の方。当初は、全く期待していなかったがこれが結構楽しめた。Ichiroさんのドラムソロは、一番盛り上がっていたかも。彼女の曲で一番印象に残ったのは、”3rd Stone From The Sun”。もともとはジミヘンの曲らしいが、ベースが印象に残る綺麗な曲。そして後半はアーチー・シェップが登場。自分は名前を知っているだけだったが、やっぱりLegendといわれるだけあって大人気。もともとサックス・プレーヤーだけど半分ブルースシンガーみたいになっていて味のある歌も聞かせてくれた。なぜか3曲もセロニアス・モンクの曲を。自分はモンクを聴きまくっていた時代があるのでこれは嬉しい。ルビー・マイ・ディア、ベムシャ・スィング、ラウンド・ミッドナイトだったのだが、なじみがあるせいかこれが一番よかった(一番好きなストレート・ノー・チェイサーは残念ながらとりあげられなかったけど)。というわけで、あまり分からないなりにも結構楽しかったのでもう少しジャズもいろいろ行ってみようかと。
November 22, 2005
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テレビ番組、"Who Killed The Rolling Stone?"の続き(前編はこちら)ブライアンに追い討ちをかけたのが、モロッコ旅行中の出来事である。ブライアンはガールフレンド(アニタ・バレンバーグ)とキースと3人でモロッコに行ったが、旅行中にアニタがブライアンからキースに乗り換えてしまった。それ以降、ブライアンとキースは1年以上も口を聞かなかったらしい。ブライアンのストーンズ在籍時代末期は、ドラッグでぼろぼろになり、ギターリストとして、使いものにならなかった。ゴダールの映画「One Plus One」では、ブライアンが「悪魔を憐れむ歌」を演奏している映像が出ているが、うつろな目で演奏していて相当哀しい映像だ(映画は小難しくて何が言いたいのかよく分からなかったけど、映像を見ているだけでも面白い)。かくして、ブライアンは1969年6月9日にストーンズから脱退して、郊外の自宅にこもってガールフレンド、執事のような面倒を見てくれる人(フランクという)とともに暮らしていたが、1969年7月3日にプールから死体で発見される。この日はブライアン、ガールフレンド、フランク、フランクのガールフレンドの4人がこの家にいた。一般的には、ブライアンの死はドラッグ&アルコールの影響によるプール内での溺死ということになっていたが、このテレビ番組では、フランクが犯人なのではないか、ということを示唆して終わった。フランクはもう亡くなっているが、亡くなる直前にブライアンを殺したことを告白した(ただし、信憑性は確認できていない)。また、当日一緒にいたブライアンのガールフレンドも、フランクが偶然ブライアンを殺してしまったのではないかと証言している。彼女の説明は詳細であり、非常に説得力がある(彼女自体もうおばあさんなのが、時の流れを感じる)。ブライアンが生きていたらどんな人生を送っていたのであろうか。でもその直前の状況を考えると、遅かれ早かれ死は迫ってきていたようにも感じる。ストーンズ関係のビデオでは、ブライアンの死のシーンでは、”Blue Turns To Gray”がよく流れる。だから、私の中ではこの曲を聴くと、私が生まれた時には既にこの世に存在しなかったブライアンを思い出す。
November 21, 2005
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この前、新日本が買収されたことについて書いたとき(こちら)、新日本が言っていた敵対的買収の脅威から自社守るためにユークスに買収をしてもらったというような発言について、そもそも非上場で猪木が過半数の株を持っているのに敵対的買収も何もないだろう、と思っていたら猪木も同じことを言っていた(こちら)。で、私が疑問に思ってしまったのは、じゃあ何で新日本はそんな発表をしたのだろうということである。事実として確認できていることは以下のとおりだ。・大株主である猪木に対していくつかの会社から援助の申し出があった・猪木は援助を申し出ている会社、と表現した・しかし、新日本は、それらの会社を敵とみなしていた・結局、猪木はユークスに株式を売却して、新日本はそれを歓迎したそこで考えられるのは(というか勝手に私が考えたのは)、何れにせよ、新日本は最近の台所事情の悪さから、資金がどうしても必要であった。