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JAZZと落語のダブルヘッダーの合間に将棋をAbemaの中継を観戦。王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦。羽生善治九段と糸谷哲郎八段との藤井君への挑戦を掛けた“4強”を巡る戦い。羽生さんが122手で勝利。次戦で広瀬章人九段と決勝進出をかけて対戦。王座24期のレジェンド・羽生九段が、文字通りの“王座奪還”に向けて大きく前進。本局では、2016年の第64期王座戦五番勝負の舞台でも対戦した糸谷八段と激突。戦型は後手の糸谷八段得意の一手損角換わりとなった。糸谷さんの右玉の腰掛け銀に対し、羽生九段は「序盤からあまりやったことのない形になってしまい、手探りで指していたがずっと難しいと思っていた」としながらも、先手の羽生さん、8八まで玉を囲わず、7八玉のままの片矢倉の囲いで早繰り銀で糸谷さんの玉のコビンを1六の角で狙う趣向。片矢倉の囲いの守りの要の7七の左銀を4段目へ繰り出した57手目 ▲8六銀で羽生さんの攻めの開始。おそらく糸谷さん、意表を突かれたようで1時間2分の長考に沈んだ。実戦は58手目 △4六歩と歩を捨てて、64手目 △4三歩打と1六の角の睨みを緩和する手を選んだが、ここは遊んでいる銀を活かすため、△3三銀としたかったか。羽生さんの73手目 ▲8三銀打の2枚銀が強烈で、ここからは糸谷さんの勝ちは無かったようだ。糸谷八段得意の一手損角換わりを羽生さんが早繰り銀で攻め倒す名局になってしまった。左右の銀を繰り出して、5筋を歩と桂で押し込んでいく見事な構想。
2024.06.10
今日は将棋の藤井棋聖対山崎八段の第95期棋聖戦五番勝負の第一局の大盤解説会を聴きに木更津・龍宮城スパホテル三日月に参上!三日月さんのレストランでランチをいただく。棋聖戦のブログを読むまで知らなかったが、藤井君もランチでセレクトした、ご当地グルメの「はかりめ丼(穴子丼)」を偶然セレクト。大変おいしゅうございました。3時のおやつを藤井君が「黒糖まんじゅう」を選んだので、同じ「黒糖まんじゅう」を買っていただく。これまた大変おいしゅうございました。振り駒の結果、山崎さんが先手で戦型は相掛かり。先手山崎さんが飛車先の歩をナカナカ交換しない趣向で、37手目 山崎さんの▲7五歩が新機軸。しかし、藤井君に38手目 △4四歩から40手目 △4三銀と雁木模様で金銀4枚の堅陣に囲われてみると山崎さんが不利な状況。大盤解説会で山崎さん:王様を囲い合ったあとに、指してみたい構想を思いついて、面白いなと思ったので指してみたんですけど、藤井棋聖に△4三銀と引かれて、柔らかくとがめられてが素直な感想だったか。2六の飛車を2九まで引かせてからの50手目△6三角打が藤井君の好手。3六の桂頭攻めが受からず、山崎さんが敗勢に。最後の勝負所は4四角を受けずに藤井君が64手目 △4七銀打と銀を放り込んできた局面。ここは近藤誠七段のご推奨の☗4九金が正着だったかも。金を渡さず辛抱。しかし、山崎さんは☗2四飛と走った。
2024.06.06
藤井聡太叡王(棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将)に伊藤匠七段が挑戦している第9期叡王戦五番勝負の第4局が31日、千葉県柏市で指され、後手の藤井叡王が132手で勝ち。対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。最終第5局は6月20日、甲府市で行われる。藤井叡王は23回目のタイトル戦で初めてカド番に追い込まれたが本局を制し、踏みとどまった。一方、3度目のタイトル戦で初タイトルに王手をかけていた伊藤七段は、最終局に望みを託す。戦型は相腰掛け銀。攻めと守りのバランスを絶妙に取りながらの進行。▲8八玉と入城した先手に対し、後手は44手目 △6二玉で△6三金~△6二玉と右玉に。両者の対局では、今期叡王戦五番勝負第1局と、昨年の第36期竜王戦七番勝負第4局がまったく同じ将棋。75手目 ▲8七角打。持ち駒の角を受けに使って、☖9六飛や☖8七角といった筋を防いだ。打った角が逆に相手の攻めの目標になってしまう恐れもありそうだが、代えて☗2一飛成では伊藤君が自信が無かったようだ。ここからは伊藤君、守りが多く苦しい展開。伊藤玉が9九に潜った瞬間の隙を藤井君がチャンスと見て、攻め込む。伊藤君の飛車が2筋を直射している危険な状態だったので、かなりの決断だったが事前の藤井君の研究が深かったと想像する。藤井君が86手目 △2二歩打と歩成りを受けた局面が最後の伊藤君の攻めのチャンス。実戦は87手目 ▲4七金と桂頭を守った手を伊藤君が選ぶ。余計な1手。2八の飛車も守りに利かせる意図もあったと思うが、9筋からの攻めを優先させたかった。▲4七金に代えて、ここは▲9四歩としたかった。以下の進行例は △7五角 ▲8八王 △8五歩打 ▲同歩 △同桂 ▲7六銀 △8六歩打 ▲9八角 △9四香 ▲7五銀 △9六香 ▲8六銀 △9八杏 ▲同王 △9六歩打 ▲8二歩打 △同飛 ▲8四歩打などで、本譜よりは綾があった。
2024.05.31
藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦する第82期名人戦七番勝負第5局が5月26・27の両日、北海道紋別市の「ホテルオホーツクパレス」で行われ、藤井名人が99手で勝利。この結果、シリーズ成績を4勝1敗とした藤井名人が名人位を初防衛。序盤の藤井君の工夫は29手目 ▲6五歩。次に銀で歩を取られてしまうので、疑問手ぽいが後々61手目 ▲6四香打が生じて、藤井君優勢に繋がった。どこまで藤井君が先を読んで29手目 ▲6五歩を選択したか分からないが、藤井君の大局観が優れていたということか。最後の勝負所は69手目 ▲5九歩打と馬の利きで竜の侵入を遮断した次の1手。実戦は豊島君70手目 △6六歩を選んだが、ここは金に取られないように△8三銀と引きたかった。71手目 ▲7四金に72手目 △同歩として玉のコビンを開けられてしまったので、ここから豊島君が敗勢。△8三銀と引くチャンスはこの局面の前にもあったので、もっと早めに引けば勝負の綾がもっとあったようだ。
2024.05.27
大分県別府市の割烹旅館もみやで18日から繰り広げられた第82期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は19日午後8時49分、挑戦者の豊島将之九段が藤井聡太名人に95手で勝ち、対戦成績を1勝3敗とした。カド番をしのいだ豊島九段は対藤井戦の連敗も12でストップ、通算成績は12勝25敗となった。持ち時間各9時間のうち残り時間は豊島九段9分、藤井名人6分。第5局は26、27両日、北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで指される。豊島九段が横歩取りの戦いに誘導した本局。双方の駒が入り乱れる乱戦を制し、待望の初白星を挙げた。63分考えた挑戦者の封じ手は▲7七桂だった。藤井名人は少考で△3三桂。挑戦者は次の手にも44分使って▲6五桂と跳ね、攻め合い志向の一手に控室では歓声が上がった。藤井名人も100分の長考で△2五桂と跳ね、互いに後戻りできない真っ向勝負となった。控室の評判は挑戦者有利から、夜戦に入ると優劣不明に。しかし、藤井名人の△6二銀(60手目)と角に当てた△4三歩(66手目)が疑問だったようで、豊島九段が▲3九飛と銀を取った上、角も逃げると、再び流れは豊島九段に傾き、そのまま押し切った。Abemaの中継で進行を確認。Joyce Wriceさんのライブの1st Show終わり頃は、ソコソコ豊島君優勢だったが2nd Showの始まりの頃は形勢不明。今期、第1局、第2局ともにこのパターンで豊島君が負けていたので、「今日もダメか」と思いながらJoyce Wriceさんのライブの2nd Showが終わった後にAbemaの中継で現局面を確認。2枚の飛車が躍動し、豊島君が優勢から勝勢。出来れば、お二人の熱戦を最終局の第7局まで観たい。
2024.05.20
将棋の第9期叡王戦五番勝負第3局が5月2日、愛知県名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われた。藤井聡太叡王(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)が挑戦者の伊藤匠七段に146手で敗れた。シリーズ成績は藤井叡王の1勝、伊藤七段の2勝となり、伊藤君が初タイトルに“王手”をかけた。第4局は5月31日、千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で行われる。藤井君が攻めていたが、伊藤君も78手目 △8六歩から反撃開始。藤井玉の玉頭の攻めが厳しく、藤井君が受けを間違えたようだ。伊藤君が86手目 △ 6八角打とした局面。「最後のお願い」的な指し手で、ここは▲6九王 とかわして、右辺に逃げ込む手順を藤井君は選びたかった。以下の進行例として、△8六飛 ▲4三桂打 △2二王 ▲8七歩打 △6六銀 ▲1三杏 △同王 ▲4六角 △3五銀打 ▲同歩 △5七馬 ▲同金 △6八銀打 ▲同金 △5七銀 ▲6七金 △8七龍 ▲2五桂打 △1四王 ▲5七金 △8九龍 ▲5八王 △2九龍。これなら藤井君、有望。実戦は、87手目▲ 8八玉を藤井君が選んだため、形勢は混沌。運命の分かれ目は伊藤君が92手目 △4一香打とした局面。87手目▲ 8八玉と左辺に逃げ込んだからには、ここは▲7九桂打と専守防衛で打ちたかった。以下の進行例として、△6八と ▲7七銀打 △8七歩打 ▲同金 △同全 ▲同桂 △7九銀打 ▲9八王 △9六馬 ▲9七銀打が考えられる。△6八とに対して ▲7七銀打 とさらに銀を守りに投入して、▲9八王まで逃げ込んで、▲9七銀打と馬を叱り付ければ、伊藤君の攻めは切れていた。実戦は、93手目▲ 8七銀打。ここからは、伊藤君の攻めが的確であまりに厳しく、藤井君が敗勢。藤井君がいくつも罠を仕掛けたが、意図を汲み取り伊藤君が最善手で対応。藤井玉を146手までで詰ませた。見事。(参考図)93手目▲ 8七銀打に代えて、▲7九桂打とした時の進行例の一つ。▲7九桂打以下、△6八と ▲7七銀打 △8七歩打 ▲同金 △同全 ▲同桂 △7九銀打 ▲9八王 △9六馬 ▲9七銀打まで。
2024.05.02
成田山新勝寺で23日から繰り広げられた第82期名人戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、成田市など地元主催)は24日午後9時19分、藤井聡太名人が挑戦者の豊島将之九段を126手で降し、開幕局に続き連勝。終盤大逆転。開幕局もかなり豊島君が優勢だったので、2番連続で逆転負けはさぞ無念だったはず。ライブが始まる前、Abemaで実況を見ていた。豊島君が77手目 ▲2四香打と指した局面。「これなら、飛車が詰んでいるので豊島君が勝ちそう」と思った。実戦は藤井君の攻めも沢山あって、大混戦。藤井玉は8筋、9筋の空間が広く、こちらに逃げ込めばナカナカ詰まない。終盤115手目▲5二銀打としたのが悪く、形勢を損ねた。代えて▲5二金打とすれば、ギリギリの詰めろだが豊島君が藤井玉を詰まして勝ったようだ。
