風雲 いざなみ日記

2005年11月10日
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華岡清洲 (はなおかせいしゅう)という人は、紀乃国 上那賀郡 名手庄 西野山村(現在の和歌山県那賀郡那賀町)の出身で、大阪で南蛮医学を学んだ父親から医学を学び、23歳で京に登り、吉益南涯に師事して漢方を、都で名だたる名医であった大和見立のもとでは、オランダの流外科術を学んだのちに父親の直道の診療所を継ぎます。


清洲は、「麻沸散(まふつさん)」という薬草を用いて外科治療に役立てていた中国三国時代の医師「華陀」の言い伝えに出会い強い興味を持ちましたが、当時は麻沸散の成分はまったく明かではなく、それを解明するため、清洲は日々熊野の山野を歩いては薬草を採取し、麻沸散の研究に心血を注いだといいます。


数々の動物実験繰り返したのち、研究を支えた実母と妻加恵での実験、そして自分での実験の結果、清洲は遂に経口全身麻酔薬の「通仙散(つうせんさん)」の開発に成功したのでした。


そして、文化2年(1805)10月、大和国五條村の藍屋勘という60歳の老女に対して世界で初めてとなる全身麻酔による乳癌摘出の手術に成し遂げたのでした。 その後も、清洲は乳癌手術だけでも153例、そのほか舌癌、膀胱結石、脱疽など、数多くの外科手術を麻酔によって手懸けています。


花岡清洲は、生涯西野山村を出ることなく、村で診療を続けましたが、麻酔術は杉田玄白の一門にも伝えられ、江戸でも手術が行われたようです。 また清洲のもとには教えを乞う医師が集い、門弟は千人を越えたともいわれており、数多くの名医を輩出したそうです。




<通仙散>
チョウセンアサガオ(曼荼羅華)を主成分に、トリカブト、セリ科のセンキュウ、セリ科のトウキ、ビャクシなどの10種類あまりの薬草を配合したもので、曼荼羅華(まんだらげ)の花や種、葉、根に含まれているアトロピン、スコポラミン様物質、およびアルカロイドによる副交感神経麻痺(遮断)作用なので、理論的に彼の方向性は正しいのです。



<トウキの鎮痛作用>
トウキの熱水抽出物は、今日のマウス実験でも鎮痛作用を認めた物質です。 とくにその成分であるfalcarindiolは、アミノピリンよりも強い鎮痛作用を示します。



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最終更新日  2005年11月10日 00時24分45秒
コメント(24) | コメントを書く
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Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
tomatocco  さん
花岡青洲の創った「紫雲膏」という塗り薬、出会いはもう15年以上前になります。でも、彼が作ったものだというのはつい2,3ヶ月前に知りました。
ごま油を主原料とした塗り薬ですが、やけど、傷、アトピー、なんにでも使います。これを使い出してから、アトピーも苦でなくなりましたし、やけどやまめなどの水ぶくれも直りが早くなりました。

子どもの頃偉人伝というとほとんどが西洋人のものでした。日本人は福沢諭吉と野口英世くらい。本当は、大きな働きをした日本人に光を当てなくてはなりませんね・・・、ここは日本なのだから。 (2005年11月10日 00時56分49秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
mac417  さん
花岡清洲がチョウセンアサガオから麻酔薬を作った事は聞いておりましたが、処方箋は10種類ほどの薬草を使ったものだったのですね。トウキが鎮痛作用があるとは知りませんでした。
漢方薬は興味がありますが、実際今のような研究機材の無い時代に、よく薬品の開発ができたものだと、昔の人の知識に感心せずにはいられません。
漢方の薬草の調合は何を目安にしたものなのでしょう。分量とかはどうやって決めていたのでしょうね。考え始めると興味は尽きません。
本当に興味深いお話ですね。
ありがとうございました。

(2005年11月10日 01時18分35秒)

tomatococoさんへ  
悪代官1号  さん
tomatoccoさん
>花岡青洲の創った「紫雲膏」という塗り薬、出会いはもう15年以上前になります。でも、彼が作ったものだというのはつい2,3ヶ月前に知りました。
>ごま油を主原料とした塗り薬ですが、やけど、傷、アトピー、なんにでも使います。これを使い出してから、アトピーも苦でなくなりましたし、やけどやまめなどの水ぶくれも直りが早くなりました。

>子どもの頃偉人伝というとほとんどが西洋人のものでした。日本人は福沢諭吉と野口英世くらい。本当は、大きな働きをした日本人に光を当てなくてはなりませんね・・・、ここは日本なのだから。
-----
tomatococoさんの知識は素晴らしいですね。 私は偉人の伝記では、tomatococoさんとは逆に西洋人は殆ど誰も読んだことがなく、知らなかったのです。 (2005年11月10日 01時36分32秒)

