2021年11月26日
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カテゴリ: OPERA



Music by JOHANN STRAUSS II
Operetta in three acts
Libretto by Karl Haffner and Richard Genée.
“An original production of the Komische Oper Berlin”
Presented by Tokyo Nikikai Opera Foundation with Nissay Theatre

25-28. November 2021
at Nissay Theatre (Tokyo, Japan)

Conductor: Kentaro KAWASE

Set & Costume Designer: Wolfgang GUSSMANN
Lighting Designer: Franck EVIN

東京二期会オペラ劇場〈二期会名作オペラ祭〉
ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」
オペレッタ(喜歌劇)全3幕
日本語字幕付き原語(ドイツ語)歌唱、日本語台詞上演
台本:カール・ハフナー、リヒャルト・ジュネー
原作:アンリ・メイヤック、リュドヴィク・アレヴィ『レヴェイヨン(夜食)』

二期会創立70周年記念公演》
ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演
NISSAY OPERA 2021提携

共催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場]

2021年11月26日(金) 14:00
日生劇場
(ダブルキャストの計4回公演)

後援:ドイツ連邦共和国大使館


演出: アンドレアス・ホモキ

舞台美術: ヴォルフガング・グスマン
照明: フランク・エヴィン

合唱指揮: 根本卓也
演出助手: 上原真希

舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 加賀清孝

11月26日(金)/28日(日)
アイゼンシュタイン 小林啓倫
ロザリンデ 木下美穂子※
フランク 杉浦隆大
オルロフスキー 成田伊美
アルフレード 金山京介
ファルケ 加耒 徹
ブリント 大川信之
アデーレ 雨笠佳奈
イダ 内山侑紀
フロッシュ 森 公美子 (全日出演)

二期会合唱団
東京交響楽団

***

東京では再演となるプロダクション。
二期会が上演する歌以外が日本語のプロダクションならなぜあえてこのホモキの演出したプロダクションを採用するのか解せない。
これは二幕からちゃぶ台返しする演出で
普通の幸せな展開を望んでいる観客の期待を裏切る。
まさに観客を裏切るための演出で、コンヴィチュニーの演出精神につながる。
そんなもん○食らえだ。
こうもりとして見なければよくできている。
中途半端にいわばホモキの設定を取り入れていて徹底的に暗澹とさせることがないので、客に不誠実なプロダクションになってしまっている。
そこがわかっていて悪役を貫いた、ファルケ役の加耒 徹氏はさすがだった。
彼はもちろん主役級の歌手だが、すこし性格俳優の趣もあるこのような役が非常にうまい!
彼は王子様のような役も得意だが、実は悪役が似合うのだ。
全てを破壊して不幸のどん底に落とすプロダクションなんですよ。これは。人間の醜さを描くプロダクションなんですよ、これは。
それ聴衆にわからせきることができていないと感じた。
今回はさすがに2回目なので私にもちょっとわかった。

ホモキの箱に普通のこうもりをなんとか押し込もうとしている。それは無理だ。

最初は「こうもり」だったが結末は「ドン・ジョヴァンニ」それがホモキの演出。

演奏家としては指揮の川瀬賢太郎さんがすばらしい!
まさに日本のクルレンティス。
彼はこの演出の意味を理解していて こうもりの音楽が破壊されていくシーンもそのように演奏していた。理解しているからそれができるのだ。

今回二期会本公演で主役デビューのバリトン、小林啓倫(ひろみち)さんは豊かな声量で声域も驚異的。彼は日本人の世界を逸脱しているレヴェルですごかった。

フランクの杉浦隆大さんは2017年公演でもフランク。豊かなドラマチックバリトンでやはりすごいパワー。この2人でフォードとファルスタッフやってほしい。

アルフレード金山氏も本当演技が上手い。伊達男で勘違い男ではあるが本当に声も姿も魅力的で騙されたら大変なタイプを演じきっていました。

***
※内容に触れますのでご注意ください。

序曲
川瀬のエネルギッシュな指揮がすばらしい!
ずっと見ていても飽きないです。

アイゼンシュタインの邸宅の居間

クラシックな家具が所狭しと立ち並んでいて

人の動くスペースが狭い

存在を主張するのが家具で
八百屋舞台になっているため家具は不安定に見えてどことなく窮屈な閉塞感を漂わせている。

一番奥にあるのは2つのタンス
そのタンスは誰かが隠れる場所
赤いソファ

黄色いグランドピアノ
鏡台
大きな時計台

正面奥に入り口がある。

わざと窮屈に作られたセット
かみてそでからアルフレードの声

僕の小鳩ちゃん

アデーレ

ロザリンデ

ロザリンデの木下さんはさすがディーヴァという落ち着いたノーブルな声。パワーもある。

帰宅するアイゼンシュタイン
ブリントと喧嘩しながら
激怒していてものすごいパワー!

