2011.06.26
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蒸し暑かったり、風が強かったり、不安定な陽気が続く千葉です。いよいよ、焙煎時の暑さが夏モードになってきました。Tシャツが汗で濡れてきました…まだ、ぐっしょりにならないだけ良いですけども…。節電の夏がやってきます、みなさん、くれぐれもご自愛ください。

さて、中米のこーひーの買い付けが終盤になってきました。後はスポットで入ってくる豆で魅力的なものがあったら抑えていくだけです。そして、予想できたこととはいえ、豆の高騰には頭が痛いです。しかし、個人にはどうしようもないことで、できることは、クオリティの高い、魅力的な豆を選ぶことだけだと思っています。

さかもとこーひーとしては「日常の暮らしの中のこーひー」を大切にしていますので…ご注文全体の60-70%を占める「セット」の価格と、「3000円以上・送料無料」の、2つは堅持いたします、ご安心ください。(こーひー個々の価格アップはさけられませんが…。)

しかし…「送料無料と代金引換手数料無料」のコストの負担が大きくなりすぎましたので…ご不便おかけしますが…お支払いは…「コンビニ、郵便振替払い(手数料無料)」…を、標準にさせて頂きます。(8月中旬以降に予定しています。)手数料分を高騰している生豆の仕入れにまわし、より際立つ魅力、クオリティの生豆を仕入れていきたい思います。よろしく、ご理解をお願いします。

「代金引換払い」は…「4200円(豆代)以上、代金引換手数料・無料」…「4200円(豆代)未満、代金引換手数料・210円」になります。「代金引換払い」をご希望の方は…「連絡欄」に…「代金引換」「代引き」「コレクト払い」とお申し付けください。ご記入の無い場合は「コンビニ、郵便振替払い(手数料無料)」でお届けいたします。(8月中旬以降に予定しています。)

そんなこんなで…「焙煎のレシピ&方程式・2」です。普段、同業者からのコメントはほとんど無いのですが…常連さんからの、ご感想、コメントが多く、とっても参考になっています…先日、カップオブエクセレンスのカッピング会で、若い同業の方から「焙煎のレシピ&方程式」について声をかけられました。他にも、けっこう同業者が見ているそうです。やはり、反応があると、励みになりますね。

前回は…「コーヒー豆を焼けば…コーヒーになります。少し焦がしても、少し生焼けでも、コーヒーになります。勿論、苦かったり、酸っぱかったり、冷めるとキレの悪い後味になったり…素材と焙煎のレベルによって様々ですが…。」…「この数年準備を進めてきました。ちょうど、タイミング良く、焙煎のアドバイスをする機会が増えてきまして…新しい焙煎機を使い…僕の焙煎手法… 「焙煎のレシピ&方程式」がそのまま効果的なことを確認できました。そのままと言うよりも、その焙煎機の方が、僕の 「焙煎のレシピ&方程式」がもっと効果的なことがわかりました。」…そんな流れでした。

ところで…焙煎の本質について考えるようになったきっかけは…柴田書店の喫茶店経営に連載されていた「銀座カフェ・ド・ランブル物語」の中でランブルで焙煎していた山田さんが「コーヒーの焙煎はカラメル化するだけなんですよ。」って言っていたことや…バッハの田口さんの「自家焙煎技術講座、1986年刊」で焙煎を細分化して、細分化したそれぞれの工程についての考えを書かれていたことがきっかけでした。

それまでは、焙煎を秘伝のように語る先輩が多く…輸入文化の神秘性に包まれていたんです。まぁ、今でも…どこの焙煎機が良いとか、新しい焙煎機が出るとそれが注目され、それまで素晴らしいと言われていた焙煎機から換わったり…外国の有名な人が言っている焙煎理論がでればそこになだれ込んだり…短時間焙煎が良いとか長時間焙煎が良いとか…そこには、本質が見えてきません。日本人だろうが、外人だろうが、ローストの本質は変わりないはずです。