しかし、ただ新日本に金を貸すという会社は見つからず、株主という形で迎え入れるしか資金を引き出す方法がなかった(株主になれば、経営がよくなったときのアップサイドを得ることができるので、追加資金を注入するインセンティブとなる)。一方、猪木はそれを理解いていたので(か、もしくは単にキャッシュが必要だった)、自分の影響が及ぶ会社に売ろうとしていたが、金額などの条件がよかったか、もしくは新日本プロレスサイドからの意向に従って、最終ユークスに売却することにした、というような感じなのではないだろうかと思われる。というわけで、新日本からすると、ユークスに面倒を見てもらうのが一番との判断だったのだろう。何れにせよ、猪木が自分の影響力があまり及ばないと思われるユークスに株式を譲渡したので、いくら社長が娘婿とはいえ、新日本プロレスから一歩引く決断をしたのだろう。従って、今後は猪木がカードに対して文句を言ったり、何かと口出ししてくることはほとんど無くなっていくのではないか。このことは、プラスの影響もあれば(それは猪木が新日本の方針に文句をつけなくなる)、マイナスの影響もある(やっぱり新日本のカラーは猪木カラー)。まずは、藤田和之が猪木事務所所属として、レスナーと対決する1・4東京ドームで猪木がどのように絡んでくるのかが注目だ。
November 20, 2005
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先週、テレビで音楽特集ということで毎晩音楽関係の番組をやっていた。昨日まで、ご紹介したBest Gig 20もその中の1つであったが、もう1つ印象に残ったものが“Who Killed The Rolling Stone?”という番組だ。これは、初期ローリング・ストーンズのリーダーだったブライアン・ジョーンズの物語だ。ブライアンは当初バンドのリーダー的位置づけで音楽的な主導権を握っていたが、ミック・ジャガーとキース・リチャ―ズの2人にバンド運営のそれを奪われて、バンドからの脱退に追い込まれ、その直後にプールで変死してしまった。そして、その直後に行われたハイドパーク・コンサートは、急遽ブライアン追悼コンサートとなってしまった。ブライアンがバンドの主導権を握られてしまったのは、彼に作曲能力がなかったからだ(と言われている)。デビュー当時、ストーンズはリズム・アンド・ブルースのカバーを中心に演奏しており、この種の音楽に精通していたブライアンは音楽的主導権を握っていた。しかし、ストーンズのマネージャーであったアンドリュー・ルーグ・オールダムは、ストーンズをビートルズのライバルに仕立てあげようと考えており、既に自分たちで作詞作曲をしていたビートルズに追いつくためには、バンドで作詞作曲を行わなくてはならないと考えた。そして、ミックとキースにそれをやらせた。ブライアンにはこの面での才能がなかったからである。ブライアン名義のアルバムは私の知る限りモロッコで彼が録音してきた音楽をレコード化したジャジューカだけであり、これはこれで素晴らしいが、彼自身の音楽ではない(個人的にはこのCD大好きです)。確かにミックとキースはその後サティスファクションを初めとしてヒット作を連発して、オールダムの選択の正しさを証明したわけであるが、ブライアンはバンド内に居場所がなくなってきて、どんどんドラッグにはまり込んでいった。アルバムジャケットではDecember’s Childrenではブライアンが1人だけ座って孤立している形となっており、Flowersではブライアンの茎だけ葉っぱがない。つづく
November 19, 2005
