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2011/04/24
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~



『ネツァワル国・首都 ベインワット』

「それにしても…でかい斧だな…」

焔はこの街のシンボルでもある大きな戦斧を見上げる
そしてしばらく街を徘徊する
どれくらい徘徊したのか…すでに日も沈みかけていた

「ここの王様はどこぞの皇帝のように街をフラフラしてくれそうもないしな…強攻策か捕まるか…城に入る手立てはそれだけか」

焔はため息をついてそんな声を漏らした

なぜ半獣人なのかは、呪いだとか罰だとか噂が数々あり定かではない
ただ、全ての国民から支持されているとは言わないまでも信頼は厚く崩壊しかけた国を見事にまとめている
ヒュンケル自身も屈強な戦士であるせいか軍勢に戦士タイプの猛者たちが多い

「もうじき日も落ちるか…うん?BARか…情報収集の基本は人の集まる場所…か」

焔はそうつぶやきながらBARの中に入って行った

「いらっしゃいませ~♪」

店内に入るとそんな声がかかる
時間がまだ早いせいか…店内はそれほど混み合ってないようだった
焔は店内の様子が見える隅のテーブル席に座る

「いらっしゃいませ♪黒猫屋へようこそ♪ご注文はお決まりですか?」

そう言って銀色の髪を無造作に後で束ねたメイド服のウェイトレスが声をかけて来た



キッチンの奥からそんな怒鳴り声が聞こえてくる
ウェイトレスはそれを聞いて舌を出して微笑んだ

「あら…見ない顔ね…旅の商人さんってとこかしら?」

ウェイトレスは焔をパッと見てそう聞いてきた

「え?あぁ…まぁそんなところかな」



「そうだな…」

焔はテーブルに置かれたメニューを眺めて考える

「バーボンのロック…ダブルで…あとチェイサーで炭酸水…軽く…」

焔がそう言いかけるとウェイトレスは

「バーボンのロック…で炭酸水に軽く岩塩を飛ばせばいいのかな?」

そう聞き返して微笑む
焔はうなずいて返事をした

「ロゼス、ブレット、ブッカーズ、ベイカーズ、ターキーがありますけど…どうします?」

「任せる…」

「では…スモールバッチが入ったのでロゼスにしておきますね♪」

「へぇ…手馴れてるな…」

「これでも一応プロですから♪」

ウェイトレスはそう言ってニコっと微笑むとカウンターの内側に入り手際よく酒を用意しはじめる
よく見るとカウンターの内側にはかなり色々な種類の酒が豊富に用意されている

「本格的だなぁ…」

焔がそうつぶやくと通りかかった別のウェイトレスが

「ヤマ…じゃなかった、ミズキの趣味で置いてるの…おかげで仕入れが増してその分私達がタダ働きさせられてるけどね…」

そんな事をため息混じりにつぶやく

「フネちゃん!余計な事は言わないの!それに…働いてるのはココの2階に無料で住めるからでしょ♪衣食住の保障とおいしいお酒…これがあれば世界は安泰よ♪」

最初にオーダーを取りにきたウェイトレスが注文したお酒をテーブルに置きながら愚痴を言ったウェイトレスにウインクする

「お待たせしましたロゼスのスモールバッチのダブルと炭酸水ね♪ごゆっくりどうぞ…またご注文があったら声をかけてね♪」

ミズキと呼ばれていたウェイトレスは微笑みながらそう言うとカウンターの内側に戻っていった
焔は一口酒を含んで店内を見渡す…時間的にはそろそろ混んできそうな頃合だが店内はまだ閑散としていた
そんな焔の様子を見たフネと呼ばれたウェイトレスがカウンターの内側でグラスを拭いているミズキに

「ねぇ…アレってほんとに商人?」

「なわけ無いでしょ…良くて傭兵…悪けりゃスパイってとこでしょw」

「ち、ちょ…スパイっていいのココで飲ませておいて!」

「いいんじゃない?ダメそうなら殺っちゃえばいいんだしw」

「はぁ…」

ミズキのあっけらかんとした答えにフネはため息をついた

「いい飲みっぷりじゃない…ちょっと行ってくるね♪商売繁盛…売り上げ立てなきゃ追い出されちゃうからねぇ♪」

ミズキは鼻歌を歌いながら焔のテーブルに向かう

「おかわりどうします?」

ミズキは焔のテーブルにつくなりそう声をかける

「あ、ああ…じゃあもう少しガツンとしたのをもらおうかな…今はそんな気分なんだ」

「そうねぇ…強さとパンチで言うとブッカーズかなぁ…あとはエヴァンの34年物がありますけどこれはビンテージ扱いになっちゃうから無理に薦めないけど重厚で深い味わいと香りでは他の比じゃないかなw」

