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相変わらずの青空文庫。宮本百合子の代表作だ。自分の住んでいる所なので前々から興味はあったが、読む機会がなかった(こんなのばっかりだ)。
主人公は東京に住み、夫が思想犯として(治安維持法の時代だ)網走刑務所にとらえられている。戦争が終わり、まだまだ混乱の続く中、行方が知れなくなった弟の消息を尋ねて広島まで行くが、そこで水害に遭ってしまう。目的をたっせられずに帰途につくが、山陽線は寸断され、その中で知りあった人たちと助け合いながら東を目指す。
結局播州平野と言う言葉は後ろの方に姫路から明石まで移動するときに何度か出てくるだけで関東の荒さのようなものとは対照的なのどかさなんだそうだ。多分これは作者の自叙伝みたいなものなんだろう。そののどかさを否定するものではないが、最後の方で 六甲が西の方に見える、と描いてある。六甲が西に見えたらもうそこは摂津だ。播州と言うのは明石が東端だ。まあ東京の人にしてみたら大したことじゃないのかもしれない。
ところで、宮本百合子は確か宮本顕治氏の妻だったと思うが、東京オリンピックのバレーボールの宮本恵美子さんと半田百合子さんがないまぜになって、宮本百合子選手を作り上げていたことがある。話がおかしいぞと注意され、 赤面した次第。
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