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昨日のBest Gig 20の続き。我がストーンズは、1969年7月(確か5日?)のハイド・パーク・コンサートが9位にランクイン。この時の演奏ってそんなによくないけど、やっぱりコンサートの48時間前に亡くなったストーンズを作ったBrian Jones追悼コンサートという意味合いと、1969年という時代背景、1970年代前半のMick Taylorを迎えての黄金時代直前、などの時代背景を踏まえて、ストーンズの中ではこれが一番ということになったのだろうか。このコンサートでのMick JaggerのBrian追悼の詩をコメンテーターが酷評していたけど、私も同感だ。どう考えても心がこもっていない(ストーンズの中ではMickが一番好きだけど)。ちなみに、4位は、セックス・ピストルズの初ライブ(マンチェスター)で、観客は40人くらいしかいなかったけど、歴史的にインパクトがあったということで4位。ちなみに、ずっと前にRolling Stone誌か何かで行われたロック・アルバムベスト100みたいなのでもピストルズはビートルスのサージャントペッパーに続いて2位(3位はストーンズのExile On Main Street)で、専門筋の評価はすこぶる高い。私も高校時代だったか、ピストルズにはまったことがあって、いまだに好きだ。テレビでは、ジョニー・ロットンが絶賛されていたけど、シッド・ビシャスのコメントはなし。へー、という感じだった。その他は、U2、オアシス、ザ・フー、ブルース・スプリングスティーン、クラッシュ、ピンク・フロイド、エルトン・ジョン&ジョン・レノンなどの面々がベスト20に入っていた。ツェッペリンは入っていなかった。ちなみに自分が行ったことのあるコンサートは、残念ながらなかった。。。
November 18, 2005
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このランキングは一体何のランキングかというと、先週、あるテレビ番組でやっていたWorld Best Gig 20のベスト3のランキングである。IPOの話の途中だけど忘れないうちに書いておこう。1位のクイーンは、1985年のライブエイドでのパフォーマンスで、ライブエイドの意義と共に、当時は今ほどの地位を築いていなかったクイーンが最高のパフォーマンスを見せて大スターへの道を歩み始めたということで、栄えある1位となった。私もポール・ロジャースの復活クイーン(そういえば最近、日本にも来たようですね)を見に行ったり、クイーンMusicalのWe Will Rock Youを楽しんだり、王様の直訳カバーを聞いたりして、それはそれで素晴らしいけど、やっぱり、フレディのいるクイーンは全然違うなぁ。そういえば、イギリス人って本当にクイーンが好きみたいで、毎日、We Will Rock Youをやってもちゃんとお客が入るけど、実はクイーンを最初にスターとして扱ったのは、日本人で、海外ツアーのときにもカタカナで書いた「クイーン」Tシャツだのトレーナーなどが売り出されて、外人も普通に着ているのがおかしかった。2位のジミヘンは、伝説的なウッドストックでのパフォーマンス。「星条旗よ永遠なれ」の即興演奏が高く評価されていた。この時のパフォーマンスは、我が愛するストーンズ1981年のUSツアーのときの、締めの曲として、「Still Life」にも録音されている。でも、このとき、ジミヘンって23歳だったとは知らなかった。やはり天才。3位のディランは、エレキを初めて用いたどこかのコンサート。「Hiway61 Revisited」をちょうど出した直後くらいのだと思う。「Like A Rolling Stone」はちょうどこのときの時代のものだ。この曲は私の大のお気に入りで、中学生時代にそれこそ何百回と聞いたのを思い出す。これは、Brian Jonesのことを歌ったものでは?と思ったときもあったが、実際はそんなことないのか。つづく
November 17, 2005
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IPOのメリットからの続き。現在、村上ファンドが阪神電鉄の株式を一部買収して、阪神球団の上場を提案している。そこで、阪神タイガースの上場の意味である。まず、IPOのメリット1点目の資金調達という観点から考えると、確かに上場すれば、資金を得ることはできるであろう。しかし、球団運営というのは、事業拡大していくわけではなく、今まで上場していなくても運営してこれたわけであり、絶対必要というわけではないであろう。メリット3点目の株価のターゲットは、阪神タイガースの場合、球団運営ということであり、他の球団の運営状況との比較は現時点でも可能であろうから、メリット感は少ない。