ミズキはそう言いながら焔を見る

「へぇ…そんな年代物も置いてるのか…じゃあそれをシングルでもらおうかな」

「わぁお!エヴァン頂いちゃいましたぁ!ありがとうございま~す♪…ではすぐにご用意しますねぇ」

ミズキは嬉しそうにカウンターに戻りお酒を用意始める

「だ、大丈夫なの?…支払えるのかなぁ桁が違うよ…それ」

フネはそう小声でミズキに言うと焔の方を見る
焔はテーブルに頬杖をついて店内の壁に貼られた手配書や仕事の依頼書を眺めている

「払わせるわよw」

ミズキは酒を手に持ってニヤリと笑って焔のテーブルに向かう

「お待たせしましたぁ…エヴァンのシングルね♪」

ミズキがテーブルに酒を置くと焔はエヴァンの入ったグラスを手に取り匂いをかぐ
そして一口含んで目を閉じる

「いいね…まさかこんな上物に出会えるとはね…思ってもみなかったよw」

「でしょw」

ミズキは満面の笑顔でそう答えた

「そうだ…その張り紙…あれってどういう事?」

「ああ…年に1度、腕に自信のある屈強な猛者を集めてアームレスリングの大会が開かれるのよ♪…優勝者はうちの国王と勝負できちゃうからね賑わうわよ♪」

「それがすごいと思ってね…でもこの国の戦士限定なんだろ?」

「いちおうね…でもどうしてもって言うなら推薦状出してあげるわよ」

「え?いいのか?」

「だって…ずっと寝てたエヴァンを起こして下さったお客様ですもの♪」

ミズキがそう言って微笑むと近くで飲んでいた3人組の戦士の1人が

「がはははは!兄ちゃんやめとけよwここはネツァワルだぜ?興味本位で飛び込んだら怪我するぜw」

そう言って大笑いした

「例え運良くマグレで勝ち上がったとしても優勝は無理だなw」

もう1人の戦士が席を立ち焔の目の前に座ってそう言った

「なぜ?」

焔は真顔で戦士に聞き返す

「この国には大会3連覇中の伝説の戦士ヤマトがいるからだよ!まぁ…今年こそ俺様がヤマトの連覇を止めるがなwww」

「ヤマト?そんなに強いのか?」

焔はミズキを見てそう聞き返す

「お前…ヤマトも知らねぇのか!呆れちまうなぁw」

戦士はそう言って手に持っていたジョッキをテーブルに置いた

「スマンな…この国に来るのは初めてだからね」

「ヤマトってのはな…5年前の大戦で国王を1人で護ったこの国最強の戦士よ!」

「へぇ…そいつはスゲぇな」

焔はそう言ってグラスの酒を一気に飲み干す

「まぁ…お前なんかヤマトすら見ずに初戦で敗退だがなw出るなら精々気張れよw」

戦士はそう言うとジョッキを持って自分の席に戻っていった

「ゴメンね気を悪くしないでね…大会が近くなるとみんなこんなんなのよw」

ミズキは焔にウインクしながら手を合わす

「ん?ああ…ぜんぜん気にしてないよ…さて、面白い話も聞けたしチェックしてもらおうかな?」

焔は微笑み返してそうミズキに言った
ミズキはうなずいて金額を紙に書いて焔の目の前に伏せて置いた
焔はその金額を見て動じる事も無くポケット探ると金貨を数枚出してテーブルに置いた

「えっと…これだともらい過ぎかなぁ」

無造作にポケットから請求額以上の金貨を出されたミズキが苦笑いでそう答える

「ああ…ビンテージのボトル代も入ってる…大会で優勝して飲みに来るからそれまでこれでキープしておいてくれよ」

「え?本気で出るの?」

「あぁ…ダメか?」

「・・・・・かしこまりました。では大切にエヴァンは保管させて頂きます」

ミズキは出された金貨を受け取って焔に頭を下げた

「OK!俺は焔…それでエントリー出しておいてくれ…頼んだぜ!」

焔はそう言って手を振りながら店を出て行った

「うわぁ…あるところにはあるのね…しかもポケットから小銭出すみたいに…」

「でも…これで大会が楽しみになったわねw」

「そうよ!いいの?あんなどこの誰ともわからないのを推薦しちゃって」

「いいのよ…ああいうのはねどんな手段を使っても目的を遂行させるのよ…だったらこっちも確実な方法でそれを阻止するんだからw」

ミズキはそう言ってフネにウインクをして親指を突き立てる

「なるほど…じゃあ…がんばってね…ヤマトさん♪」

フネはミズキの耳元に口を寄せて周りに聞こえないような小声でそう囁いた



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2011/04/24 06:00:52 AM
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