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お久しぶりでございます。舌炎が出来たり、ハードディスク落っことして壊したり、DVDドライブが二層ディスク読めなくなるほどヘタってしまったり、かるく偏頭痛がぶり返したりしています今日この頃です。おかげさまで毎週のようにどこかで自作が上映されたり、とても嬉しい事も起こっている日々でもあります。制作中の新作は三本ともすくすく育っています。今撮影中のは来週の撮影がいろいろ問題もありますけれど、なんとか乗り越えようと全力です。いくつか面白いお誘いも、ワクワクしつつお話を聞かさせていただいております。その辺はFacebookの衣笠 竜屯や衣笠竜屯の活動写真制作ページなどなどで(^o^)/最近「男はつらいよ」シリーズにはまっております。正確には山田洋次監督もしくは脚本作品にかもしれません。たまたま見直した「幸せの黄色いハンカチ」。健さん演じる謎の男の過去のエピソードが始まるのがちょうど映画の真ん中だと気づいた時からかもしれません。あの男の物語は後半のみで語られている。ほかにも例えばファーストシーンの武田鉄矢演じる若い男が振られて一人悶々としている所、そしてラストがその男が恋人と二人で去って行く所になっている。構造がはっきりしているなぁと。大きな枠組みがあって、真ん中あたりで本当の物語に直面して、ラストでクレッシェンドして全ての枠が閉じる。そこからいろいろ観はじめて「家族」「故郷」「遥かなる山の呼び声」「同胞」「学校」そして「男はつらいよ」シリーズに。本当に山田洋次の構成は揺るがない。とても華麗な物語の配置。で「男はつらいよ」最初はやっぱり舐めてたかも。セットで大量生産した感じを。が、これが何本も観てゆくと凄い。今たぶん半分も見てないぐらいですが、それでも十数本、何一つとして同じお話がない!半年に一本のペースで量産して、さらに合間に他の映画も撮ってて、この密度はすごいなぁと。物語の構造は一つ。だけれどもそこに流れる物語は毎回まったく違う。それは故郷を懐かしむ男の物語だったり、妹を心配しているダメ兄の物語さったり、息子の物語だったり、甘えたいのに甘えられない物語だったり、家庭に落ち着こうと願う物語だったり、恋をするけれど相手から逆に告白されたとたん逃げてしまう話だったり。そう、例えば中年男と中年女が雨の中に相合傘で無言で帰るたった3カットが90分の映画のクライマックスとして見事に機能していたり。こんな尖んがった映画シリーズもないなぁと思う。しかも48本。お話の構成が見事に機能して美しい。観ているうちに渥美清さんの演技が本当に凄いことに気づいてゆく。あまりに上手くて天才で、一見何にも演じていないように見えてしまう役者さん。演技での視線の動きが凄い。何を見るのかが一部の隙もなくはっきりしている。その場にその役が居るとき何を見て何を聴いて何を感じるのかがきっちり繋がっていく。何かをしようとはしない。あくまでもあくまでもその人がそこに居たら何を受け取るのかを丁寧にシュミュレートしてゆく。たとえアップの視線の先が仮想空間であっても揺るぎもしないで仮想の相手を見る。画面の外に”有る”はずのものは撮影現場ではたいてい”無い”のです。ある相手に驚いて、おもわず横に居る男の表情を伺って、またその隣の人物に助けを求めてしまって、それが恥ずかしくなってが目を伏せてしまい、それでも意地を見せて相手をまっすぐ見て一瞬裏返ってしまいがちになる声で怒鳴る。なんてのが普通に一瞬に起こっている。たとえ相手がみんな画面の外になってようとも。こんな流れでこんなスピードでやったら自然すぎて演技に見えなくなってくる。一見では気づかれないぐらい深い技術。すごいよなぁ。そんなこんなで「男はつらいよ」を最初っから観ている最中です。さて、再来週の撮影、どう立て直そう…。
2014/06/06
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