で、調理の基本を学んでいくと…「乾熱調理」に行き着いたのです。調理には「乾熱調理」と「湿熱調理」があって…「乾熱調理」は180℃前後での調理で…焼くことも、フライや天ぷらもみんな共通なんです。「湿熱調理」は茹でたり蒸したりで100℃以下の調理になります。(乾熱調理の3つのポイントは…「メラノイジン」「ディープフライフレーバー」「カラメル」だそうです。)

その「乾熱調理」によって、生豆の持つ成分を、美味しいと感じるように、化学変化・発達・デベロップさせることだと思ってます。

そう考えると…「レシピ」が出来るはずなんです。オーブンの調理は、温度管理をきちっとしていて…料理好きの主婦のみなさんは、本当に美味しいパンやケーキを焼きますからね。

レシピはひとつである必要はありませんが、レシピが無い状況は進歩が無いと思います。レシピは計測できることがポイントでしょうか。グラム、温度、時間等簡単に計測できます。ケーキやパンの世界では、10年前20年前には考えられないような高度なものを主婦のみなさんが焼いているのは…レシピの進化でしょう。

さかもとこーひーの前、紅茶の店テ・カーマリーの頃、8年位手網で焙煎して、こーひーをだしていました。紅茶の店なので、こーひーは一日10杯くらいしかでないので、手網で一回200g焙くと足りたんですね。開店前や閉店後に、週4.5回焙いてました。その時は、グラムと時間の計測は簡単ですが…温度は、アルミの天ぷらガードの内側に目盛りを書いて、火からの距離に置き換えてました。(これは、豆の色や香り、音の変化を身につけるのに大変役立ちました。)

その後、自家焙煎している方とたくさん知り合うようになりましたが…記録をとっている人が本当に少ないことに驚きました。今日本のスペシャルティコーヒー界をリードしているある人が豆を量っていなかったことを知った時のショックは忘れられません。ボールか何かで、これで何杯で何キロくらいって感じでしたから。ケーキでは、1グラム以下の計測が必要なこともあるのに。焙煎はコントロールが難しいところがあるので、自分でコントロールできること(計量したり、焙煎の時間だったり…。)に手抜きをすることは考えられませんので…。

計測し、それをカッピングして検証する…その繰り返しを続けると、徐々に見えてくるものがあります。そして、ではどこを計測するのか?…次にそこがポイントになってくると思います。見当違いの計測をしていても進歩できません。

「銀座カフェ・ド・ランブル物語」の中で山田さんが「コーヒーの焙煎はカラメル化」と言ったことから…「焙煎は調理」で、さらに「乾熱調理」へと進めました。バッハの田口さんの「自家焙煎技術講座」で焙煎を細分化していたところから…焙煎の全体をどう細分化し、計測していったら効果的かと進めました。

焙煎をいくつかの工程に細分化し、それぞれの工程に過不足の無いカロリーを与えること…それがレシピになると思いました。(だから、焙煎のトータルの時間を云々しても意味が無いと思ってます。)なんだか、まとまりませんので…次回 「焙煎のレシピ&方程式・3」へ進みます。

最後に、僕の「焙煎のレシピ&方程式」を使い、今もアドバイスしている方からのメールを要約してご紹介します。

「僕にとって焙煎はまだまだ難しいです。ただ、レシピ通りに水分抜き工程・ロースティング工程を把握し、後は記録を取っていれば、そうぶれずに焼けるように感じて来ました。僕は料理やパンやケーキを焼くことが好きで、レシピの大切さはわかります。それがなかったら作れないし焼けないし。なので、もし焙煎にこれがなかったらいつまでもトンネルの中にいる状態だと思います。ひょっとしてそれさえも気付かないのかも。焙煎も調理している感覚があります。でも、豆の違い・気候・気温の変化・・まだまだ簡単なものではないです。でも、おもしろいです。」



http://twitter.com/sakamotocoffee

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。





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Last updated  2011.06.26 18:01:48
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