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NabeRen

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2006年02月23日
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 今日は、木曜日。いつもならば、桜姫と桜丸は、学校が終わってから、そのまま一緒に私の職場に歩いて来るはずだった。

 木曜日は、桜姫も桜丸も、終わる時間が同じであるし、私の授業時間と重なるため、私もお迎えにいけない。丁度桜姫の積木の授業が四時半からあるので、同じ学校の生徒と一緒に来るのだ。但し、雨や雪など天気の悪い日は
お友達も一緒にうちで待機しておく。隣には必ず人がいるし、なんてったって、学校の目の前。職員室迄行くのと、裏庭に行くのとではあまり変わらない。私が、幼稚園児の授業が終わってから、そのままダッシュで家に迎えに行くことになっている。

 ところが、今日は、授業の後半、園長が教室にそれとなく入って来て、授業を見学している。ウロウロしているのだ。確か、さっき、入園希望者が来ていたので、授業の見学でも申し出たのだろうか?とちょっと思いもしたが、園長しか入ってこない。そして、丁度時間が来たが、いつもの事、きちんと挨拶が終わる迄、私たちは解散しない。気をつけをして、姿勢を整え、「ありがとうございました」と、お互い礼をするのだ。
 また、この日に限って、問題が解けずにへそを曲げた子がいて、なかなか席を立とうとしない。なんとか説得してご挨拶が終わった途端、園長から
「桜姫から電話があって、桜丸のランドセルが無くなって、先生達総出で捜しまわってるって。」と知らされた。

 なんだなんだ?また、何だかしでかしたのか?桜丸ゥ~。
天気の悪い日仕様の上を行く猛ダッシュで、学校へと向かった。

 ランドセルが無くなった経緯はこうだ。


 正直、私は、はじめ桜丸の記憶を疑ったのだが、他のお友達の証言から、桜丸は間違ってもいないし、勘違いもしていないようだ。ただ、他のお友達や先生方が必死で探しているのに、なんともひょうひょうとしていて、事の重大さがわかっていない。呑気に、「ないんだよね~。」と言って、平均台を渡って遊んでいる。もしかしたら、彼なりの考え方なのか?ほら、コナン君の「眠りの小五郎みたいな、あれよ、あれ(でも、あれは、結局はコナン君なんだけどね)・・・
「こらぁ~!みんなが探しているのに、当の本人が遊ぶとは何事!探しなさい!」と叱り飛ばした。それに対して「はぁ~~い。」だって!
もしや、自分で隠したとか・・・・?などと疑ってしまう程だった。

 桜姫と、お友達は、学校のあらゆるところを捜しまわり、もしかしたらプールに投げ込まれてるかも!とか言って、プールに迄行っていたのをみて、正直、そこ迄悪意のある仕業だと感じて、疑っている桜姫達に驚いてしまった。「エ~、そんな悪どい事を想像出来るっていうの?」
どちらかと言うと、その想像力に、悲しさが過った。

「そんな事する訳ないじゃない。プールなんかには、ないわよ。」と言って、桜姫達を呼び戻した。
 そこで閃いた、強力な可能性!!
もしかしたら、桜丸の事だから、お友達の誰かが「あ~、桜丸君、こんなところにランドセル忘れて帰っとる。ばかやなぁ~。家も近いし、帰るついでに持って行ってやろう。」といって、いつもいつも、うちに来たがっている子(S君)が持って来てくれてるかも知れない!!むちゃくちゃ、自信があったのだ、この案。
 でも、実際家に帰ってみると、どこにもランドセルはなかった。う~ん、ただの軽いいじわるだったら、そんなにわからないところに隠すよりも、チョコッとしたところに隠して、捜しまわってるところを見て、笑ってるはずだけどなぁ~。ほら、ちょっと吃驚させるだけの感じでさ。

ところが、先生達は、車で学校の外に出て、通学路沿いの川を探してまわったらしい。


私が、もしかしたら、桜丸に負けず劣らず呑気なの?

