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ともかく、内容の深さ、正確性を旨として投稿に努めますので、よろしくお願いいたします。
ポルシェには911SCS、73カレラRS、RUF BTR3.4と3台を27年間に亘って乗り継いできたので、好きなクルマには違いありません。あれだけ好きで432→240ZG→280Zと乗り継いだフェアレディZをあっさり捨てて911SCSに乗り換えたのはL28と全く次元の違うエンジンの俊敏さと回頭性の良さでした。
最近でこそフェラーリONLYですが、乗り継いできたフェラーリ延べ10台のうち、4台目の512BBまではRUFを決して手放さず、ポルシェとフェラーリを同時に並行して乗っていました。
中山サーキットで先頭を走行中の78年式911SCSの雄姿ですが、写真で見ても荷重変化がいかに激しいかが分かります。フルスロットルでリアのダンパーが沈み込み、フロントは浮き上がって内輪が浮き上がり、強いアンダーが出ています。当時のピレリP6のグニャとした剛性の低いグリップ感がコントロールしやすく変にマッチしていました。これを面白いと感じるか、怖いと感じるかでポルシェの評価が変わります。
911SCSと同じポルシェかと驚くことが多々ありました。乗っていて軽さを常に感じられるクルマはそう多くありません。しかもアルピーヌA110やロータスセブン、エリートなどに比べ、日常の使い勝手もよく、「タコメーターのダンス」と言われた俊敏なエンジンはまさにFun to driveの極みでした。
芦ノ湖スカイラインや伊豆スカイラインなどは最高に楽しかったです。トルクが余り大きくなかったので、アクセルを踏み込んでもアンダーからオーバーステアに急激に変化するポルシェ特有のトリッキーなクセが余り出ませんでした。今のGT3RSと比べると、普段乗っている時の緊張感がなく、乗りやすかったのが印象的です。
俊敏だがトルク不足の73カレラRSと、トルクはあるがドッカンターボでエンジン回転の落ちが悪い930ターボの両者の弱点をカバーしたRUFのチューニング力に感動して、試乗後、迷わずBTR3.4を買いました。イシダエンジニアリングの希少な「京」ナンバーを維持したかったので、名義は石田長造社長のままにして使用者のみ変更して乗っていました。「買ったのではなく、ぜひ試乗してくれと頼まれて預かっている」という女房に対する言い逃れにも好都合でした(笑)。
私にとってはRUFに惚れたというより、好きなポルシェの欠点を巧みに補って良さをより強く引き出してくれる点に惚れこんでいました。そのため、外観はボンネットエンブレムをポルシェ純正に戻し、ドアミラーは見やすいビックミラーのまま、ホイールもRUFオリジナルより軽い純正アロイホイールにこだわって乗っていました。
普段乗りも楽でしたが、ひとたび高速やサーキットで攻めると、暴力的な加速と不安定なトラクションに耐えながら度胸で乗るようなところがありました。逆バンクで奥になるほどコーナーがきつくなる鈴鹿の怖さは今思い出しても身震いがします。
ただ、それも20年前の話です。その後、 水冷化しただけでなく、弱点の急激な荷重変化による操安性課題も電子制御によるトラクションコントロールで緩和しているはずと期待し、最近4年間くらいは、991.1、991.2、992のGT3、GT3RSに注目
してきました。BTR3.4を基準にすると、最も近い現行市販車は911ターボSか、GT2RSですが、ターボSよりも軽やかで、GT2RSよりも操安性が高いです。他方、GT3RSは俊敏なエンジンの吹き上がりと高圧縮比によるNA固有のエキゾーストサウンドが否応なしに緊張感を高め、 「 市販車で最もレーシングカーに近いと感じさせるクルマ」、「その気にさせるクルマ」
と思います。
このような検討の中で GT3かGT3RSかという点でも迷い
もありました。
GT3RSの演出過剰、オーバースペックとも言える派手なGTウィングやカーボン・ロールケージには躊躇させるモノがあります。サーキット走行だけを考えても、もっと速いツインターボのフェラーリ488ピスタや296GT、F8トリビュートには何も付いていないのですから・・・。しかし、992.1のGT3RSを見ているとその傾向は飽きることなく益々過激になっているようです。
転売ヤーの恰好の餌食になって走行距離100km未満の992.1GT3RSヴァイザッハPKG仕様車が6,500万円前後(ピーク価格は6,900万円)で街の専門店だけでなく、ポルシェ・センターでも販売されている姿を見ると、さらにうんざりした印象を受けます。
正道を歩んでいるはずのディーラーに「現行992.1GT3RSの新車を予約して確実に手に入れたい」と半ば冗談で照会したら、優先顧客になるために不人気タイカンとの抱き合わせ注文を提案されました(笑)。
現行「992.1GT3RS」のクラブパッケージPKG仕様です。
センター・ラジエターの設置に伴い、フロント・ラゲージスペースはなくなり、普段使いの雰囲気は一掃されました。
現行の「992.1GT3RS ヴァイザッハPKG仕様」です。この個体は セラミック・カーボンブレーキ(PCCB)
もオプションで付いています。
クラブスポーツPKGではロールゲージ、フロントフードがアルミ製、ルーフがマグネシウム製であるのに対し、ヴァイザッハPKGでは内外装とともにドライ・カーボン化が進みます。

