クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

2024.06.18
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カテゴリ: 模型
お蔭さまで閲覧数が142,000件を超え、お気に入りに登録いただいている方も3,600名強いらっしゃいます。
ともかく、内容の深さ、正確性を旨として投稿に努めますので、よろしくお願いいたします。



皆さん、太平洋戦争で活躍した陸軍飛燕3式1型戦闘機(キ61-1甲)の精巧なレプリカが、2024年のGWから一般公開されているのをご存知でしょうか。
岡山のZ1などのバイクパーツを製作販売するドレミコレクションの武浩様が2017年に何とヤフーオークションでオーストラリアのコレクターから1,500万円で落札し、その後、オリジナル機体を基に、日本立体というこれまたマニアックな会社の全面協力を得て、構想策定後の2022年からレプリカの製作を開始、搭乗していた操縦士の親族や川崎重工の生産に従事した元社員など、ゆかりの方々を招待した記念式典を経て、漸く一般公開が始められたものです。

私はカワサキのZ1やマッハⅢのレストアでドレミコレクションには大変お世話になってきたご縁があるうえ、この壮大なプロジェクトを企画実行、貫徹された武浩社長にお会いしてその熱意と努力に直接触れたい想いで、今回岡山県浅口市金光町にあるドレミコレクションミュージアムに行ってきました。

折角なので、税別13,000円のお土産付搭乗券を買いましたが、その価値は120%ありました。
以下、詳細をご報告しますので、実機やプラモデル製作にご興味や関心のある方はぜひ、ご覧いただき、現地を訪れられることをお勧めします。
私も再訪するつもりです。
なお、写真は他機種の模型製作にも参考になることが非常に多いので、多めに添付しております。
その1とその2に分割アップしますので、お手数ですがよろしくお願いいたします。


近畿など東方面からは山陽自動車道玉島ICで降りて国道5号線を西進、「須恵」という看板のある脇道に入ってすぐですが、手前に同名称の交差点があるなど、道に迷いやすいです。道案内の動画もありますので、そちらもご覧いただくことをぜひお薦めします。
DOREMICOLLECTION MUSEUM 大阪方面からお車でお越しの場合の道案内 (youtube.com)
DOREMICOLLECTION MUSEUM 広島方面からお車でお越しの場合の道案内 (youtube.com)


まるで「ポツンと一軒家」ですね(笑)




10時からの開場を迎え、格納庫の扉を開ける武社長(左)と協力者であるSora かさい(うずらの飛行場跡で紫電改と九七式爆撃機のレプリカを展示)の山本様です。この南方戦線用夏服に身を固めた凝りようには脱帽しかありません。


冒頭の挨拶から気合が入る武社長さまです。
平日は本業のバイクパーツ生産販売会社のドレミコレクションを経営され、土日はこの一般公開対応ですから休みなしで本当に頭が下がります。好きでないとやれないことです。しかも、奥さまや娘さんも来られて協力されるなど、ご家族の理解とバックアップを受けられていることに感心しました。
この当たりは、戦艦武蔵などトレジャラーハンティングを天文学的な潤沢資金で堪能する元マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏のような活動とは一線を画するようにお見受けしました。


主翼の捻じりや機体の絞りなど、エンジンレスのレプリカとは言え、実機を忠実に再現された姿は見事です。


補助タンクだけで片側200L、機体に250Lで燃料は最大650L搭載可能、航続距離は1,100kmなので、一見燃費は悪そうにみえますが、離陸時にかなり消費しますので、割り引く必要があります。カワサキ重工がライセンス生産したドイツのメッサ―シュミット用のダイムラーベンツV12気筒エンジンDB601は三国同盟に基づいてイタリアにも供与され、ドイツとしては相当自信があったのでしょう。


主輪、従輪もしっかり再現され、大人2名で移動可能です。タイヤは600X115のオリジナルサイズに近いセスナ用を流用しているそうです。


プロペラは実機から型取りしたFRP製で、ピッチこそ変化しませんが、内臓電気モーターによりゆっくり回転します。


空気抵抗の少ない液令エンジン特有の先細い機体です。ご存知の方も多いと思いますが、この液冷、水冷ではなく油冷エンジンはオイル漏れや機械式の燃料噴射装置のトラブル、整備スキル不足による稼働率低下が問題になり、その後、星形空冷エンジンに換装した改良型5式戦闘機キー100が登場したのは有名です。


パプアニューギニアのジャングルに不時着した実機117号機のエンジンです。
​Bf109(Me109)​ 同様、倒立状態で搭載されていて、上がドライサンプのオイルパン、下がヘッドカバーになります。スーパーチャージャー経由とは言え、マフラーなしで直接エキゾーストマニホールドから12気筒の排気が噴出されるので、ものすごいエンジン音だったと思います。