2024.04.24
将棋の藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段の挑戦を受ける、第9期叡王戦5番勝負。第2局が20日、石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」で行われ、先手の伊藤君が藤井君を破り、対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。対藤井戦は11連敗だった伊藤君が悲願の1勝を挙げた。第3局は5月2日、名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われる。局後の大盤解説会で伊藤真六段が藤井聡太君、伊藤匠君に59手目▲3六馬の形勢判断を質問。伊藤真六段 ▲3六馬(59手目)の局面をどういう気持ちで見ていましたか。伊藤君 はっきり自信のない順は見えていなかったのですが、よくわからないまま指していました。伊藤真六段 藤井叡王は▲3六馬に長考していました。難しい局面でしたか。藤井君 そうですね。後手の攻め方としては持ち駒の銀の打ち方が4七、2七、4五の3カ所あって、△6六飛と切る手、△8七歩成とする手もあります。それらの組み合わせでどれか勝負できる順があればと思っていましたが、考えてみてもそういう順が発見できなかったかなというところでした。どうやら▲3六馬(59手目)が最後の勝負所だったようで、藤井君が長考の末、60手目 △6六飛と指してからは伊藤君が優勢から勝勢の分かれになったようだ。60手目 △6六飛に代えて、参考図1のように60手目 △4五銀打とすれば、手順の一例として、▲同銀 △2八馬 ▲3四銀 △8七と ▲同金 △8九飛打 ▲6九銀打 △7四飛 ▲3五馬 △8七龍 ▲7八歩打 △4四金打が参考図2のように予想され、これなら藤井君が駒得が期待出来て、8七龍、7四飛、2八馬が攻防ともに強力で大いに有望だったようだ。因みに、藤井君の挙げていた手の内で60手目 △2七銀打とした場合、千日手になって指し直しだった。それくらい形勢は微差だったようだ。(参考図1)藤井君の指した実戦の△6六飛に代えて60手目 △4五銀打とした図(参考図2)60手目 △4五銀打以下の進行例で△4四金打までの図。8七龍、7四飛、2八馬が強力
2024.04.20
本日は第82期A級順位戦9回戦の解説会を聴きに将棋会館@千駄ヶ谷に参上!静岡市民会館まで行って藤井聡太君の解説を聴こうか迷ったが、抽選も激戦かと思ったので千駄ヶ谷に参上。多分午前2時くらいまで掛かりそうなので、神宮球場の前のホテルに泊まることにした。意外にも午後11時台で全局が決着。終電で帰って来れた時間。ホテルの大浴場でノンビリお風呂に入れたのでチェックインしていて良かった。雨だったので、軽食とビール2本は冷蔵庫に入れてから将棋会館に向かった。笑結果は以下の通り。○渡辺明九段(5勝4敗) VS 広瀬章人九段(3勝6敗)●●菅井竜也八段(5勝4敗) VS 豊島将之九段(7勝2敗)○○永瀬拓矢九段(6勝3敗) VS 中村太地八段(4勝5敗)●●斎藤慎太郎八段(3勝6敗) VS 佐々木勇気八段(4勝5敗)○○稲葉陽八段(4勝5敗) VS 佐藤天彦九段(4勝5敗)●この結果、豊島九段が7勝2敗で、藤井聡太名人への挑戦権を獲得。3勝6敗になった広瀬章人九段、斎藤慎太郎八段がB級1組への降級。本日、一番の注目局は▲菅井竜也八段(5勝3敗) VS △豊島将之九段(6勝2敗)(戦績は対局前)菅井君が勝てば、3者のプレーオフも有り得る状況。戦型は菅井君の伝家の宝刀、ゴキゲン中飛車。途中まで2022-08-10 順位戦 菅井竜也 八段 vs. 藤井聡太 竜王 第81期順位戦A級2回戦と同じ進行。この対局は菅井君の囲いは美濃囲いで穴熊も狙った本局とは違うが、菅井君の攻めの狙いは似ていた。藤井君も静岡の大盤解説会のナマ放送で、「菅井さんのこの作戦は優秀で、昨年度のA級順位戦で負けました」と説明。本局、37手目 ▲同飛成で飛車と銀を刺し違える強手で菅井君優勢の流れ。菅井君の最大のチャンスは豊島君が52手目 △1三角と角と馬の交換を狙った局面。ここは、素直に▲1三馬と応じたかった。以下の進行例は△同香 ▲5三角打 △7四龍 ▲3四歩打 △2五桂 ▲3六香打 △5五角打 ▲4六銀打 △7七馬 ▲3三と △同馬 ▲同杏 △同王 ▲5七角打 △5二香打 ▲7五角 △5三香 ▲同馬 △3四歩打 ▲3五歩打 △7七と ▲3四歩 △同龍 ▲3五香打などで豊島玉を追い込んで、菅井君優勢から勝勢。実戦は53手目 ▲3五歩打と馬と角の交換を避けてしまったので、 次に△7四龍と豊島君が龍を展開して形勢逆転。 広瀬さん、渡辺さん83手目▲6二飛打辺りは広瀬さんやや良しだったので、ここらの数手が問題だったようだ。実戦は広瀬さん84手目 △4五歩としたが、ここは△7七馬として、以下、 ▲5七王 △4五桂打 ▲4八王 △6七馬 ▲5八金 △6六馬 ▲3八王 △5七圭 ▲6七歩打 △同圭 ▲5九金 △9九馬 ▲2四歩 △同銀 ▲5四歩 △同歩 ▲4一馬 △6六馬 ▲5三歩打 △4五歩 ▲同金 △3三桂など進行もあったかも知れない。以下、本局への渡辺さんのコメント:43手目▲71銀は後手の△73桂が突っ張り過ぎてはないか、という思いと代案が分からずに踏み込みましたが、やり過ぎで指しにくくしました。以下63手目▲79桂までの分かれになり、得した桂馬をここへ打つようでは▲46金の残り方も良くないので、互角〜勝ちにくいという見解でした。82手目は単に△45歩とされると▲同金は△56角があるので▲56金になり、△88角▲62飛△77角成▲57玉△67馬▲同飛成....は激戦だったようですが、後手陣がコンパクトにまとまっているので、やはり勝ちにくい気がします。91手目▲46歩〜▲47玉の感触が良いので好転したように感じました。本局への広瀬さんのコメント:既報の通りA級順位戦▲渡辺九段戦は負けでした。角換わり早繰り銀の将棋で珍しい対応をしたこともあって力戦模様になりました。後手番ながら攻勢をとる展開になってまずまずと思っていましたが、具体的に手をつなげる手段に苦慮しました。60手目△6五歩では△5七金▲5八金△同金▲同飛の形にするのも権利だったので比較に迷いましたが、▲7九桂を打たれて攻めが止まってしまった本譜を思うとそちらのほうが良かったようです。また80手目△8七銀では△8七角▲6八玉△6六銀のほうが勝ってこれなら激戦でした。この2択と言える分岐で正解を選べないのが今の実力で陥落してしまうのも仕方ない結果だと思います。静岡市民会館での藤井君の解説で、80手目で「△8七角▲6八玉△6六銀で広瀬さん良し」を指摘していたのは、藤井君の流石の読み。参考)(1) 藤井聡太名人も登壇、将棋界の一番長い日・大盤解説会LIVE【第82期将棋名人戦・A級順位戦】ざっと観た限り、藤井君の登場は1:11:45 解説:藤井聡太名人(八冠) 聞き手:脇田菜々子女流初段3:10:00 解説:藤井聡太名人、徳田拳士四段 、4:03頃 次の1手のクイズ その①7:09:45 解説:藤井聡太名人 聞き手:脇田菜々子女流初段、7:52頃 次の1手のクイズ その②、7:55頃 棒銀卒業についての話の3回か。(2) 日本将棋連盟・東京将棋会館道場が運営するblog令和6年2月29日(木)東京将棋会館道場で第82期A級順位戦最終戦大盤解説会(3) 第82期順位戦A級最終戦 東京・将棋会館での大盤解説会!《棋士会協力!》
2024.02.29
藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(共同通信社と観戦記掲載の21新聞社、日本将棋連盟主催)は、第2局が2月24日(土)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われた。対局の結果、角換わり腰掛け銀の研究勝負から抜け出した藤井棋王が94手で勝利。貴重な後手番勝利で防衛に向け前進。対戦成績を1勝0敗1持将棋とした。39手目 ☗2四歩までは昨年2023年12月14日に行われた第82期順位戦A級6回戦、☗佐々木勇気八段-☖稲葉陽八段戦と同じ進行。両者ともここまでは研究通りの手順か。佐々木-稲葉戦は、☗2四歩に☖同歩☗3五歩☖同歩☗4五桂☖2三金と進み、141手で先手佐々木君が勝った。藤井君は☖2四同銀を選び、前例の☖同歩を離れた。伊藤君のチャンスは78手目☖7三同角と藤井君が指した次の手。実戦は伊藤君が79手目 ☗9四竜としたが、ここは☗5三金としたかった。以下、☖同玉☗7二竜☖6二金☗7一竜の進行が予想され、本譜よりは優った。手持ちにしておきたい持ち駒の金を犠牲にする手順なので、伊藤君は選び難かったかと想像される。本譜の順では折角の竜が☗9四竜で2枚の角の堅陣で抑え込まれてしまって、イマイチ。☗7一竜に竜を展開出来ていれば、竜がイキイキとしていた。この79手目☗5三金だけが伊藤君の唯一のチャンスとすれば、渡辺九段の「必ずチャンスは来るんだけど、大変狭い道」だったことを今回も実証したように感じた。角を守る藤井君の80手目 ☖8四歩打が好手。立ち合いの久保九段も「後手陣が安定してきました。6五と7五の歩が厚みになっています。先手は9四竜の使い方が難しい。後手を持ちたいです」と藤井君優勢との判断。仕方なく81手目 ☗7六歩打と角頭を攻める順を伊藤君、選んだが、82手目 ☖6三桂打が7五の守りにも利いて絶品。71手目の局面は後手玉周辺に金が1枚あるだけだった。いまは見違えるほど味方の駒が多い。
2024.02.24