じっと観ていると溜息しか出ません。
新車本体価格は3,378万円にヴァイザッハPKGオプション600万円、セラミック・カーボンブレーキ170万円などで元は4,000万円前後ですから、5,500万円や6,000万円台のプレミアムが付くのは性能的に見て納得できません。
ただ、ゼロカーボンやサステナビリティが叫ばれる世の中では、市販が許される最後のNAコンプライアンス(公道走行可能な)・レーシングカーモデルになるのではないでしょうか。EUの厳しい排ガス規制や日本の車検をよくクリアしたとポルシェ開発陣の思い入れの深さにただ感心します。
ニュル北コースを6分50秒台で走り、2016年にデビューした初代991.1GT3RSのタイムを30秒以上短縮しました。
SDGsの世の中で不要なものになればなるほど、愛おしく感じるのは不思議
です。

少し番外になりますが、「992.1GT3のツーリングパッケージ」のリアビューです。
ウィングはありませんが、エアアウトルーバーの形状がカレラとは異なります。価格は高いのに、カレラSやGTSと本質的な性能はあまり変わらないように感じます。
同じく「992.1GT3のツーリングパッケージ」ですが、固定ウィングの代わりとなる控えめな可変スポイラーが上がった状態の姿です。ここまで大人しい外観でベースの911に近いと逆に値段差を考えて2,000万円前後で手に入るカレラTなどとも迷いが出てきそうです。

2018年式の「991.2GT3 いわゆる後期型」です。
フロントグリルがハの字形なのが特徴です。5年落ちの23,000km走行ですが、2,300万円強です。
「991.2GT3いわゆる後期型」のリアビューです。
固定ウィング下に左右2個の黒色エアインテークが付きます。
同じ「991.2GT3いわゆる後期型」のサイドビューです。RSに比べると固定ウィングも小さく、フロントフェンダーのエアインテークもないので、外観上はかなり大人しくなります。
この個体はPDK仕様ですが、7MTはオプションで非常に少ないです。0→100kmはPDKが4.2秒、7MTが4.6秒です。
ハイパーフォーマンスカーとして見れば、PDKでも2秒台が常識のライバルに劣り、7MTならカレラと変わらないという中途半端な存在に感じます。

「991.2GT3RS いわゆる後期型」です。
ニュルの北コースラップを6分56秒と、991.1GT3RS前期型に比べて24秒も短縮し、大きな話題になりました。
フェンダーにはブレーキ冷却用のスリットが入り、フロントフードにも「NACAダクト」と言われる空気取り入れ口が増設されています。

同じ「991.2GT3RS いわゆる後期型」のリアビューです。ターボ用のワイドボディが与えられ、ハイマウントのウィングも固定式ながら、取付位置がだんだん高くなり、かなりの迫力があります。
ただ、この外観ながら、FISCOで走らせると、ストレートで270-280kmしか出ないので、フェラーリ458とほぼ同じです。高回転型でトルクのないNAエンジンの限界を感じさせます。
2015年発表当時は最後のNAと言われた「991.1GT3RSいわゆる前期型」です。
ニュルの北コースを当時としては驚異的な7分20秒で走りました。
この個体は2017年式のPDKですが、当時は「7速PDKは6速MTよりサーキット走行では速いのではないか」と言われ始めた時期でもあります。ただ、性能的にはキックダウンの制御が992型の7速PDKやピスタ・296GTBのZF7/8速デュアルミッションに比べてブレーキをかなり踏まないと動作せずイマイチでした。
サスは相当固いですが、296GTBアセットフィオラノよりソフトです。