メリット4点目の株式をM&Aに使えたり持ち株制度を使えたりすることも、タイガースがM&Aをすることは当面なさそうであるし、従業員持ち株制度というのは面白そうではあるが(選手に株のオプションを与えたりもできるかもしれない)、次回に述べるデメリットよりメリットが大きいとは思えない。多分村上ファンドにとって一番重要なのは、2点目のIPO実現により現在株式を持っている人が得するということであろう。阪神球団は、阪神電鉄によって保有されており、球団が上場すれば、電鉄が得する。ひいては、電鉄の株を保有している人、つまり村上ファンドも得することが出来るのである。また、村上ファンドは、最終的には阪神球団がIPOしなくても、電鉄の株価が上がれば売り抜けてマージンを得ることが出来る。IPOが実現しなくても、大きな利益を上げることが出来そうである。その他IPOすることにより、知名度が上がる、注目度が上がる、などということも考えられるが、阪神タイガースの場合、それは必要ないであろう。以上より、今回の阪神タイガース上場の話は、IPOが実現したとしても、一番得するのは、村上ファンド自身(阪神電鉄のその他の株主も)であり、球団はもとより、ファンにとってもあまりメリットがなく、かえってIPOによるデメリットが多いようだ。というわけで、次回はIPOのデメリットについても考えてみる。
November 16, 2005
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本日、株式会社ユークスがアントニオ猪木持分の株式を取得して子会社化したとのことだ。びっくり。(ニュースはこちら)買主のユークスの立場から考えてみると、半分救済の意味もあるようだけどユークスは上場済みなので、株主の利益に反することは出来ないので、彼らのメリットを考えれば、以下のようなことがあるのであろう。まず1つ目は、新日本の経営は悪化の一途を辿っている。従って、ユークス自身が経営に関与出来る50%以上の株式を取得することで、その経営を変えて新しいValueを加えることが出来る。ユークスが行った新日本の価値評価は、取得価格よりも高いはずである。これは、通常のM&Aとは逆である(こちらをご参照)。新日本側から経営統合を申し入れたようなので、それが影響しているだろう。草間本によると、新日本は売掛金を回収出来なかったり、社員が勝手にチケットをばらまいて代金を回収していなかったらしいので、そこらへんの経営のいい加減さは、上場している会社が経営にまわることで、改善されていくであろう。第2は、ユークス自身はゲーム、DVD販売をしているので、今回の統合によって、新日本を、よりゲーム、DVDへのアピール度が高くする経営をすることにより、統合効果を生むことを考えているのだと思う(ソフト面での統合効果)。ただし、これはもともと新日本とは業務提携をしているので、どれだけプラス効果があるか分からないし、ユークスは他団体のソフトも販売しているので、他団体との関係は大丈夫なのかと心配になってしまう面もある。だから、ユークスは新日本を変えてしまうという前提で(例えばハッスルみたいな路線にするとか)、買収に乗り出したのではないかと勘ぐってしまう。猪木が株主だと難しいことが、ユークスだと出来てしまう。猪木が今後、どのような立場で新日本と関わっていくかも興味がある。猪木色が弱まっていくことは確かだろうけど、娘婿のサイモンが社長なので、ある程度はサポートしていくと思われる。でも、何だかんだいいつつも(これが結構重要だったりもするが)猪木ブランドで大きくなってきた新日本なので、猪木の今後の動向、或いはユークスがプロレスを方向転換したりしたら、社員やレスラーに何らかの影響を与える可能性はある。猪木は何で売ったのであろうか。至急でキャッシュが必要なのだろうか。ニュースによると、猪木の希望の10億円から交渉がスタートしたということだが、一時期はあれだけ隆盛を誇った新日本の株50%がこの金額(実際は多分これより下だと思われる)というのは少し寂しい気が。あと、新日本はある会社から敵対的買収を受けていたということだが、疑問としてそもそも株式がPublicで売買されていなくて、かつ猪木が50%以上持っているのに、その会社はどうやって会社を乗っ取ろうとしたのだろう(ある会社がドリーム・ステージ・エンターテイメントだったりして)。猪木が新日本サイドに立てば、どう頑張っても過半数の株式取得は成立しないのに。でも、この1件で、以前、敵対的買収からの防衛方法を書いていたときに(こちらをご参照下さい)、自社と友好関係にある会社に売却してしまう、という方法を書き忘れたことに気づいた。取り急ぎ感じたことを書いた。この件はもっと情報欲しいですね。
