ひーちゃんのゼミナール 名古屋産業大学(現代ビジネス学科)・大学院環境マネジメント研究科)現代の社会・経済・環境・芸能・スポーツ・宇宙

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2019.01.30
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古き良き時代の出欠管理
 勤め人ならば「出退社管理システム」は当たり前のことであり、毎日やっていることなので何ら違和感はないし、仕事をしている最低限の証になるので、必要だとか不必要だとか、さして意見はないだろう。そう断定できない面もあるにはあるが、ここではそれは問わない。
 さて、学生が大学に来ているかどうか、具体的に授業に出ているかどうかの把握を「出欠管理」ということにして、この出欠管理業務ーと呼んでよいかどうか疑問は残るがーの管理主体は、夫々の授業の実施者、つまり教師の基本的な仕事である。もちろん、筆者が大学生だったころー昭和40年代前半という古い時代だがーは、一部の少人数の語学やスポーツの授業以外は出欠確認などはないのが普通であって、「出ても出なくても自由」だった。代返(だいへん)なんてのも当たり前で、先生から特に咎められた記憶はない。要は試験にパスすればいいわけで、すべては自己責任、体よく言えば「性善説」に基づく学生の側の「自主管理」で事が進んでいたように思う。単位を取らなければ卒業できないから、毎年度期末試験が近づくと急に教室がいっぱいになり、「ノートを見せろ」とか「どこが出るんだ」とか、試験情報の収集がかまびすしくなるのはいわば古き良き時代の風物誌であった。

 性悪説による管理方式
 ところが、世の中に大学の数が増え、本来ならば高校を出て工場や商店、職人親方のもとで仕事を覚え、職業生活における自立と自主性を涵養していった階層までが、大学という高等教育の門をくぐることによって、性善説に基づく出欠の自主管理システムでは、教育システムにおける単位認定に不具合が生じてきた。平気でさぼる学生が増え、勉強はせずバイトにうつつを抜かし、試験の答案用紙は白紙で出す、ゼミでは堂々と寝ている学生が目に付くようになり、出欠管理がやかましく言われるようになった。「出欠管理が徹底され、学生にわかり易い」授業が表彰され、「学生に評判の良い授業を行った経験のある人物」が大学に採用される時代なのだ。
 大学の教師が、まずもって頭を悩ますのが、この出欠管理業務であろう。シラバスや教科書を準備し、課題を出して評価し、定期試験を実施して単位を付与する前に、この出欠管理業務で神経をすり減らしているのが、大方の教師の実情ではないだろうか。筆者も、もちろんその中の一人である。
 ただ出欠を確認するだけではなく、出欠確認と教室管理が密接に関連しているから、この業務は複雑でナーバスな作業となる。しかし、ここでは「出欠管理」は、ただ教室に学生が来ているか否かの確認作業という、物理的側面に限定して考察する。
 そこで、どうやっているかであるが、授業の態様や人数、教科の内容によって一概には言えないであろうが、①座席指定、②出席票の提出、③点呼による確認、④小テストの提出、⑤公欠願いの提出(就活を含む)といった方法で出欠確認を行い、期末に「失格者」を確定して、受験資格をはく奪するといったやり方が一般的なのであろう。筆者はいくつかの大学の授業を担当しているが、おおむねこんなやり方だと理解する。

 excel(表計算ソフト)管理が主流

「働き方改革」は叫ばれるが、以上に指摘した業務改善の方策については、教員に任されているのが現状である。したがって、教師は紙にいちいち手書きで記入する場合は別として、このexcel表に出欠状況と試験の結果を入力し、自身の授業の評価基準に従って受講者の成績ランクを確定するわけである。ランク付けは通常、秀(S)、優(A)、良(B)、可(C)、不可(D)、失格(F)で表記される。そこで以下、大学教員の過重業務負担が取りざたされ、「働き方改革」の重要性にかんがみて、筆者が考案した出欠管理システムの基本的な概念を考察してみた。

 過重な業務負担を緩和する
 筆者は、複数の大学で、年間5つの講義形式の授業と4つのゼミ(大学院は除く)を受け持っており、その年間受講総数は多い年度で600名に達する。年度によって受講者数は異なるが、概ね500~600名の学生を対象に、出欠管理業務をこなさなければならない。受講者には、毎回「ミニレポート」と称して、出欠確認のための課題提出を義務付けている。座席指定で回収は後ろの席から前へ送らせるので、各席番号順にそろっており、これを授業ごとのexcel表に入力している。
 一人当たりにかかる時間は、おおむね1分である。いったん入力してしまえば、集計は計算式を入力しておけば、合計点は自動的に結果が出てくるので、あとは成績が良い順に自動的に並べてくれる。優良可の入力も、コピー機能を使えば、必要業務時間はおおむね無視しうるので、問題は毎週、毎週のこまめな入力業務時間ということになる。
 上に示した総受講者数500名、一人当たり所要時間を1分と前提して、毎週の必要労働時間を計算すると、1分×600人=600分=10時間となる。一人に2分をかけるとすると20時間になる。400字のミニレポートを丹念に読むと2分は必要だろう。私と同じことをやっているある女性の先生は,もっと時間をかけているという。私が研究室の明かりを消して帰宅するころ、その先生の研究室にはまだ明かりがともっている。
 この時間には、授業の準備や学生に対する様々なサービス提供に必要な時間は含まない、あくまでもキーボードをたたくのに必要な単純労働時間である。休憩や確認のための時間も必要だから、実際はこの10時間を超えることは明らかだが、今はそれを問わない。授業のある日は週4日なので、一日当たり2.5時間、キーボードをたたく時間労働を充当していることになる。この時間が教師の精神状態におよぼす影響は個人差があり一概には言えないが、筆者の聞き及ぶ範囲ではかなりのストレスになっている。