同じ「991.1GT3RS いわゆる前期型」のリア・ビューです。巨大なウィングが異彩を放ちます。現行992.1のルーフより高いスワン・ネックのウィングに比べれば、大人しい印象ですが・・(笑)
この個体は2017年式走行11,000kmで2,600万円でしたが、フロントフードのGT2RS風のデカール剥離跡塗装日焼けやフロントガラス表面ヒビの加修が必要と感じました。10年モノになると3オーナーは当たり前、ポルシェセンター以外でのメンテナンス歴や車高調、マフラーなど社外品の装備がないか、慎重なチェックが必要です。
同じ「991.1GT3RSいわゆる前期型」のスチール製ロールケージですが、昔はRUFでさえ、4点式でした。せめてXの支柱を省略できるレスオプションがあれば・・。試乗の時に上着を置いたり、後ろに飛んだ荷物を取るのにひと苦労しました。
以上のGT3とGT3RSの変遷を主要性能諸元にしてまとめました。
ポルシェパラノイアの方々はGT3やGT3RSのエンジン、ミッションに関して、乗り味との関係で満足されているでしょうが、冷静に競合他社のプレミアム・スポーツカーと数値上、比較すると決して褒めちぎられるようなポテンシャルではありません。
下表では991.2後期型のGT3RSをベンチマークとして記載しました。
(注)本表は991GT3RSとの比較に絞って、より厳密に修正しました。GT3RSの重量は「空車重量(DIN)」ですので、「乾燥重量」に乗員1名75kgと満タン燃料、冷却水、バッテリーが加算され、工具とスペアタイヤが減算されています。オイルは両者とも含まれていないようです。
でも、なぜそう速くない演出過剰なGT3やGT3RSが気になるのか?
「官能的な乗り味と速い、遅いは関係ない。」、
「NAエンジン、マニュアルミッションと変わらないことが魅力。」、
「フェラーリは速くなりすぎて素人では限界まで楽しめなくなった。」、
「馬は高すぎて手が出ないし、日常的に乗って楽しめるクルマとも思えない。」・・
ポルシェパラノイアの声が聞こえて来そうです。
ポルシェファンはポルシェ独特のFan to driveにこだわってポルシェひと筋で熱心に愛好されている方々が多いです。「ポルシェ・パラノイア(偏執狂)」と呼ばれる所以です。他のクルマではそのような呼び方はありません。それだけに、ポルシェ以外のスポーツカーに余り乗ったことがない方が多く、特にフェラーリからポルシェに乗換えた方は殆どいないように思います。逆にポルシェからフェラーリに宗旨替えした方は松田芳穂様はじめ、大変多いですが・・。
991を中心に最近のポルシェに乗ってみて感じるのは、RUFを売ってからの 20年間、
ポルシェは911に関して何をしてきたのかという疑問
です。
エンジン
は高回転、高圧縮比の回転型をNAで追求し、水平対向6気筒DOHCのアーキテクチャーは基本変わっていません。 さずがに2015年発表の991.2からはツインターボ化し、さらにGT3、GT3RSでは排気量を4Lまで拡大しましたが、出力は500-550PS/レブリミット9,000rpm前後、トルクは高回転型を前提にした排気量の限界と言える450-500Nm/6,500rpm前後であり、ポルシェはこれくらいがちょうどいいと思っている節があります。確かにRRのパワートレインでは、いたずらに出力を上げても荷重変化が激しくなるだけで操安性は低下してしまいます。GT2RSがまさにその見本です。
ポルシェの電子制御トラクションコントロールPTMは四駆を前提にしたトルクの自動配分システムであり、私の思い込みかも知れませんが、どうも四駆以外の通常モデルでは、急にパワーオンした時の操安性は劇的に改善されたとは思いません。それが証拠に、 ポルシェがハイエンドモデルとする991ターボSでは650ps、800Nmまでパワーアップした代償に完全可変トルク配分のアクティブ4WD(PTM)を採用しています。推測通りです。
700psで750NmのGT2RSはルマン等のホモロゲーション取得が目的の限定市販車であり、4WDを外してRRにしていますから、非常に危険な先祖返りですね。
RUFの最新モデル Tribute 3バルブも550psで750Nmですから、全く同じで乗り手を選ぶマシンです。
また、 ミッション
はどうでしょうか。7速マニュアルから7速ATのPDKに大きく移行しようとしていて、992.1GT3では6速マニュアルがオプション設定になっています。でも、マニュアルミッションをNAエンジンとともに好むパラノイアの方が根強くいて、中古車相場もマニュアルのほうが割高になっています。無理にシフトダウンして後ろからの吸気音やエキゾーストサウンドを楽しんでいるパラノイアの方が多いのも理解できます。
つい最近の専門誌の試乗記でもざっとこんな調子です。
「PDKから6MTに乗り換えるとなんだかホッとした気分になった。古い人間だからだといわれてしまいそうだが、シフトフィールも文句なし、こんな楽しい作業を機械に奪われてしまって良いのか、とも考える。中々うまく行かないシフト・ワークを練習し、苦労するからこそ上手くいった時に最高にうれしいわけで、そこにこそスポーツ・ドライビングの醍醐味がある。 PDKはスピードや確実さと引き換えにスポーツ・ドライビングの楽しみの範囲を減らしてしまっているのではないか。走りを楽しむアイテムとしては、いまだ6MTが勝る。」
この評価、殆どポルシェオーナーの気持ちを代弁
していると思います。
こういう風に書かないと売れません。(笑)
クルマより生きた馬に乗るほうが楽しい、運転するなら新幹線より蒸気機関車だ、自転車じゃ物足りない、やっぱり不安定な一輪車だとか・・。
