2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
全11件 (11件中 1-11件目)
1
恵果阿闍梨は、空海に、こう伝えた。 真言密教のおしえはたいへん奥深い意味を含んでいるため、 図像や絵画をもちいなければ、その真意を伝えることはできない。 そして恵果阿闍梨は、 十数名の画家に「曼荼羅」図像を書かせ、 二十余名の写経の専門家に「純粋密教経典」を書写させ、 朝廷に仕える鋳(いもの)博士に、「密教法具」を新鍮(しんちゅう)させた。 これらをすべて、空海に進呈したのである。
2004年06月11日
コメント(0)
六月十三日。青龍寺(しょうりゅうじ)において、 空海は、中国密教界のカリスマメンター、 正統密教の伝道師、恵果阿闍梨(けいかあじゃり)に会う。 恵果阿闍梨は、徳の高く、人々に尊敬され、皇帝すら恵果を師として仰いでおられるほどの、人格者である。 初対面の空海に向かって恵果は微笑んだ。 「逢いたかった。ずっとあなたを待っていた。わたしは、余命幾ばくもない。すぐに準備にかかりなさい。」 空海は、いったん西明寺に戻って必要な品々をそろえて、六月中旬に胎蔵界を、七月上旬に金剛界を、八月上旬には、最後の儀式、伝法灌頂を受けた。最終日は、500人の僧侶が供養のほどこしを行った。 空海は、すさまじい速さで、真言秘密の大法をいっきにつづけて受法した。
2004年06月10日
コメント(0)
早也は、ひとりで、夜の歓楽街を歩いてみた。 さすがに、バーにひとりで入る勇気はなかったが、 歓楽街を歩いているだけで、じゅうぶんに楽しかった。 街では、美しき女性達がたくさん歩いていた。 早也は、口ずさむ。 「月下の美人は、郷を望んで哭(な)く。。。。。か」 詩(うた)が、どうしてもうかんでしまうときがある。 旅をしたときと、美しき女性に会ったとき。 ここ、異国の長安の歓楽街で、月をみあげながら、 旅人、早也は、詩人になっていた。 立花早也。 数々の詩(うた)をつくり、のちに、空海と並んで「平安の三筆」として、歴史に名をのこす人物になる。 ここ、長安で、空海と同じく、ひとりの天才が、いままさに生まれようとしていた。 でも、まあ、それはまた、また、べつの、おはなし♪
2004年06月09日
コメント(0)
空海の興味は、もろもろの宗教に絞(しぼ)られているが、 早也の興味は、にぎやかな商店街である。 早也は、思った。 「さすがは、最先端都市、長安だ。日本ではとても考えられないビジネスチャンスが、あちこちにころがっている。」 好奇心旺盛な早也は、空海を誘った。早也「おい、空海、たまにはガス抜きも必要だぜ。なあ、いっちょ、あのバー(居酒屋 いざかや)に入ってみんか。」空海「早也、おまえひとりでいけばいい。」早也「まあ、そういうなよ。俺の中国語はさ、ほら、まだカタコトだからさ。ま、通訳のつもりでさ。な、な。」 早也は酒が大好きである。そして、女好きである。 ここ長安で、道行くたびにすれ違う女性達の、なんと美しいことよ。 あの、バーに入れば、きれいな姑娘(クーニャン)や、美しい胡妃(ホステス)がいるに違いない。。。。。 早也は、必死で、空海を説得している。早也「空海、な、そう。世間勉強、世間勉強だぞ。おまえは、宗教や学問ばかりしている。俗世を知らずして、なんの学問か。」空海「ふむ。」早也「なあ、空海い、入ってみたいんだよお。頼むよう。」 空海は、ずんずん歩いていく。 早也「ちぇっ。」 早也は、取り残されて、大きな声で空海に叫んだ。早也「いいよ! おれ、ひとりでいくもんねっ!」
2004年06月08日
コメント(0)
さて、空海が、ここ『西明寺(さいみょうじ)』を根拠地にして、勉強すること、四ヶ月がたった。 空海は、この四ヶ月というもの、 ありとあらゆる、経典や書物を読破し、 ありとあらゆる、師匠に面談し教えを請い、 ありとあらゆる、長安最先端の文化を吸収していた。 文化都市、長安(ちょうあん)の城内(じょうない)は、ありとあらゆる、最先端の、宗教、文化、芸術が、花ひらいていた。
2004年06月07日
コメント(0)
