武蔵野航海記

武蔵野航海記

2007年11月11日
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ミレトスはギリシャ本土でなく、アナトリア半島(現在のトルコ)のエーゲ海沿岸にあり、ギリシャ本土からはみ出した連中が移住して作った町です。

本土から枝分かれしただけあって王侯貴族の力が弱く、商業が盛んで金持ちと貧乏人や奴隷との格差が激しい町でした。

こういう状態なので神話の権威があまりなかったわけで、神話に代わるもっと合理的な原理を求める熱気が町に満ちていたわけです。

こういう背景からタレスの哲学が生まれたわけです。

ここに哲学の基本的な性質がすでに表れています。

即ち、その時代が求める原理・原則を提供するのが哲学だということです。

ですから社会が変わり、その社会の中心となる階層が変わると哲学も変わってしまいます。

後の時代から昔の哲学を振り返ると荒唐無稽でどうにも納得できないのはこういう理由です。

哲学というものは、永遠に真理であり続けるというものではなく、いわば時代ごとの「使い捨て」だという性格を持っています。

ですから逆に言うと、社会を変えたくなかったら哲学を無理やり固定すれば良いのです。

支那の皇帝と高級官僚は社会を変えたくなかったので、儒教を強制したわけです。

こういうわけで支那の社会はなかなか変わらなかったのです。

江戸時代の徳川家を中心にした武士も社会を固定したかったので、儒教のなかでも頑固な一派である朱子学を輸入しました。

タレスは「万物の元は水だ」とおかしなことを言ったのですが、この結論を神話から導き出したのではなく、彼独自の思索の結果こういう結論を出したのです。

神話という合理性に欠けるものを排除して、頭で合理的に考えてこの世界を説明しようとしたわけで、こういう意味で彼は「真面目に」「哲学的に」考えたのです。

ですから彼を後世の人は「最初の哲学者」だとしているのです。


このミレトスからタレス、アナクシマンドロス、アナクシメネスと立て続けに哲学者が出てきました。

タレスは「万物の元は水だ」と言いましたが、アナクシメネスは「万物の元は空気だ」としました。

アナクシマンドロスは「世界には火と土と水からできている」と主張しました。

そしてそのおのおのの元素は常に自分の勢力圏を拡張しようとしているというのです。

しかし均衡を回復させる自然法則があるので、火があったところには灰即ち土ができるというように結局三要素はバランスしているのです。





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最終更新日  2007年11月11日 09時09分15秒
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