2023.12.29
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カテゴリ: 元気が出る話



 以前、​ 備蓄しましょう ​というタイトルで記事を書かせていただきました。当時はウクライナ紛争によるロシア制裁が響いたことでエネルギー価格高騰および食糧難が予想されるという流れで、日本国内の物価の上昇を懸念する内容になっておりましたが、ウクライナ紛争の火がイスラエルに飛び火したことにより、今度は中東のエネルギー問題が深刻化し、今も物価はどんどん上昇を続けています。販売側もステルス値上げだけでは間に合わなくなり、ついに数字そのものが上がってきました。

イスラエル紛争によりエネルギー不足、物資不足、値上げが長期化し生活を圧迫

 みなさんも、これまで気軽に購入できたものが、ここ1年でだんだん手を出しづらくなってきたと実感していることと思います。
 さらに、現在の中東情勢の悪化により、バブエル・マンデブ海峡およびホルムズ海峡封鎖が現実になると、日本国内の物価がさらに高騰し国内経済が大打撃を受けることが予想されています。

 前回の記事の繰り返しになりますが、国民の生活に直結するような深刻なニュースはテレビやラジオ、そして新聞もギリギリになるまで報道しません。各自が危機感を持ち、予測できる範囲で備えておくしかありません。被害が日本全国レベルになると、いざというときに国は助けてくれません。

 我が家ではこの2、3年はガッツリ備蓄を続けました。今になって申し上げられることは、最低限半年〜1年分くらいの生活必需品が家に揃っていなければ、今後とても生活そのものがキツい状態になるのではないかと思っています。今回に関しては地震や洪水などの一時的な非常時ではなく、エネルギー、物資不足という人的な災害により被害が長期化する想定となります。

日本の経済危機に備えて何をどれだけ備蓄すればよいのか

 結論から申し上げると、日頃使っているものや口にしているものはいくらでも好きなだけ備蓄するのが良いと思います。日本中がパニック状態に陥ってからは物品の争奪戦になりますので、平常時に少しずつ買い置きしておくことです。
 また、非常用として特化されている食品は個人的にはおすすめしません。普段食べているものなら日常的に消費しつつ自然に入れ替えができますが、非常用食品は保存期間が長い割に高価なため、普段食べるにはもったいない気持ちになりますし、また食べ慣れていないことから口に合わない可能性があります。

 非常時はいろいろなストレスにさらされますから、せめて食事のときだけでも自分の好きなものが食べられるように準備を整えておくのが正解ではないかと思います。

 また、どんなときでも最低限これは譲れないというラインを自分で引いておくことです。物でも食品でもそのラインを十分満たす程度の備蓄をすれば良いでしょう。状況が悪化すれば、いやおうなしにそのラインを下げざるを得なくなりますから。

我が家の備蓄リストを紹介

 それでは我が家で備蓄してきたものを安いものから順にご紹介します。全国で経済的困難の長期化が発生した場合を想定したリストとなっておりますので、ご家庭の人数や目標期間に合わせて検討していただければと思います。

  1. ビニール袋・ジップ付きバッグ --- 約1年分

    エネルギー不足が深刻になるとプラスチック製品の価格が跳ね上がることが予想されます。少なくとも、食品保存用や小物の保管用にジップ付きバッグは買っておいて後悔はないでしょう。プラスチック類は高価になると買う気が失せる品物の一つといえます。
    個人的にはMサイズを中心にSサイズも揃えておくとよいと思います。
  2. 食品用ラップ --- 約1年分

    ラップは食品の保存のみならず、断水時に皿の上に敷いて使うことにより、皿洗いが不要になります。ケガをした際の応急処置にも使えますので、安いうちに多めに備蓄しておくことをおすすめします。


  3. バンドエイド --- 100枚入りのを1人1箱分

    備蓄で忘れがちなアイテムですが、バンドエイドは傷に貼ることもできますし、靴の中に貼ることで靴ずれの予防や穴が空いた靴下や靴の応急処置にも使えます。大容量のものを数箱用意しておくとよいでしょう。



  4. デンタルグッズ --- 1年分

    有事や災害時には歯医者など通えなくなります。歯をきちんと磨くことで口内環境を清潔に保ち、虫歯を予防するようにしましょう。

    歯ブラシは少なくとも一人1年分は用意しておけば、ひとまず安心でしょう。最悪の事態を考慮して、100本以上備蓄している人もいます。



    フロスと洗口液を併用することにより、口内環境を清潔に保ちましょう。



  5. ティッシュ・トイレットペーパー --- 1年分

    オイルショック時代にティッシュやトイレットペーパーを求めてスーパーに客が押し寄せたほど、エネルギー不足と聞いてティッシュ類をまず思い浮かべる人も多いことでしょう。

    もちろんあれば安心のアイテムですので、まだ買えるうちに揃えておくことをおすすめします。
    我が家では値上がりする前に買い揃えましたが、いまでは当時の1.5倍くらいになっています。



    こちらは我が家でメインに使っているトイレットペーパーです。長いので交換頻度が少なく、エコな商品だと思います。備蓄を始めたことは1パックあたり税込み500円未満でしたが、今では 750〜800円の価格帯となっています。