早也「梵語(ぼんご)というのは、とても難解なものだぞ。」空海「いや、むしろ、密教は、原典つまり梵語で学んだほうが効率がいい。わたしは本日より、梵語、梵字(ぼんじ)を学ぶ。」早也「ふーん。そもそも、梵字とはなんだ?」空海「梵字とは、インドの文字だ。東洋独特の深遠なる芸術だ。」早也「へえ、芸術、か。」空海「インドの文字は西紀前8世紀ごろにフェニキアから移入され、最初は商人(あきんど)のあいだで用いられていたが、やがてインド一般に流布し、後代にはもろもろの宗教の聖典が文字に書写され、それじたいが功徳(くどく)として推奨された。」早也「書くだけで、功徳になるのか!? すごいな。」空海は、会話しながら、ずんずんと歩いてゆく。早也は、空海にやや遅れて、後に続いて歩いた。
2004年06月06日
コメント(0)
早也「急ぐために、遠回りする? いったい、どういうことだ。」空海「もっとも、はやく、密教を学ぶために、わたしは、語学を学ぶ。」早也「なんの、語学だ? おまえはもう、中国語がべらべらではないか。」空海「中国語ではない。サンスクリット語を学ぶ。」早也「サンスクリット語? なんじゃ、それは」空海「梵語(ぼんご)、すなわち、インド語だ。」早也「インド語!」
2004年06月05日
コメント(0)
早也「意味がわからんぞ、空海。一日も早く、恵果さまのところにいかなくちゃ!」 空海「密教は奥が深い。いま、わたしが恵果さまにお会いしたら、すべての奥義を学ぶのに、三年はかかるだろう。」 早也「ええっ、恵果さまは、三年どころか、もう半年も、もたんと聞くぞ! ど、どうする、空海」 空海「半年も、待てん。」 早也「じゃあ、一刻も早く」 空海「そのとおりだ。急ぐために、遠回りをする。」 早也「いったいどういうことだ、空海?」
2004年06月04日
コメント(0)
恵果阿闍梨さま、齢(よわい)六十歳。 正統密教七代目継承者にして、 中国密教界のトップ中のトップである。 そのトップが、日本から来た、32年の無名の青年に、会ってくださるという。 奇跡である。もったいないことである。 誰もが、おどろいて、口がふさがらなかった。 早也は、とびあがつてよろこんだ。 「おい空海、すげえよ、よかったなあ!」 ところが、空海、「まだ、早い。」 早也「えっ、おい、すぐ行かなきゃ。」 空海「今すぐ行くわけにはかない。」 早也「なにいってんの?意味わからんぞ。」 空海「恵果さまは、ご高齢で、もう、おいのちも長くないと聞いた。」 早也「そうだよ。だから、急がなきゃ。」 空海「だから、今行くわけにはいかんのだ、早也。」 空海は、いったい、何をいってるんでしょう。 ??????????
2004年06月03日
コメント(0)
最澄、最も澄んだひと。美しい名前である。 いま、唐(中国)より、無事、日本に、帰国したと聞く。 最澄さまは、あたらしい日本の仏教界のリーダーとして、日本で大活躍なさっている。そのうわさは、ここ、中国にまで、聞こえてくるほどだ。帝(みかど)さまはおおいによろこんでいらっしゃると聞く。最澄さまは、帝さまのご期待に応え、その能力を発揮していらっしゃる。いま、最澄さまの天台教学によって、日本の仏教界が、よいほうに、かわりつつある。 立花早也は、ためいきをついた。わたしは二十年を義務付けられた「留学生(るがくしょう)」という身分。日本に帰るときは、56歳になっている計算だ。娘ははたちを越えているだろう。さみしいなあ、日本に帰りたいなあ。あ、いかん、弱音は禁物。 さて、 対して、空海。 空海は、最澄さまとちがって、在唐二十年を義務づけられている「留学生(るか゛くしょう)」という身分である。 「唐の正統密教界のトップ、恵果さまにおあいしたい。」 空海は、未だ、無名の、一沙門にすぎない。なんとも大風呂敷をひろげたものだ。 しかし、言ってみるものである。 (最澄さまが帰国なさって半年後のことだ。) 805年、六月吉日のこと。 なんと、恵果阿闍梨(あじゃり メンターのこと)さまから、面談OKという許可が出たのである! 恵果阿闍梨さま、齢(よわい)六十歳。 正統密教七代目継承者にして、 中国密教界のトップ中のトップである。 そのトップが、日本から来た、32年の無名の青年に、会ってくださるという。 奇跡である。もったいないことである。 誰もが、おどろいて、口がふさがらなかった。 早也は、とびあがつてよろこんだ。 「おい空海、すげえよ、よかったなあ!」 ところが、空海、「まだ、早い。」 早也「えっ、おい、すぐ行かなきゃ。」 空海「今すぐ行くわけにはかない。」 早也「なにいってんの?意味わからんぞ。」 空海「恵果さまは、ご高齢で、もう、おいのちも長くないと聞いた。」 早也「そうだよ。だから、急がなきゃ。」 空海「だから、今行くわけにはいかんのだ、早也。」 空海は、いったい、何をいってるんでしょう。 ??????????