 私が学校に着いて30分程探したが、見つからない。そうこうしているうちに、桜姫達の授業が始まってしまう。丁度コネ夫君が迎えに来てくれたので、桜姫達を幼稚園迄連れて行ってもらい、サル鳶実弟に授業をまかして、そのまま捜索に加わった。6時間目が終わった6年生の一部や、卒業式の話し合いが終わった児童会の子たち、そして、たまたま居合わせた桜丸のお友達のお母さんが一緒になって探し始めてくれて、大捜索となった。

 しかし、子供達をいつまでも引き止めておく訳には行かない。教頭先生が、一旦先生方を職員室に集めてくれたので、とりあえず、捜索は打ち切り状態になった。職員会議の前に、それぞれの先生方が、もう一度教室をくまなく探してみようということで、全校に散らばってくれた。私も、外の物置きなどを探してみる事にした。6年生が、隠す場所などの参考を教えてくれた。名探偵小説の読みすぎでは・・・と思う程、手の込んだ隠し場所だった。

 ちょっとしてから、「ありました~~~!」という声がした。

 最後迄、誰かの勘違いで、実は今日は手提げバックで登校していた子がうっかりそれを忘れてて、自分のと似た桜丸のランドセルを持って帰ってしまったとか、まだまだそんな事を考えていた(マジで)。でも、桜丸のランドセルがあった場所は、桜丸の校舎から一番離れた体育館の女子更衣室の一番奥の棚の中にあったのだ。一度、先生が探しに入ったらしいんだけど、もう一度入ってみて、奥の方に行ったらあったらしい。ただでさえ暗い更衣室、間近に行かないとわからなかったらしい。それよりも、この暗い人気のない更衣室に入るのが恐いだろうに・・・。



 一緒に探してくれたお母さん、幼稚園も一緒で、体育会系の、曲った事のだいっ嫌いなお母さん。凄くいい人なのだ。その人が
「よかったですね、でも・・・なんとも複雑で・・・なんか、かえって後味の悪い結果になったね。」と、涙ぐんで言ってくれて。じ~~んときた。

 ほぼ、桜丸をターゲットにしたもので、意地悪でやったものとなってしまった。でも、まだはっきりしていない、もしかしたら、誰のでもよかったのかも知れないし・・・でも、桜丸に対してもいじわるだったら・・・とおもうと、あとから、悲しみが込み上げて来た。先生方にお礼を言っている時に、先生から励まされ、それでなんだか涙が湧き出て来た。


 体育館の更衣室は高学年しか使う事が出来ないし、放課後には使わない、電気のついていない体育館は、1年生が行こうと思う場所だろうか?
それに、ランドセルって、結構重いし、一年生がもうひとつランドセルを抱えて離れた体育館に行っていたら、この姿を誰かが見ているはずではないだろうか?でも、その時には、まだ上級生は、下に降りて来てなかったし。3年生が降りて来た時には、もうランドセルは消えていたし。1年生が、果たしてそこ迄手の込んだ意地悪を、せっせとやるだろうか?もしやるとしたら、とても根の深い恨みでもありそうだ。果たして、桜丸にそこ迄恨みを持っている子がいるのだろうか?

 どうしても、犯人を突き止めようとする自分がなんか辛かった。
でも、ここ迄来たら、どうしても突き止めて、一言言ってやりたいというのが、本音だ。説教好きのコネ夫君出したら、きっと、止まらんぞ~~。
ほんと、覚悟して欲しいわ。

 たったひとつの悪意。でも、それに対して、本当に多くの善意が動いてくれた。そのおかげで、なくなったものは見つける事が出来た。でも、今のところ、その悪意は消えてはいない。ほんのちょっとした悪意に対して、多くの善意は立ち上がってくれる。でも、それを追い詰めるのには、とても時間がかかる。多くの善意に対して、悪意は少しですむが、必ず善意が悪を追い詰める。人を動かす力としては同じかも知れないが、善と悪では、動く源の質が違うのだ。

 なんだか、妙な哲学意識にそれてしまったが、漠然とした世界が見えたような気がした。でも、ランドセルひとつの為に、一生懸命になってくれたみんなの優しさに、本当に感動した。隠した者に対しては、腹立たしさよりも、みじめさを感じる程だったが、この結果を見て、桜丸に対する意識をどう変えて来るのかが、恐い。

 それにしても、学校社会と子どもたちの意識がこんなにも進んで(?)いるのか、荒んでいるのか(?)と思うと、私の方がまだまだ幼稚だったのかも知れないし、危機管理が甘かったのかも知れない。思った以上に、子どもの心は荒れているのかも知れないと改めて思った。







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最終更新日  2006年03月01日 22時51分56秒


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