PR
Keyword Search
Calendar
New!
保険の異端児・オサメさんComments
クリスマスの真っただ中、実家の父親からメールが入ってきたのは、ちょうど東京駅のライトアップを新丸ビルのデッキから見下ろしている時だった。昨日より2泊外泊して家を空けている、という連絡。ただそれだけのことだが、これまでそういうことでわざわざメールを寄こすことは無かっただけに、余計に心配になるのである。
止むことのない幻聴の症状に精神不安定な母親、しかしそれを全く自覚していない母親。その状態に、改善の糸口は全く見えない。少なくとも父親を通して入る情報によると、幻聴が始まるとどうしようもない。黙って見守るだけだ。前回の帰省以来1ケ月近くが経ち、その間、母親の信頼する齢の近い姪の言葉は受け入れ、処方されていた薬も口にしていたようだが、。。。
確かめてみると、その薬も最近では飲んでいないという。飲む必要も理由もないし、病院に行く理由も無いというわけである。夜幻聴が始まると、ほぼ一晩眠れなくなるが、本人にしてみれば近所の人々の声が一晩中、夜を徹して聞こえ続けているので、溜まったものではない。日々の生活を共にし、布団を並べる父親にしてみれば、それは大きなダメージであることに相違ない。
地域の相談員に話を聞いてもらい、漸く1歩を踏み出したと思ったのは先月末。その時、医師の相談会の案内や、訪問してくれる病院を紹介してもらい、これで一つ一つ確実に前に進んでいけるという後ろ盾をもらった気もしたのだが、そうそう思い描いたとおりに進むものではない。あろうことかそういう来訪をことごとく断っていることを知らされた。当然病院に行くことも拒む。当然ながら毎夜幻聴に襲われる。事態は良くなるどころか、これでは悪化の一途だ。
幻聴の悩みを否定することは良くないという。そんなものは見えないし、聞こえもしない、だから大丈夫だよ!という接し方は、当事者にとっての現実を否定するだけ逆効果だという。だから辛抱強く、聞いてあげて、同じ気持ちになる、それを吐き出させる中で、時間をかけて、気持を徐々に安定させていくことが大事なのだと。。。
その過程で精神安定剤によって気持ちを抑え、少しでも眠れるようにすることも重要。事の真実はともあれ、今の段階では見える見えないの議論は言ったところでどうしようもないので、どうでもよい。とにかく睡眠をとることだ。それが原因で眠れないと、心ばかりか身体も蝕まれてしまう。心身の両輪、バランスを考えないといけないだが、薬を飲むことも拒否してしまっては、希望も薄れる。
さて、これはどうしたものか?父親のメールにも先行きへの不安が吐露されていた。そんな状況を父親一人に任せて、遠く離れて過ごす自分。一方で、心配をかけたくないので、知らせまいとする母親。しかしズレているのが、母親自身が心の異常を自覚していないことで、父親がおかしくなってしまったと思っているので、何ともしがたい。
思うに、自分はしっかり真面目に生きてきた、色々な場面で責任を果たしてきたという、誇り高さが災いしている。そして外の繋がりが希薄、それでいながら周囲の目が気になる性格。先日の相談員との話の中でも、相談員からもこれまで自身が真面目に生きてきたことを述べ、それにも関わらず周囲が嫌がらせをしていることを真顔で述べていた。
それを否定することもなく聞きながら、一方でどうやって改善させていくかを考える相談員だが、やがて自分が主張することが周囲への対応として生かされていない、一向に改善されないと感じると、そこで不信感も出てくることを危惧してしまう。現に、母親が幻として見聞きする周囲の嫌がらせは一向に止むわけでない。その結果、相談員とは名ばかりで何もやってくれない、相談に乗ってくれていないではないか、と思ってしまうだろうことだ。
だから頻繁に顔を合わせることも大事なのだが、今では来訪を拒否している。何のために来るのかという接し方になると、相談員もきっと相談に乗るのも嫌になる筈だ。そうやってますます深みに入っていくと、その地を出ていくしか選択肢が無いというシナリオになりかねない。実際、父親もそういう想いを漏らしているのだが、80代半ばでの引っ越しなど、父親の描いた人生にはそもそも無かった筈だし、それを思うと辛い。
年末年始、帰省するが、家にいるとは言え、やるべきことを徹底してやる母親にとっては、大仕事の日々。そこに幻聴が重なることを考えると、心身疲弊。それを考えると、家で過ごす選択肢は無かった。少し土地を離れて隣県まで出て、3泊することとした。それでも移動距離が長いとかで、当初の計画を変更したりで、漸くプランがまとまった。
ひと月に何度も外泊ばかりしているわけにもいかないと思うが、今は辛抱。いかにして自分のことと意識して取り組んでくれるのか、そのために何ができるのか、また年末年始、父親と相談。それまで少しでも平穏に過ごしてくれることを祈るだけ。。。