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前回に引き続き3DCGにアニメ『『聖闘士星矢: Knights of the Zodiac』の感想を書いていきたい。便宜上、③一輝編、④白銀聖闘士編、⑤グラード財団編で分けていく。聖闘士星矢 3【電子書籍】[ 車田正美 ]一輝編銀河戦争中、一輝が乱入して黄金聖衣を強奪するところから始まる一輝編であるが、原作とはこれもまたずいぶんと異なる。大きな変更点としては、原作で登場した暗黒聖闘士の立ち位置が違う。暗黒聖闘士はグラード財団が科学の力で作った機械化人間みたいになっていて、原作でいたブラックペガサスなんかは出てこない。せいぜい、暗黒聖衣を装備したカシオスが星矢と闘うくらいだろうか。ある意味で、暗黒聖闘士になったカシオスはブラックペガサスのように、星矢に一矢を報いることができたわけで、原作以上に扱いが良い。残念な所としては、一輝がグレてしまった理由がよくわかないところだ。「聖闘士になるための特訓で地獄を見てきたから」というのは分からないでもないが、それで星矢たちと敵対する理由になるのか…。この辺は原作では、「憎むべき城戸光政が実父であると知ったから」というのが一輝がグレた理由なのだろう。ただ、この城戸光政という人物はなかなか扱いが難しい。原作の所業を描くと極悪すぎるが、そこをカットしてしまうとよう分からんことになってしまうのだな…。なお、アンドロメダ瞬が女になっている影響か、「エスメラルダが瞬に似ている」という設定はなくなったようだ。それだと一輝が「妹そっくりの女の子と恋仲になる」というインモラルな感じになっちゃうから。白銀聖闘士編このあたりから気が付き始めたのだが、本作では星矢を主役としてしっかり立てる演出がされているように思う。なんというか、原作での星矢はあまり目立たない。いい風に言えば、聖闘士星矢というのは群像劇であり、青銅聖闘士5人がだいたい平等に活躍するから星矢にスポットが集中して当たり続けることはない。だが、本作ではけっこう星矢にいい場面を見せている。たとえば、原作の星矢は魔鈴が人質になっていたというのがあるにせよ、猟犬星座のアステリオンにはわりと見どころもなく負けてしまったのだけれど、本作では違う。ノックアウト寸前に放った流星拳は外れたと見せかけて魔鈴を縛る鎖を切っていたのだ、というのは原作にはなかった。本気になった星矢の聖衣に羽がでてくる演出なんかも良かったと思う。ただ、黄金聖衣を装備した星矢が、原作では白銀聖闘士3人を瞬殺するシーンがなかったところかな。黄金聖衣の強さというのを分かりやすく伝えるいいシーンだと思ったが、CGを作るのが大変だったのかもしれない。グラード財団編このあたりはオリジナル展開である。原作でグラード財団といえば、それは城戸光政の創設した財団だったのだが、本作では城戸光政とヴァンダー・グラードという2人が作った財団になっている。そしてグラード財団は科学の力で暗黒聖闘士というのを作り上げ、人類を滅ぼすというアテナ沙織を抹殺しようとするわけだ。そういえば、旧アニメでも白銀聖闘士編で鋼鉄聖闘士というアニメオリジナルが出ていたけれど、それも元ネタになっているのかもしれない。さて、シーズン1のラスボスとなったヴァンダー・グラードであるが、彼は「人類は科学で神を超える力を手に入れた。必要のない神は滅ぼしてしまおう」という過激な考え方を持っている。でも、正直言って、僕はこのヴァンダー・グラードという人物の主張も分らんでもない。ギリシア神話の神々はけっこう自己中心的であるし、あまり人間に対して憐みの心をもっていない。ならば、神を滅ぼしてしまえばいいというのは、一つの思想としてはありえるだろう。それでいて、ヴァンダー・グラードは「城戸沙織はポセイドン、ハーデスと闘って負け、人類を滅ぼす」という予言を信じており、沙織を抹殺しようとする。別に、抹殺しなくてもいいと思うのだが、この辺の心情は良くわかない。このグラード財団編、実のところ僕はかなり好きである。白銀聖闘士編でも書いたが、主人公としての星矢をしっかり描いている。終盤、星矢がなぜ命がけで沙織を助けるのか、について星矢の口から語られる。星矢は幼いころ生き別れた姉の思い出の品として、姉の書いた絵を大事に持ち歩いていた。姉と言っても幼児のころのものだから、12歳という少年に差し掛かった星矢が大事に持っているのも不自然で、星矢はそれをいじめっ子にからかわれたりしていたのだ。だが、沙織はそんな星矢を笑わなかった。だから星矢は、沙織の心根に惹かれ、6年もの厳しい修行に耐えて聖闘士になったのだし、沙織を守るのだ、と。このオリジナルエピソードはけっこう良かったと思う。よく考えてみれば、原作における城戸沙織はあまり心のやさしさだとか母性を見せるシーンはない。もともとが「戦いの女神アテナ」であって、聖母マリアみたいなのとは違うと言えばそれまでだが、原作の沙織は凛々しさや気高さを見せるものの、別段、弱者に対して優しいというシーンはさほどない。だいたい、聖闘士に何の相談もなく1人でボスに挑んで封印されるとか行動不能に陥るというパターンばかりである。やはり、守られる沙織にも魅力がなければならん。そういう意味で、この改変は良かったと思うよ。ところで、作画について、前回感想で「作画コストがかかるせいか、聖衣が破損しない」と書いたが、後半に入ってくると砕けたりはしないものの、聖衣の表面に細かな傷が入るようになってくる。歴戦の戦士めいてきて素晴らしいといえる。聖闘士星矢 7【電子書籍】[ 車田正美 ]
