もしかして・・・「かーっ、生意気なっ」な部分はどーぞご許されませ(苦笑)
はい。
ド素人の私によくはわからないけれど・・・わからないんだけれど
これが和泉流「万作家」の洗練された技、美しさ、伝承を受け修業をしてきた釣狐なのかなぁ、と言う思いで鑑賞を終えました。←うは~、ショッパナから生意気か?!
特に前シテは「習い」と言われる型のオンパレード。一つ一つのそういった技が代々受け継がれ、 精巧にプログラミングされたような完成度
が感じられました。
後シテには前場ほど固められた習いがあまりないらしいと聞いたので、演者なりの工夫を出すのは狐になってからの方が多いのかな、何だか 萬斎狐が生き生きと動いているようにも
思いました。
六世万蔵さんから教えを乞うた万作さん曰く、ただの物真似にならない品のある後シテでなければならない…と。
万作さんが60歳を超えて挑まれた釣狐は 「月の浮かぶ薄野原」
というイメージを持って臨まれたそうです。
不惑、野村萬斎さんの釣狐は…?
私は万作さんの最後の釣狐ドキュメンタリー、または著書などの読みすぎで当初、同じ雰囲気をもつ釣狐を感じることこそ、醍醐味かも…などと ナントカの一つ覚えのように
思い込んでいた節がありました。
まったく持って 反省のしきり
です(笑)
イメージを広げるのはその時の狂言師の演じ方と観客の感性。
正解などないのでしょうね。
しいて言えば、その日のシテを勤める役者の思惑に近い観劇ができたら最高。
前場は人間に化け、猟師と対峙するいわばアウェイ。
本来の姿となった後場は狐にとってのホームグラウンド。
漆黒の闇に光りさす月と薄野原は萬斎狐の見上げる空には広がってはおらず、なお百歳の老狐のようにも感じなかったけれど、
生命力と躍動感溢れる銀色の艶やかな毛並みを揺らし、誇らしげに荒野を走り回る雄狐。
万作さんが月のイメージならば萬斎さんは太陽のような眩しさ
を感じます。
しいて言えば・・・そう・・・。
昼間の太陽というより…秋空に赤く染まった夕焼けが似合う狐
です。
・・・狐は夜行性・・・ま、細かい突っ込みはさておき(苦笑)
またこの日観た後シテ萬斎狐の中には「食べたいな~」という台詞からも、陰惨さ、暗さと言うよりも、太郎冠者的な陽気さすら垣間見れました。
重々しい白蔵主の前シテでも悲劇性と喜劇性が相まみえるような印象。
演者にとっては因果なものか難しさか私にはわからないのですが、激しく動いているとつい若さが際立ち、そこから「老いの印象を醸し出す」のは、そうそう簡単なことではないのかもしれません。
でもね、それが良いとか悪いとかって思うわけではないんです
この萬斎×釣狐公演は全七回。残すところは福岡と大阪のホール公演。
過去5回の公演を全て見比べたわけではないのでわからないのですが~、他の方から色々と聞いた別の公演の感想から 「それぞれの舞台で萬斎風味を変えている」
んじゃないかなぁなどと想像しています。
せっかく短い期間でなかなか演じられない釣狐をするのですから、異種格闘技などで培った引き出し、それら演出の妙と観客の反応を併せて楽しんでいるような気がしてならないのです(笑)
今まで本などで読んで漠然としか感じられなかった
「時分の花というもの」
を初めて深く体感させてもらったような気がしますね。
数年後、数十年後、還暦を迎える頃に萬斎狐が復活するとき、またその年代での時分の花を咲かせてくださるんでしょうね。
今年は思いがけず萬斎さんの釣狐、そして茂山家、将来を担う時期当主(気が早いか・笑)、正邦さんの釣狐も観ることができました。東西の狐にお目にかかれて幸せな2006年。
当然、比較も可否なども私がつけられるものではありません(笑)
ただ
難しいことはさておいても。
面白かった(≧∇≦)
とくに、ござる乃座では
万作さん・萬斎さん親子が、懸命に勤められた渾身の舞台
記憶に残る釣狐を観れたこと。
ずーっと忘れられないな、と思いました。
参考:あらすじで読む 名作狂言50
今日は2本立て(笑)←こうしてなかなか年賀状に取り掛かれないヒト
今週の金曜日が私の2006年狂言鑑賞ファイナル。
新宿狂言 全労災ホール スペースゼロで"落語元ネタ"の狂言を野村萬斎さんの解説と高座?!(←やっぱり今年の〆も、こーでないとってやっぱミーハー・・笑)
狂言「骨皮」は去年一度観ましたっけ。
あらすじは こちら
あんまり~心に深く刻まれた演目ではないのだけれど(爆)新発意のトボケっぷりと、住持の慌てっぷりが見ているだけで面白い作品。
鑑賞レポは ここ
本日は夫殿が出張ゆえ~、時間ができたので一挙2本立ての暴挙?!ですが(笑)もう週末まで新記事も作れない気がしなくもないので~・・・また、つぶやきBlogか掲示板へご報告いたしまする。
みなさんもお忙しい師走・・お時間が出来た時にまたお付き合いくださいね。
お掃除、年賀状、がんばりましょう(うるる~)
こどものためのおもしろ狂言(茂山千五郎… 2012年08月06日 コメント(2)
【1】新春名作狂言の会 2008年02月02日 コメント(14)