さくさく堂のシナプスな存在

さくさく堂のシナプスな存在

PR

×

コメント新着

あああ@ Re:「できなそう」と「できなさそう」(12/11) 言語の正しさを勘違いしてる人って多いで…
あああ@ Re:「できなそう」と「できなさそう」(12/11) 言語の正しさを勘違いしてる人って多いで…
まっちゃん@ Re:OLYMPUS フットスイッチ RS-27H(01/05) ブログ、楽しく読ませて頂きました! 最近…
さくさく堂 @ Re:しかたがない話(10/29) 「いた仕方ない」はたくさん見かけますが…
さくさく堂 @ Re[1]:年末年始は無理ゲー(01/04) 日本ぺんぎんさん >今年もよろしくお願い…
日本ぺんぎん@ Re:年末年始は無理ゲー(01/04) 今年もよろしくお願いいたします(^o^)/ …
さくさく堂 @ なかなか書き込めなかった どうしてもコメントが書き込めなくて、ど…
さくさく堂 @ Re[1]:『その日本語、ヨロシイですか?』(12/28) 日本べんぎんさん >イラストも著者が描か…
日本べんぎん@ Re:『その日本語、ヨロシイですか?』(12/28) 私もこの本、読みましたー。 イラストも著…
さくさく堂 @ Re[1]:Wikipediaの「他言語版」(10/07) Chick Corea を聴くさん こんにちは。…

バックナンバー

2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月

フリーページ

2006年05月09日
XML
カテゴリ: 読書のこと
『聞きとりの作法』 小池和男著 東洋経済新報社

主に製造業の技能形成や技能伝達などの構造を調査するために行われる聞き取り調査の手法についての手引き書。

「企業オーラル・ヒストリー」という言い方が私にはピンと来るけれど、小池氏は「聞きとり」という単語を使っている。

一番普及している言い方は「インタビュー」だろうし、半ば強制的に「聴取」する意味合いが強くなると「ヒアリング」がしっくりくる。学問的な手法のニュアンスが強いのは、「オーラル・ヒストリー」。
ちょっと別物だが、かしこまって質問せず、そばにいてじっと見ているのは「参与観察」。

やっていることはあまり変わらないのだけれど、用語はさまざまだ。どの表現を使うかで、どういうスタンスの人か、多少はわかる。

(関係ないけれど、「テープ起こし」にもいろいろな言い方がある。これも、どの用語を使うかで、どういうスタンスの人かわかるよね)

『インタビュー術!』(永江朗著,講談社現代新書)がインタビューのやりとりそのものにフォーカスしたものであるのに対し、これは聞き取り作業全般について書かれている。
両者の違いは、インタビュー対称者の違いから来るものだろう。企業の構造を聞き取りに行く場合は、事前に適任者がわからない。


   依頼文の具体例 (快く応じてもらうには、どのように依頼したらよいか?)
   対応者の選択方法 (適任者はどうやって選んでもらうか?)
   当日の配慮事項 (本音を語ってもらうための質問手法は?)

「高価でないお茶菓子を手みやげに」ということまで書いてあり、まさに作法本だ。

というわけで、記録作成方法についてはあまり言及されていないので、だいたい斜め読み。ごめんなさい。

小池氏の記録作成は、あくまで自分でやるのが前提だ。録音は同時に行うが、メモ起こしが基本。「浄書」と表現している。
一問一答までは整理せず、文脈がつながらなくても、やりとりの流れを小見出しつきで作成する。感想、コメント、次の質問のヒント、「意味不明」なども併記する。文末は「である」等に簡潔に処理。

メモを浄書することが研究の一工程になっているわけだから、その分野の素人にテープ起こしの外注をするなんて論外なのだろう。そうははっきり書いていないが、次の文章が印象深い。

   一日2時間以内ならテープとメモからの復元とでは記録はほとんど
   かわらず、重要度がはっきりしている分メモがすぐれていた。だが、
   その時間をこえると、テープなしではむつかしい。(p111)



現場メモは、テープの録音状態の次に大事


現場メモは、録音に残らない情報を書くべし



後半は、計量分析との対比が丁寧に書かれている。
統計データやアンケートなどによる企業分析に比べて、少人数への聞き取り調査から一般論を想定する手法は科学的でないと見られる向きもある。
しかし、計量分析には注意しなければならない点がたくさんある。(私はよく「統計は嘘をつく道具」と言っているが、統計データの危うさについて幾つかの実例が載っている。こういう話好き) また、指標になりにくい項目もある。



それは結局、人間がデジタル処理で動作していないからだと思う。
話し言葉から書き言葉への変換処理(テープ起こし)も極めてアナログ作業であり、聞き取り作業には似合っている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年05月09日 21時08分51秒
コメントを書く
[読書のこと] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: