眠れない夜のおつまみ

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2005/12/19
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カテゴリ: 小説
午後8時、携帯の振動を暫く右手に感じていた。
一体どんな用なのだろう・・・。
俺はどんな展開になるのか少し怖い、と言うのが正直な気持ちだった。
深呼吸を1回してから通話ボタンを押した。

ーもしもしー

かおるの声がした。

「もしもし。」
俺はそれしか言えなかった。
ぶっきらぼうに聞こえる声だったかもしれないが、実はただ単に緊張して強張っているだけの事だった。

「大丈夫だよ。」
かおるの声もあまり元気は無かった。
「あの・・・今日は大丈夫でした?」
「何が?」
何となく刺々しくなってしまった自分に、言ってから反省した。
「疲れたでしょう?」
「あなたも疲れたでしょう。」
かおるは明らかに本題にまだ入っていないと感じた。
何かもっと言いたいことがあるようだった。
俺は聞いてみることにした。
「何か話したい事でもあるの?俺でよかったら聞くけど。」

「・・・・。あのね。」
「うん。」
「昨日、気にしてないですか?」
あんな別れ方をして、かおるも気にしていたのだ。
「どうして?気にしてなんか無いよ。」

「本当に?」
「ああ。本当に。俺こそ何だか思い出すと恥ずかしい。」
恥ずかしいと言うのは本音だ。
「何だかガツガツした男みたいでさ。」
こうなったら、もう本音トークだな、と観念した。
「俺こそ、本当は気にしていたんだよ。もう嫌われたに違いないって。」
あ~あ。どうにでもなれ。
「でも、キスしたいと思ったからキスしたし、抱きしめたいと思ったから抱きしめた。それは嘘じゃない。」
そうだ。嘘じゃない。
「かおるの事が好きだと思ったから自然にそうなったんだよ。それだけは誤解しないで欲しと思っていたけど、でも、そんな思いも届かないと思ってた。」
かおるはずっと聞いている様子だった。
聞くつもりが告白までしてしまった。どう思われても、まぁ、いいや。
俺の方こそ言いたい事を言い尽くして満足してしまった。
「信じてもいいのかな?」
かおるは小さい声で聞いた。
「俺の気持ちに嘘は無いよ。」
暫くの沈黙。かおるは悩んでいるのだろうか?
「信じれない?」
ずっと黙っているので俺も考えた。
「ちょっと外に出るから待ってって。1回電話切るね。」
「は、はい。」
かおるはよく分かっていない様子だったが俺は一度電話を切った。
Tシャツとハーフパンツ姿で真夏の夜に飛び出した。
すぐ近くに公園がある。俺は早歩きでそこを目指した。
少し高台にあるこの公園は夜中になるとカップルがやってくるが、まだそんな時間には早く、人気も無かった。
シャワーを浴びて冷房の入った部屋ではサラサラだった素肌も夜とはいえ真夏の熱気で汗ばんできた。
俺はかおるに電話した。
すぐ繋がった。
「もしもし。聞こえるか?」
「聞こえます。」
俺は「んんっ」、と咳払いをし
「じゃ、信じれるまで聞いてろ。」
と言い深呼吸をし
「かおるの事が好きだ!
 かおるが好きだ。
 お前が好きになっちまった!」
と繰り返して叫んだ。
なんて歳に不釣合いな事をしているのだろう、と思ったのは後になってからだった。
「も、もう分かった。分かったから。」
かおるが止めにかかった。
「何が始まるかと思ったら。」
と言って笑い出した。
「何で笑うんだよ。信じてくれないから、信じてもらう為にやったのにさ。」
不貞腐れて言うと
「笑っちゃってごめんなさい。でも、嬉しかった。私ね、最近人を信じれなくなってたの。急性人間不信。だけど、今治ったわ。ありがとう。」
と真面目な声でかおるは言った。
「あ、かおるの気持ち聞いてないけど。聞かせてくれる?俺、あれだけ言ったんだぜ。」
電話の向こうで咳払いするかおるの声を聴いた。
「私も好きよ。」
胸に込み上げる熱いものを俺は感じていた。
「かおる。昨日の夜をやり直さない?」
「え?どういう事?」
「俺、今からそっちに行くよ。」
俺はかおるの返事を聞かないうちに携帯を切った。
そして、このままの格好で昨日別れた安城駅に向かった。


                        <つづく>





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展開的には自分ではかなり予想外のやばい方向にいってしまいました。
さぁ、何とか書ききるぞ!(笑)





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Last updated  2005/12/20 03:10:05 AM
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