2023.11.04
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僕の中でまたブームが来ているのが『聖闘士星矢』である。この作品、2003年のエピソードG以降、途切れることなく延々とスピンオフが作られ続けている。なので、新作を見ているとふとしたきっかけで再ブームが来やすい。そんな感じで、いま見ているのが『聖闘士星矢: Knights of the Zodiac』 である。シーズン1を見終えたので、ざっと感想を書いていきたい。聖闘士星矢 1【電子書籍】[ 車田正美 ]この『聖闘士星矢: Knights of the Zodiac』 であるが、もともとはネットフリックス作成の3DCGアニメである。外国での展開が先にあるのかもしれない。色々な変更点はあるが、リアルタイムではアンドロメダ瞬が女性になってしまったことで物議をかもしたのを覚えている。簡単なあらすじとしては、シーズン1では原作の銀河戦争編、暗黒聖闘士編、白銀聖闘士編にグラード財団編を加えたものまでを全12話でやることになる。以下、①序盤、②銀河戦争編、③暗黒聖闘士編、④白銀聖闘士編、⑤グラード財団編で区切って感想を書いていき、最後に全体のまとめの感想を書きたい。今回は長くなりすぎるので、②の銀河戦争編、まで書く。なお、この区分けは僕が適宜したものなので、公式でこういう分け方がされているわけではないです。序盤(第1~2話)本作は細かな点で原作との違いはあるけれど、序盤のプロローグが全然違う。もともと星矢は姉といっしょに孤児院で生活をしていたが、いじめっ子との喧嘩の際、小宇宙(コスモ)と呼ばれる超能力に目覚めるのだ。それがきっかけて、星矢たちの孤児院は謎の武装勢力に襲われるのだが、その際に星矢は姉と離れ離れになってしまう。生き別れた姉と再会するには聖闘士になり、サンクチュアリに行く必要があると言われた星矢は、6年の厳しい修行をして聖闘士になるというのが序盤である。カシオスと闘って、ペガサスの聖衣を手に入れるところは同じ。正直言って、惰性で見ていて退屈な所は多かったかな…。まだ、この3DCGにも慣れていないし、もっと言えば星矢の声が古谷徹さんじゃなくて森田成一さんになっていて、多少の違和感もあったから。最終的に、森田さんの熱い演技もしっくりくるようになるんだけどね。銀河戦争編(2~5話)ここも色々と原作と違う。大きな変更点としては、①アテナ沙織の立ち位置と、②銀河戦争の目的である。まず①について、本作ではアテナ沙織は、生まれた時点で「将来的に海王ポセイドンと冥王ハーデスと闘って敗れ、世界を崩壊させる」という物騒な予言がされているというのである。なので、原作だと教皇(サガ)が独自の判断で沙織を抹殺しようとしたのだが、本作だと黄金聖闘士の全員が、沙織はアテナだと認識しつつも、彼女が世界を滅ぼすという予言を信じるがゆえに沙織を抹殺しようとしているのだ。で、②銀河戦争であるが、これの目的が沙織側でサンクチュアリに対抗できる勢力を見つけ出すために行われたことになっている。なので、原作のように銀河戦争は格闘技の大会として見世物になるのではなく、観客は沙織と辰巳くらいしかいないという、寂しいものになっている。そういうわけだから、観客がいない銀河戦争はなんかこう、寂しいよ…。なお、残念ポイントして、CGアニメはあまり融通が利かないのか、聖衣は全く破損しないし、登場人物の衣服が血や汗で汚れたりすることもあまりない。作画コストがかかるのだろう。「ハンター×ハンター」でヒソカがカストロに対し、「ダブルはイメージで作るから、服の汚れは再現できない」と言っていたのをふと思い出したよ。そして、作画コストを下げるためか、ペガサス流星拳を打つたび、バンク、つまり使いまわしの映像が入る。いまどきのアニメでこれほどバンクを見るのは珍しい。なので、星矢vs紫龍で、星矢が最高の硬度を誇る龍の盾と龍の拳をぶつけ、聖衣が破損するという話もない。この星矢vs紫龍編は、僕は聖闘士星矢のベストバウトの1つだと思っている。この試合の見どころは2つあって、1つは紫龍の誇る「最強の盾と最強の拳」の攻略である。「最強の盾と最強の拳」はまさに矛盾そのものであり、最強の拳を最強の盾にぶつることで攻略した星矢の、というか車田正美の知性の輝きを感じる。このシーンで「矛盾」という言葉を知ったチビっ子も多いだろう。さらに、2つ目の見どころは「聖闘士に同じ技は二度通じない」という点である。終盤になると一輝が「もはやこれは常識!」とまで言うのだけれど、詳しい説明はない。だが、序盤は丁寧に作りこまれており、「紫龍が廬山昇竜覇(全力でアッパーカット)を放つ際、1000分の1秒だけ、左拳が下がって心臓ががら空きになる」のだ。1000分の1秒の隙など、普通は隙とすらいえない。気が付くこともできないだろうし、気が付いたところでその隙を突くことなどできはしない。だが、聖闘士ならばそれができるのだ、というのを読者に伝えるという意味で、星矢vs紫龍は最高の試合だったといえる。この2つの見どころのうち、矛盾がバッサリとカットされているのは残念極まりない。さらにいえば、聖衣破損を修復するために紫龍が命をかけるエピソードもない。