Re[1]:花岡清洲と通仙散(11/10)  
悪代官1号  さん
mac417さん
>花岡清洲がチョウセンアサガオから麻酔薬を作った事は聞いておりましたが、処方箋は10種類ほどの薬草を使ったものだったのですね。トウキが鎮痛作用があるとは知りませんでした。
>漢方薬は興味がありますが、実際今のような研究機材の無い時代に、よく薬品の開発ができたものだと、昔の人の知識に感心せずにはいられません。
>漢方の薬草の調合は何を目安にしたものなのでしょう。分量とかはどうやって決めていたのでしょうね。考え始めると興味は尽きません。
>本当に興味深いお話ですね。
>ありがとうございました。
-----
本草経などの若干の参考資料はあったものの、彼の執念の賜物ではなかったかと思います。 実際、トウキなどは実に効果が顕著ですが、それが薬学的に証明されたのは昭和になってからの事です。 (2005年11月10日 01時39分39秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
花岡清洲の名を聞くと御前の場合、自分の母と嫁を「人体実験」した研究者。
・・・と、この様なイメージのお人で御座いますが・・
清州の研究に命を預けた母と嫁の姿には、凄まじい意気込みを感じます
一説には、嫁と姑の闘い・・等とも伝えられておりますが、それだけでは成し得ない事に御座いますね。
体調は如何ですか?
あまりご無理なさいませんように・・・。
「蓼」をテーマに歌を載せておきます
調子が良くなりましたらお立ち寄り下さいませ・・・。
(2005年11月10日 01時40分25秒)

Re[1]:花岡清洲と通仙散(11/10)  
悪代官1号  さん
くれない御前さん
>花岡清洲の名を聞くと御前の場合、自分の母と嫁を「人体実験」した研究者。
>・・・と、この様なイメージのお人で御座いますが・・
>清州の研究に命を預けた母と嫁の姿には、凄まじい意気込みを感じます
>一説には、嫁と姑の闘い・・等とも伝えられておりますが、それだけでは成し得ない事に御座いますね。
>体調は如何ですか?
>あまりご無理なさいませんように・・・。
>「蓼」をテーマに歌を載せておきます
>調子が良くなりましたらお立ち寄り下さいませ・・・。
-----
嫁姑の闘いというお話しも何かのテレビなどで観たような気がしますね。 蓼の和歌、拝見するのが楽しみです。 (2005年11月10日 01時44分10秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
himekyon  さん
嫁と姑が人体実験・・・チョウセンアサガオを見るたびに花岡青洲が思い浮かびます。先日のエンゼルトランペット、私も先日景信山へ行った帰りに立ち寄ったお豆腐やさんの軒先にあったのを写真に撮りました。とてもよい香りがしました。美しいものには毒がある・・実感した次第です。今の医学会には、花岡青洲のような人物は生まれないのではないでしょうか (2005年11月10日 07時53分55秒)

華岡青洲の妻と・・・  
姑の争いを描いた有吉佐和子だったかな?
小説を読んだことがあります。
まだ独身だった頃のことです。
女は怖い生き物だとつくづく思いました。
命がけで息子をこちらに振り向かせようとする姑の執念。私には息子はいませんがそれほど息子はいとしいものなのでしょうか?
でも通仙散ガの地の麻酔の元になったと聞いてやはり偉大な人だったんだなと思います (2005年11月10日 09時08分12秒)

花岡清洲って・・・  
ハレバレ  さん
小説では読んだことがあり、業績もすごいなと思っていましたが、和歌山の人ということをすっかり忘れていました(^^ゞ
ちょっと親近感がもてます。<なんでや?(笑)
三国志の華陀先生に影響を受けたんですね。
そんな古い書物の中のお薬を再現しようとして、麻酔薬の調合に成功する(「麻沸散」とは別物かもしれませんが。)なんて、
ちょっと、トロイを発掘したシュリーマンのようですね。(違うか?)
(2005年11月10日 09時46分19秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
Chalupa  さん
へ~、そうなんですか。
こういった自然の恵みを破壊するなんて、アホだわ、人間って!!
(2005年11月10日 10時00分17秒)

himekyonさんへ  
悪代官1号  さん
himekyonさん
>嫁と姑が人体実験・・・チョウセンアサガオを見るたびに花岡青洲が思い浮かびます。先日のエンゼルトランペット、私も先日景信山へ行った帰りに立ち寄ったお豆腐やさんの軒先にあったのを写真に撮りました。とてもよい香りがしました。美しいものには毒がある・・実感した次第です。今の医学会には、花岡青洲のような人物は生まれないのではないでしょうか
-----
アサガオには種類が多いので、チョウセンアサガオといっても、どれがそうなのか私は正確には知りません。エンゼルトランペットにも同様の物質が含まれているようですが、含有量がどれほどなのか、一度調べようと思います。 (2005年11月10日 12時20分21秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
NHKの金曜時代劇で華岡清州の妻のドラマを見ました。
谷原章介と和久井映見田中好子らが出ていて、毎週楽しみに見ていましたが、壮絶な世界だなあと思いました。 (2005年11月10日 19時37分51秒)