明日から8日間に拘留が伸びた。

ファルケが来る。
加来さんはこの劇場の常連
数々の奇抜なアイディアの歌劇にも出演している
むしろ奇抜な演出の歌劇しか出てないけどここでは(爆)
だからこの「こうもり」の本質を理解している。
彼の表情は終始
コメディではないんだこれは、と訴えかけている
これはまじでサイコパス的ファルケの復讐で
アイゼンシュタインを徹底的に破滅させるための復讐劇なんです
それが1幕ではチラ見せ程度にしか種明かししないのでまだ客も含めてファルケに騙されている
いい友人の裏の顔を垣間見せるカットを差しはさむ
言ってみればヒッチコックの映画のような感じだ

アイゼンシュタインが燕尾服を着て出かけていくと
アルフレードがやってくる
先日のはにかんだようなカミーユ・ド・ロシヨンとは全く別人!
髪をなでつけているのは同じだが、
女を食い物にしているジゴロになりきっている。
白いスーツをすぐに脱いで下着姿になり
酒を飲んでロザリンデと…

刑務所長のフランクの杉浦さんはまってた…!
アルフレードは連行される

ここで幕は下りない
ファルケが雇ったエキストラたちと
重要なオルロフスキー公爵の役として雇った女。
その女性は酒浸りで金がない。
イカゲームと同じ感覚で、カネの力でファルケに買われている
男装させられ
しゃべり言葉も男のようにしゃべらされる

最初のアイゼンシュタインの難関のシーン
ウォッカのシーンだが
○○に読み替えられている
これは相当、怖い

オルロフスキーの歌

アイゼンシュタインはアディーレと鉢合わせし
うちの○○○!
と叫んでしまい
皆に糾弾される
この糾弾も普通じゃない。
集団の中での疎外感を味あわされているアイゼンシュタイン

ハンガリーの侯爵夫人として登場したロザリンデ
ファルケの合図でピアノの位置が変えられる
ロザリンデはピアノの上へ。
ファルケは赤いソファーにダイブする。

彼女を落とすことを公言するが、あえなくロザリンデに金時計を奪われるアイゼンシュタイン

オルロフスキーのシャンパンの歌。

第1幕了

第2幕
幕開けの音楽が客電をつけたまま演奏される
オペレッタだから客サービスだろうと思っていたが大間違い
これもしっかりファルケの策略なのである

幕前に置かれたテーブルと椅子
酔っぱらった人々

ブリューダーライン、シュベスターラインの歌

これは強烈な皮肉なんである
皆仲良く兄弟のようにキスし合いましょうなんて…
真っ赤な嘘
ファルケはまったく反対のことをしようとしているのだ
しかしここの重唱+合唱のコンチェルターテは本当に見事ですばらしい。
オッフェンバックのホフマン物語を感じさせる部分です

このあとすべてが崩壊し
具体的にはセットが崩壊し
巨大な○○が落ちてくる
これはオペラ座の怪人のパロディではないだろうか。

ロザリンデも仮面をはずすと真剣な顔。
彼女も長年のアイゼンシュタインの被害者で彼を破滅させるために協力しているのだ
ね。ヒッチコックでしょ?

皆酔いつぶれている

アルフレードの歌声が響いている
地面と平行になった扉を開けて出てくるフロッシュ

新聞をかぶって寝ているフランク

フランクのところにやってくるアディーレとイーダ。

ここのアデーレの歌の演出もいつもと違う。アデーレの歌はことごとく集団にバカにされるのである。アデーレはフランクをたらし込む。

廃墟になった自分の家を見るアイゼンシュタイン
かみての時計を見る
今何時だ?
11時45分
ああもう行かなくては
セットと同じように破壊されたこうもりの音楽を演奏する川瀬。
これは誰が編曲したのだろう?と思う。

フランクに出会う

アルフレードが弁護士を呼び
やってきたブリント
アイゼンシュタインはその身ぐるみをはがす

アルフレードとロザリンデ
ブリントに化けたアイゼンシュタイン

妻が昨夜自分の家で男と浮気していたと知ったアイゼンシュタインは怒り心頭
大騒ぎになる。

バラバラになった家が次第に…

種明かし

アイゼンシュタインの決め台詞
究極の責任転嫁
「酒のせいなんだよ」

しかし…

結末は劇場でお確かめください。

***
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最終更新日  2021年11月27日 08時30分26秒


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