銀河戦争編までの総評色々と文句ばかりを書き連ねてきたが、正直言ってこのあたりまでの本作は結構不満ばかりである。ただ、まあ、ここから面白くなるよ。僕はシーズン1を完走しているのだから…。そういえば、いちいち書かなかったけれど、本作においては星矢を明確に主人公として描いているように思う。ほかの青銅聖闘士は引き立て役に徹している。原作だと、特にハーデス編以降の星矢の活躍は微妙だからね。星矢ファンなら楽しめるよ。逆に、原作の方もけっこう展開はひどいところもある。ぱっと思いつく限り、初期のアテナ沙織の鬼畜っぷりは擁護ができない。あの、幼いころにユニコーンの邪武を馬にして鞭を入れて遊んでいたシーンとか、「嫌な金持ち女」としか描写されているが、これが清らかな女神になったのは何らかの予定変更があったからなのか…。個人的に、グラード財団のボスであるヴァンダー・グラードというキャラが割と好きである。白銀聖闘士編あたりから面白くなるよ。聖闘士星矢 1【電子書籍】[ 車田正美 ]
2023.10.17
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僕が初めて見た仮面ライダーは,BLACKであった。大好きだったし,変身ベルトのおもちゃを買ってもらったし,人形なんかも買ってもらった。当時はカタカナを読めなかったので,幼児向けの雑誌についてた付録の怪人図鑑が読めず,母に手書きで振り仮名を書いてもらったもの。大人になってからも倉田てつをのステーキショップに行くなど,本当に僕は仮面ライダーBLACKが好きである。僕のアカウント,「たかしRX」のRXも仮面ライダーBLACK RXだからね。仮面ライダーBLACK SUN オリジナル・サウンドトラック [ 松隈ケンタ ]さて,自分語りはそこまでにして仮面ライダーBLACK SUNである。説明するまでもないが,仮面ライダーBLACKの大人向けリブート作品である。リメイクとは違って,ゼロから作り直しである。このBLACK SUNには色々と語ることがあるけれど大きく元の仮面ライダーBLACKとはずいぶん違う。以下ややこしいので,元の仮面ライダーBLACKを「旧作」,BLACK SUNを「新作」と呼んでいこう。旧作について多く語る必要もないと思うが,新作と比較するために①怪人と,②政治情勢について簡単に触れる。まず旧作における怪人についてであるが,特徴として怪人は5万年という不死ともいえる命を持ち,ゴルゴムに所属する一般人から見て怪人は憧れの対象である。黒松教授なんかが「私も早く怪人になりとうございます!」などいうシーンがあったし(旧作2話),「コウモリ怪人様」というように,怪人は一般メンバーから「様」づけで敬語を使われる対象であった。また,怪人はクジラ怪人という若干の例外がいるものの,基本的に悪そのものであって倒すことに何らの問題もない。そして,②の政治情勢についてであるが,旧作の世界観ではすでにゴルゴムは日本の政治を支配している。大物政治家にもゴルゴムのメンバーはいるし,財界にも大学教授にもゴルゴムメンバーがいる。まあ,このゴルゴムが少なくとも日本を裏で支配しているというところは,気が付けば有耶無耶になっており,物語的には大した意味を持たなかった。さて,新作である。①の怪人について,怪人は差別される対象となっている。なぜ怪人が差別されるのかについて具体的な説明はないが,少数だからなのかな…?描写を見ていると,怪人たちはコリアンタウンみたいなところに住んでいたり,在特会(在日特権を許さない市民の会)みたいなのがヘイトスピーチをしていたりと,怪人は在日韓国・朝鮮人が仮託されているようにも見える。②の政治情勢についてである。新作においてはゴルゴムではないが,悪徳政治家・堂波真一総理が日本を支配している。この堂波総理は怪人を作り出す技術を管理しており,ゴルゴムの上に立っているといっても過言ではない。この堂波総理なのだが,髪型や風貌,国民を馬鹿にしたようなご飯論法など,どう見ても安倍晋三である。差別だの,元総理を悪役として登場させるなど,このあたりは賛否が激しくなるところだろうと思う。ここまでを前提として,いいところを3つほど上げてからダメ出しをしていきたい。良かった点の1つ目は,バッタ怪人の扱いである。僕もほとんど忘れかけていたが,仮面ライダーというのは要するに悪の組織の作り出した改造人間の1人にすぎない。たまたま歴代ライダーだけが異常に強いのは,改造された人間自体がIQ600の天才だった(本郷猛)や,柔道6段・空手5段だった(一文字隼人)だったり,次期創生王候補としてキングストーンを埋め込まれた(南光太郎)という事情があるにせよ,しょせんはバッタ男やバッタ怪人程度のものであって特別なものではない。当初,南光太郎はバッタ怪人に変身して戦っていた。カッコいい変身シーンもない。僕は,「あぁ,大人向けだからリアリティ重視で隙だらけの変身シーンもなく,カッコいい仮面ライダーでもないんだな」と大人向けの味を感じたものだ。2つ目に,伝説の5話。変身シーンである。ヒロインである少女,葵が怪人に誘拐されてしまったので助けるために駆け付ける光太郎であるが,間に合わず葵は怪人にされてしまう。ブチ切れた光太郎は「ゆ”る”ざん”!」と怒り,変身ポーズをとってバッタ怪人ではなく,覚醒した仮面ライダーになるのだ…。さっきまでと矛盾するが,徐々に僕はバッタ怪人にしか返信しない光太郎に不満を覚え始めていた。