 改善策
 さて、筆者は、今このストレスを改善し、かつ学生へのサービスを質的に向上させる方策として、来年度より新しい試みを行う予定である。次にこのアウトラインを示す。もちろん、この改善策は、教務規程の示すところと矛盾してはならないが、もし矛盾するところがあれば、対学生サービスの向上を優先する形で考案していることをお断りしておきたい。どうするか? それは端的に言って「性善説」に基づく出欠管理である。
 毎回、出欠票やミニレポートの提出を求めて回収し、それを入力するという方式を、思い切って断念する。ここで、ミニレポートの提出をやめたらどうかという提案が出そうだが、出欠票だけだと「ニセ」の出欠票が出るので、代返と同じで、実効性を伴わない。ミニレポートを作成させ提出させる「課題」は、毎回の授業進行に必要なアイテムであり、シラバスでも記入を勧められている項目なので、削除できないから、これをノートに書かせるか、後で説明する各自の「自己出欠管理表」に記入させる。性善説による改善策は、この学生の自主的に行う「自己出欠管理」をコアとして進める。

 自己出欠管理表
 文科省が定めている15回の授業に関して、学生自らに、出欠と学習の自主管理を作成させることはそんなに難しいことではない。出席票やミニレポートによらない出欠の確認には、メール送信、HTMLのお問い合わせ機能、出欠確認用アプリ、学生証や顔認識ができるシステムなどが考えられるが、これだと「紙」というアナログ機能を使う場合に比べてかえって時間がかかってしまうし、教室にいなくても送信できるから確認にならない。学生証と顔認識による本人確認は効果があるが、excelに収れんさせる方式とは整合性が取れない。かえって業務を複雑にする。何かキーワードを指定して、それを記入して送信させるとしても、不在学生には容易に伝わってしまう。


 まとめ
 以上が「性善説」に基づく学生による学生のための「出欠自己管理システム」である。これまでの大学の大人数講義での出欠管理システムは、学生は本来授業をさぼるもの、嘘をつくものということを前提として、そうさせないために「管理」という、いわば性悪説の目線で出欠管理を行うものであったように、筆者は解釈している。
 そうではなくて、学生は本来的に自己を向上させるために向学心を持っており、自己を磨き発達させるために授業に出るのだという信頼を学生に向けるべきだと思う。さぼり癖がついて、授業に出ていないくせに出席したように装うものがいたとしても、それで受験機会を得たとしても、それでは満足のいく結果を出すことはできない。毎回のミニレポを実際にこなしていなければ、期末試験で到達目標を達することができないように、授業を組み立てていけば、たとえ学生が出席を偽装しても、評価は必ずDランクになることは確実だ。
 そのことを授業でよく周知徹底させて、それでも欠席を繰り返すものがいたら、それはそれで本人の責任なのである。教師は、学生の自己向上心と自主的な出欠管理、というよりもアルバイトや課外活動も含めて、日常の学生生活の自主管理を適切に行うよう指導することに、もっと意を用い注意を払うべきだろう。
 おそらく、15回目の授業で提出させる、メールかwordの出欠自己管理の本文には、このような授業の学習成果が満載された記録が、教師のもとに届けられるだろう。教師は、試験を採点し学生が送ってきた自己出欠票を見ながら、総合的に成績を入力し、教務課に提出することになるだろう。こうして、日常の不毛な出欠確認作業から解放されて、質の高い授業を展開することができると確信している。以下に、自己管理表のひな形を記す。


自己出欠管理フォーマット:各自スマホメールの本文(word可)に記入し、提出まで保存してください。
学籍番号・氏名・授業名
曜日・時限・授業担当者名
1回目(月・日)
・授業の内容(項目だけ簡単に。口頭や板書による説明は教科書やノートに書きこんでください。以下同じ)
2回目
・授業の内容
・ミニレポ(テーマ名)スマホのgoogleで検索し200字程度~400字で書いてください。教科書を読んで書く場合もあります。その場合、巻末の索引を見てください。(経済学の授業では教科書を使います。)
検索したhttp://
3回目
 ・
 ・
 ・
13回目:提出 メールアドレス 学内LAN
15回目:授業終了後、各自完成した自己管理表を印刷し提出する。

 以上、まだ100パーセント固まったわけではないが、4月以降出欠確認を行おうと思います。
(2019年1月31日)





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最終更新日  2019.01.31 17:03:44


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