永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する 第71期王座戦五番勝負第4局が、10月11日(水)に京都市東山区の「ウェスティン都ホテル京都」にて行われ、藤井竜王・名人が138手で永瀬王座に勝ち、対戦成績を3勝1敗とし王座を奪取。終局時刻は20時59分。消費時間は☗永瀬君5時間0分、☖藤井君5時間0分(チェスクロック使用)。藤井君は86手目☖5七歩で、永瀬君は111手目☗8五香で双方1分将棋になった大激戦。藤井竜王・名人は初の王座獲得。また、今期の王座獲得により、藤井君は現行のタイトルを独占。八大タイトル戦になってから、タイトル全冠制覇は史上初の快挙。おめでとうございます!<< 2023 Oct 11th (Wed) The "Amity Duet" MAKOTO OZONE & AVISHAI COHEN@紀尾井ホール >>の始まる直前は、65手目☗5五銀と永瀬君が攻めに厚みを加えた局面。一時期よりは藤井君の形勢がマシになったが、永瀬君がかなり優勢な局面。 "Amity Duet" の中休みの20時過ぎにAbemaを観たが、96手目☖5六歩の局面。ほぼ五分五分の形勢になって藤井君に希望の持てる状況。藤井君の122手目☖5五銀の局面。以下、☖4六角成☗5八玉(☗4八玉は☖4七飛以下)☖7八飛☗5九玉☖6八飛成までの詰めろをかけた。しかし、ここで123手目☗4二金と永瀬君が指せば永瀬君が1手勝ちだった。藤井君、絶体絶命のピンチ。藤井君の心境を察すると「ここで詰まされたら致し方がない」だっとと思う。永瀬君が☗4二金と打ち、☖同金☗同成銀☖同玉には☗5二飛と打てば後手玉は寄り筋。18手前の藤井君の104手目☖5七銀が良く無くて、藤井君が形勢を損ねたようだ。☖5七銀に代えて感想戦で挙がった☖2七飛や☖4六飛なら藤井君優勢だった。実戦は永瀬君が123手目☗5三馬と入ったため、大逆転。一間竜の☗6二飛でも勝ちと永瀬君は勘違い。124手目☖2二玉と交されると藤井玉に詰みはない。1例として☗3一銀としても☖1二玉☗2二金☖1三玉で藤井玉を永瀬君は詰ますことが出来ない。自宅で123手目☗5三馬の時の実況をAbemaで観ていた息子さんによると「永瀬さんが☗5三馬と指した直後に、永瀬さんの顔が真っ赤になって、「やってしまった」感が一杯だった」とのこと。
2023.10.11
王座戦第3局は先手で挑戦者の藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・棋王・王将・棋聖を合わせて七冠)が永瀬拓矢王座に逆転で勝利し、2勝1敗とした。悲願の八冠奪取まであと1勝。ずっと永瀬君が優勢から勝勢で20時10分頃、藤井君が65手目☗2一飛打とした時、藤井君はガックリ肩を落として、項垂れて負けを覚悟した様子。「飛車打ちで基本的に切れ」と藤井君は感想戦で振り返る。しかし、ここで事件発生。誰しも考える☖3一歩ではなく、☖4一飛車を永瀬君は選択。すぐに藤井君が☗6五角と2つの金を狙って、攻防の1手。永瀬君は☖3一歩☗4三銀☖同金☗3一飛成☖4一飛☗同竜☖同玉☗2一飛☖3一歩☗3二歩☖同玉☗2二銀☖4二銀で後手の勝ち筋を見極め切れず。手順中☗3一飛成に代えて☗3二銀も☖3九飛☗5九角☖5二玉☗3一飛成☖5一金で攻めが続かない。
2023.09.27
4連覇中で永世称号の「名誉王座」獲得を狙う永瀬拓矢王座に前人未到の八冠独占がかかる藤井聡太七冠が挑戦する第71期将棋王座戦(日本経済新聞社主催、東海東京証券特別協賛)の五番勝負が8月31日に開幕。日本経済新聞社では第1局にあわせ、佐藤天彦九段と聞き手に室谷由紀女流三段を迎えトークショーと大盤解説会があった。先着順で予約出来たので、スペースNIO(日本経済新聞社 東京本社ビル 2階)に参上。午後9時11分、150手で後手の永瀬拓矢王座が挑戦者、藤井聡太七冠を破った。粘り強く戦った永瀬王座が「名誉王座」の永世称号獲得に向けて好スタートを切った。参考)【第71期王座戦第一局】<完全解説>永瀬拓矢王座 対 藤井聡太竜王・名人
2023.08.31
藤井聡太王位に佐々木大地七段が挑戦する 伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦七番勝負第4局が、8月15・16日(火・水)に佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」にて行われ、佐々木七段が85手で藤井王位に勝ち、対戦成績を1勝3敗とした。49手目 ☗4五角打。異筋の角。佐々木君は狙っていた。次に☗2六銀で飛車を取れる。「いい手だね、これは」と立会人の中田八段。藤井君は前手☖3五同飛をわずか2分で指した。油断したかもしれない。藤井君「2日目は午前中からこちらの態勢が悪くて、苦しいかなと思っていたんですけど、☗4五角は見落としていて、打たれてみると飛車を取られてしまう形で、厳しかったかなと思います」。形勢はやや苦しいが、藤井君は粘り強く指す。9九馬を見捨てて、66手目 ☖8六歩を指した。勝負手。最終盤、藤井君にチャンス到来。佐々木君の79手目☗6一飛打の次の1手が問題。Abemaで中継を観ていて、佐々木優勢から藤井優勢にひっくり返って驚く。ここは、4五角に働き掛ける☖5三桂打が最善。しかし、自玉の逃げ場所を無くす手で、藤井君選べず。実戦は80手目 ☖5五桂打。
2023.08.16
第36期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局、永瀬拓矢王座×伊藤匠六段は伊藤六段が勝ち連勝で挑戦権を獲得。竜王戦七番勝負で藤井聡太竜王との同学年対決が実現。伊藤六段は初のタイトル挑戦。竜王挑戦の規定で伊藤君は七段昇段も果たした。ずっと永瀬君が優勢だったが、後手伊藤君の86手 △5一桂打が粘り強い1手。次の87手 ▲2五角が疑問手。ここは代えて、4三に歩を垂らしていれば永瀬君が手堅く勝ったと思う。Abemaの解説で屋敷さんが「▲4三歩で永瀬さんが優勢」と言われていたが、眠っていた角にカツを入れようとしたのか、緩手。将棋は難しい。この後、伊藤君も106手目 △8五歩打としてしまって、 竜か馬を取れる△3四歩打の好手を逃して形勢が揺れ動く。永瀬君が狙っていた、必殺の107手目 ▲ 9三桂打。これを食らっては、伊藤玉、風前の灯火。しかし、永瀬君の113手 ▲6二銀打が敗着。代えて、113手 ▲5三銀打なら永瀬君が勝ちだった。▲6二銀打の後も、「これしか受ける手がない」という受けの好手を連発した伊藤君。見事。
2023.08.14
第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局が7月18日、新潟市の「高志の宿 高島屋」で指され、藤井聡太棋聖が佐々木大地七段に勝利した。この結果、シリーズ成績を3勝1敗として棋聖位の防衛4連覇を達成。藤井君が有利ながら形勢は微差。終盤まで混戦。佐々木君の67手目▲8四歩が好手。飛車先を抑える手で手抜きで藤井君取らないかと思ったが、堂々と取る。次に▲8五歩が見えるので取りづらかったはずだが、9七銀にカツが入って形勢は縺れた。67手目▲8四歩に代えて▲8五歩の方がさらに佐々木君が「より有望」だった。▲8五歩以下、△1七角▲1六飛△3五角成▲2三成香△3六桂▲3七香が進行例。この手順では藤井君は自信がなさそうな様子で、佐々木君も後悔しているようだったそうだ。本譜に比べて一歩節約できるので、飛車取りで△2四香を藤井君が打っても歩で飛車を守れるので△2四香打を未然に防げた。藤井君も74手目△2六香と飛車を取り返さず、「△8七と」と佐々木玉に迫る勝負手。局後のインタビューで藤井君はこの勝負手「△8七と」を以下のように振り返る。「基本的にずっと苦しいかなと思っていたのですけど。△2六香と飛車を取ると▲5五桂から▲9二飛と迫られたときに、ちょっと受けが難しい形かなと思っていたので。本譜もちょっと後手後手になりそうかなと思っていたんですが、手を渡して勝負しようかなと思いました」問題は77手目。実戦は▲3四香でこれが佐々木君の敗着。代えて▲7三香なら佐々木勝ちの局面。金でも桂馬でも取れる▲7三香だが、これが唯一の勝ち筋。進行例として、▲7三香△同桂▲8一角△7一香▲7二角成△同香▲7一飛△7八と▲7二飛成△6二桂▲6三香△6八と▲同玉△9五角▲7七角△同角成▲同玉△5九角▲8七玉が一例。名人戦で藤井君に敗れた渡辺さん曰く「▲73香は歩なら誰でも打つけど、そこに香車を叩くのは見たことないからなあ」との感想で、人間離れした一着だったようだ。
2023.07.18
5月31日(水)、6月1日(木)に長野県上高井郡高山村「緑霞山宿 藤井荘」で行われた、第81期名人戦七番勝負第5局で藤井聡太竜王が渡辺明名人に勝ち、4勝1敗で名人位を奪取。これにより谷川浩司十七世名人の保持していた名人の最年少記録を39年11カ月ぶりに更新。自らが勝った第3局の改良策をぶつけた渡辺名人が序盤でリード。「序盤の組み上がり辺りはハッキリ作戦負け」と局後に藤井竜王も苦戦を認めた。2日目午後、「勝負手のつもり」で藤井竜王が放った△6六角(72手目)の局面。渡辺名人は1時間26分の大長考で▲2三桂(73手目)、そして▲3一銀(75手目)と連続で王手をかけた。が、局後に「手が広かったところで、結果的に、そこで間違えてしまった」と悔やんだ。藤井君がノータイムで指した72手目△6六角で渡辺さんが困惑し、73手目▲2三桂としてしまったが、ここは普通に73手目▲6六同金が優った。以下の進行例、▲6六金 △3三歩打 ▲5四飛 △5三歩打 ▲7四飛 △6六飛 ▲6七歩打 △6五飛にして△6六角を消しておくことで、8四飛と回って藤井陣に竜を作る展開なら渡辺さん有望。藤井君にノータイムで72手目△6六角と指されて、渡辺さん「これは自分に何か読み抜けがあるのでは?」と疑心暗鬼になってしまって73手目▲2三桂と疑問手を指してしまったと想像する。
2023.06.01
将棋の藤井聡太叡王が5月28日、第8期叡王戦五番勝負第4局で菅井竜也八段に90手で勝利。シリーズ成績3勝1敗でタイトル防衛と3連覇を達成。決着局となった岩手県宮古市の「浄土ヶ浜パークホテル」での本局は、異例の2度の千日手が成立。19時15分から始まった2度目の指し直し局を藤井叡王が制し、タイトル防衛を決め、保持する6つのタイトルを守った。菅井さんにも午前11時30分からの指し直し局ではチャンスがあった。千日手模様だったが、106手目☖7三銀に代えて、☖6一歩なら菅井さんが有望。その後の進行例で☖7八銀打が上回り、☖8九銀成☗同金☖同馬☗同玉☖6九飛☗7九銀に☖6七角の筋で先手玉が詰んだ。局後のインタビューで菅井さんが「今日の将棋は千日手局で勝負しにいかないといけない局面があったが、結果的に千日手にしてしまったのが良くなかった」と語ったのは、1回目の指し直し局での106手目☖7三銀の辺りのことを言われていたと思う。藤井君のとの対局で渡辺名人がよく言われるように「チャンスは来るのだけれど、とても狭い範囲でしか巡って来ない」は今日はこの辺りの手順。
2023.05.28
渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する 第81期名人戦七番勝負第4局が、5月21、22日(日・月)に福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で行われ、藤井竜王が69手で渡辺名人に勝ち、3勝1敗とした。第5局は、5月31・6月1日(水・木)に、長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」にて。藤井君は念願の名人位獲得まで後1勝。渡辺さんは3連勝するしか名人位を守ることが出来ない。2008年の第21期竜王戦七番勝負で羽生名人(当時)が初戦から3連勝し、渡辺竜王(当時)が4連勝で竜王位を死守した奇跡を再現できるか。序盤、渡辺さんは角換わりを拒否し、雁木模様。渡辺玉は居玉のまま、7一銀も動かさず、藤井君の玉頭を9筋も絡めて攻める「超」積極策。投了後、渡辺さんがまず指摘したのは、藤井君の37手目 ▲9六歩打に対する次の一手。ここは△9六同香としたかった。実戦は38手目 △8八歩打としてしまった。本譜は角も飛車も抑え込まれて、芳しくない。進行例として、▲9六歩打 △同香 ▲同香 △8六角 ▲7九王 △8八歩打 ▲同角 △8七歩打 ▲6六角 △8五飛とすれば、▲6六角に飛車が抑え込まれることなく、本譜よりは優った。43手目 ▲8八銀の次の1手も勝負所。渡辺さんが苦吟の末選んだのは、44手目 △8六角。ここは、角でなく△8六飛または、△9六香を選びたかった。△9六香以下の進行例は、▲9六同香 △8六飛 ▲7八金 △9六飛 ▲8七銀 △9二飛 ▲9三歩打 △8二飛 ▲2四歩 △同歩 ▲8四歩打 △9七馬 ▲8九桂打 △5三馬 ▲9二と △同飛 ▲8三と △8六歩打 ▲9二と △8七と ▲同金 △8六歩打 ▲8八金 △4五歩 ▲3七銀 △8七銀打など。これなら、藤井玉を相当危険な状態にさせることが出来た。44手目 △8六角以下は、形勢に大きく差が開いてしまって、渡辺さんにはチャンスは無かった。
2023.05.22
藤井聡太叡王に菅井竜也八段が挑戦する 第8期叡王戦五番勝負第3局が、5月6日(土)に愛知県名古屋市の「か茂免」で行われ、藤井叡王が163手で菅井八段に勝ち2勝1敗とした。第4局は、5月28日(日)に、岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」にて。ほぼ形勢不明の状況が続いたが、菅井さんのチャンスは113手目 ▲6八同金と藤井君が指してしまった局面。正着は▲6八同香だったが、▲6八同金としてしまったのは藤井君の失着。菅井さんは実戦では114手目△6八同金としてしまい、香車を活かす手順にしてしまった。ここはと金を払う△6三金、または、△7八金としたかった。、香車を活かさない手順、△6三金、または、△7八金としてから、馬を△4六馬と引いて攻めに使えば菅井さん勝勢になった。渡辺さんが藤井君との対局で「チャンスは来るんだけど、スゴイ狭い局面しか来ない」とよく言われるが、この113手目 ▲6八同金のみが千載一遇のチャンス。それでも菅井良しの局面が続いたが117手目▲2二角が遠くから自陣に利かせる好手。ここで☖5五歩と突けば角の利きは遮断できるが、菅井さんの馬の利きも止まる。次の手で118手目 △9五歩と端を攻める手を選んだが、ここは△7七金としたかった。金を拠点に、6八の香車を取って6三の「と金」を6二の金で払えば、菅井さん優勢から勝勢。トドメに菅井さんを悩ませたのは、藤井君の127手目 ▲7九桂打。普通は歩を打ち、竜の攻めを防ぎそうなものだが、敢えて桂を打ち付けた。「やる手がわからなかった。本譜は効いてないような……」と菅井さん。127手目 ▲7九桂打が何と菅井玉を詰ますのにも効いた。菅井さんが投了した163手目 ▲8三金打。以下、は△8三同飛▲同桂成△同金▲同銀成△同玉▲7五桂△7四玉▲6五金△8五玉▲8六香△同玉▲8七飛△同竜▲同銀△9七玉▲8八角成(または、▲9八飛打、もしくは▲9六飛打)まで16手詰め。詰め手順の中の▲8七飛△同竜▲同銀は▲7九桂打があったからこそで、「勝ち将棋、鬼の如し」。
2023.05.06
渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する 第81期名人戦七番勝負第2局が、4月27・28日(木・金)に静岡県静岡市の「浮月楼」で行われ、藤井竜王が87手で渡辺名人に勝ち、対戦成績を2勝0敗とした。第3局は、5月13・14日(土・日)に大阪府高槻市の「高槻城公園芸術文化劇場」にて。渡辺さんにも大きなチャンスが何度かあった。その一つは、藤井君が55手目 ▲3七同角とした次の渡辺さんの1手。実戦は56手目 △9六香としたが、ここは逸機。代えて△3五桂打とすれば渡辺さんかなり優勢に出来た。以下の、進行例は ▲3六銀 △4五金 ▲3五銀 △同金 ▲9五歩 △3六歩打 ▲5九角 △9八歩打 ▲同香 △2七銀打 ▲1七飛 △2八銀 ▲1八飛 △3七と ▲1四歩 △3三王 ▲1三と △2七と ▲4七桂打 △2五金 ▲2八飛 △同と ▲6六香打 △4六角 ▲6三杏、など。藤井君はこの手順を恐れていたが、渡辺さんは見えていなかった。終盤、71手目 ▲1四桂も大きな分岐点。渡辺さん、1一角を恐れて△1四同香を渡辺さんは選べなかった。しかし、ここは△1四同香としたかった。△1四同香としても簡単に渡辺さん勝ちでは無かったが、かなり難しかった。△1四同香と取れば、以下▲同香△8九竜▲7九金△7七桂打▲5九玉△8八竜▲同金△1八成香とすれば、△6九飛からの詰めろ。感想戦で藤井君は「見落としてました」と素直に形勢困難を認めた。△6九飛からの詰めろを避けるために、▲7九金に代えて▲7九銀が検討されたが、以下△7七桂打▲5九玉と進んだときに△6二銀という受けの妙手があって6三成香の位置を6二にずらせば、渡辺玉に余裕が出る展開になった。実戦は藤井君の▲1四桂(王手)に対し、渡辺さんが△3三玉と逃げた。△3三玉は事実上の敗着。
2023.04.28
将棋の渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する第81期名人戦7番勝負の第1局が6日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で前日から指し継がれた。後手番の藤井君が百十手で勝ち、史上最年少での名人位獲得に向けて好発進。持ち時間は全棋戦で最長の各9時間。序盤早々、藤井君の得意な角換わりを避け渡辺名人が雁木模様の前例の少ない局面に誘導。互いの構想力が問われる展開。藤井君は中盤、端を絡めた鋭い攻撃で敵陣を突破し竜を作った。渡辺名人も激しく反撃したが、及ばなかった。序盤藤井君が居玉のまま、34手目 △6五歩と開戦の好機と見て攻めに出たのが好発想。最後までこの後の36手目 △6五同桂とした桂が渡辺玉を包むようになって徐々に渡辺さんが形勢を損ねた。渡辺さんも終盤で互角に戻す手があった。午後7時過ぎに藤井君が指した84手目 △8八歩打の局面。最後の渡辺さんのチャンス。検討陣は「▲7七銀でまだ難しい」との見解だったが、渡辺さんが残り1時間の持ち時間から42分を消費して▲2一馬と指すと、棋士の間から悲鳴が上がった。ここは▲7七銀ならマダマダ勝負は分からなかった。ここからも渡辺さんは藤井玉に激しく迫ったが、98手目 △5三銀打、100手目 △5二銀打など5一玉の周りに駒を投入。堅実に藤井君が守って渡辺さんの執念の逆転はならなかった。
2023.04.06
棋王戦五番勝負第4局は藤井竜王が渡辺棋王に勝ち、3勝1敗で棋王位を奪取。終局時刻は19時24分。消費時間は▲渡辺棋王3時間59分、△藤井竜王3時間57分。藤井竜王は初の棋王位獲得とともに六冠達成。20歳8ヵ月での達成は羽生善治九段を抜いて史上最年少の記録。お互いカナリ高速で指してきたが、渡辺さんの研究手63手目▲8三桂打に藤井君が長考。考慮時間54分で13時23分に64手目 △6五歩打を選択。AIのおススメは△7二金だったが、藤井君は渡辺さんの研究範囲と見たか、外して△6五歩打にしたか。続けて、☗6五同桂としてしまうと☖9三香☗5三桂右成☖同角☗同桂成☖同銀で香車を逃がすので、65手目▲9一桂成としたがここも勝負の分かれ目。渡辺さんの75手目 ▲5四同香に対して、ここで藤井君△4七銀とすれば優勢になりそうだったが、実戦は76手目 △5二歩打を選択。87手目 ▲5四金打とした局面は渡辺さんが逆転したように見えたが、Jazzライブ観戦が始まりそうなので、将棋観戦を中断。1st Setが終わった19時25分ごろ、将棋観戦を再開。藤井君が第4局を制して棋王位を獲得していた。もう少し渡辺さんが守りを頑張れば、結果は逆だったかも知れない。ギリギリの熱戦だった。
2023.03.19
藤井君が3勝、羽生さんが2勝で迎えた第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第6局。羽生さんが藤井君の88手目 △5七飛打を見て投了し、後手藤井君の勝ち。終局時刻は15時56分。消費時間は▲羽生6時間43分、△藤井聡6時間25分(持ち時間各8時間)。本局の結果によりシリーズが決着。藤井君が4勝2敗で王将位を初防衛。本局は2022年11月28日に行われた第8期叡王戦 段位別予選九段戦、▲永瀬王座 vs. △羽生九段と同じ角換わり早繰り銀の進行を39手目 4六角打まで同じ手順で踏襲。この将棋は先手の永瀬さんが勝ったので、本局の先手羽生さんは藤井君がどのような対策を示すか試したかったのかも知れない。本局は羽生さんが指した40手目 △7三角打ではなく、△6四角打と藤井君が手を変えて▲永瀬王座 vs. △羽生九段の手順から未知の領域へ。前例の▲永瀬王座 vs. △羽生九段を並べてみたが先手永瀬さんが7三桂の周りの駒を竜で捥ぎ取って駒得して、羽生さんに責めを強要して勝った流れ。藤井君が攻めを敢行する前に、6三飛成と4七角成を狙いに7三桂の周り50手目△7四角打とした連携し56手目 △7二金、60手目 △5二玉、62手目 △8四飛と羽生さんの攻めに備えてバランス良く守りを固めたことが勝ちの一因か。感想戦では62手目 △8四飛ではなく、△3七歩打の方が優ったとのこと。進行例として△3七歩打▲3七同銀△4五桂▲4六銀△3七歩打▲3七同桂△3七桂成▲3七同銀△3三歩で後手良しだった。この進行で先手は3四銀が助からない。62手目 △8四飛は2段目の守りが弱くなってあまり良くなかった。羽生さんにとって勝負所は2つ。まずは54手目 △4四銀の後の羽生さんの1手。実戦は55手目▲3八金とひねり飛車のように玉を守ったが、これが緩手。代えて、▲6四歩打を選びたかった。進行例として△6四同歩▲6四同飛△6三銀▲6八飛△6五歩に▲2八角ならば、形勢は難解。もう一つは藤井君70手目△4五同桂の次の1手。羽生さんは71手目▲6四歩打と攻めたが、ここは代えて▲6八金と守りに1手掛けたかった。72手目 △5七銀打を防いで、まだ一波乱あったようだ。以下、進行例1:△2二金▲6一銀△6一同玉▲4三角成△5二銀▲3四馬。馬が戦場に復帰して難解。進行例2:△8七歩成▲8七同歩△8七同飛成ここで▲6四歩打なら形勢は難解。▲6八金を逃してからは羽生さんにチャンスは無かった。
2023.03.12
藤井聡太竜王が渡辺明棋王に連勝した、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第3局が5日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われた。終盤は渡辺さんが優勢から勝勢の局面が続く。だが、藤井君が不屈の闘志で二転三転する激戦の末、逆転。しかし、急転直下。午後8時13分、174手で先手の藤井君が投了。無念な敗戦。対戦成績はこれで藤井君から見て2勝1敗となり、第4局(19日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」を迎える。次の第4局は渡辺さんが先手なので、大いに盛り上がりそう。2008年の渡辺さんと羽生さんの第21期竜王戦での死闘を思い出した。珍しく最終盤で詰みを藤井君が逃した。「先手2六飛(155手目)で、先手2五歩と打てば(以下詰み)。一瞬チャンスがあったと思いました」。一例は▲2五歩△同玉▲3七桂△1六玉に▲2六飛△同玉▲3八桂△2七玉▲1六銀△同成桂▲2八金の11手詰め。この手順を藤井君が気付いたのは155手目▲2六飛を指した後。手順中で▲1六銀と捨てる手が鬼手。先に▲2六飛でも詰みそうな感じに見えるので、藤井君に何らかの錯覚があったようだ。ライブが始まるのでAbemaの観戦を19:45くらいに中断。印象としては渡辺さんが勝ちそうだったが藤井君も諦めてなかったので、逆転も大いにありそうだった。実戦も渡辺さんが148手目△2六桂と攻めず守りを優先したので、153手目▲⒉四馬で逆転。△2六桂に代えて、△4八金とすれば渡辺さんの勝ち。しかし、153手目の直後にドラマがあった。本譜は▲2六飛から入ったので△2五香▲同飛△同玉▲3七桂△1六玉▲2五銀△1五玉▲1六歩△2六玉▲3八桂△2七玉(変化2図)で詰まない。1六の歩が邪魔駒になっている。この歩が盤上になければ、2五の銀を活用して▲1六銀△同成桂▲2八金で詰んだ。紙一重の激戦。
2023.03.05
藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する、第72期ALSOK杯王将戦七番勝負。第5局は2月25日・26日、島根県大田市でおこなわれ、101手で藤井王将が勝利。七番勝負で3勝目をあげ、王将位初防衛に王手をかけた。羽生さんが優勢から勝勢に成りそうな局面は幾つもあった。まずは、藤井君の41手目 ▲4五桂に対する羽生さんの次の1手。ここで羽生さんが△3七歩とすれば、藤井君は▲2九銀と引くしかなく△2七歩成が厳しいかと思った。しかし、▲6五桂△3八歩成▲8三角△6二金▲5三桂左成△同金▲6一飛を羽生さんが読んでいて、これは不利で羽生さん△3七歩を見送り。実戦は42手目 △2七歩成。藤井君の81手目 ▲3五銀に対する羽生さんの1手も分岐点。実戦は△3三桂として、藤井君の寄せで羽生玉が2一に玉を逃げるスペースが出来て、かつ、4五の桂を守る意味もあって良さそう。しかし、藤井君は△3三桂に代えて△2九飛を恐れていた。寄せの手順になった時、藤井君の▲2六桂を防いだ攻防の手にも△2九飛はなっている。次に△8四角で詰みと竜取りを狙って厳しかった。最後の岐路は87手目 ▲5四桂打の後の羽生さんの次の1手。ここは△5七銀と王手に打ち込みたかった。以下、▲5七同銀△同桂成▲同玉△8四角で王手竜取り。このまま羽生さん勝利とは簡単にはいかないが、本譜よりは優った。実戦は羽生さんが△5一銀打と受けに回ったが、ここで銀を手放したのが大きく、一気に形勢は藤井君に傾く。ここからは羽生さんにチャンスは無かった。
2023.02.26
朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント決勝が2月23日に行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖)が渡辺明名人(棋王)に勝利し2年ぶり4度目の優勝を果たした。有楽町マリオンで「ライブ観戦」する抽選に申し込んだが、残念ながら外れ。代わりに、TVのYouTube/Abemaを併用して観戦。藤井竜王は2022年度、銀河戦、将棋日本シリーズに続き全棋士、上位棋士参加の早指し棋戦全4つのうち3つ目を制覇。盤石の強さを見せつけ、年度内“グランドスラム”に王手をかけた。決勝に先立ち準決勝では豊島将之九段との対戦。最終盤までは豊島さんの勝勢。藤井君の153手目 ▲7六玉の後の豊島さんの次の1手が敗着。154手目 △6五金打が痛恨の1手。代えて、△6六飛打なら豊島さんの勝ち。形勢が悪いながら諦めず、△6六飛打以外は豊島さんの負けまで誘導した藤井君の勝負術。渡辺さんとの決勝で印象的だったのは、53手目 ▲7三角打。角と銀を差し違える駒損の1手。Youtubeで豊島さん、糸谷さん、菅井さんの「お笑い」解説中でこの▲7三角打が指された。
2023.02.23
将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第2局が18日、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われ、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖)が渡辺明棋王(名人)を132手で下し、2連勝。棋王奪取と史上最年少6冠にあと1勝。第3局は3月5日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われる。MISIAのライブの開始直前までと終わってからも終局までAbemaで拝見。渡辺さんにも勝機があった。藤井君が65手目 ▲4四香打を受けて打った66手目△ 4三歩打の次の67手目 が渡辺さんの最大のチャンス。実戦は67手目 ▲4八金としたが、ここは▲2四歩としたかった。藤井君はおそらく△2九龍、もしくは△4四歩としたと予測されるが、いずれも▲2三歩成で渡辺さんが必勝形になりそうだった。形勢が離れ出したのは藤井君の96手目 △3五同歩に対する渡辺さんの次の1手。実戦は97手目▲3四角打と王手したが、ここは玉周辺の金を狙う▲5四桂と攻める手が優ったか。折角、95手目 ▲3五桂打と角道を止めるために桂馬を犠牲にしたので、ここは▲5四桂と飛びたかった。97手目▲3四角打に対して「王手は追う手」といわんばかりに△6三玉と藤井君はかわした。玉竜接近となったが、竜が玉を守り最終盤この竜が渡辺玉の詰みに繋がってしまった。ABEMAで解説を務めた深浦康市九段が藤井竜王が終盤104手目△2四角打ちで見せた角2枚の連携から詰みに繋げた構想力を高く評価。飛車による角取りを受け、渡辺玉を睨む、この角打ちを「ロマンのある手」と深浦さんがコメント。ここら辺りから藤井君が優勢から勝勢になる流れ。しかし、マダマダ激戦が続く。1手間違えば奈落に落ちる、際どい勝負だった。
2023.02.18
藤井聡太竜王が渡辺明棋王に挑戦する、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第1局が5日、長野市「長野ホテル犀北館」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後7時1分、125手で先手の藤井君が勝ち。初の棋王奪取と史上最年少6冠に向け、好発進。2023年2月5日[日]ブラッド・メルドー in Japan 2023 with 東京フィルハーモニー交響楽団の開始前、1部の後の休憩中、家に向かう間、家のリビングでAbemaのライブ配信を鑑賞。大盤解説会で来場されたファンの方への挨拶と対局の振り返り、再び対局場に戻っての感想戦で85手目に打った▲2三歩に対する後手の応手の検討までを観戦。序盤、歩の突き捨てから渡辺さんが「馬」を好位置に作り、藤井君が桂頭を守る「生」角を配置。お互い玉は薄く、形勢は微妙。渡辺さんが快勝した、2021年3月26日(金曜日) に指された第92期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメントの☗出口若武五段-☖渡辺明名人との1戦と同し手順を踏襲。勝った渡辺さんの側を持ちたい棋士も多い筈。今、棋譜を並べたが薄い出口さんの玉を包むように寄せた渡辺さんの勝ち。Abema解説の広瀬さんは「玉が薄いので両方持ちたくない」と言われていたくらい、形勢は微差。藤井君が指した65手目▲9三歩成までは定跡。65手目まで定跡とは脅威。出口さんに勝った渡辺さんが66手目△6五歩と手を代えて、未知の領域へ。出口さんの攻めで端の1二まで玉を逃走した感じがあまり良くないので手を代えたか。出口-渡辺戦では☖7六歩☗8六銀☖7四馬☗9九飛☖6一飛☗7五歩☖5二馬☗7四桂☖7二金☗8三と☖同金☗9一香成の進行。66手目△7六歩を△6五歩と手を代えた塩梅。藤井君が局面を打開するために71手目に打った▲2五桂。歩の頭に打ったので、鬼手。これを歩で取ると、形勢を損ねるので、取れないところが痛い。藤井君のコメント:「△6五歩と突かれて、次に△6四桂とか△6六歩とかで、こちらの玉がすぐに危険になってくる形なので。何か速い攻めを、▲2五桂打だと空振ってしまうリスクもあるのですが、速い攻めが必要な局面なのかなと思っていました」問題だったのは藤井君が85手目に打った▲2三歩に対する応手。これを守りの方針で△同金と取るか、攻めの方針で△6六歩と藤井君の玉頭を狙えば、勝負はどう転んだか分からなかった。局後の渡辺さんのコメントで「たぶんあったとしたら、凄く狭い範囲のところに勝負どころがあったかなという気がするんですけど。そこがちょっと、さっと過ぎてしまったような感じの将棋になってしまった感じ」この藤井君が85手目に打った▲2三歩に対する応手の辺りだったようだ。感想戦の前に両対局者は大盤解説会場に足を運び、ファンの前で挨拶と対局を振り返り。ここでも行方さんの司会で「85手目に打った▲2三歩に対する応手」をファンの前で解説。しかし、渡辺さんが選んだのは86手目△8五桂。結果論だが、専守防衛の7八の金を攻めに参加させることになって、疑問手。※局後の感想※☖8五桂と攻め合ったことで形勢が傾いた。代えて☖2三同金が検討された。以下☗2七香に当初は☖3三桂が調べられた。が、以下☗2五角が強手で☖2五同桂☗同香は先手の攻めが続く。代案として☖3二桂と2四の地点を受けるのがいいとされたが、以下☗6五歩と歩を取った手が☗6六桂と☗2四歩を見た冷静な好手となる。「桂が3枚になったので☖8五桂からおかわり攻めをしていけばいいと思ってしまって。本譜が一直線で負けなら、☖2三同金から受けまくるしかなかったですかね」と渡辺さん。藤井君に2三の歩を支える87手目▲2四香を打ち込まれて、渡辺さんが形勢を損ねる。※局後の感想※歩の裏に打つ香が厳しかった。渡辺さんは☗2五香に代えて☗2五飛に☖2一歩と受ける順を読んでいた。本譜はこのあとのと金攻めが後手玉を狭めることになる。先手の攻めがつながった。
2023.02.05
