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『ソーダファウンテン Morozoff』 札幌ステラプレイス店できた頃は、とにかく「ソーダの専門店」ってのが珍しく、だってソーダだよ、いうなればサイダーだよ、そんなん商売になるのん?みたいな感じだったけど、ミントの葉っぱが浮かんだきれいな水を飲んでみるとこれが素敵においしい。日本人の飲んでいるソーダは廉価版だったんか!と小さな衝撃を受けたものだった。店の内装が気に入ったことや、場所柄いつも空いていたこともあって、通りがかれば入って、クランベリーのソーダなんかを好んで飲んでいた。先日も営業途中に一息ついて、遅めのランチをとった。しばらく来ないうちにパスタやデリの種類も豊富になってますます喜ばしい。ワンデッシュにグラタンと牛肉の煮込みが半分ずつ盛られたものを選んで、パンとサラダ、ドリンク付き800円ぐらいだったかな。商品カウンターの前の禁煙席に座ると、ソーダを注ぐ真鍮色のサーバーや輸入もののシロップの瓶が色とりどりに並んでいる棚が見渡せる。明るい店内はステンレス素材とマットピンクがマッチしている。ふと思った。ああ、飛行機っぽいんだ、ここ。デリの味は機内食そのもの。(美味いマズイは二の次)機内食のナイフとフォークってステンレスでしょ。グラスも食器もシンプル。このテイストが好きな理由の一つかもしれない。ソーダってそういえばなんだか金属的。色だとか泡だとか。カラフルでPOPで、もしかしたら飲んじゃいけないものかもしれないって思わせるじゃん。でも甘いんだなー、これが。なんか特別な飲み物。可愛くて幸せそうな泡を目の前に見ながら異空間を味わえる、ソーダファウンテンのおかげでソーダが大好きになった。
2007.03.19
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パフューム調香師である主人公グルヌイユ。この世で唯一無二の嗅覚を持ち、そして体臭を持たない男。体臭がないことを悲しみ、代わりに自分の生きた証として後世に名を残すことを成し遂げようというモチベーションになり、それが究極の香水作りだった。体臭の薄い日本人であり、しかもフツーの鼻しか持ち合わせていない私にはまず理解不能。だからとにかく、彼が感じる匂いを少しでも感じ取ろう、彼の悲哀を感じ取ろう、痛みを分かち合おうと主人公を追っかけているうちに物語が終わった。キーワードでもある「香り」をどう映像で表現するのかとても興味深かったけれど、主人公が感じる匂いを嗅ぎ取れるはずもなく、かといって主人公と同化できないことにもどかしさを感じることもなかった。匂いを感じた場面は唯一、果物売りの女の子がプラムの皮を剥いているところ。プラムの甘酸っぱい匂いと、赤毛の女の子からジャスミンとかオレンジの花のような匂いが漂ってきそうで、官能的で芳しいシーンだった。でもそれで終わり。彼女が画面の中で死んでしまってから、それ以降、さっぱりなーんにも匂ってこなくなった。どんなにCGを駆使しても、色鮮やかな花をたくさん見せられても、どんなに美女を並べられても、『匂い』として伝わってこないのだ。それからは心神喪失状態の匂いフェチがただただ殺人を繰り返していく。そして話題のラストシーン。罪人となったグルヌイユが隠し持っていた究極の香水をハンカチーフに一振りすると、看守も被害者の父親も、知らずに涙が流れ出るほどの感情の昂ぶりと幸福感に酔いしれる。広場に引き出され、群集の前で勝ち誇ったようにハンカチを風の中に放り投げる。司教も魚売りも貴族も乞食も風に舞うハンカチを追って波のようにうごめく。そして誰彼となく抱き合うのだ。そこで初めてもどかしくなった。“愛し合いたくなるってどんな香りなんだろう。やっぱムスクか、それともアンバーか?”香水の材料は、わかりやすく言えば女達の体臭だ。いかに材料が絶世の美女達であったとしても、身体を脂まみれにしてそれをこそげとって蒸留して調合して良い香りになるとはとうてい思えない。さらに、初めて顔を合わせた隣人と愛し合うほどの豊かな感情が湧きあがるような匂いとは、それはいわゆる「香水」ではないんじゃなかろうか。「香水」でないのなら、究極の香りというのは実は類い稀な鼻を持つ主人公グルヌイユにしか認識できない「匂い」=フェロモンだったのではなかろうか。フェロモンというのは、嗅いでいるとは意識しないうちに体内の内分泌系が変化している匂いをいうらしい。そしてフェロモンは動物同士のコミュニケーションの手段の1つだと読んだことがある。物語の中で彼は誰とも会話といえるような会話をしない。一方的にしゃべるか一方的に聞いているかのどちらかだ。そして誰からも愛されなかった。愛されたいという欲求さえ見せなかった。コミュニケーションの始まりは他者に対する感情の揺らぎだ。よくも悪くも感情を突き動かされる無意識の匂い。それこそ究極の、存在のない「香水」ではないか。常人には無意識下の匂いを、作り出し、香水にまで高めた、存在のない男。最後にやっと、究極の香水と自分、そのふたつの存在を確信した彼は、自らが作り出した愛のフェロモンを頭から引っかぶることで、究極の愛を享受したかったのだ。最期の恍惚とした表情が彼の至福のときを現していた。グルヌイユ役のベン・ウィショーは素晴らしかった。頑なで、生まれてから死ぬまで心を閉ざしたままだった稀有な青年を好演していた。
2007.03.04
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