この実機117号機をジャングルから回収したのは、ヤフオクの出品者の前に所有していた物故者とのことです。


この177号機に搭乗していたのは、第14飛行団第68戦隊小隊長の垂井光義大尉という一般招集軍人です。この不時着後も戦線復帰し、都合3度の不時着を経験しながら38機を撃墜したエースパイロットですが、最後は不時着後、徒歩で転身中に敵機の機銃掃射を浴びて戦死されたとのことです。記念式典には垂井大尉の叔父も参列されて涙ながらにこのレプリカ機に搭乗されたそうです。車椅子で介護されていたのが、突然立ち上がられたそうで、いかに戦争の傷跡が深いかを思い知らされるエピソードです。
風化していく戦争経験を忘れないため、このようなレプリカを製作保存する意義を再認識します。


エンジンの不調で胴体着陸したので、プロぺラも激しく曲がっています。







エンジン始動のためのクランクと思われます。パイロットが搭乗すると、機体の右側に整備兵が寄り添って燃料コックを開けるタイミングでクランクを回して始動する手順が踏まれました。別にエンジン始動用の回転軸を装備した専用トラックもあったそうです。
それに対し、米軍のサンダーボルトやグラマンはセルモーターが装備されていて、ボタンひとつで始動させていたそうですから、工業力の差は大きいです。


操縦席側から前方を見た構造です。錆びた鉄製ボルトを見ると、まだ全てマイナスネジです。欧米はすでにプラスネジだったようで、日本の軍用機では雷電で初めて使われたそうです。ただ、製作技術が普及していなかったようで、戦後になっても昭和30年ころまでは市販の木ネジやビス、模型・オモチャ・電熱器・ミシンなどのネジはまだマイナスが主流だったように記憶します。


機体側面は空気抵抗を減らす枕頭鋲が整然と打たれています。枕頭鋲が日本の軍用機に初めて用いられたのは零戦のひとつ前の96式艦上戦闘機だったそうです。


山本様から非常に丁寧に説明いただいたので、興味が深まりました。やはり、現物と解説パネルを展示しておくだけでは色々なことが伝わりません。


機内のオリジナル塗装が残っていて、紺色だったようです。




機体内部の鋲は枕頭鋲ではなく、普通の鍋頭の鋲が打たれていて、それも整然としていません。山本様のご説明によると初期の甲1型では機体外板の鋲打ちは熟練工が全て行っていたが、その生産初期でも機内の鋲打ちは女子挺身隊などの動員女学生が行っていたとのことで、戦況の激化を感じます。
一般公開に先立つ記念式典では、生産に関わった川崎重工の元職員や元動員女学生も参加され、複製された飛燕を前に戦争の悲惨さを噛みしめられたようです。






操縦席後方の軽め穴を開けた補強板は力が掛かる箇所でもあり、恐らく熟練工が鋲打ちしたのでしょう。
エンジン不調による不時着で垂井大尉は戦線に復帰されたとのことですが、防弾版の頭部付近に後方からの大きな弾痕があり、負傷されなかったんでしょうか。


横からの弾痕も生々しく残っています。


1/48のTAMIYAのプラモデルと比較して、ご覧ください。


尾翼と尾輪に関して、協力者の山本様から説明を受けています。




甲1型では尾輪はサスペンション付の格納タイプでしたが、甲2型以降は全て省略された簡易固定式に仕様変更されました。


写真では判別しにくいですが、垂直尾翼には垂井大尉の所属した68戦隊の雷マークと胴体には小隊長機を示す白い帯が微かに残っています。


ジュラルミンをこのように絞り加工する作業は熟練工しかできなかったはずです。


レプリカ機はアルミ外板なので、ジュラルミンより加工しやすいとは言え、製作を担当した日本立体社でも相当苦労したようです。日本立体社は霞ケ浦の予科練平和記念館に展示されている零戦二一型を手始めにSoraかさい(鶉野飛行場跡 うずらの)に展示されている紫電改や九七式艦上攻撃機の複製も手掛けており、武社長によれば、かなり技術力は向上しているとのことでした。


主翼は胴体着陸で特に先端が激しく損傷していますが、国識別用の黄色塗装が微かに残っています。また、前輪タイヤはブリヂストン製で驚くほど劣化していません。




前輪の主軸が格納されている状態になっています。


さすがに主翼内部はジュラルミンの鈍い輝きすら残っています。




主翼にあった12.7mm機銃のレプリカです。弾倉は飛燕では250発で零戦の20mm機関砲の100発より多いですが、それでも射撃は小刻みの3点撃ちが原則だったそうです。コンバットのサンダース軍曹がショート・カートリッジのトミーガンを連射せずに撃っていたのと同じ撃ち方ですね。
なお、レプリカ機には武社長の好みで主に甲2型以降に搭載された20mm機銃(陸軍では海軍のように機関砲と呼ばず、機銃で統一)のレプリカが装備されています。


当日は天気が崩れるとの予報だったので心配しましたが、無事晴れ間が続いて、格納庫の外に引き出されました。やはり、外に出すと臨場感が増します。




この続きの「その2」では、操縦席に実際に座って武社長様から詳しくコックピットドリルを受けたり、機体細部を確認しますので、引続きご覧下さい。​
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