藤井聡太竜王が20日、千葉・幕張メッセで指された「第43回日本シリーズ JTプロ公式戦」決勝戦で斎藤慎太郎八段と対局。114手で勝利し初優勝。羽生善治九段の「21歳2ヵ月」を10か月更新し、最年少優勝。封じ手前の藤井君の50手目△3三桂までは、ほぼ互角。問題は封じ手の51手目▲1五歩。この手は郷田九段も候補に挙げていたが、郷田さんが第一候補で挙げていた▲3三同桂成が無難だった。斎藤さんの読みは▲2四歩から1筋に飛車を回って、香車を取って飛車を成り込んで優勢にする狙いだったが、藤井君の用意した手順で60手目 △2五香打で飛車を召し上げられて形勢に差がついた。ここで▲3三桂成で王手で桂を取れば香車のタダ取りが出来て、先手良しの読みが斎藤さんの狙いだったが、▲3三桂成を △同銀と取って次の △2四銀が厳しい手。
2022.11.20
佐藤天彦 九段 vs. 藤井聡太 竜王 第48期棋王戦コナミグループ杯 挑戦者決定トーナメント 準決勝。佐藤さんが劣勢から渾身の勝負手の桂馬の連打で逆転に成功。序盤からの優勢を拡大して勝ち切る、所謂“藤井曲線”を破る勝負術。121手で佐藤さんが藤井君に勝利し、決勝に進出。<< 2022 Nov 3rd Naruyoshi Kikuchi y Pepe Tormento Azucarar 菊地成孔&ペペ・トルメント・アスカラール@カルッツかわさき >>が始まる17:00直前までAbemaのライブ中継で観戦。いつもの“藤井曲線”の通りで僅差ながら藤井君が徐々に優勢を拡大していた。菊地成孔&ペペ・トルメント・アスカラールのライブが終わった時には、形勢が微差ながら逆転。Abemaのライブ中継を再び観戦開始したのは、おそらく90手目 △4九銀打を藤井君が考慮中辺り。問題は佐藤さんの勝負手、85手目 ▲8四桂打に対する藤井君の次の一手。実戦は86手目 △8五馬と佐藤さんの銀を馬で取る手を選択。ここは一旦飛車を歩を取りながら逃げる△8二飛としたかった。藤井君は▲7三銀打、または▲7一銀打の銀の割り打ちを気にしたようだが、この方が優った。前者の進行例は▲7三銀打 以下、△8五馬 ▲8二銀 △4九銀打 ▲2九王 △7四馬 ▲8一飛打 △6一歩打 ▲7一銀 △5三金 ▲8二龍 △4一王 ▲4三歩打 △同金 ▲7二龍 △8四馬 ▲6一龍 △5一金打 ▲6三龍 △1五歩 ▲2三歩打 △1六歩 ▲2四飛 △3三銀 ▲2五飛 △2四歩打 ▲7五角 △2五歩 ▲8四角 △2六桂打で藤井良し。後者の進行例は▲7一銀打以下、 △8五馬 ▲8二銀 △4九銀打 ▲2九王 △7四馬 ▲7一銀 △6一金 ▲6二銀打 △7一金 ▲同圭 △3八金打 ▲同飛 △同銀 ▲同王で藤井良し。棋王戦は敗者復活戦があるので、藤井君は気を落とさず頑張って4連勝して渡辺棋王からタイトル奪取して欲しい。
2022.11.03
藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖と合わせ五冠)、第81期将棋名人戦・A級順位戦の4回戦で前々期、前期と2年連続で名人戦の挑戦者の斎藤慎太郎八段を94手で破った。ここまで共に2勝1敗で、リーグ前半の大一番。先に仕掛けたのは斎藤八段。9筋の歩の突き捨てを絡めた斬新な攻めで、馬を作ることに成功。藤井竜王は飛車を中央に据え、反撃の構想を練る。互いに選択肢の多い展開。午後は長考の応酬。昼食休憩から夕食休憩の間の5時間20分で、8手しか手が進まなかった。斎藤さんが微差ながら優勢だったが、藤井君の「66手目 △8九と」に対する斎藤さんの次の一手が問題だった。実戦は「67手目 ▲3五歩」としてしまったが、ここは▲7四歩打が優った。以下、進行の一例で△6三金 ▲5三馬 △同金 ▲6一飛打 △4一桂打 ▲2四歩 △同歩 ▲2二歩打 △同銀 ▲7三と △7六歩打 ▲同銀 △6四桂打 ▲5八王 △2三銀 ▲2七香打 △5六桂 ▲同歩 △5七歩打 ▲同王などだったが、こちらの方が激戦。「67手目 ▲3五歩」は比較的短い18分の考慮時間で指してしまったが、「▲7四歩打」、「 ▲3五歩」、あるいは「 ▲2四歩」の分岐を深く読むため、ここはもう少し時間を使って慎重に考えたかった。「67手目 ▲3五歩」は藤井玉の頭を攻めて本筋であったが、「68手目 △4四桂打」が厳しい。ここからは斎藤さんの形勢はドンドン悪くなるばかり。
2022.10.12
トリプルヘッダーの第2試合は藤井聡太竜王と広瀬章人八段の第35期竜王戦@セルリアンタワー東急ホテル Cerulean Tower Tokyu Hotel。藤井君が感想戦で悔やんだのは、広瀬さんの53手目 ▲2五桂に対する54手目 △4四銀。ここは代えて、 54手目 △8五桂としたかった。以下の進行例は▲8六銀 △5五角打 ▲8七歩打 △4四銀 ▲3五歩 △6六角 ▲7七銀打 △同圭 ▲同銀 △同馬 ▲同王 △7五歩 ▲3六桂打 △3五銀 ▲3三歩打 △4二金など。 56手目 △5五角打で飛車、角、桂馬が連動して攻めれば、藤井君形勢良しの局面だったようだ。
2022.10.08
王座戦五番勝負は9月27日、京都府京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で第3局が指され、永瀬拓矢王座が挑戦者の豊島将之九段に勝利。防衛4連覇に王手。シリーズは永瀬王座の2勝1敗。角換わり相早繰り銀の戦型。永瀬さんの研究の範囲だったか、指し手は止まらない。後手の桂頭に歩を打ち込んだところで、豊島さんが長考に。1時間13分を投じて76手目 ☖2五銀打として、局面のバランスを取ろうとしたが形勢は永瀬有利。Abemaの中継で豊島さんの様子を見ていたが、かなり苦しそう。解説の今泉五段、本田五段も午前中なのに、永瀬勝勢の雰囲気。運命の岐路はその5手前、永瀬さんの71手目 ☗3五角に対する豊島さんの応手。実戦は72手目 ☖3四歩打としてしまったが、ここは☖3四銀としたかった。☖3四銀以下、進行例として☗4六角☖4五歩☗2八角☖3五銀☗6四歩☖2六銀☗6三歩成☖同角☗9一角成☖4六歩でこれなら形勢不明。感想戦で72手目☖3四銀として、☗4六角☖4五歩☗2八角☖3五銀☗6四歩☖2六銀☗6三歩成☖同角☗9一角成☖4六歩が並べられた。これなら五分五分。
2022.09.27
第43回将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT杯)2回戦、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖)対羽生善治九段戦が23日、札幌市の「札幌コンベンションセンター大ホール」で行われ、67手で藤井君が羽生さんを下した。羽生さんの誘導で戦型は「横歩取り」。最近、6局連続で羽生さんが採用している羽生さんの得意戦法。藤井君は「青野流」の構えで対応。封じ手は羽生さんの36手目 △7六飛の藤井君の次の1手。封じ手クイズの正解は37手目▲6八銀。羽生さんの猛攻を予測して受ける手堅い1手。感想戦ではあまり掘り下げられなかったが、39手目 ▲8七金に対する羽生さんの1手が問題だった。実戦は40手目 △3五角と飛車を先に取る手を選んだが、ここは飛車で桂を捥ぎ取る △7七飛成が優った。この手を選べば、羽生さんの優勢から勝勢になったようだ。お互いに飛車を取り合った後に、△2六桂と打てば藤井玉が挟撃態勢になって形勢は逆になったかも知れない。最後の決め手は藤井君の55手目 ▲4五角打。2三の金を召し上げる▲2三角成と▲6三角成の2つの狙いがあって、羽生さんの望みが潰えた。▲4五角打以外なら逆転もあったようだが、藤井君はキッチリ読み切りだった。最後は藤井君のお見送り。良いファンサービス。
2022.09.23
将棋界初の「女性棋士」を目指す里見香奈女流五冠=清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=が22日、東京・渋谷区の将棋会館でプロ棋士編入試験五番勝負第2局に臨み、岡部怜央四段に132手で敗れた。第1局に続いて連敗となり、合格には残り3局を全勝するしかなくなった。Abemaのライブ中継で菅井八段が「これは里見さん、ダイブ優勢でしょう」と言われた15:20くらいの局面。この将棋は「里見さん勝ち」と思われた局面でJAZZのライブ配信に1時間弱切り替えた。この1時間で形勢は逆転。岡部君が里見玉に絡み付くように打った92手目 △6九角打。ここが問題の局面。3六の銀を守るように93手目 ▲2七金打としたのが里見さんの痛恨の1手。代えて大山十五世名人のように「▲5八歩打」と辛い受けが優った。以下、進行例の一つで△5五角 ▲同銀 △5八馬 ▲同金 △同龍 ▲4九金打 △5五龍 ▲8八角打 △6六銀打 ▲3四桂打 △2四桂打 ▲2五銀 △3六歩打 ▲2四銀 △3七となどで受け切ってしまってから、 ▲3四桂打で2二の金、もしくは角を6五に攻防に打って3二の金を狙えば、里見さんの勝勢だった。穴熊とは言え、2枚の金でしか守っていない岡部玉は脆い。しかし、最後のチャンスが里見さんにも訪れた。岡部君の104手目 △5七銀打がやや疑問で里見さんのチャンス到来。ここは、▲3八銀打 とすればマダマダ形勢は分からなかった。以下、△4八龍 ▲4四角打 △3六桂 ▲同角 △2四桂打 ▲4八金 △3六桂 ▲2七王 △4八圭 ▲3四桂打 △3三銀打 ▲2二圭 △同銀 ▲5一飛打 △3一桂打 ▲2八金打などが考えられ、これならどちらが勝つか分からなかった。実戦では105手目 ▲4六金としてしまったので、これからは里見さんにチャンスはなくなった。
2022.09.22
藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖)が12日、名古屋市の名古屋将棋対局場で指された第81期順位戦A級3回戦で、糸谷哲郎八段を113手で破り、今期成績2勝1敗。最年少名人獲得に前進。藤井君の65手目 ▲3五歩が危険な1手。ここは代えて▲4四歩と突き出せば、微差ながら藤井君優勢だった。次の糸谷さんの66手目 △7七銀打が強烈。しかし、糸谷さんも間違える。68手目 △8八銀成が逸機。するりと、糸谷さんの勝ちが消えた。代えて、△7八銀成として以下、 ▲同飛 △7七歩打 ▲同桂 △同圭 ▲同飛 △4五歩で糸谷さんの角と飛車に活を入れれば、大いに糸谷さん有望。68手目 △8八銀成で金より価値の高い角を得たが、どうも芳しく無かった。感想戦でやった、68手目 △8八銀成の代わりに△7八銀成とした時の進行例の一つ。△7八銀成▲7二歩成△7七桂成。藤井君の飛車が逃げると、8七飛成として糸谷さんの攻めが止まらない。この辺りの数手が本局のハイライト。虎口を脱した藤井君。もし、最年少名人なることが出来たら、運命の岐路。
2022.09.12
藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖)が9月6日、静岡県牧之原市の「平田寺」で行われたお~いお茶杯王位戦七番勝負第5局で挑戦者の豊島将之九段に勝利し、タイトル防衛と3連覇を達成。<< 2022 Sep 6th Tue 中林薫平オーケストラ@御茶ノ水NAARU >>の開始前にAbemaでライブ中継を観戦。19:00少し前の豊島さんの113手目 ▲3二角成まで観戦。かなり盛り返したが、豊島さんかなり苦しい局面。1日目の豊島さんの59手目、▲5五歩が豊島さん、やや疑問だったか。代えて▲5九飛と回れば微差ながら豊島良しだった模様。Abema解説の郷田九段は▲5九飛を推奨していた。以下の進行例は▲5九飛 △8六歩 ▲同銀 △6二王 ▲7七銀 △5四歩打 ▲5五歩打 △8一飛 ▲3五歩打 △5五歩 ▲同銀 △同銀 ▲同飛 △4四銀打 ▲5九飛 △3五銀 ▲5五歩打 △4四銀 ▲5四銀打など。この方が豊島さんの攻めが決まって、藤井玉への響きがあったようだ。2日目の昼食休憩明けの藤井君の一手、72手目 △5四歩打は積極的な1手。今度竜王戦の挑戦者の広瀬さんが解説で驚いていた一手。自らの玉頭から「頭突き」で攻めていく1手。6三に居た銀が78手目 △7六銀と豊島玉に攻め込む展開になった。 △5四歩打に代えて、飛車金の両取りの△3九角打で藤井良しになりそうだったが、何か危険な筋があったか。藤井君が優勢から勝勢にギアを上げたのが、93手目 ▲5八飛に対する、94手目 △1三角打。この角筋を防ぐのが何とも難しく、形勢が傾いた。
2022.09.06
藤井聡太棋聖に永瀬拓矢王座が挑戦する第93期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局が17日、名古屋市で指され、藤井棋聖が104手で勝ち、対戦成績3勝1敗でタイトルを防衛。藤井棋聖は3連覇を果たし、竜王・王位・叡王・王将と合わせ五冠を守った。先手の永瀬王座が採用した戦法は、早い段階から激しい戦いになる可能性もある「相懸かり」。相手の駒を押さえ込む藤井棋聖の指し方が功を奏し、押し切った。第1局で敗れたものの、第2局の逆転勝ちが大きく、その後は安定感のある戦いぶりを見せた。対局直後、藤井棋聖は「1局目、2局目と苦しい展開が続いて、厳しいシリーズだった。結果を出せたのは良かったが、しっかり振り返らないといけない」。永瀬王座は「先手番で1勝もできなかったので、そこが課題。結果が出せなくて残念」。永瀬さんが歩得で、形勢は極僅かだが永瀬さんが優勢だった43手目の局面。この局面で藤井君の指した44手目 △7四金が好手。桂と歩と金の配置が良いコンビネーションでこの△7四金で永瀬さんの飛車が抑え込まれて苦しい状況に。おそらく、飛車を切ってこの7四金と飛車を刺し違える手順も考えたかと思うが駒損が大きく、この手順は指し切れなかったようだ。この場合の進行の一例として、▲7四飛 △同歩 ▲9七角 △8五飛 ▲5三馬 △3四銀 ▲6四馬 △1三角 ▲6八銀 △8九飛打 ▲9七香 △9九龍 ▲9一馬 △4二王 ▲6四馬 △3三王 ▲3六歩打 △5六歩打 ▲同歩 △9八龍 ▲8八金打 △9九龍(参考図)などが考えられるが、これでは飛車、桂馬と金の交換で、永瀬さんの駒損が大き過ぎる展開。(参考図)△7四金を▲同飛とした場合の進行例の一つ終盤で藤井君が指した74手目 △5二銀も柔らかい受けの好手。先手から▲5一角と打たれた時に4三に玉をかわす余地を用意。大山康晴十五世名人の終盤のような辛い受けの手がこの後も続き、永瀬さんの逆転の芽が全く無くなった。
2022.07.17
第80期名人戦七番勝負第3局は、挑戦者の斎藤慎太郎八段が渡辺明名人を破って今シリーズ初勝利。角換わりで3三銀と上がらず先手に19手目 ▲2四歩と飛車先の歩を切らせるのは初めて見た斎藤さんの趣向か。序盤の斎藤さんの44手目 △7三桂も意外な1手。その前に△6三馬などで桂頭をケアしてから △7三桂なら分かるが、49手目 ▲7三歩成で桂損が確定。形勢は60対40くらいで渡辺さんが優勢局面が続く。飛車先の歩を切らせた上に、桂損では斎藤さん、苦しそう。渡辺さんの模様が悪くなったのは85手目 ▲4六桂打あたりか。△5四金と渡辺さんの飛車を抑え込む手を防いで、次に▲3四桂も狙えて一挙両得の手にも見えたが、86手目 △3一玉と引かれてみると「やや変調」。85手目 ▲4六桂打に代えて、▲6九香打 なら渡辺さん優勢をキープ出来たか?以下、進行の一例は△6五歩打 ▲6六歩打 △同歩 ▲同銀 △3三桂 ▲6五歩打 △2五桂打 ▲同桂 △同桂 ▲6四歩 △3七圭 ▲5八王 △6二金 ▲5五角打 △8六飛 ▲3四桂 △3三歩打 ▲4二銀打 △同金。渡辺さんの敗着は斎藤さんの92手目 △2五桂打に対する次の1手。ここは、怖いようでも▲2五桂と踏み込むべきだった。以下一例で、△3七銀打 ▲5九王 △4六銀不成 ▲6五飛 △5七銀成 ▲6三龍 △6七桂打 ▲6九王 △7九圭 ▲同王 △4七全 ▲6一龍 △4一金打 ▲7八金打 △4六馬 ▲8八王 △4五馬 ▲7四角打 △4二金。こちらが優った。 予想される手順中の△4六銀不成 (もしくは、△4六銀成)が飛車取りと渡辺さんの玉頭を斎藤さんが攻めているので、避けたのか。実戦の93手目 ▲2八歩打では斎藤さんの怒涛の攻めが以下続いて渡辺さんの勝ちは無くなった。
2022.05.08
第80期名人戦B級1組順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の最終13回戦が9日、東京と大阪の将棋会館で一斉に行われ、後手藤井聡太五冠が先手佐々木勇気七段に23時17分、90手で勝って10勝2敗となり、1位で次期A級へ昇級を決めた。19歳7カ月でのA級昇級決定は、引退した加藤一二三九段の18歳1カ月には及ばないものの、谷川浩司九段の19歳11カ月を抜いて歴代2位。次期A級で挑戦権を獲得し、七番勝負で名人位を奪取すれば、谷川九段が持つ史上最年少名人の獲得記録(21歳2カ月)の更新が可能。<<2022.03.09 | 梅井美咲TRIO feat 安藤康平[MELRAW]@渋谷 公園通りクラシックス>>のライブの開始前、中休みもAbemaの中継で熱戦の行方を見守っていた。ライブが終わった時は、佐々木君の55手目 ▲4三銀打に対して、藤井君が長考中の局面。実戦は藤井君は56手目 △6二玉としたが、微差ながら佐々木優勢に振れたようだ。代えて、ここは△6三王とかわし、以下 ▲2二馬 △同銀 ▲2四飛 △2三歩打 ▲4四飛 △4二歩打 ▲同銀 △2五角打 ▲5六香打 △5二香打 ▲6六歩 △4三歩打 ▲6五歩 △4四歩 ▲7五桂打 △7二王 ▲5三全 △3六角打 ▲4七金打 △4五角 ▲4六歩打 △3四角 ▲6三全 △7一王 ▲6四歩 △5六香 ▲同歩 △6五桂打 ▲7八王 △7七桂 ▲同桂などが一例の進行。これなら、藤井玉を下段に押し込んで、佐々木玉は中段に逃げ出し、やや佐々木君が優勢。70手目 △7四玉が佐々木君のラストチャンスだった。実戦は佐々木君は71手目 ▲3二銀成と捨てて、 △3二同飛に73手目 ▲3四香打と角飛車の田楽刺しにしたが、王手で74手目 △7七角成が痛い。71手目 ▲3二銀成に代えて、ここは銀の頭を叩く▲2三歩打が良かった。以下の進行の一例は △1三銀 ▲8三香打 △6二飛 ▲8一杏 △6六香打 ▲7八金 △2五角打 ▲5八桂打 △4六桂打 ▲6六歩 △同歩 ▲6三歩打 △5八圭などで、佐々木玉が広く、藤井玉が危なそう。折角の73手目 ▲3四香打の角飛車の田楽刺しを74手目 △7七角成で返されて、佐々木君の▲8三角打を未然に防ぐ狙いでヒラリと76手目△8二飛と飛車をかわされると、佐々木君の攻めは切れていた。大長考の末、77手目 ▲4三角打を選んだが、攻防を兼ねた、78手目 △5四香打で次に佐々木君に指す手が無かった。仕方無く、右銀の活用を狙って79手目▲4七銀としたが、80手目 △6四桂打が最後の決め手。次に、桂を支える、歩を王手△7六桂と取り除いて、桂を払って84手目 △7五玉まで進出すると、藤井玉は全く寄らない。丸山九段が名人を奪取した頃の「激辛流」を思わせる一連の手順。Abemaの解説の田村七段も80手目 △6四桂打を的確に指摘。非情な一手。参考)藤井君の50手目 6五桂打から終局、感想戦までを中継。【対局Live】▲佐々木勇気七段ー△藤井聡太竜王【第80期将棋名人戦・B級1組順位戦】
2022.03.09
渡辺明王将に藤井聡太竜王が挑戦する第71期王将戦七番勝負の第四局は11日から、東京都立川市で指され、12日午後6時23分、114手までで後手番の藤井君が勝ち。4連勝でタイトルを奪取、史上4人目となる五冠を最年少の19歳6カ月で達成。 過去の五冠達成者は故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段の3人。従来の最年少記録は羽生九段が1993年につくった22歳10カ月で、藤井君はこれを大幅に更新。封じ手は71手目 ▲2二歩打の局面。渡辺さんにと金で攻めてくるので、ここは藤井君も飛車の利きで攻めないとマズイ局面。藤井君の封じ手は大方の予想通りで72手目 △7六歩打。それでも、ここは渡辺さん僅かながら優勢の分かれ。以下、▲2一歩成、△5三角、▲8八銀。最後の13分の考慮時間で指した75手目▲8八銀。銀を当たりから逃げて普通の手に見えたが、何とこの手が形勢を損ねることになった。次の藤井君が29分の考慮時間で指した76手目△4四銀が好手。ここで形勢が容易ならざる状況と見た渡辺さんが109分の大長考に沈む。実戦は77手目▲2二とと金を引いて、金取りを目論むが4三の位置に金が逃げるスペースが出来ていて、3二に居た金が「柳に風」とばかりにかわせるのが大きい。75手目▲8八銀に代えて、飛車に銀を取られるが▲7六同銀と目障りな歩を外して7七に歩を打てば飛車を抑え込めた。これなら渡辺さん優位を維持出来たようだ。感想戦で「▲7六同銀と取らないとイケないほど切羽詰まっているという認識がなかった」と振り返る渡辺さん。渡辺さんのブログの振り返りで封じ手開封直後、次の▲88銀では▲86銀が勝りました。対局中はここが重要な分岐という認識はなかったのですが、藤井竜王は局後の第一声で▲88銀△44銀で感じが良くなったと言っていたので、この辺りの判断の差がそのまま結果に出ています。とのことで、▲7六同銀は出来なくても▲8六銀なら未だ優勢を維持できたようだ。藤井君の92手目 △3六歩打も渋い一手。△3六歩では△5六歩や△3四金~△6六桂が有力だったが、藤井君の指し手は△3六歩。次に△3七歩成と桂を取りながらと金を作っても先手玉が詰めろではないが、挟撃態勢のと金になる。先手にもそれに優る速い攻めがないと見越していたか。△3六歩に渡辺さんが手を止めた。本局最大の勝負所。ここでH Zettrioのライブが始まったので、棋譜中継を観るのを中断。ここも渡辺さんのブログの振り返りで、ここは最後の長考で▲64歩が本線でしたが、成算が持てず、本譜は苦し紛れでより悪くなりました。▲64歩の変化も読み切られていたようで(それも簡単な変化ではないのにいつも感想戦がエグい)とあった。渡辺さんの実戦での選択は93手目 ▲8三角打。6五に馬を成り返って、攻防の馬にしたい狙い。▲8三角打以下、△7三飛▲6五角成△3七歩成の進行。98手目 △6四歩打、104手目 △5四桂打で攻防の馬を自陣近くから6七の位置まで追いやった藤井君の責めも手厳しい。