ともかく電子制御にできるだけ邪魔されずに自分で操る感覚に浸りたい。それなら、結局ナローポルシェか現行車ならカレラTの7速MT当たりに行きつく
んでしょうか。
ただ、私が「GT3」を公道で乗った感じではPDKは昔のスポルトマチック、ティプトロニックから正常進化していて、スピードを上げればステアリング操作に集中できる、ましてやサーキットならPDKのほうが安全で速いのではないかと思いましたが、いかがでしょうか。ポルシェパライアの方はサーキットでも「速い、遅いは関係ない」と言い張って、MTないしPDKのMTモードで走行している方が多いかも知れませんが。 「現行991.1GT3RS」になると、PDKのみ
になりますが、素人では7,000-9,000rpmの高回転をMT操作では維持できません。PDKでもパドル操作にてんてこ舞いの状態です。
詳しくはPEC東京でのレーシングドライバー同乗投稿をご覧ください。 https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202511240001/
ミッションだけでなく、 内外装
でも多少の紆余曲折はありながらも完全なフロッグ・フェイスに戻っています。シートに座るとやる気をそそる懐かしの5連メーターとスイッチ類、スポーツクロノがずらりと並び、タッチパネル化やエンタテインメント装備の充実という近年のプレミアムスポーツの世界的潮流にも背を向けている感がしないでもありません。「それがいいんだ。」と言われれば、反論はしませんが・・。
乾燥重量
1450kg前後はアストンを除いて当たり前。GT3やGT3RSが異次元に軽いわけではありません。軽さだけでトルクの不足は補えないです。
エンジン
は、NAエンジンに見切りを付けてツインターボ化でトルクを重視して加速力の向上を図っており、トルクは700-750Nmが中心です。トルクは加速力であり、トルクがないとスピードが出ません。0→100Kmは2.9秒がベンチマークです。パワートレインはミッドシップないしFRでデフ、ミッション、サス、ブレーキの電子制御がドンドン進化してグリップ走行、ロールほぼなしが基本になっていて、ドリフトはTC-OFFにしない限り、カウンターできっかけを作っても殆どできません。
ミッション
はZF8速のデュアルクラッチが主流で今やキックダウンもブレーキの踏み加減ひとつで1段、2段と自在に自動変速してくれる時代に来ています。
ブレーキ
はカーボン・セラミックが標準、全長350mmはあろうかという巨大エアロキャリパーに6ポッド、ロータ―400パイ、ピストン40パイ以上というスペックが珍しくありません。先端モデルではドライブモードに応じて、ローターとパッドの間隔を0.1mm単位で調整する構造が主流になりつつあります。「宇宙一」は20年前の話でした。
「991.1GT3RSいわゆる前期型」20インチホイールに標準装備された鋳鉄製のローターとキャリパー。
「992GT3RS いわゆる現行型」にオプション装備された「PCCB ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ」です。GT3RSではホイールがマグネシウム製で標準装備なのに、ブレーキだけなぜ170万円近いオプションになっているのか、疑問が残ります。
比較参考のために、
同じ20インチホイールに標準装備された「フェラーリ296GTB」のセラミックカーボン製のローターとキャリパーです。
サーキットや高速ワインディングでも力強く踏んだことはなく、ここまで必要かの議論はありますが、GT3やGT3RSとの大きさの違いは明らか。
992.1カレラTに標準装備された鋳鉄製ブレーキシステム特有の懐かしい鉄粉落とし風景。
458以来、13年ほどセラミックカーボンブレーキの装着車を乗り継いできたので、ポルシェ911の古さを感じずにはおれません。GT3、GT3RSでもPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)は標準装備ではなく、170万円前後のオプション設定であり、サーキットも走るスポーツカーとしては、何とも寂しいです。
カレラTは街乗り主体なので鋳造製でもまだ我慢できますが、ひとたびカーボンセラミック・ブレーキの効きの良さと軽さ、耐久性、ダストフリーを知れば、911には標準装備すべきと大半のパラノイアが仰ると思います。「温まらないと効かない」とは私の経験からすれば、単なるデマです。
私は好きなGT3、GT3RSを自虐的に腐しているのではありません。スペックの割に価格が高いということを言いたいだけです。
新たな挑戦で928はじめ、カレラGTや918スパイダーが商業的にいい結果を出せなかったので懲りているのかも知れませんが、セールスが手堅いレジェンド回帰モデル(アニバーサリーなどを口実にヘリテージ・デザインパッケージと称する特別色やデカールで厚化粧)に頼らずに、技術革新モデルの市販化を続けてほしいです。
「918スパイダー」はV8 4.6Lに前後輪駆動のモーターを搭載、ニュル北コースを6分48秒で走る革新的な高性能で、2011年の発表後、2015年までに918台が生産販売(本体価格8,800万円、国内28台)されましたが、時代が10年早すぎたためか、マーケティング上は失敗に終わりました。本来、将来の量販車に投入する新技術のテストベットだったはずですが、完成度が高すぎて市販の欲が出てしまったのが残念です。
フェラーリだって、2021年発表の296GTではハイブリットモデルの開発に長い時間を掛けて悪戦苦闘しましたが、同じ「モア・パワー・ハイブリット」コンセプトカーの市販では918スパイダーのほうが10年先行していたのではないでしょうか。