新鮮味はあるが,要するに,飽きてしまったのである。たとえるならば,馴染みの定食屋に行っていつものカツ丼を注文したら,「今日,カツは売り切れで…」と言われたので,オムライスを注文したら意外においしくて気に入ったものの,やはり次に馴染みの定食屋に行けばいつものカツ丼を食べたくなる心境だろうか。やっぱり,光太郎には「ゆ”る”ざん”!」と叫んだあと,拳をギリギリと音を立てて握りしめて怒りと力強さを示してもらった後,派手に変身ポーズをとって変身してもらいたい。たとえ隙だらけでリアリティがなかろうとも。そして3つめ,最後に最終10話のオープニングである。これまでのオープニングではなく,旧作のオープニングを完全に再現した映像が流れ,旧作で光太郎を演じた倉田てつをの歌う主題歌が流れる。ここは本当に鳥肌が立った。俺が見たかったのはこれなんだよ,と。役者としては登場できなかった倉田てつをも,歌い手として名前が画面にでただけでも良かったよ。ここまでが良かった点。ここからが悪かった点。振り返ってみると,俺が挙げた「良かった点」というのは,3つのうち2つは旧作でやってたものが新作でも再現されただけ,といえる。5話目の変身シーンにあれほど興奮したのは,逆にいえばこれまでバッタ怪人への変身ばかりを不満が一気に解消されたためのものであり,恐らくは1話目で変身ポーズをやられても興奮しなかった可能性がある。なので,総評としては新作は旧作を超えられていないと思う。次に,新作にしかなかった政治シーンについてである。僕は,これまでの安倍政権を全く評価しない。なので,新作に出てきた堂波総理の描写には思い切ったところがあると思うけれど,それでも良い評価はできない。ここまで似せなくてもええやん,と。このブログで過去に『銀河英雄伝説』の感想を書いていたが,この作品に出てくるヨブ・トリューニヒトという政治家がいる。これが,国民の愛国心をあおって自分は安全圏にいたり,憂国騎士団というネット右翼みたいな集団を操っていたりと,安倍総理を思わせる描写が多い。もちろん,『銀河英雄伝説』の執筆時は安倍政権の誕生のはるか前であり,トリューニヒトみたいな政治家はいつの時代,どこの時代にもいて,読者がたまたまそう感じたのではあるけれど。こういうふうに,ほのめかすくらいでいいんじゃないかと思うのだ。直接的過ぎて,繊細さを欠いている。そのため,素直に僕は楽しめなかった。旧作もゴルゴムが日本を支配しているという描写があったものの,前述のとおり,いつのまにか有耶無耶になってしまったし,悪の組織の強大さを見せつける以上の意味はなく,ゴルゴムさえ崩壊させればそれでよかったように描かれていた。最後に差別の問題。もちろん,差別というのは重大な問題である。基本的に,仮面ライダーが問題を解決するときには暴力を用いていた差別と闘うヒーローを用意するのなら,それにふさわしいヒーローが必要である。たとえば,それはマハトマ・ガンジーであったりキング牧師である。そこに仮面ライダーを持ってくる,というのは果たして正解だったのか。逆に,ガンジーやキング牧師をボクシングのリングに上げたところで,彼らはまったく活躍できないだろう。そもそも,彼らに必要なのは戦闘能力ではない。個人的なカリスマや言論こそが彼らの武器であり,政治活動の場で差別と闘ったのである。同じことが,仮面ライダーにもいえて,反差別という目に見えない敵と戦う土俵にライダーを上げたところで手も足も出まい。差別と闘うやり方としては,やはり言論によって法律や政治システムを変えていくのが王道である。世界最強の男であったボクサー,モハメド・アリも差別から戦うときは暴力ではなくて言論を用いた。反差別と闘う英雄を描きたいのなら,仮面ライダーよりもっとふさわしいキャラクターを使うべきではなかったのか。なお,新作ではヘイト扇動家や,安倍総理を思わせる政治家は怪人に殺されてしまった。だが,それでもヘイトスピーチをする団体は党首が代わっただけで相変わらず活動しているし,堂波総理が怪人ビジネスを暴かれて死んだところで政権交代自体は起こっていない。視聴した後に俺の心に残ったのは虚無感である。でも,とりあえずもう1回くらい見ておこうかなぁ…。ムービーモンスターシリーズ 仮面ライダーBLACK SUN
2022.11.05
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『あしたのジョー』50周年記念作品,『メガロボクス』を見る機会があったので感想を書いていきたい。ちょっと辛口です。1話は無料なので,リンク先から見てもらうといいです。メガロボクス ROUND2 “THE MAN ONLY DIES ONCE”【動画配信】まず,ざっくりと世界観の説明を。メガロボクスというのは,この世界で流行っている格闘技で,ギアと呼ばれるパワードスーツみたいなものを身につけて行うボクシングのことである。主人公のノマド(のちジョーと改名)は市民IDを持たない,要するに戸籍だとか市民権を持っていないはぐれものであるのだけれど,メガロボクスのチャンピオン,メガロニアを目指して戦うという物語である。色々と思うところはあるのだけれど,個人的に思うのが,「ギアとは何だったのか?」というところである。人間の拳というのは鍛え上げれば立派な兇器となる。