2004年06月02日
コメント(0)
楽天をお読みのみなさん、こんにちは。 わたくし、立花早也と申します。 上州(群馬県)で、サラリーマンをしております。 36歳、二児のパパです。 わたしはいま、この楽天を、805年の中国にて、書いています。 隣におりますのが、わたしと同じく、日本からやってまいりました留学生です。 語学が達者な、字のうまい、とてもいいやつです。 見た目も、なかなかのハンサムですな。 32歳というから、わたしより、四つ年下です。 さて、今日のグッドアンドニュー。 わたくしの尊敬する、いや、いま、日本で最も注目をされている、あの、あの最澄さまが、本日、二年間の伝授(しゅぎょうのこと)を済まされ、無事に、唐を出発なさったそうです! 拍手! ああ、雲の上の方、最澄さま。。。。 そのお名前は、誰一人として、知らぬものはおりません。 最澄さまは、あの、天台山にて、正統天台仏教を継承なされ、それを日本にひろめるために、命をかけて、この地、唐にやっていらっしゃったのです。すばらしいお方です。わたしには雲の上の人、いや、天上人(てんじょうびと)です。 最澄さまは、帝(みかど)さまの命(めい)を受け、日本の仏教会の新リーダーとその誉れも高い、素晴らしい方です。 いま、日本の仏教会は、形骸化し、僧侶たちは、なんだか、あまり、やる気がありません。僧侶は自分の私腹をこやし、いってることとやってることもちがうし、われわれサラリーマンのようにただ毎日お寺に通い、お経をとなえているだけです。勢力争い、派閥あらそいばっかりやっていて、まったく、「いまの仏教会は腐敗している!」と、帝(みかど)さまがお嘆きなさるのも、無理はありません。 最澄さまは、いまの日本仏教会に新風を吹き込まれるという、そーいう大役をおおせつかっていらっしゃるのです。 すごいなあ、憧れの最澄さま。。。。 すごく、カッコよくて、才能があって、すごい人格者なんです。まさに、僧侶のカガミ! と申せましょう。 えっ、今の日本の仏教界を批判してるけど、立花、おまえはどうなのかって? え、私は、あの、その、モゴモゴ。。。。 はい、私も腐敗してます。すみません。 で、でも、でもね、だからこそ、こうやって、命がけで、唐に来て、お勉強をしているってわけですよ。 がんばりますよ!立花は。 ふたりの娘よ、みていろよっ。いまにお父さんは、出世して、立派になってみせるからねっ! あ、さて、いま、隣で本を読んでおりますのが、私と一緒に日本からきた留学生です。僧侶です。32歳。わたしよか年下ですけど、語学堪能で、筆力抜群なんですよ。でも、すごくきさくなハンサムボーイ。とってもいいやつです。 わたしたちは、まだ、全く無名ですけど、これからたくさんお勉強して、立派な社会人になるんだいっ! それにしても、よく本を読むなあ。。。。。彼。 すごいスピードっすよ。いや常人じゃない。 私は速読っつっても、一日四冊が限度。 でも彼は、一日で、蔵一軒分、読破しちゃうんですよ! 速読の天才、じゃないかなあ。 まだ、無名ですけど、きっと、大成するよ。 いいおともだちができて、こころ強いです。 彼の名前? 空海(くうかい)さん、ていうんです。 素敵な名前でしょ。 さて、今日は、このへんで。 では、またあした☆ 延暦二十四年六月一日 唐(中国)にて 立花早也
2004年06月01日
コメント(0)
全11件 (11件中 1-11件目)
1


