そのさきにあるもの。
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あれから3か月。気分が落ち着いてきたのかといえば、そうとも言えるし、目に見えない何かに覆われていて、なんだか靄がかかったようにも感じる。そんな気持ちの中でみた『ブラック・スワン』。微動だに出来ないまま、画面に集中して見た。ニナが、黒鳥になりきって(飲み込まれて?)踊る姿を見て、何故だか涙がこぼれた。身体も心も繊細で優等生なニナが、ブラック・スワンを踊るために、どんどん自分自身を追い詰めていく。母親の過剰で、だけれども娘をがんじがらめにする愛情という執着。奔放で魅力的なまさに黒鳥なリリー。(彼女を見て、『17歳カルテ』で初めてアンジェリーナ・ジョリーを見たときを思い出した。 と思ったら、ウィノナ・ライダーが出演していて、しかもあの負のオーラにびっくり。 彼女も何かに飲み込まれたのか?一方のアンジーは元気だし)精神を研ぎ澄まされて、肉体的にも、ひたすら追いこんでいく。私の中にある、優等生的な部分が呼応して、息苦しさを覚えた。黒鳥になった彼女は、とても美しくて、幸せだったのではないかと思ったりもした。ナタリー・ポートマンのための映画と言ってしまうのも仕方のないほど、彼女の演技はすごくて、その表情の変化が見事だった。上演後、コワかったね~、という若い大学生ぐらいの女の子たちの感想を聞きながら、一人で見に来てよかったと思った。今、ここで感想を求められたくないし、共有もしたくない。なんというか、私小説を読んだ時のような、自分の内面と向きあわされる。とは言いつつ、ほかの人の感想を読んだりして、驚いた。好き嫌いはあるとは思ったけれど、かなり否定的に見る人もいるんだ。確かに本質的にはホラーだとは思うけれど、表面的にホラーと捉えるのも、ううん。性的なシーンが不要とは思えないし。刺だったり、うろこだったり、羽だったり、鏡だったり、血だったり、彼女の内面を映像で表現されるのだけれど、これらの表現を抽象的な意味合いで捉えずにいる人も。私的にはものすごく濃密な映画だったのだけれど…。ちなみに、私の感想と世間の感想が全く違ったのは、『孤高のメス』。見ていて、腹が立ったもの。私は、いちいち説明されるのが、嫌いらしい。『おひさま』はとても丁寧に作られているけれど、役者さんの表情によって考えさせる余地が結構あって、見ていて、気持ちがいい。高良君の表情、ほとんど見惚れてました。
2011年06月17日