ホラー、近未来、童話、独り言

ホラー、近未来、童話、独り言

2007年10月12日
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カテゴリ: 悲しい
 主人は遣り手だった、不動産の売買で財を築き戦争が近いと知るや軍の幹部に取り入り軍需工場を作り始めた、先見の明が

あり生活に困る事は無かったが吝嗇家であった、姉の里には乾物屋の店番をさせ妹の洋子には工場の事務員を

させていた「食べさせてやっている。」と給金どころか小遣いさえ与えず働かせていたのだ。

 何時しか洋子は夕食時が一番嫌な時間になっていた、主人は帰宅すると必ずゴミ箱を漁り次々ゴミを取り出し

説教を始める其の説教が終わるまで食事は始まらない「鼻をかむのに花紙使うてもろたらかなんで

新聞切って使いなはれ、一回使うたぐらいで捨てたらあきまへんで、何度でも乾かして使い、もうあかんように

なったら厠で使うて初めて捨ててや。」万事が此の調子でゴミ箱にゴミが入って居る事はなくなっていた

其の他にも些細な事で一時間は正座させ自分は晩酌をしながらネチネチと説教するのが日課となっていた

其の反動で主人が本宅に帰っている時姉妹は家を売ったお金の一部を持って戦時中だというのに京極辺りをうろついた



 「乾物臭い家で給金どころか小遣いも貰えない上、毎日小言を聞かされるのはもう嫌や早よう出て行きとおす。」

然し戦時中、女一人然も他所で働いた事も無い女が生活できる筈もない。

 やがて戦争が終結し人々は配給品や闇市に其の日の糧を求め群がったが姉妹には無縁だった何故なら

必要な物や食料は主人が何処からか調達してきたからだ、主人に感謝するのはそんな時ぐらいだったが

良く考えてみると給料や小遣いを貰っている訳でもなし感謝するのは馬鹿らしい、当然だと思うようになっていた。

 洋子は姉が自分の分まで気を遣い小さくなっているのにも、ネチネチ何時までも説教する主人にも

嫌気の限界にきていたそんな或る日、突然運命の男が現れた、男は凛々しい顔を俯き加減にし乾物屋に

洋子との交際を申し込みに訪れた。








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最終更新日  2007年10月12日 15時15分30秒
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