『空手バカ一代』で大山倍達は素手でヤクザを撲殺してしまっていたし,現実のプロボクサーだってその気になれば人間を撲殺することくらいできるのだろう。普通に殴り合うだけで生命の危険があるのに,ましてギアと呼ばれるパワードスーツを身につければ,古代ローマの剣闘士の試合のように,死者が続出する血なまぐさいものになるだろう。たぶん,一撃入れたところで殴られた方は戦闘不能になって競技として成立しないだろうし,せいぜい1ラウンド以内に決着がつくんじゃないかな?さらに意味がわからんのが,主人公のジョーはギアをつけず,基本的に生身で戦うのだ。ジョーはギアをつけたボクサーたちと互角に渡り合うどころか,連勝を重ねていくのだから,ギアの有用性が分らない。一応,ギアを身につけないジョーの方が素早さはまさるだとか,ギアの音で次来るパンチが右か左か判別できるだとか,「相手のギアの電磁波だとかを読み取って自動的に反撃する機能」がジョーを相手にする場合使えなくなってしまうだとか,ギアなしで戦う意味もあったが,それでも腑に落ちない。機械を使うスポーツでいえば,現実世界でもモータースポーツと呼ばれるカーレースだとかバイクレースがある。これだと,マシンと生身の差は絶対的で,たとえばバイクに自転車だとか徒歩で勝てるはずがない。しかし,『頭文字D』のように性能で劣るとか,旧式マシンで高性能の最新式マシンに勝つ,というのも1つの見せ場であり,ジョーも低スペックのギアで戦っても良かったように思うのだ。頭文字D(1)【電子書籍】[ しげの秀一 ]あと,突っ込みどころとしては,メガロボクスには体重性がないらしく,明らかに体格差のある試合が組まれているところだとか,中盤には着脱可能なギアではなくて一体型とかいう,体に手術で埋め込むタイプのギアが登場したりでレギュレーションがなさそうなところだとか。個人的に,この作品でもっとも残念だったところはギアの設定が練り込まれていなかったところ。ギアというのはメガロボクスの根幹ともいえるものだろう。この部分に引っかったせいで,この作品の世界に没頭することができなかった。そういうわけで,僕の中の評価は低い。ここで,逆に機械と格闘技の融合する世界観をうまく描いていたのはかのGガンダムである。機動武闘伝Gガンダム 第2話 唸れ!夢を掴んだ必殺パンチ【動画配信】ガンダムを,巨大ロボを使って格闘技の試合を行うという無茶苦茶な世界観ではあるが,ロボを使うから成立する必殺技があったり,世界観が練り込まれていて「なんでロボットで格闘技を? 素手でやればいいじゃん」という疑問を感じさせない。なお,文句を言いつつも僕はメガロボクスの2期は見る予定である。いまのところ,2期の2話まで見たけれど,2期の方が好きかもしれない。そのうちこっちも感想書く。メガロボクス ROUND FINAL “BORN TO DIE”【動画配信】
2021.04.17
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隋唐演義を初めて読んだのは,大学生のころだったと思う。三国志演義のように悲劇で終わることなく,実質的な主人公が勝ち組である唐に所属する武将,秦叔宝だというから読んでいて辛いということはさほどなかく,120斤の重量武器を振り回す秦叔宝に夢中になって読んだように思う。かねてから,隋唐演義とは別に説唐演義というものがあり,こちらは隋唐十八条好漢といって英雄たちのランキングがついていたり,最強格の李元覇が800斤の錘を振り回すだとか,より荒唐無稽だと聞いていたが翻訳がなく読めないでいた。今回,その説唐演義のエッセンスも込めたドラマ版の『隋唐演義~集いし46人の英雄と滅びゆく帝国』の全62話を見終わったので感想など書いていきたい。隋唐演義〜集いし46人の英雄と滅びゆく帝国〜 第2話 楊広 李淵を陥れ 秦瓊 唐国公を救う【動画配信】(1話は無料で2話から有料なので,リンク先から1話くらいは見て欲しいよ)62話というと大長編である。オープニング,エンディング込みで1話あたり40分と仮定しても約2500分でだうたい40時間くらいかかる。Twitterで感想を書きながら見ていたので振り返ってみると,10月3日から見始めて,12月24日までの約2ヶ月半,1日1話くらいのペースで見ていたことになる。色々言いたいこともあるので,キャラについて,ストーリーについて,箇条書きで行きたい。キャラについて・秦叔宝本編の主人公格。説唐なら強さランク16位。序盤と終盤はかなり活躍するも,中盤の瓦崗軍に入ってからはいまひつ活躍しなくなる。戦闘能力は高いのだろうが,宇文成都だとか李元覇といった超人にはかなわないのだろうし,武人としても羅成なんかに劣るのだろう。序盤から義侠心に厚いことで人望を得ているが,官吏でありながら盗賊たちと仲良くしているあたり,ヤクザと仲良くしている警察官を連想してしまい微妙なところである。特に,義父である楊林との関係について,個人的には釈然としない。この義父・楊林は父の仇であるのだが,秦叔宝の腕前を見込んで娘までくれたのである。それをあっさり裏切るあたり,それはどうなのかなぁ,と思うのだ。・宇文成都説唐の十八条好漢の序列2位。1位の李元覇が覚醒するまでは,作中で最強というべき存在であり,秦叔宝たちは宇文成都に歯が立ってなかった。彼の魅力と言えばその強さももちろんだが,報われぬ恋に苦しんでいたところ。命令を無視して思い人である楊玉児を逃がしてみたり,看病してみたり,色々している。