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樺沢潤&樺澤潤 @ ああ頑張ります株式会社の樺澤潤です。 13:10 パネルディスカッション   …

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2006.04.01
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カテゴリ: アントレ日記



 M中学校での2年間。

 とにかく、うまくいかなかった点があった。

 一つは、不良対策
 二つは、女の子対策

 とにかく、この2つで新人教師らしい失敗を多く
犯した。



 ぼくに刃向かってきたのは、のちにとある高校で
4番バッターともなり、甲子園で優勝もした子ども。

 母校のときでもそうでしたが、基本的に
野球が強いときはみんな「悪い」(笑)

 悪いぐらいで度胸が点いているから、たぶん
強いんでしょうが。。

 まあ、彼とそのとりまきについて、いろいろ苦労しました。

 授業中に言うことは聞かない。

 昼休みのコンピュータールームでも無謀なことをする。


ネットで英単語のチカラを身につけてもらおうと昼休みに
ゲームをさせていました。

 すると彼らがやってきました。

 いつも態度が悪く、ポルノ系の内容を見るので、



 ということで取り巻きたちを出て行かしたら、案の定
部屋の壁を蹴りながら帰る。

 ここで、若かったせいでしょう。

 「ぶちっ」

とキレて、思わず首根っこつかんで
職員室横の生徒指導室へ。。

6人だったでしょうか。。

思いっきり怒って、いやがる彼らを正座させて、

「おのれらー、ふざけたことしとったらゆるさんぞ、こら」

で怒号の嵐。

それでも、4番バッターは、ここでもさすがに度胸満点。

けっこう受け流すわけですよ。


それがまたおもしろくないから、火が点く。

周りの先生も集まってきますから、どうやって
収拾をつけようかと思いましたが、ベテランの先生
と一緒に指導するということで、示しをつけましたが。

ここからが大変です。。。

ことあるごとに、隙を見たら反抗しようとする。。

特にめんどくさいのが、体育の時に、
ちらりちらりと弱いヤツに対していじめを見えない
ところでやるんですね。。。

それをきっちりとコントロールできないと信用が
されない。

ここで、例え不良の子どもたちと仲違いになろうと
なんだろうと、ぜったいに譲れない部分を示さないと
いけない。

だから、当然、怒る。

お互いに胸ぐらつかみ合いになろうとも、残りの
子どもを大事にしないと秩序が保てない。。。

そういう思いで正面からぶつかっていきました。。


これが今思えば、「若い」んですね。。

いまなら、もっと賢くできます。

不良には不良へのアプローチがあって、正面からでなく
横から後ろからと攻め手を変えながら、決して正面に
たつ機会を減らして、ここぞと言うときにしか、正面に
はつかないというやり方。。。


けど、これは若いときに同じ事をやると、結局
おかしくなるんで。

しったかぶりして、理解しようとすると
彼らはめちゃくちゃそういうところのセンスが
いいですから、見透かされます。

若い時には、上のやり方で良かったと思う反面、
苦労しました。


本当に気を抜けない毎日でしたから。

ところがもっと苦労するのが女の子です。。

初年度の問題は、不良でしたが、2年目に苦労したのは、
女の子です。。

とにかく「扱いがわからない」

ぼくは偶然社会だけでなく、体育も一クラスだけ
教えていたんですが、これがいうこと聞かない。。

まったく、思い通りにならない。。

列を作るところから、まず成立しない。。


怒ろうが何しようが、なかなか早く動かない。。


同じメンバーがソフトボール部ですから、
これまた同じ。。。

それがですね、僕の尊敬するS田先生というベテランの
教師がいました。

S田先生は、野球部の監督でもあり、豪快で
繊細。ほんとうにオヤジ的なキャラで誰もから愛される
先生なんですね。


このS田先生のすごいところは、タクトを振るが如く、
この彼女たちを操るわけですよ。。

いまだに体育の普通の授業であれだけすごい授業は
みたことがありません。。。

 *特別な授業とか、そういうのでもいっさいなく
  普段の授業です。

不満もあるんでしょうが、たとえば、体育館で
バレーボールをさせていて、ミスが出たら全員で
走るということをさせていたんですが、それも
だまってみんなやるんですね~

怒るときは、ほんとうに怖いんですよ。。
また。


ぼくはこの人のまねが出来ないか、当時一生懸命
みてました。仲もよかったので。。

ただ、S田先生は、学年主任でもあったのですが、
女の先生からはクレームが多くて(笑)。

女のひとって、ほんとうにむずかしいんです。。


このS田先生がまたタクトを振られるが如く
動かされていたのが、S田校長先生です。


この校長先生こそ、カリスマです。。

ぼくが出会った先生では、ナンバー1の指導力です。

ずば抜けていました。。

それもそのはず。

荒れに荒れた学校を5年で建て直し、町の教育委員会をして
「日本一の学校」といわしめた男です。。

そして、お坊さんでもあり、普通の教師を普通にさせない
先生でもありました。


豪放磊落で、お酒をこよなく愛し、飲んだら朝まで
飲むが、次の日は朝一番に校区の見回りを行っている
という。

不良たちが卒業しても、まずはさきに校長のところに
挨拶に訪れるというぐらい、徹底して愛された校長です。

この校長先生と、夜に飲んだことがあって、
いろいろ質問させてもらったことがあります。。

そのときに教えて頂いたのが、

++++
S田校長も先生不適格として辞めようと
思ったことがある。
+++++++

昔、S田校長も生徒とうまくいかなかった時期が
あったんだということを教えて頂きました。


つまり、悩み抜いた教師だからこそ、いまがある、

ということなんでしょうね。。。


そうそう、ある時に、とある罪を犯した生徒がいて
学年主任が職員室で迷惑をかけた先生のところを
廻って、謝罪をさせていました。。

そこに訪れた校長はいきなり「先生はそれはストップ。」

と急に止めさせて、

「先生、子どもに必要以上に恥をかかせたらいかん。」

と一言。

 周りの教師にとっては、謝罪は当然かな、という雰囲気が
あったのですが、このエピソード一つにしても校長先生の
すごさがわかるというものです。。


 このS田先生。さらにスゴイエピソードがあります。


 S田先生は、ちょうど、退職の年でした。


 ぼくも2年間お世話になって、いい卒業式ができれば
いいなあと思っていました。

 この中学校の卒業式は、ぼくの体験してきた卒業式
のなかでも最高の卒業式で、卒業式が終わってから生徒から
先生方へ全体で一言挨拶してお別れの歌を歌うんですね。

 つい5年前には荒れてあり得なかった卒業式なんですから。。。

 ですから、毎年感動の涙があふれるのですが、
このときの校長先生の祝辞はすごかったです。

 「死ぬなー」

で終わりです。

 生徒が死ぬことほどつらいことはない。
 そして自分よりも先に死なれることほどつらいことはない。
 だから、とにかく生きていてほしい。

 そういう願いを込めて、最後の祝辞の締めが、

 「死ぬなー」

です。

 翌日の新聞にもでたぐらいです。。(笑)

 僕自身、本当に通用しなかった時代ですが
周りの先生のすごさを学べた修行の時代でした。

 いまでも、ぼくの目指すべき指導力のモデルは、
この時代です。

 組織マネジメントでリーダーが果たすべきこと

 そのことはすべて、ここで学べた気がします。

<続く>







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Last updated  2006.04.04 00:58:21 コメントを書く


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