ポルシェの持っている潜在的な技術力の深さには驚かされます。きっと早すぎたんでしょうが、その後の市販化でなぜ、タイカンのような真逆な不人気EVモデルになったのか、私は理解できません。アツモノに懲りてナマスを吹くということでしょうか。
ポルシェパラノイアは、モデルによって劇的な性能革新がないにも関わらず、高くてもGT3、GT3RSはじめ911シリーズのNAエンジンや気にならない程度のツインターボ、マニュアルシフトにこだわって乗り継いでくれるので、ポルシェにとっても中古車ショップにとっても、「非常にいいお客さま」に違いありません。雑誌の試乗記が「前モデルに比べ、30kg軽量化したとか、20馬力パワーが上がった」とか、カタログ値の違いだけをやたらと強調するので、マニアもそれに煽られている節があります。「だから何なの?乗ってみて、実感できた違いとそのメカ的根拠を報告してほしい。」と私は言いたいです。いずれにせよ、911の人気がこれほどまでに高いのは日本だけと聞いたことがあります。
ポルシェセンターを含め、大手の中古車専門ショップを回ってGT3やGT3RSに関して改めて気づいたことがあります。
販売台数が元から少ないせいもあり、7年落ち、8年落ちの991.1でも「最後のNAマシン」などと取りざたされて当初の販売価格を大きく下回らない2,500万前後で売られているのです。996でも2,000万円以下の売り物はありません。しかも、1-2年のうちにオーナーが転々と変わり、4人目、5人目の個体が多いことです。距離が出ていないのに経年硬化したCUP2を履いたまま、GT3が泣きます。限定車ではないのに販売台数が少なく、ディーラーが長い間、単純抽選方式で割り当てていたため、納車後、数か月でプレミアムを乗せて転売されている個体も結構ありました。
サーキット走行歴がないの沢山のGT3を見て、このクルマたちにとって果たして幸せなのか、考え込んでしまいました。タイヤだけでなく、ファンベルトやウォーターポンプ、バキュームポンプのゴムホースを交換した形跡もありません。高速走行時の高性能を維持することより、ともかく維持費を抑えたい人間には所有してもらいたくないです。
価格相場がこうなってくるとハコスカGTRなどの人気旧車モデルと同じで、中古車ショップにとっては同じ個体で何度も商売できる絶好の商材ということになります。売っては買取り、また売るという1サイクルで@350-400万円儲かります。ポルシェセンターの認定中古車が少なく、市中のショップにある流通在庫車がかなり多いのは高く買い取ってもマニアに高く売れる環境面のメリットと、エンジンアーキテクチャーやパワートレインの変化が少なく、電子制御化の進度が高くないので最新専用テスターがなくても整備できるメリットが大きいからでしょう。フェラーリと異なるビジネスモデルです。
因みにフェラーリはディーラーで顧客を囲い込んで、階層化し、他方クルマは技術革新で高機能化、高価格化を図り、優良顧客から高額オプション付で割り当て受注を取り、納車待ちの間だけ現在の愛車に乗ってもらって、納車と入れ替えに買い取って次の階層の顧客に売るというカスケード戦略です。458以降は電子制御化とパーツ・専用テスターの供給限定で市中のショップはオミットされつつあります。BOSHのような汎用テスターではトラブルシューティングはできても、基準値のセッティングができないのです。
買う人がいるのでポルシェはポルシェのやり方でいいです。
ただ、私の結論としては、 GT3やGT3RSに限らず、
911シリーズは大きな開発費を掛けずに劇的に変化していないモデルの割に、現在の市中相場が高すぎる
と思います。「ポルシェ・バブル」です。人気があるとは言え、経年モデルはもっと安くあるべきです。
例えば、NAの991.1前期型やツインターボ化された 991.2後期型のGT3で7-8年落ちなら、適価は2,000万円くらい、GT3RSで+300万円くらいではないでしょうか。992.1の現行型ならクラブスポーツPKGで4,000万円、ヴァイザッハPKGでは4,800-4,900万円くらいと思います
。
相場が落ち着きつつあるとは言え、2025/10/27現在でも走行距離の少ない現行型992GT3RSのヴァイザッハ仕様となると、5,800万円での売買実績や写真のような5,600万円という強気の出品も見られます。
競合他車と比べて、機能的、スペック的にはそれほどの価値のように感じます。まさに「ポルシェ・バブル」ですが、円安でなければ、もっと海外からの中古輸入車が増えて相場が沈静化していたはずです。
もし、 2,600-2,700万円でGT3の中古車を買おうとされていたら、フェラーリ458の認定中古車も併せて検討されることをお薦め
します。高圧縮、高回転のNAエンジンでかん高いエキゾーストノートを堪能でき、軽量で回頭性に優れたショートホイールベースのボディ。電子制御が入ってトラクションコントロールは完璧ながら、デュアルミッションはキックダウンを中心にまだまだパドル操作で介入できる余地があります。極めて両者の特性は似ていますが、姿勢制御の卓越した優秀性は458に乗ってみないと分かりません。
以上、私がGT3,GT3RSを買わない理由です。
諦めの悪い性格なので価格がもっと安くなれば、食指を動かすかも知れませんが。
結局、992.1カレラTを買いましたので、その後の検討経過をご覧下さい。
「ポルシェ911 992カレラT ついに買う。Fun to Drive!?」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202503160000/