そんな楊玉児が秦叔宝と結婚してしまた恋を引きずっていたりする。煬帝に,「別の女をやるから」と命じられ,やむなく別の女とエッチしてしまうものの,事後に「やってしまった・・・」と言わんばかりに自己嫌悪に陥っているシーンは涙無しには見られなかった。・李元覇説唐だと序列1位。読み書きができい,吃音がある,言動が幼いという点から恐らく知恵遅れという設定なのだろと思う。作中で最強なのだが,そりゃ800斤の錘を振り回すという驚異のフィジカルがあれば技がなくても強いよね,という感じ。主人公の義弟,羅士信なんかも知恵遅れで怪力の巨漢に描かれていて,知恵遅れが強い作品になっていたと思う。・徐茂公軍師。史実で言えば李勣に相当するはず。道服を着ていて羽扇も手にしていたりして,三国志の諸葛孔明を意識したような造形になっている。たしか,史実の李勣は若干17歳で瓦崗に入った年少枠だったはずなのだが,ドラマではかなり年長組になるようで,皆から「徐兄貴」と呼ばれている。この点,秦叔宝なんかは単雄信のことを「単兄貴」と呼び,一方で単雄信も秦叔宝のことを「秦兄貴」と呼んでいるので「兄貴」という言葉は「~さん」くらいの意味しか持っていないと思われるにせよ,明らかに徐茂公への言葉使いは年長者へのそれである。クールであまり感情を出さないキャラのはずなのだが,程咬金が李密に譲位したとき,李密が玉璽と女を交換したとき,単雄信の死には感情をあらわにしており,なんかよく分らんキャラだった。突っ込みどころについて・時間経過について隋唐演義という物語は長編であるが,時間経過もかなりあるはずである。具体的には,隋が陳を滅ぼして天下統一を果たす西暦588年ころからはじまり,単雄信が死ぬ621年までの約30年間が経過しているはずである。ところが,その30年で登場人物が老いたり,成長するという描写がほぼない。若い英雄は若い力を維持したまま,美女は美しいまま,老人は老人のままであり,子どもが成長していくというのが全くない。せいぜい秦叔宝がヒゲを生やしたくらい。物語後半,簫皇后が李密を色香で籠絡したが,史実を考えればありえんわけだわな。ドラマ版では宇文化及が煬帝を殺し,さらにその宇文化及ぶ殺されるまでがわずか1日だったけれど,史実ならば1年はかっているわけで,凝縮したなぁ,と思う。・合戦シーンについて合戦シーンについて,たいていは武将どうしの一騎打ちで,雑兵のみなさんは後ろで整列して立っているだけなんですよ。予算の都合なんでしょうな・・・。・未消化のキャラと設定惜しいと思うのが,未消化のキャラや設定である。僕の見逃しでなければ,途中から登場しなくなったキャラなんかがいる。序列3位の裴元慶は宇文成都と戦ったあたりから消えたし,4位の雄闊海なんかいつの間にかいなくなっていた。もちろん,僕が気がつかないうちに戦死していた可能性はあるけれど,間違いなく途中で消えたと言えるのが,単雄信の妹,単盈盈である。この盈盈,羅成と恋愛関係に有ながらなかなかくっつかない,というのを最終話の2つ前くらいまでやっていたのだが,特に死んだわけでもなく,退場に説明があったわけでもなく,唐突に出なくなった。これは残念としか言えない。なぜこのキャラが出てきたのか・・・。登場人物が多すぎたせいかもしれん。隋唐演義〜集いし46人の英雄と滅びゆく帝国〜 第62話 兄弟 単雄信に別れを告げ 唐 天下を統一す(最終話)【動画配信】
2020.12.25
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年末に超サイヤ人4悟空のプラモデルを作ったが(2019年1月2日)、ゴールデンウィーク中にベジータのプラモデルを作ったので感想など書いていく。バンダイ Figure-rise Standard ドラゴンボールGT 超サイヤ人4 ベジータちなみに、このバンダイから出てるドラゴンボールのプラモデルなんだけど、超サイヤ人だったり、超サイヤ人ブルーのベジータはいるものの、通常ベジータは売ってなかったりする。需要があんまないのかな。箱から開けるとこんな感じ。一度超サイヤ人4悟空を作ってるから慣れたものである。途中の休憩。なんか後髪が長くてヤドカリみたいである。友だちとお喋りを楽しみつつ、だいたい3時間弱で完成。悟空と同じく、基本的にシールを使わなくていいのだが、靴の先端の黄色と、ベルト、それから口の中の赤はシールを使ってる。帰宅後、悟空と並べてみた。腰を落とした悟空と同じくらいの身長だから、サイズ的に原作準拠といったところかな。そして、パッケージにも説明書にも、2体集めるとフュージョンポーズが再現できるとあるが、腕の可動域の問題からこれがなかなか難しい。上側に来る腕、写真で言えば悟空は右腕、ベジータは左腕が相当に苦しい。上側の腕がさほど伸びないのだから互いの体をかなり近づけるしかないので、写真通り、互いの膝がくっつく感じにまでしてるが、これでも上側の指はちょい離れてるのが分かるだろう。飾るならフュージョンポーズより、普通に立たせる方がいいだろう。
2019.05.03
