すい工房 -ブログー

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2008年12月09日
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カテゴリ: 冷えた指 1~



 どうして和之が、私に接触したのか。

 初めは、ただ駅で居合わせただけだと、思っていた。

 だけど。

 私は、昔からの――和之と付き合ってたころの習慣を変えていない。
 付き合っていた頃の私の行動をしっているなら、接触を避けることだって、できたはずだ。

 なのに。

 和之はそうしなかった。

 再会して……その次のときにも。

 私との接触を、とろうとしていた。

 ……その頃にはもう、佳奈美さんとの関係が、始まっていたと、いうのに。

 佳奈美さんと和之の交際がいつ始まったのか。

 それは佳奈美さん本人から、聞いている。

 佳奈美さんとの交際をしながら、私に接触してきたのは。

 私が嫌うことをして、そうしながら、私との関係をもとうとほのめかして。

 そんな話の折に「復讐」なんて言葉を口にして。

 話さなければ、勘ぐることもなかった。
 気付くこともなかった。

 物騒な言葉に、私が眉をひそめるだろうと、和之は知っていたのに。

 和之なら、私の性格を知っているから。
 私がどうした対応をとるか、想像できたはずなのに。

 ……想像できたから、告げたのではないかと。

 今なら、そう、思える。

 もしかしたら。
 和之も、無意識のものだったのかも、知れないけれど。

 佳奈美さんの父親は、確かに、激しい怒りを覚える人だったかも知れない。

 けれど、娘の佳奈美さんは。
 そうした父親とは、対照的な人だった。

 そのことに、和之は戸惑いを覚えて。
 困惑して。

 自身の行為に……多分、無意識の、うちにだろうけれど、疑問を抱いて。

 そうした戸惑いの中で、自分の行為が正しいとは……思えなくて。

 そうしたときにふと、私の存在が脳裏をかすめて。

 それで私に、接触したのだろう。

 事情を知れば、私の性格から考えると、和之を止めるだろうから。
 やめるよう、諭そうとするだろうから。

 和之はそうした言葉を、聞きたかったように、私には思えた。







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最終更新日  2008年12月09日 20時20分05秒
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