November 14, 2005
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最近、ライブドア、楽天、村上ファンドが金にものを言わせた買収に乗り出していることに対して、反感を持っている人たちも多いらしい。上場していると、このように買収の対象となってしまう。そこで、そもそも何で企業は株式公開(IPO)するのか、その際にどのようなリスクがあるのか、ということを考えてみた。まず、IPOするメリットについて。第1に、IPOを通じて資金調達が出来る。その後も株式を発行することでより大きなマーケットで資金調達できる(IPO前であれば、限られた人たちへの株式発行、銀行借入れ、ベンチャーキャピタルなどからの出資が考えられるが、上場すればあらゆる投資家からの資金調達が可能となる)。第2に、IPO時に株式を保有していた人たちは上場後に莫大なキャッシュを手にすることが出来るので、これも1つの大きな動機になりうる。また、IPOすることにより、株式の流動性が増すことになり、これは一般的にその株式の価値を高めることになる。第3に、実際にマーケットで株式が売買されることを通じて、株価のターゲット(=会社の価値のターゲット)が分かるようになる。第4に、IPO後には株式を、M&Aの際の株式交換に使用出来たり、或いは従業員持ち株制度に利用出来たりするようになる。つづく(次回は、阪神タイガース上場の話の場合は、上記メリットがあるのかどうかについて考えてみる)
November 14, 2005
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昨日まで、M&Aの考え方について、自分なりにポイントとなる点を少し整理をしてみたが、逆に企業が分裂する場合、つまりスピンオフをした場合、どのような点を見ればいいのか、少し興味が出てきたので、まとめてみた。まず考えなくてはならないのは、分離したとしても何か特別な理由がない限りは、分裂前の企業価値は、分裂後の企業価値の総和と等しいこととなるので、分裂後の価値の方が高くなる理由が必要である。まず第1に考えられるのは、負の統合効果があることだ。つまり、そもそも全く一緒になる必然性のない事業が同じ会社で行われていると、戦略的な合理性が失われる場合もあるし、余分な事務コスト、非合理的な資金の流れ(儲かっている部署から儲かっていない部署への流れなど)が出てきてしまう。また、経営陣がノンコアビジネスへの理解を持っていないため、非合理的な経営判断が行われる可能性もある。第2に挙げられるのは、株式市場において、事業内容が不透明なために正当な評価を得られない可能性がある、ということだ。事業が多いと、利益の源泉がどこにあるのか、どの部署の事業がうまくいっていて、どの事業がそうでないのか、などが非常に分かりにくくなる。市場は、低評価という形でこれに応えてしまうかもしれない。第3は、経営陣のインセンティブに関わってくる。事業毎の業績評価は、会社が分かれていた方が分かりやすいし、分社化すれば、より事業に直結した会社のストックオプションを経営陣に付与する、ということも可能である。もし、これらの事業が統合していることのメリット、例えば信用力の向上(総合商社はこれが当てはまる)など、がないのであれば、スピンオフした方が、企業価値が上がる可能性がある。一般的には、スピンオフは、市場に好感されているようだ。代替案としては、ある部門を売却する、IPOさせる、などの方法もある。もし、ノンコアビジネスが絡んでくる場合は、売却が一般的なようだ。スピンオフおわり
November 12, 2005
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