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認知症で判断力がない人から依頼を受けて裁判をした場合の訴訟費用について,弁護士に負担を命じた事案がタイムズに載っていた。あんま見ない事案だったが,高齢化の時代だし,いかにも「ありそう」な事案なので簡単にまとめてみる。判例タイムズ 2019年 04月号 [雑誌]事案は,おおよそこうだ(さいたま地裁H30.7.31判例タイムズ1457号190頁)。訴訟提起時に84歳の原告男性が,実の息子である被告に対し,土地の問題について裁判を行った。これについて,息子は色々と反論しているのだが,「父は認知症だ。裁判をやるための判断力はない」と主張をした。裁判所はこの高齢の父親に証言をさせてみたところ,この父親はまともな会話ができないどころか,自分が弁護士に依頼をしたことすら認識をしていないし,改定長谷川式簡易知能評価スケールが5点という点数だったことで,「依頼をした時点で訴訟能力なし」として訴えを却下した。そして面白のが主文2項,「訴訟費用は原告訴訟代理人Aの負担とする」というもの。確かに,民事訴訟報69条,70条を見るとこうなっている。正直,僕はこんな条文知らなかった。(法定代理人等の費用償還)第六十九条 法定代理人、訴訟代理人、裁判所書記官又は執行官が故意又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。2 前項の規定は、法定代理人又は訴訟代理人として訴訟行為をした者が、その代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用する。3 第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。(無権代理人の費用負担)第七十条 前条第二項に規定する場合において、裁判所が訴えを却下したときは、訴訟費用は、代理人として訴訟行為をした者の負担とする。本人に訴訟能力がない以上,原告の弁護士は無権代理人というわけだし,そういうことになるのだろう。ちなみに,この事件は原告父親と被告息子の対立というより,裏で別の息子が父親をけしかけた感がするんだけどね。なお,父親がいつ判断力をなくしたかについては,訴訟提起より1年くらい前の時点で厳格を見たりして中程度から重度の認知症ということで施設に入ってたり,訴訟提起から2か月という近い時点で改定長谷川式簡易知能検査を受けた結果を使ったりしている。弁護士的な発想としては,やはり高齢の者から依頼を受ける際には十分に注意をしなければならないということだろう。実際,僕もこれに近いような依頼をされたことはある。話していて明らかに判断力なさそうなら,断ってしまうか,「成年後見人をつけてもらい,その後見人からの依頼なら受ける」というようにはしてる。更に余談だけど,「高齢の判断力をなくした親の年金だとか財産を取り上げている子ども」,というのは比較的よく見る。ただ,これがかなり難しくて,判断力がないなりに,親の方が子どもをかばったりする。後見人をつけて欲しいと思うところだ。
2019.04.01
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『月刊弁護士ドットコム』の1月号を読んだら、伊藤塾の伊藤真先生が巻頭インタビューしてた。この感想を書こうかとも思ったけど、ちょい気分を変えて、司法試験法の予備校答練でいい点数を取るやり方でも書いていこうと思う。 司法試験法に合格するならばやはり答案を書いて添削してもらう必要があるので、僕は司法試験法予備校、辰已の答練を受けてた。通信教育なので、暇なときにやって、答案を郵送すればいいというお手軽なシステムだ。ここは、のちに添削のバイトもしたから、かなり詳しい。 辰已の答練はロースクール3年の春くらいから受けてた気がするけど、あんま点数が伸びなかった。たまにB評価で、基本的にCからD評価で色々と悩んだものだ。で、あるときローで憲法の受験指導してくれたOBから、「長々と二重の基準を書いてはダメだ。むしろ二重の基準を書くな。事実の抜き出しと、評価部分で点数がつくから」と言われたのである。 二重の基準を書くな、って相当恐いなぁ、と思いはしたものだ。だって、普通は書くだろうと。ものは試しと辰已の答練で、全く二重の基準を書かずに答案を出してみた。何回も答案書くチャンスはあるから、1回くらいダメでもいいや、と。が、これが、わりといい。このときはB評価取ったはず。もちろん、添削者のコメントには、「二重の基準を書け」と書いてある。しかし、点数は普段よりいい。 なぜか、と思い配点表を見てみてやっと納得した。二重の基準というか、規範部分の配点が2点くらいしかないのだ。辰已の特徴なのかは知らないが、この配点表はやたら細かくて、規範を書い2点、Aという事実を提示したら2点…とかなり細かく決まっている。 二重の基準はかなり軽視されてる傾向があり、配点はせいぜい2点から3点で、当てはめ部分に15点くらい。しかも、事実を1つ書き出すだけで3点貰える場合すらある。つまり、当てはめをしっかり書くと結果的に点が高くなるのである。 これはわりと驚きだった。当時の僕は、当てはめについては、最も使える事実を2〜3つ書けば、それ以外は書かなくてもいいと勝手に思っていた。が、辰已の評価基準はそうじゃない。大したことのない事実でも、書けば書くだけ点が入るようになっている。 のち、僕は辰已で添削のバイトもやることになるんだけど、辰已は配点表がかなり細かくなってて、あんま添削者の裁量がない。