眠れない夜のおつまみ

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2005/11/24
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カテゴリ: 小説
う~とっても久しぶり・・・。

って事で久しぶりに続きを書いてみました。

ヨロシク☆


~本編はここからです~


もうすぐ5時になろうとしている。
昨日感じた嫌な腹痛は出現せず、普段通りに仕事を終えれそうだ。
5時まであと5分。時計を見る回数が増える。
昨日かおると会う約束をしたのだ。

5時きっかりにソワソワと身支度をし、席を立ってエレベーターへ向かう。

俺の職場は名古屋駅から5分ほど北へ歩いた所のビルの8階にある。
地元ではそこそこ名の知れた建築関係の会社の事務をしている。
ここの会社の人事担当の山田さんとは父親と知り合いで、病気の俺を心配した親父の計らいで入社出来たようなものだ。
俺も自分の力だけではどうにもならないだろうと、父の力を素直に借りた。
山田さんは入社し間もない頃は時折気遣って様子を見に来てくれたりした。
とても人間味があり、優しさに溢れた人だ。
エレベーターを待っていると後ろから肩を叩かれ、無防備だった俺はびっくりした。
振り向くと山田さんだった。
「お、お疲れ様です。」
反射的に俺は言った。

元気にとは遠まわしに俺の体調の事を言っているのだろう。
会社で俺の病気を知っている人はそう多くは無い。
「お陰様で。何とか持ってます。」
2人は世間話をしながら名古屋駅に向かった。
山田さんはJRで俺は地下鉄なのでタクシー乗り場のターミナルの真ん中で別れた。

「今日は何かいいことでもあるのかい?」
と山田さんに言われてドキッとした。
「顔に書いてあるぞ。」
と言うとふふふと笑いながら去っていってしまった。
不意打ちの言葉に俺はろくに挨拶もせず山田さんの背中を見つめて暫く突っ立っていた。

さて・・・・。

ポケットから携帯を取り出した。
かおるに電話する。
5回コールしても出ず、なんだかモヤモヤした気分になった。
6回目のコールで繋がる。
「もしもし。哲哉ですけど。かおるさん、今どこにいますか?」
「実はまだ栄なんです。すぐそちらに向かいますね。」
「いや、俺がそっちに行きますよ。」
「いえ、私が行きます。本当に直ぐ行きます。」
と言って電話が切れた。
何なんだ?と思っていると右肩をトントンと叩かれてびっくりした。
振り返ると2重に驚いた。
「こんばんは。」
とあっけらかんとした顔でかおるが立っていたのだ。
「あれ?栄じゃなかったっけ?」
一瞬パニックになった。
「実は名駅にいたんです。確か職場が名駅の近くって言ってたな~と思って。で、ふらふらしてたら、哲哉さんを見つけたからちょっと驚かせてやろうと思ったんです。」
と言って舌をぺロッと出した。
やっと状況が飲み込めて脱力したが、かおるを憎めず、お互いの顔を見合わせて笑った。

「何か食べたいものある?」
と早速聞いてみた。
「う~ん・・・。パスタもいいけど。洋食のレストランもいいな。」
パスタに洋食か・・・。ちょっと簡便だな。もっとお腹にマイルドなものが俺はいい。
「でも、やっぱりサッパリとした和食が一番好きかな。」
得意分野だ。それ行こう。
「意外だね。和食なんて。」
かおるはにっこりして
「ヘルシーでいいんですよ。」
と言った。
「じゃ、和食系に行こう。お酒は飲める?」
ううんと頭を振っている。
「じゃ、食事メインで行こうか。俺も飲めないから。」
と言うと
「え~意外ですね。」
と驚いていた。本当の事だ。かおるは本当はどうかは分からないけど。
名古屋のお店は詳しくない、と言うので俺のナビで駅から歩いて数分の豆腐料理専門店に入った。
座個室の座敷があって落ち着いた雰囲気だし、値段もそう高くは無い。
店に入るとまだ時間が早い為か客はまだまばらだった。
奥の個室に案内されようやく落ち着いた気分になった。
2人とも同じコースの料理を注文した。
「今日は急な約束だったのに、来てくれて嬉しいですよ。」
「実は暇な女だと思われていたりして・・・。」
とかおるは言ったが声に影は無かった。
「こんな俺に付き合ってくれて寛大で暇な人だと思っていますよ。」
と言うと2人でクスクス笑った。
「こんな俺だなんて思っていませんよ。」
「そうですか?俺こそ胡散臭い奴だと思われているかと。」
「思っていませんよ。」
そんなやり取りで楽しく時間が過ぎて行った。
たわいのない事なのだろうが、何故かかおると話していると笑いが絶えなかった。
久しぶりの感覚なのかもしれない。
しかし、心の奥底では冷めている俺をまだ感じている。
これがゲームだと言う事を俺は忘れてはいなかった。



                           <つづく>


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Last updated  2005/11/25 01:42:34 AM
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