ありがたい事に応援メッセージを頂いた方々がおられました。
本当にお待たせいたしました
先週末まで必死に、精神保健福祉士の国家試験対策勉強しておりました。
合格ラインは半年前にクリアしていましたが、資格取得の為だけに勉強をしたかった訳ではなく。
生きづらさを抱える 人
に、現場で生きる支援を展開する為
生きづらさを抱える 自分
が、これから生きていく力にする為
に勉強をしてきました。
精神保健福祉の全体を浅く網羅する所から始め、繰り返し繰り返し細部へと理解を深めていく中で、社会を見る視点が深化した事を感じます。
さて、その国家試験も先週末に、無事終わりました。
これからは、新しいスタートに向けてのステップを歩んでいきますが、その前に続きだったお話しを完結したいと思います。
元エリート発達障害者の増加
昨年の夏ごろに「雇用環境整備士」という資格を取得しにいった際の講義内容が大変興味深いものでした。
「雇用環境整備士」とは、障害者の働きやすい環境を整備する資格なのですが、実に話の 7割以上が発達障害者
の話だったのです。
講師の方は、長年障害者雇用についての相談をして来られたとの事でしたが、 最近は発達障害者の相談が大半を占めている
との事でした。
特に、2007年のリーマンショック以来、大企業に務めていた 元エリート社員が発達障害と診断され
多数相談に来られているそうです。9割の方は、ASD(自閉症スペクトラム)者で、高学歴で言語能力も高く語彙表現豊かに語る為、話していても違和感を感じないそうです。
その様な方々が、 前向きな特性の理解を元に、企業の合理的配慮とマッチ
して障害者雇用枠で多数活躍されているという事でした。
発達障害のある人の社会参加と就労〜社会人へつなげていくためのライフスキル〜[発達障害支援・小児全般 F16-S 全3巻]
前向きな特性の理解とは?
発達障害者の特性や能力について、これまで漠然とした理解しかありませんでした。
「たまに何か話がかみあわない」
「何か視線や仕草が不自然」
「何でこんなミスをするのか?」
「何がしたいんだろうか?」
といった、違和感や特性に対して、
「寛容な人」「拒絶する人」「責める人」
「同情する人」「擁護する人」 など、様々な反応がされ、
結局どの 捉えられかたも本質の理解や評価とは違う
場合がほとんどでした。
そして、微妙に 「ずれのある自分評」
を受けて、当事者自身も理解に苦しみ一喜一憂をしていました。
ところが、 一部の研究者、専門職者の中では発達障害者への本質的な理解が、詳細な部分まで解明がされてきているのです
。
海外では20年程進んでおり、アメリカでは1990年のADA法の中で合理的配慮が謳われているそうです。
日本でも一部の先駆的研究者として、森 則夫Dr・杉山 登志郎Dr・中村 和彦Drや、発達障害当時者の精神科医・専門職者を中心に理解は広がっていますが、
同時に、この新しい領域のアップデートを行わず 「発達障害」そのものを軽視している精神科医、専門職が非常に多いのも事実です。
「前向きな特性の理解」とは
発達障害者特有の行動原因を、医学的・社会的に理解し、必要な合理的配慮を行う
という事です。
客観的に弱点や、トラブルを起こす点を指摘しながらも、
「個性はあるけど真面目な人々」を社会的に受け入れていく
という視点がありました。
発達障害者の仕事上での特性と合理的配慮
例えば、以下のような仕事上での困難に対し、原因の理解と環境整備が示されていました。
ルーチンワークのミスがなくならない
原因 業務行程を一部誤って理解している。抜かしてしまう手順がある。
対策 マニュアルを整備する。
求められている仕事とずれた仕事をする
原因 仕事の方向性とのずれに気づかない
対策 適宜、上司によって進捗状況と方向性を確認する。
出社時から疲れている。体力がない
原因 感覚過敏により通勤電車のストレスが強い
対策 時差出勤、自家用車出勤など
原因 過集中後は短時間で疲れが出る
対策 適宜の短時間休憩の保障
関連記事: 感覚過敏・感覚鈍麻とは?
続々サイト:発達障害者である専門職のRE
仕事を納期までにクリアできない
原因 口頭指示・文書指示などが理解できない
対策 視覚優位・聴覚優位など本人の特性にあった指示を出す。
原因 見通しが想像出来ず、計画が立てられない
対策 作業プロセスを図式化し、作業工程ごとの具体的な日付、デッドラインを視覚化する。
原因 作業工程に苦手なプロセスがある
対策 業務に定着するまでは指導係による適切なフォローを行う。
などなど、ほんの一例ですがこの様に特性要因に応じた合理的配慮で、本人のパフォーマンスも上がり、ミスも減り、働きやすくなるのであれば、誰にとってもいい話ではないでしょうか?