  6. 水 --- 半年〜1年分

    水は不足すると死活問題になります。身体は洗えなくてもせめて飲水は確保しましょう。



  7. コーヒー、茶葉 --- 1年分

    コーヒーやお茶など贅沢品と思われるかもしれませんが、非常事態が長期化し、それが日常になってくると、修行僧のようなただただ辛い日々が続くことになります。買えるうちに好きなものを好きなだけ備蓄することをおすすめします。



    お茶やコーヒーもある程度のグレードのもので飲み慣れたものがおすすめです。日々の娯楽が失われていくと、人間は食そのものに娯楽を求めがちになるからです。



  8. パン用保存袋 --- 汚物処理用に1人あたり半年分

    備蓄なのにどうしてパン用保存袋なの?と思われる方もいらっしゃることでしょう。
    これはゴミや汚物を捨てるための袋になります。
    断水するとトイレが使えなくなります。そこでこちらのポリ袋と紙で簡易トイレを作り、用を足し、口を縛って捨てます。



  9. 小麦粉類 --- 半年〜1年分

     我が家では日常的にパン、ケーキやうどんを手作りしているため、小麦粉類は2年分くらい備蓄しています。ここ1年で粉類も 1.5倍くらい値上がりしましたね。

     強力粉は多めに備蓄しておくことで、手作りパン、ピザ作りに大活躍します。


     薄力粉はパンケーキ、クッキー、お好み焼き、揚げ物用として重宝します。また、強力粉と薄力粉を半分づつブレンドすることで中力粉代わりになりますので、手打ちうどんや餃子の皮も手作りできるようになります。

  10. パスタ類 --- 1年分

    乾麺のパスタは2〜3年もちますので、最低1年分は用意しておくとよいでしょう。
    非常時はビニール袋にパスタを入れ、その上からパスタが浸かるくらいの水を入れて戻しておくと、少ない茹で時間でもちもちのパスタができあがります。



  11. 調味料 --- 1年分

     日本人の食生活を支えるしょうゆ、味噌、塩、砂糖、こしょう類は普段使っているものを必要分揃えておくと安心でしょう。



     味噌は大容量のものを数個用意しておくと良いと思います。備蓄歴が長い人の中には大豆から手作りしている人もいます。



     我が家では一般的な塩に加えて、仕上げ用にカマルグの塩を使っていますので、こちらも大量に備蓄してあります。値段的に高い塩ですので贅沢品の部類になりますが、備蓄できるうちにということで購入しています。

  12. 缶詰類 --- 2〜3年分

     缶詰類は好みが大きく出るところですので、お好きなものをお好きなだけ備蓄するのが良いと思います。
     参考用として我が家では以下のものを備蓄しています。

     トマトソースの仕上がりが別物になるムッティのトマト缶。こちらも安いときに大量購入しましたが、2年前に比べて価格は1.5〜2倍くらいになりましたね。



     パイナップルの缶詰。こちらはピザやお菓子用に大活躍しておりますが、非常時はそのまま食べても良いですし、シロップも無駄なく消費できますのでおすすめです。



  13. ジャム --- 1年分

     我が家ではジャムは無糖のものを備蓄しています。優しい甘さで手作りパンと一緒にいただいています。
     アヲハタのまるごと果実シリーズは少々お高めですが、糖分が気になる方にはおすすめです。

  14. 浄水フィルター --- とりあえず 1年分

     エネルギー問題が深刻化した場合、浄水フィルタも当然値上がりするでしょう。我が家では日常的に使っている​ ロカシャワー ​を一応 2 個(2年分)を確保しました。



     ただ、こちらは断水が起こるまでのつなぎですので、当面1年分あればとりあえず大丈夫ではないかと思っています。

  15. 米 --- 家族で 1年分

    非常時に米があればほっとしますね。パンをかじるよりやはりご飯が食べたいという人も多いと思います。米は精米してからあまり長期保存できないと言われていますが、未開封のビニールパッケージのものであれば1年くらいは余裕で持ちます。また、長期保存向けに真空パックされている米もありますので、併せて検討してみてください。



  16. カセット式ガスコンロ --- 1台&カセットボンベ半年分

     ガスも電気も止まったときの強い味方、カセット式ガスコンロを常備しておくと便利ですね。我が家で使用しているのはこちらの​ 達人スリム ​シリーズです。



     カセットガスボンベも半年分くらいは確保しておくと良いと思いますが、置き場所を取るわりにすぐに消費してしまうため、コスパの面では微妙かもしれません。
  17. 固形燃料用ストーブ --- 1台

     固形燃料で煮炊きができるストーブです。我が家では今年新たに買い足したアイテムです。
     カセットガスコンロに比べると火力は弱めですが、固形燃料1個でコーヒーカップ2杯分の湯沸かし、食べ物の温め直し、炒めもの、米の1合炊き程度は問題なくできます。



