2022.09.04
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プロのつぶやき1175「コーヒー業界の大きな落とし穴」

カード払い用ネットショップ ​ http://sakamotocoffee.shop/ ​ おかげさまで毎日常連のお客さまにご利用頂いています、PayPay払い、Amazon pay払いも使えるようになりました。

史上最も早かった梅雨明けは実は7月下旬に見直しされたそうです・・・そんな夏から9月になってひと雨毎に秋の気配を感じるようになってきました。

毎朝の焙煎も真夏バージョンから秋バージョンに移っていきますので、毎日火力や温度設定に気を使う季節です。ビーンズショップは夏は比較的のんびりしていますが・・・急に注文が増えてきています。(先日焙煎機の定期点検してもらい、今後の部品交換やメンテナンスのアドバイスをいただきました。)

そんなのんびりな8月から実は出張が続いていて・・・定休日にも仕事が重なっていますので、少しバテバテになっています。夏の疲れも出ますので、要注意です。

定休日は午前中に野暮用や仕事の用事を済ませてランチして・・・午後はひとりでゆっくり映画を観ることが多いんです。10代20代に観た思い出の映画や生まれる前の古い映画・・・そしてこの10年20年の少し古い映画も観ています。封切りは映画館行くのが面倒なので、あまり行かないですね~。

先週はロバートデニーロの「マイ・インターン」を観て・・・デニーロが70歳の設定で、老人目線の映画なんですが、気がつくと自分の見方も老人目線になっていて、そうかそんなお年頃になったのかと(笑)・・・。

その相手役のアン・ハサウェイが朝起きてきて・・・コーヒーメーカーに淹れてあったコーヒーを大きなマグカップに注ぐシーンが印象的でした。女性が朝当たり前にとても大きなマグカップでたっぷりとコーヒーを飲む暮らしが仕事柄気になってしまいます。

昔毎年アメリカに行ってスペシャルティコーヒーの市場調査をしていた時・・・カフェにもビーンズショップにも通いまくりましたが・・・そのテイクアウトのカップの大きさや売っているマグカップの大きさ・・・そして、1ポンド入りの豆の袋を気軽に買って帰る様をよく覚えています。

そのようなカジュアルなライフスタイルが日本にも広がるといいなぁーと思ったものでした。

そんなことがあって・・・さかもとこーひーは500gの袋を用意したり、最近も500gお得袋の種類を増やしたりして・・・ヘビーユーザーの常連さんが使い勝手の良いようにしています。

おかげさまで、さかもとこーひーの常連さんはヘビーユーザーの方が多いんです。1回に買われる量を同業者に話すと驚かれます。

そんなこんなで・・・ふと、周りを見ると・・・40年前自家焙煎店が増えてきた頃と何にも変わっていません。生豆はスペシャルティコーヒーで昔にはなかったクオリティが使えるようになりましたが・・・20代30代の若い人は今は年寄りになった40年前の自家焙煎店主とアピールしていることも、こだわり方も、何にも変わっていません、ファッションは今風ですが・・・。

最近同業者のネット広告が目立って増えていますが・・・上手な淹れ方、こだわりの、本格的な、丁寧な、焙煎したての・・・まぁ、色々と工夫していますが、結局は同じことです・・・コーヒーの淹れ方アピールがなんと多いことか。

ちなみに、さかもとこーひーのこーひーレッスン・・・公民館やPTA文化部、お客さんのお宅、おゆみ野店等々・・・では「コーヒーの上手な淹れ方教室」という仮タイトルがくると、必ずタイトルを変えてもらっています。(この辺は開店当時から譲りません、確かに頑固です(笑))「上手な淹れ方教室」ならさかもとこーひーではできませんと伝えます。

50年くらいかけて業界全体で、コーヒーは上手に淹れるんだと発信しているので・・・そうではなくて、コーヒーはお好みの味わいを知って、気軽にひとときを過ごして欲しいからです。そして、農産物としての完熟した豆の大切さや、素材を魅力的に仕上げる焙煎のことも伝えています。

一方では・・・コンビニコーヒーが気軽に広まっています。20年前アメリカのカフェで目の当たりにしたテイクアウトコーヒーの暮らしが、日本のカフェではなくてコンビニで実現してしまいました。

先日、卸先のカフェの若者が「ウガンダ・マウントエルゴン」のドリップの淹れ方に迷っていると相談されたので・・・カッピングはしたの?さかもとこーひーはカッピングで最終的に味を決めているのだから、まずカッピングでその味を確認して・・・ドリップでその味に近づけるとか、その味からどのようなバランスにするとかでドリップのレシピを決めたらと・・・ただ、ドリップして自分の感覚であれこれするのは・・・お客さんなら勿論それでもいいけど・・・プロだったらまずカッピングで把握しないと次に進めないでしょうとアドバイスしました。

まぁ、さかもとこーひーではコーヒーメーカーやプレス、ドリップでも特に調整しないで、どの豆も同じように淹れていますけど・・・淹れ方を一定にして、カジュアルに味わいの違いを楽しんでほしいので、焙煎で仕上げています。

勿論、淹れ方を色々と工夫する楽しみ方もあっていいのですが(そのような楽しみ方をするお客さんは少数派でしょう)・・・カジュアルに美味しく飲むコーヒーが伝わってきません・・・40年前はペーパードリップが家庭に広まってきて、手挽きミルで挽いて、ドリップして飲むコーヒータイムが新しい暮らしだったのです。そんな世代も今は60代70代・・・昔は今のような素材が無かったので、雑味酸味苦味をいかに飲みやすく淹れるかが上手な淹れ方だったんです。

(数年前中学の同窓会で・・・還暦になった女子と話していたら、家でのコーヒーはインスタントが多く、豆や粉で淹れる家が思った以上に少なかったのが印象的でした・・・60代70代の子供の頃ははインスタントが当たり前の時代だったのです。まぁ、そんな同級生でもさかもとこーひーの常連さんは何人もいるのですが・・・。)

同業者を見渡すと・・・100g売りで、高い・・・まぁ、原価率知っていますから、その価格で売りたい気持ちはわかりますが・・・ヘビーユーザーのお客さんのお値頃やひと月の予算も知っていますので・・・それでは売れないだろうと・・・それに自家焙煎店はカフェ併設が多いので・・・考え方が飲食店業界の延長なんですね。

自家焙煎は製造小売業界なので、減価率から何からビジネスモデルが違うんですけどね・・・。

こだわりのハンドドリップやラテアートしている間に・・・ラテもエスプレッソもなくてコーヒーメーカーで淹れたコーヒーだけのカフェの可能性を感じています。

コーヒー業界全体が大きな落とし穴に落ちているのに気がついていないように思っています。

好みのコーヒーを飲みながらゆっくりとリラックスしたり、仕事したり、おしゃべりしたいだけなのに・・・上手な淹れ方やこだわりの一杯等々の情報いっぱいな業界やメディアばかり・・・さかもとこーひーは上質な魅力をカジュアルに楽しめる暮らしが好きです。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。






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Last updated  2022.09.04 08:30:35
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