その後、GT3RSの相場が軟化してきたので探し続けて、ほぼ決めました。
「最強ポルシェ992GT3RSレーシングドライバーに同乗!」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202511240001/
「ついにポルシェ992GT3RS/GT3 ヴァイザッハ仕様 最終生産ロットを入手」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202604100000/

「絶対失敗しないポルシェGT3RS 中古車選び」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/

閲覧数が215,000件を超え、クルマに関する別稿のテーマもご覧下さい。
「ロータス エミーラ 2026モデル V6SE国内第1号車を発注!」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202508020000/




























「軍用機 飛燕甲 キ61-1実機取材」
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202406200000/

「米軍戦闘機細部作りこみ」
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202403190000/
「プラモデルを極める―軍用機編」
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202403100000/

「B17アメリカ実機現地取材」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202403100002/

「プラモデルを極める:B17の作りこみ」
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202403100001/
「トンプソンM1921「シカゴタイプライター」「トミーガン」」:
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「帆船模型を楽しむ 戦艦ヒーロー」:
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「市川團十郎 愛之助 映画国宝を10倍楽しむ」:
ほかにも色々ありますので、お気軽にどうぞ。
5/20 ついにロータス エミーラ2026 V6 3.5… 2026.04.17
5/20新: ついに992GT3RSヴァイザッハPKG 2… 2026.04.10
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