  18. 固形燃料 --- 半年〜1年分

     上記の固形燃料コンロに使う固形燃料です。我が家では 30g のセットを 2箱購入しました。カセットボンベはすぐに使い切ってしまう可能性が高いため、燃料としてのコスパはあまり良いとは言えないと思います。このような理由から我が家では固形燃料も必要アイテムと判断しました。



  19. ソーラークッカー --- 1台〜2台

     太陽光を使った調理器具です。我が家では昨年から​ エコ作 ​という、真空管式のソーラークッカーを使ってお湯を沸かしたり、簡単な調理を行ったりしています。太陽光でも常温の水が 1時間半ほどで熱湯になりますので、2台あれば 1リットル分の熱湯がガスも電気も使わずに用意できることになります。

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     また、細く切ったさつまいもをアルミホイルで巻いてエコ作に入れ、太陽光に当てておくと、日中なら30分ほどで焼き芋になります。ふかし芋より焼き芋派の人にはお試しいただきたいですね。
     そういえば、過去に私は幾度も自作ソーラークッカーに挑戦しておりますが、​ エコ作 ​を使い始めて市販品のソーラークッカーのパフォーマンスの高さを改めて知ることになりました。
     いつかエコ作の使い方を記事にまとめてみたいと思います。

    参考リンク:​ ソーラークッカー作ったのに太陽が足りない

  20. ソーラーパネル --- 設置前に日射量と設置スペースを考慮する必要あり

     ソーラーパネルを使ってポータブルバッテリーに蓄電して家電の電力をまかなうことができれば、災害知らずですね。と、短絡的に語ってしまいがちですが、現実はそう甘くありません。
     冷蔵庫やエアコンをつけっぱなしにできるほどの電力をソーラーパネルで生成するのは、一般家庭用の小型のソーラーパネル1枚ではまず無理、と申し上げておきましょう。

     現実問題として、現在の日常生活ができるほどの家庭用の電力を確保できるようにするには、大容量のポータブル蓄電池が 2台、全体で 800W〜1000W の発電ができるソーラーパネルが必要になりますので、初期投資だけで 100万円前後のコストがかかると考えたほうが良いでしょう。
     また、ソーラーパネルは場所を取るだけでなく、日中しっかり日光が当たる場所に設置しなければならず、少しでも影ができると途端に発電量が激減するという代物のため、安定した発電量を得るのは至難の技と言えます。

     途端にハードルが上がったと思われた方もいらっしゃるでしょう。しかし、上記は現在の贅沢な暮らしをかろうじて続けられる電力ですので、生活レベルを下げまくり、最低限の電力を計算すれば初期投資をその半分以下に抑えることも可能です。

     では最低限の電力とはどれくらいのことを指すのでしょうか?エアコンを使わず、電気毛布に切り替え、電子レンジも冷蔵庫も使わない。風呂やシャワーは一週間に一回、ノートパソコンやスマホに充電する電力くらいはまかなえる。といったレベルの生活になります。実際、日本中がエネルギー不足になり一般家庭に電力を供給できなくなれば、ネットどころではありませんから、生活はだいぶ原始的なものになっていくでしょう。そうならないことを願っております。

     ちなみに、我が家では ​ ALLPOWERS の軽量のフレキシブルソーラーパネル(100W) ​を 4枚購入し、冬場で二日間かけて充電池を満タンにしています。すべての電化製品の電力をまかなえるわけではありませんが、最低限冷蔵庫とパソコンが使えるレベルの電力ということで準備しています。


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  21. ポータブル電源 --- 1台〜必要と感じる台数分

     我が家では ​ ALL POWERS R4000 ​ を購入しました。ポータブル電源で50万円クラスですので、結構な出費になりましたが購入後はちょこちょこソーラー発電しながら電化製品を使ったりしていますので、非常時のみならず日常的にノートパソコンやスマホの充電をソーラーパネルですべてまかなっています。

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     ネットでは、スマホやノートパソコンが充電できるレベルの小型のポータブル電源が人気なのではないかと思いますが、いざ停電が長期化した際はあまり意味のない代物です。たとえばこういう電源ですね。容量が少なすぎて家電を動かすにはとても足りません。

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     個人的にはこのクラスの電源なら買わない方がマシのように思います。電力不足が長期化すればスマホだのパソコンだの言っていられる状況ではないと思いますし。


 ここに書ききれなかった項目もまだまだありますが、とりあえずこれくらいはと思うものを挙げてみました。上記のリストの他にも我が家では家庭菜園や乾燥野菜の自作と備蓄もしています。 運良く、中等紛争が年明けに収束すればこのリストのようにガッツリ備蓄する必要はなくなるかもしれませんが、情勢が悪化して第三次世界大戦に突入する可能性もあります。その場合はこのリスト程度ではまだまだ厳しい状況になるかもしれません。

 とにかく、一人ひとりが問題意識を持ち、個人的にできることを考えて対応していくだけでも日本の未来は変わっていきますので、本記事が少しでも心に響いた方は参考にしていただければ幸いです。


 本記事が今年最後の記事となります。それでは皆様も良い年をお迎えください。










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最終更新日  2023.12.30 08:14:06


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