ホラー、近未来、童話、独り言

ホラー、近未来、童話、独り言

2007年10月14日
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カテゴリ: 悲しい




洋子を見初めたのは京極で自分が休暇だった時で、後を付けてしまったのだと申し訳無さそうに話す

話しているうちに洋子と同じ歳だと言う事も分かり姉妹により親しみを感じさせた。

話し方と言い態度と言い頭の回転が早い上、育ちの良さそうな青年を姉は一目で気にいってしまった

初めて会う異性を女だけの家に上げるなど考えられないのだが、忠雄は巧みな話術で違和感無く

座敷の人となっていた、主人の帰ってくる時間も忘れて話しに興じいると突然、座敷の戸が開き

3人は慌てたが、忠雄は一通りの挨拶を済まし帰宅しようとしたが「ぶぶ漬けでも食べていって

おくれやす。」姉が引きとめた。

 忠雄は「初めて御伺いした御宅で夕食まで戴くなんてとんでもない、思わぬ長居をしてしまいまし



何時までも見送る洋子は既に恋する乙女の目であった、忠雄が帰った後主人は上機嫌で「今時中々

おらへん良い男や、洋子には勿体無いぐらいや。」珍しく人を褒め称えたが最後に「嫁入りの支度は

ようせんで。」冷たく言い残し寝室に消えた。

 其れから幾度と無く洋子の許を訪れ交際を重ねていた2人だったが「男女席を同じゅうせず。」

此の時代2人きっりで会う場所は限られていた、映画館に忠雄が先に入り見失わないうちに洋子も入る

館内では人の居ない後ろの席に座り、映画より会えなかった時間の募る思いを熱く語り埋め尽くすのに

時間を費やす、そんな逢瀬を幾度となく重ねていた二人だったが若い2人には物足りなくなっていた

暫くすると2人は入籍もしないまま暮らし始めた、忠雄の兄である長男の結婚がまだだった為

入籍はしてもらえなかったのだ、此の頃長男より先に下の兄妹が結婚する事は許されなかった

況して忠雄は奈良県の豪農、両親も居ない何処の馬の骨とも知れない娘との結婚には忠雄の両親が

猛反対していた、然し洋子の腹には既に小さな芽が宿っていた。





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最終更新日  2007年10月14日 19時58分01秒
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