武蔵野航海記

武蔵野航海記

2007年11月12日
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しかし均衡を回復させる自然法則があるので、火があったところには灰即ち土ができるというように結局三要素はバランスしているというのです。

自然法則が様々な勢力をバランスさせるという発想は、後代のギリシャ人哲学者の多くも主張していて、この発想は実はギリシャ人に共通のものなのです。

自由とか平等が正義だという発想は近代になって出てきた発想で、古代のギリシャ人はそういうことは重視しませんでした。

彼らが考えた正義というのは、「定まった境界を侵さない」というものです。

人間というものは、本来は不平等なものだと考えます。

社会的な身分や財産、頭の良し悪しや身体容貌の美醜など生まれながらに差がついています。

これは現在の日本も同じであって、人間が平等であったことなど世界の歴史上ないのです。

古代のギリシャ人も人間は本来不平等にうまれついているという厳粛な事実を認めました。

古代アテネは最終的に民主制になりましたが、それはアテネ市民の間だけの平等であって、差別された外国人のほかに奴隷もいました。

その上で、それぞれの人間は他との境界を侵してはならないと考えたのです。

不正な人間が他との境界を侵して自己の勢力を拡張しようとしても、自然のルールがそれを許さないと考えたのです。

私はこのことを知って驚いたと同時に非常にうれしくなりました。

これは日本人の伝統的な発想である「あるべきようは」と同じです。

「あるべきようは」というのは、「人間をはじめとするあらゆる物は、自然の中で無欲に自分のあるべき場所にいるのが正しい」というものです。

同じような発想は古代の支那にもあったようですが、まだ確信が持てる状態ではありません。

すくなくとも古代の日本人とギリシャ人は同じ発想を持っていたのです。

その後、日本人は「あるべきようは」という発想を論理化せずに発展させましたが、ギリシャ人やその後を受け継いだヨーロッパ人は哲学によってこの発想を理論化していきました。





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最終更新日  2007年11月12日 09時22分05秒
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Re:西洋哲学を読みました 6(11/12)  
七川仙人  さん
面白いですねえ
続きが楽しみです

(2007年11月12日 09時52分26秒)

Re[1]:西洋哲学を読みました 6(11/12)  
七川仙人さん
>面白いですねえ
>続きが楽しみです
-----
こういう大きな流れをあらかじめ仮説を立ててから読んでいくと大きな発見がいくつもあります。
面白いです。 (2007年11月12日 14時34分16秒)

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