2022.02.12
羽生善治九段が4日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第80期A級順位戦8回戦で、78手目△6九角打までで永瀬拓矢王座に敗れた。これでリーグ成績が2勝6敗となり、、最終9回戦を待たずに1つ下のクラスのB級1組への降級が決まった。名人獲得9期も含め、1993年より29期連続で在籍してきたトップのA級から陥落。羽生さん、押され気味だったがチャンスは永瀬さんの60手目 △5一桂打の次の1手。実戦は羽生さん、61手目 ▲6三桂打としてしまったが、手順前後。ここは7二の銀を▲6一銀と突っ込んで5二金に働きかければ混戦。一例として、△5一桂打 ▲6一銀 以下、△4二金 ▲6三桂打 △同桂 ▲7二全 △5一桂打 ▲6二全 △5二金 ▲同全 △同王 ▲8二龍 △4一王 ▲2二歩打 △8九飛打 ▲7九金打 △9九龍 ▲2一と △5二銀打 ▲4六桂打 △8一歩打なら先手羽生さん有望。手順前後したため、7二の銀が終局まで盤上に残ってしまった。銀にカツを入れる61手目▲6一銀が優った。終局直後のインタビューで攻めに参加しなかった(出来なかった)7二銀について朝日新聞の村瀬記者から質問が羽生さんにあったが、明確な回答はなかった。羽生さんは永瀬さんの78手目△6九角打を見て、羽生さん潔く投了。投了図以下、▲5九玉 △5八金打▲5八同金 △3九飛打▲4九金打 △5八角成▲5八同玉△4七金打▲4七同銀△4七同角成▲4七同玉△4九飛成▲3七玉△4七金打▲2七玉△3八竜▲2六玉△1五銀まで、18手詰め。永瀬さんが相手では長手数ながら、この手順を永瀬さんは逃さないと羽生さんが判断し、投了。気品ある棋譜。
2022.02.04
将棋の第80期順位戦B級1組12回戦が3日、東西の将棋会館で行われ、8勝2敗で単独首位の藤井聡太竜王は阿久津主税八段を下して9勝目。7勝3敗の稲葉陽八段が松尾歩八段に勝ったため、初のA級昇級はお預け。3月9日の最終局で佐々木勇気七段に勝てばA級昇級。負けた阿久津さんは次局は久保さんとB2級への降級をめぐる戦い。B2級への降級を避けるには勝つのは必須で、もし、木村さんが千田さんに勝つと二人ともB2級への降級。木村さんが負けた時だけ、勝者がB1に残れる。上浪瑳耶香Quintet@荻窪ベルベットサンに行く途中が夕食休憩前に阿久津さんが指した44手目 △6四飛の局面。ここは代えて44手目6四角打としたかったが、藤井君に大人しく5六飛と引かれて、3五歩から阿久津さんの唯一の主張の2六の歩を飛車で取られるとマズイと思ったか、44手目 △6四飛としたか。夕食休憩後の1手であさっりと藤井君に45手目▲6四角と飛車を召し上がられると、流れは藤井君にかなり傾く。自分の桂頭のキズにもなるが、49手目 ▲3五歩と攻めに出て65手目 ▲3四桂打まで来ると藤井君が勝勢。阿久津さんの6六桂を食らわないように57手目 ▲6八金も用意周到。局後のAbemaの解説で千葉七段と高見七段がこの57手目 ▲6八金をしきりに褒めていた。高見さん:「僕はこの▲6八金は指せない。(1二角の後押しで)6六桂を食らわないように▲6八玉なら指しますけど」千葉さん:「その時、一緒に解説していた八代さんは予測手で▲6八金を挙げていました」高見さん:「あの八代がですか。本当ですか?」とかなり悔しそうだった。
2022.02.03
第71期王将戦七番勝負の第三局が1月29、30日に行われ、藤井聡太竜王が渡辺明王将に135手で勝利、シリーズ3連勝。王将奪取まであと1勝。王手をかけた。形勢は混沌としていて、終盤まで拮抗。問題は藤井君が渡辺玉のコビン、玉頭を狙って5三の歩に成り込むように95手目▲4五桂と3七の桂が跳躍した次の一手。渡辺さんの応手は96手目△7三角。▲6四銀打ちを先受けして、藤井君の5五銀を狙う攻防の一手に見えたが、△7三角からは藤井君の形勢が良くなった。代えて、ここは玉の守りの4八金を狙って96手目△5六桂打が渡辺さんの唯一の勝ち筋。以下、▲5七金△4七歩▲6四銀打△7二玉▲4七玉△4六歩▲4七同銀△4七同桂▲4七同金△8二角が一例。藤井君もこの手順は「キツイですね」と感想戦で言っていた。(参考図)96手目△7三角に代えて96手目△5六桂打の際の局面下図の121手目▲8四飛車打からの23手詰めも神業。残り時間3分を使わず、ほぼノータイムで指し続ける藤井君。渡辺さんも何とか詰みを逃れたいと残り時間3分まで考えたが、どの順も詰んでいたようだ。実戦は23手詰めの15手目、藤井君の135手目▲9六金を見て、渡辺さんが投了。投了図以下は、△7六王 ▲7七歩打 △7五王 ▲6四銀 △8四王 ▲8五歩打 △8三王 ▲8二馬までの詰み。
2022.01.30
ライブに行く代わりに、ジムで運動中にAbemaで解説無しだが羽生さんの将棋を時々、観戦。観ていたのは、中盤から終盤の入り口で、4九にいた飛車が銀を取って竜に成り返った76手目 △4四飛成の局面。羽生さんの次の1手は香車を狙う、▲8六桂打かと思いきや▲8五桂。これは逆転。きっと藤井さんが勝っているだろうとBodyの配信を観終わってから、棋譜を確認すると何と羽生さんが勝利。問題の局面は羽生さんの95手目 ▲5一竜に対する藤井さんの相駒。5五に歩がいるため、歩は打てず候補は角、銀、桂の3つ。持ち時間が20分もあったのに、僅か12秒のほぼノータイムで96手目 △5二桂打。これが敗着。すぐ取られそうなので、一番安い桂を相駒にしたが、良くなかった。8六の桂を飛車で取られるが次に王手で9七桂、9八銀と打ち込んで羽生玉を詰ます狙いで桂、銀を温存するため、ここは勿体ないようでも角を相駒にしなければならなかった。76手目 △4四飛成の辺りは藤井さん30分くらい長考していたので、ここはジックリ考えたかった。
2022.01.27
渡辺明王将に藤井聡太四冠が挑戦する第71期王将戦7番勝負の第2局が22、23の両日、大阪府高槻市で指され、後手の藤井君が98手で勝ち。第3局は29日から栃木県大田原市の「ホテル花月」で行われる。ポイントは渡辺さんの49手目 ▲2五飛と飛車を浮いて、藤井君の7五銀を狙う一手の辺りか。藤井君が50手目 △6四銀と大人しく銀を引いた次の渡辺さんの1手で形勢が傾いた。実戦は51手目 ▲3四角と2筋、4筋の攻めを見せたが、この手で4七の守りが弱くなってしまった。ここは▲4八金と先に守りを優先した方が良かったか。進行の1例として、▲4八金 △3六角 ▲2六飛 △5四角 ▲4五銀 △同銀 ▲同角 △同角 ▲同桂 △4四銀打 ▲3三歩打 △同桂 ▲同圭 △同金 ▲7六銀 △8八歩打 ▲同金 △7五歩打 ▲6七銀 △7六桂打 ▲7八金 △8八歩打 ▲2三銀打 △3五銀でこれなら先手も有望。渡辺さんが局後の感想で直ぐ挙げたのが、藤井君の2時間28分の大長考の後に一日目(22日16時31分)に指した52手目 △8八歩打に対する次の1手。実戦は▲8八同金としたが、ここは桂を見捨てて▲23歩成の方が良かったようだ。51手目 ▲3四角と角が出たからには、怒涛のように藤井玉の玉頭に殺到していけば勝負の綾があったかも知れない。
2022.01.23
<< 2022 Jan 16th/ TwinPiano!平倉初音×David Bryant@蕨Our Delight >>に行く前に藤井君の第15回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメントの二局、対船江六段(振り駒で藤井君先手)、対永瀬王座(振り駒で藤井君後手)をAbemaで観戦。どちらも手に汗握る激戦。何とか船江さんに勝って、ベスト4をかけた永瀬王座との対局。角換わりの出だしだったが、藤井君が角道を止めて雁木模様にして24手目△3一角と引いた手が新構想。永瀬さんは4筋に攻め駒を集中する右四間飛車で対抗。永瀬さんの79手目 ▲3九歩打に対する藤井君の80手目 △9五桂打が疑問手。ここは代えて、△6九金打が正着。△6九金打以下の手順で102手目△5五桂と打つための桂が80手目 △9五桂打としたため無くなった。ここは桂を温存すべきだった。通常は7九玉を包むように攻める △9五桂打が疑問手になってしまうとは藤井君にはツキが無かった。
2022.01.17
第80期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の7回戦、永瀬拓矢王座―佐藤天彦九段戦が13日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、14日午前0時43分に佐藤九段が144手で勝利。佐藤九段は4勝3敗となって残留が決まった。永瀬王座は3勝4敗。 感想戦で検討されたのは127手目▲41銀に代えて▲44歩の変化。これには(1)△33金▲43銀△31玉▲34銀直(際どいですが詰めろ)に、△45角!という捨て駒があり後手が勝ち。▲同銀なら△46角で勝勢、▲同飛なら△66角以下詰み。▲44歩に対して(2)△46角▲43歩成△同玉▲46銀△47飛▲57銀打(好手)なら激戦が続いたらしい。実戦は127手目▲41銀に対して佐藤さん、シッカリと守って128手目 △6三銀打で永瀬さんの攻めは切れたようだ。現在の4強(藤井君、渡辺さん、永瀬さん、豊島さん)の内、2名が同じ日に4強以外の棋士に敗れた珍しい一日。4強と他の一流棋士と実力差が紙一重ということだろう。
2022.01.15
藤井聡太四冠=棋聖・竜王・王位・叡王=は13日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第80期順位戦B級1組の対局で後手の千田翔太七段に112手で敗れた。リーグ成績は8勝2敗。勝敗の岐路は意外にも序中盤とも言える、千田さんの40手目△ 6五桂に対する藤井君の応手。本譜では41手目 ▲5八金としたが、ここは▲5六銀 として以下、進行の一例として△3六歩 ▲6二歩打 △同王 ▲3六歩 △4五桂 ▲2二馬 △5七桂 ▲7九王 △2二銀 ▲6五銀 △6九圭 ▲8八王 △5五飛 ▲7六銀 △6八圭 ▲同金 △5六飛などで5筋の千田さんの猛攻を▲5六銀 で緩和すべきだった。44手目△8八角成と角を代えてから、46手目 △3九角打とされて、さらに5筋に攻撃を集中されてみるとこの後「藤井良し」の局面はなかった。局後の藤井君の第1声も「41手目 ▲5八金ではなく、▲5六銀だった」との見解。
2022.01.13
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