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カテゴリ: バレエ

世の中に、これほど奴隷姿が似合う人もないだろうな。

普段は檻の中で足枷なんかはめられてるかもしれないわけで。

プライドも捨て去り、不当に生かされているような存在なのかもしれない。

王妃の思し召しにも最初は緊張が解けず

粗相のないように、出過ぎないように、

仰せのままに自分を差し出す

貢物のような忠臣ぶりだったけれど、

最終日は視線の交わし方まで

所々「すっかり馴染んだふたり」が出てました。 

奪い取った鍵を爛々と見る目に、ゾベイダの期待度も相当なもの。

同じように待ちわびる観客の視線が一斉に集まり、

その気持ちを煽るような音楽に一瞬クラッと。。

檻の奥の美しいブルーから影が現われたと思うや、

俊敏な動作で豹のように登場。

一時の解放に、喜び勇んで出てくるそこらの奴隷と違って

辺りを警戒する厳しくも雄々しい姿こそ、

ゾベイダのお眼鏡に適った、黄金に輝く姿。 

さすが金の奴隷。

奴隷であって、格が違う。

柱を背にもたれ息の乱れたゾベイダと視線が合うと、

じりじりとにじり寄る。

その姿を崇め、美貌を賛辞し、 

ずっとこうしてひれ伏したかったと言わんばかりに

足元に敬意のしるしを表す。

奴隷たる身分と、主人の寵愛を受ける光栄を

全身でこうまで優雅に、しかも熱っぽく表現できる人はいないのでは。

最終日は、目が合うたびに口の端で笑ってる。

嬉しくてつい出ちゃう、隠し切れない笑みですね。 

あらら~、純粋に恋しちゃったか。

だからって呆けたようなマヌケ顔じゃなくてですね、

色気で迫るムンムンな浅い男じゃなくてですね、、、

うーん。なんと言ったらいいかな。 

ゾベイダの求めるものをよくわかっていて 

美しさと力強さをサディスティックなまでに追求して

彼女を狂喜させることに心血を注ぐ、みたいな。

でも何しろ恋しちゃってるから、厳しい中にも目が緩んでる。

もちろん奴隷であることもよーくわきまえている。

叱られた子犬のようなすがる目で、

命令されるのを待ちわびて

ますますイタイケになってる。(マゾだからか?)

享楽にふけるふたりに、舞台端から宦官が現われると、

こっちが我に返るほど。 

あ。水ね。。。。そうよね、水よね(汗) 

ゾベイダから与えられる水に、別の意味でもあるかのように

一気に飲み干さんばかりの勢い。

口元を拭うのももどかしく、ゾベイダの瞳をまさぐるように探し求める。

欲しいものを一時も見逃さないように、

射程距離に入れてる獣みたい。(すがる目はチワワなんだけど)

下手端っこでイチャイチャしてるのが、3日目はよく見えなかったけど、

最終日は奴隷が一部邪魔してたくらいで、ベタベタな二人がよく見えました。

ゾベイダに身も心も捧げちゃってる、アナタだけの奴隷、

って感じでした。

ゾベイダは奴隷の踊る姿もこよなく愛している。

途端に勇ましくなる姿に、ゾベイダでなくても惚れ惚れ。 

これも金の奴隷はわかってて、恋焦がれる王妃に見て欲しいと願っている。

チワワが黒豹になるなんて、黒豹がチワワになるなんて、反則だもんね。。

宴が最高潮に盛り上がると同時に、シャリアール王が帰ってくる。

素早く察知した金の奴隷を奥へと導くゾベイダ。

何故ひとりで戻ってきたのだろうか。

やっぱり王の前で王妃と連れ添うわけにはいかなかったから・・かな?

王の怒りの矛先を、少しでもゾベイダから逸らしたかったから?

死体として転がってる姿が間近で見られたのは貴重でした。

3日目は前方の頭達でふさがれてしまったので(泣)

王の怒りを甘く見ているゾベイダは、

王が愛した自分の武器を思い出させようとすがる。

フィリピエワ、ここでも最高。 

たまらず赦そうとする王に、待ったをかける弟。

愛人の奴隷を転がして、王妃の不義を知らしめる。

王だって、この奴隷の姿を見たら、

王妃がどれだけ溺れたか解ろうもの。 

ここで奴隷が大したことないヤツだったら、違う展開だったかも。

そんなに淋しかったのかい?とか言って。

でもでも、黄金の奴隷じゃね。 怒りも倍増。

このわたしが死ぬのよ、いいの?と詰め寄った挙句

どうぞ、好きに。と王に見捨てられたことをようやく悟る。

自害するしか道はなく、決心していく短い時間の中に

ゾベイダの悲哀がないまぜになる。

王に抱えられ、王に愛されたまま命が尽きていく 

美しい王妃でした。

死体のルジも、美しい奴隷のままでした。

やっぱり金の奴隷はルジマトフ以外、考えられない。

と再認識させてくれた、ルジマトフ本人に、

全幕を持ってきてくれて感謝。 

4年振りだったんですね。シェヘラザード全幕。 

花束攻勢に気づかない振りしてるのは

舞台の余韻にまだ浸っていたいから?

花束受け取っちゃうと、どうしても素に戻っちゃうもんね。

その時の笑顔もまた最高に素敵です。

花束渡してみたいけど、やっぱりビビルわ・・・。 

そして、ルジマトフの金の奴隷を一層輝かせてくれた、

キエフの名花、フィリピエワにブラボーを。

奴隷登場前から夢中で見てました。

ふたりの並びが美しいだけでなく

演じながら高めあえる、質の高いパートナーシップだったと思います。

本当に素晴らしかった。名演でした。 






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最終更新日  2010年07月17日 22時24分52秒 コメント(2) | コメントを書く
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