障害者雇用を積極的に受け入れている(株)ジョブサポートパワー株式会社では
「発達障害者が働きやすい環境は一般労働者にとっても働きやすい環境」
と語られています。
発達障害者でなくても、社員ひとりひとり、多様な長所・短所を持っています。
発達障害者への理解と配慮を通じて、全ての社員の理解と尊重が広がり、働きやすい配慮を企業が整備すれば「 誰にとっても働きやすい環境」
がつくられます
だけど、努力も必要なのです。
以上の様に、発達障害者に理解された雇用環境の広がりをお伝えしてきましたが、精神科リハビリテーションの介入では 「環境整備」
と 「技能訓練」
という2つのポイントがあります。
合理的配慮の広がりは大切な事ですが、同時に社会環境で順応するスキルを身に着ける努力も必要であり、「やってやれないことはない」のです。
ASD傾向を持つ私は、人とは違った認知の中で、人とは違った順番で物事を理解すると感じています。常識や行動様式を「自然」に身に着ける事は困難で幼少期や思春期には本当に苦労する事は多かったです。
しかし、大人になって自分なりの「物の憶え方」「理解の方法」をすれば、社会構造や常識とされるものを理解し、振る舞う事は多少出来ると思っています。ストレスはかかりますが、 努力次第で伸ばせる社会的スキルや処世術はあるのです
。
努力の方向性を理解する為に
そこで、重要なのは 「必要な情報の取捨選択」
だと思います。
社会に出て、ヒューマンエラーを体験する中で、色んな関係の人から言葉がかけられると思います。
寛容な人、拒絶する人、批判的な人、擁護する人
しかし、どの言葉も本質的ではない部分もあり、中にはあからさまに感情的な批判もあります。
社会には理解のない人、意地の悪い人も沢山います。人の弱みを見て攻撃を加えてくる人、蔑む人も多くいます。
社会性が育っていない状態の発達障害者は、その様な人にとっての格好の餌食となる場合が少なくありません。
仕事をする上で本当に聞くべき事、必要でない事、理解ある立場で伝え支援する事業として就労移行支援事業というものがあります。
発達障害者と相性のいい就労移行支援
就労移行支援事業では、社会に出るまでにその様なハンディを少しでも訓練で埋める事が出来るのです。
本来真面目な特性を持つ発達障害者は、明確なルールとロジカルな理解の元で伸びていける可能性を持っています。
講義の中でも、 発達障害者にとって就労移行支援事業は相性が良く、そのサービスを経て社会で活躍出来ている人が多くおられる
との事でした。
大人の発達障害を的確にサポートする! [ 星野仁彦 ]
関連記事: これはスゴイ!日本一仕事を選べる障害キャリア支援
リンク先:発達障害者である専門職のRE
世界的な流れの中で

発達障害者の理解と環境整備は、まだ目に見えたものではありません。
一部の研究者・専門職と一部の企業で少しづつ進展しているだけでしかありません。しかし、世界的な流れの中で確実に進んできいるのです。
今では当たり前になったバリアフリー構造やユニバーサルデザインの建物など、15年程前では想像し難いものでした。
国際的な福祉の流れというものは日常生活では見えない中でも、進展していくものなのです
。
今年の4月から施行される「障害者差別解消法」障害者への合理的配慮事項は、2006年に調印された「障害者の国際条約」に基づくものです。
ここで語ったような「発達障害者への合理的配慮」は世界的な流れの中で、当たり前に推進されていく内容なのです。
まだ時間は少しかかると思いますが、
間違いなく社会は私達を理解しソーシャルインクルージョンしていく方向に向かっています。私たちが受け入れられる社会は、やがて来る事を信じて、希望を持って生きていって下さい。
この記事作成から3年後、実際に国際的な発達障害者雇用がひろがっていました。
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世界的企業が証明する自閉症・ASDの優位性
リンク先:発達障害者である専門職のRE
ISFnet 理念と現実のギャップ!? 2016.03.11 コメント(5)
発達障害者が生きづらくなったのは? 参 2015.07.04 コメント(2)
発達障害者が生きづらくなったのは? 弐 2015.06.26
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