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2011/05/08
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~



「できた♪」

フリルがふんだんに使われた真っ黒いドレスを身に付けた少女はそう言って手にした宝玉を見つめた

「ホントは…堕ちた魂を戻す事は理(ことわり)に反する事…でもあなたの悲痛な叫びに私はもう耐えられない…心配よね我が子が成そうとする事が…」

宝玉は少女の語り掛けに反応するかのように中で青白い炎を揺らがせた
少女は大事そうに左手で宝玉を抱えると大きな鏡の前に立ち右手を突き出して呪文を唱え始める
鏡はまばゆく輝いて広大な平原を映し出した

「じゃあ…行くわよメルファリアに…」




『エスセティア大陸 始まりの大地』

「よし…今度は誰も居ないようね…下手に見つかると厄介な事になるし」

少女は苦笑いでそうつぶやいた

「あとは…この魂をこの大地に開放するだけ…と」

少女は懐から大切に抱えていた宝玉を取り出すと頭上に掲げて呪文を唱え始める

「汚れなき御魂よ…我が手より羽ばたけ!…このメルファリアに新たな希望として…」

少女が詠唱を終えたその時…

「やっぱり貴女でしたか…時折、妙な気配を感じてはいたんですが…」

背後でそんな声がかかる
背後には真っ赤な髪の青年が腕組みをして少女を睨みつけていた
少女は思わずビクっと反応して宝玉を手から滑らせてしまう



まるで時間全てがゆっくりと流れるかのように宝玉は落下する
少女は慌てて落ちていく宝玉を拾い上げようと手を伸ばす
少女の左手の指先が落ちて行く宝玉に触れる
そして確実に拾い上げようと素早く右手を宝玉の下へと滑り込ませる
が、宝玉はまるで何かに操られるかのように落下の軌跡を変えて

その瞬間…いっきに時の流れが戻る

「ガシャーーーン」

少女の足元で宝玉が5つに砕け散った
少女は手を差し出した状態で硬直した

「はぁ…貴女はいったいこの地で何を…」

声の主の青年ががため息混じりにそう言いかけた言葉を少女は胸座を掴み無理やり止める

「いきなり声なんかかけるから!落ちちゃったじゃない!」

少女はそう言ってやり場のない怒りを青年にぶつける

「割れちゃったじゃない…って言われてもねぇ…勝手に人の世界に踏み入って暗躍する貴女が…って…まさかそれは魂の宝玉?」

「そうよ!ってか…暗躍って聞こえが悪いわね!あんたの事をアイナさんが心配ばっかりするか…!!!!」

少女はそこまで言いかけた所で手で口をふさいで言葉を止める

「今…アイナさんって…まさか!その宝玉!そうなんですか?凛さん!」

「あ…イヤ…違うって言えば違わなくもないんだけど…なんていうか…ほらぁ色々あるのよ!」

少女は口ごもってしまい無理やりごまかす

「割れて大丈夫な物…ではないですよね…それ」

「まぁ…割った事なんかないからねぇ…そうよ!今まで一度だって割った事なんかないのよ!どうしてくれんのよチビ焔!」

立場が悪くなったためか少女は事の発端を無理やり青年に擦り付ける

「!!!!」

青年の反応を見た少女が視線を割れた宝玉に移す

「!!!!」

割れた宝玉の破片の1つが輝きながら消えていった
そしてまた1つ輝き始める

「凛さん…貴女はこの宝玉でこの地に母さんを降ろそうとしてたんじゃないですか?」

「ま、まぁ…そんなところね」

輝いた破片がまた1つ消え…違う破片が輝き始める
青年はまだ輝いていない2つの破片を見つめる
1つは今まで消えていった物と同じくらいの小さな破片
もう1つは今までよりも大きな破片だった
そして大きな破片を残して全ての小さな破片が消えた
青年はその残った破片をそっと拾い上げる
大きな破片には今にも2つに割れそうなほどの大きなヒビがはいっていた

「もしも…落としていなければどうなってました?」

青年は宝玉を見つめながら少女に問いかけた

「今みたいに輝いて消えるのよ…そして魂は具現化してこの地に降りるの…」

少女がそう答えた時、青年の手の上で残った大きな宝玉が輝いて消えていった

「割れた宝玉の破片は5つ…そしてこの世界も5人の王と5つに割れた国家で争いが続いている…偶然なのかな?」

「と、とりあえず…探すわよ!」

「探すって…何を?」

「アイナさんに決まってるでしょ!…宝玉は割れたけど確実に転生の術は発動したのよ…どこかに降りてるはずなのよ…絶対…」

「でも、俺にはやる事が…」

青年は少女から視線を外してうつむきながらそうつぶやいた

「あっそう!…いいわアイナさんは私が探す…私にも責任の一端はあるから…っていうか、あんたがいきなり声をかけなきゃこうならなかったんだからね!…それと!あまりアイナさんに心配かけるような事だけは止めなさいよ!」

青年はそんな少女の言葉に何も答える事なく視線をそらし続けた
しばらく2人の間に沈黙がつづく

「じゃあ…私は行くから」

少女はそう言って青年の前から消えた
青年は空を見上げると

「母さんに心配かけてたのか…でも、残された時間はわずか…こうするしかないんだよ…」

青年は誰に言うわけでもなくそうつぶやいた



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2011/05/08 02:52:57 PM
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