Re:華岡青洲の妻と・・・(11/10)  
悪代官1号  さん
モグちゃん8704さん
>姑の争いを描いた有吉佐和子だったかな?
>小説を読んだことがあります。
>まだ独身だった頃のことです。
>女は怖い生き物だとつくづく思いました。
>命がけで息子をこちらに振り向かせようとする姑の執念。私には息子はいませんがそれほど息子はいとしいものなのでしょうか?
>でも通仙散ガの地の麻酔の元になったと聞いてやはり偉大な人だったんだなと思います
-----
嫁姑の争いまで加わると、話が一層壮絶になりますね。なんだか恐い気がします。 (2005年11月10日 20時28分31秒)

Re:花岡清洲って・・・(11/10)  
悪代官1号  さん
ハレバレさん
>小説では読んだことがあり、業績もすごいなと思っていましたが、和歌山の人ということをすっかり忘れていました(^^ゞ
>ちょっと親近感がもてます。<なんでや?(笑)
>三国志の華陀先生に影響を受けたんですね。
>そんな古い書物の中のお薬を再現しようとして、麻酔薬の調合に成功する(「麻沸散」とは別物かもしれませんが。)なんて、
>ちょっと、トロイを発掘したシュリーマンのようですね。(違うか?)
-----
若干の漢方の資料もあったとは言え、200年も前に、よくもあれだけの事を成し遂げたと感心しますね。 (2005年11月10日 20時30分05秒)

Re[1]:花岡清洲と通仙散(11/10)  
悪代官1号  さん
Chalupaさん
>へ~、そうなんですか。
>こういった自然の恵みを破壊するなんて、アホだわ、人間って!!
-----
自然を破壊するのは僅かな時間で、それを取り戻すなら半世紀以上は掛かると思います。 (2005年11月10日 20時31分44秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
ムー姫  さん
有吉佐和子の「華岡清州の妻」をはじめて読んだときに、女って恐ろしいと感じました。 (2005年11月10日 20時47分49秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
お加減はいかがでしょうか? (2005年11月10日 20時53分27秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
小雪牡丹  さん
考えてみれば 麻酔のなかったとき
どのような苦痛があったのか
歯医者でさえ 麻酔なしの治療は
考えられないのに

家族を実験に使うなんて 成功を信じていたのですね。
こっそりと 実験したのではないですよね。 (2005年11月10日 21時45分26秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
ちい021  さん
お代官様と寄せられるみなさんのコメントからも大変勉強させていただきました。
で、
花岡清州の妻を読みたくなってしまいました(^^。

(2005年11月10日 21時49分29秒)

ムー姫さんへ  
悪代官1号  さん
ムー姫さん
>有吉佐和子の「華岡清州の妻」をはじめて読んだときに、女って恐ろしいと感じました。
-----
ムー姫さんもドロドロがお好きですねぇ。^.^; (2005年11月10日 22時10分05秒)

こんばんは。  
ROVA  さん
すごい・・・でも麻酔が出来る前は全部麻酔無しだったんですもんね。
麻酔無しでとても出来ないような手術は出来なくて
そのせいで亡くなっていった方も多いんでしょうね・・・
今でこそ医療が発達して「何とかなる」病気が多いですが
昔はきっと何とかなる病気の方が少なかったのかもしれませんな。

日記コメントありがとうございました。
で、コレですが。
> |:3ミ ←タテにしてみたらバカボンのパパに似てませんか?
いや確かに似てます!似てますけど突然何ですか(笑)
そして微妙にタコにも見える・・・ (2005年11月10日 22時18分38秒)

Re:花岡清洲と通仙散(11/10)  
桜*月夜  さん
花岡清洲という名前とお医者さんであったこと、
そのくらいの知識しかありませんでした。
実母と妻での実験と言うのは すごいことですが
赤の他人で実験は出来ませんものね。
医学に没頭したという証なのでしょうね。
(2005年11月10日 23時46分49秒)

サークルBEE3617さんへ  
悪代官1号  さん
サークルBEE3617さん
>お加減はいかがでしょうか?
-----
お陰様で、なんとか息はあります・・・^.^; (2005年11月10日 23時56分43秒)

サークルBEE3617さんへ  
悪代官1号  さん
サークルBEE3617さん
>お加減はいかがでしょうか?
-----
お陰様で、なんとか息はあります・・・^.^; (2005年11月10日 23時59分30秒)

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