添削してて、「よく考え込んでいるなぁ」と思った答案でも配点表から外れるから低い点数をつけざるを得なかったこともあるし、その逆もあった。今考えると、僕の答案はまさに後者、誰もが論じる二重の基準を書き落としてて、法的三段論法の形取ってないにもかかわらず、配点の高いところを抑えているから点を低くできないという、添削者を困らせる答案になってたわけだ。 ここで、僕は勉強のやり方をガラリと変えた。辰已の答練で、読み込むところは解説でも、参考答案でもなく、配点表になった。点が大きいところは漏らさず、点の小さいところは書かないか、触れる程度でいい。 たとえば、行政法の答練の場合、ほぼ毎回論じられる処分性の有無という論点につき、一般的なケースだと辰已の場合は、定義に1点、当てはめに1点しか与えてなかったりする。(もちろん、処分性だけで10点以上のケースもあるだろうけど、そういう例外的なのは別格)。なら処分性は2行から3行でいいや、となる。結局、僕は何が大事で、何が大事じゃないのかが理解できてなかったから答案がうまく書けてなかったのだ。 これでやると、点数はぐんぐん伸びた。正月ころ、司法試験法の5か月前くらいの模試で余裕のA評価になってた。他の科目も辰已の配点表を見て研究したが、やはり当てはめを重視するようになった。 ところで、僕は年末の暇な時期、ロースクールの友だちに誘われて、伊藤塾の模試を1回だけ受けた。集団で受験すると安くなるし、付き合いというのもある。で、これが驚きのC評価だった。受験しながら思ったよ、「なんか問題の傾向が違う…」と。伊藤塾の配点表も見たけど、辰已ほどシステマチックじゃなかったような気がする。 そう、僕は辰已の出題傾向や問題作成者の意思を研究しすぎてしまったのだ。このやり方は、ストレートに他社の答練に通用しないし、肝心の司法試験で外す恐れすらある。ここで初めて「マズイ…」ということに気がついたが、もう遅い。 色々と悩んだものだが、伊藤塾の配点表や出題傾向を研究しようにもサンプルは模試の1個しかない。そもそも、ここで司法試験ではなくて伊藤塾の研究をする意味がない。司法試験の本番は出題の趣旨は出るものの、細かな配点表が見られないから、どこを重視し、どこを重視してないが分からないが、時間もないので、これまでの辰已のやり方を取りつつ、ちょい軌道修正して、そんでなんとか合格しちゃったから、辰已のやり方は間違ってなかったんだろう。 まとめると、予備校答練は配点表を見ながら勉強すれば点数は簡単に取れるようになる。予備校も色々と考えて答練してるので、これにもちろん意味はあるが、あくまで予備校対策にすぎないので、本番とは違うかもしれないというのは気をつけたほうがいいだろうね。
2019.01.20
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ずいぶん前から、仲良くしてる友人にプラモデル作り誘われた。プラモデルなんて20年くらい作ってないし、ガンダムはあんま興味ないな、と思ってたが、ちょうど僕向きの、ドラゴンボールのプラモデルを発見。友人にアドバイスをもらいながら、いっしょに作ってみた。バンダイ BANDAI フィギュアライズスタンダード ドラゴンボール 超サイヤ人4 孫悟空選んだのはドラゴンボールで一番好きな悟空。その中でも、スーパーサイヤ人4を選んだ。正直、スーパーサイヤ人ブルーとか、身勝手の極意より、この野性味溢れるスーパーサイヤ人4が好きなのよ。パッケージはこんな感じ。よく見ると、パッケージイラストの時点で悟空の股関節や肘関節がプラモデル風になってるのが分かる。中を開けてこんな感じ。対象年齢は15歳以上となってて、ちょっと細かい。特に顔。差し替えようの方がこれなんだけど、瞳孔の黄色や、白目、赤い隈取りまでプラスティックで出来ていて、シールを使っていない。一箇所だけ、口の中の赤だけシールを貼ったけど、ずいぶんと細かいよ。途中、晩御飯食べた時点でこれ。だいたい、2時間くらいで完成。うーん、カッコいい…!実は、足の裏が大きなガンダムと違って自力で立たせるのがちょい難しい。もしや、ガンダムの足が大きいのは、プラモデル化も考慮に入れているのでは…。で、片足をついて気をためているポーズはその解決方の1つだね。超安定する。色々とポージングもやらせてみたけど、かめはめ波をためているとこが一番カッコいいね。パンチやキックをしているポーズもいいけど、やはり悟空はかめはめ波だよ。宇宙一カッコいいと思う。これ以外のポーズはないよ。パッケージやアニメのオープニングのように、片足をちょっと岩にのせているポーズもいいんだが、ジオラマから作るのは大変だし、付属のかめはめ波エフェクトは使いたいからね。作ってみた感想だけど、フィギュアと比較すると、どうしても細かい部品が多くなったりするし、関節部分も弱い。ポージングにも限界があると思う。棚から落とせば、自重でポキリと折れて壊れてしまうこともあるだろう。なので、同じお金を出せば、フィギュア買った方が早いかもしれない。ただ、プラモデルは作るところで数時間かかるため、思い入れが深くなる。細かな作業で嫌になったり、イライラすることもあるが、作り上げたときの嬉しさはフィギュアにはないものだ。あと、僕にそんな腕はないが、フィギュアと違って、パーツを改造したりできるのもいいかもね。どうしても、プラモデルというとガンダムになる。が、個人的には、ドラゴンボールのプラモデルはもっと増えてもいいと思うな。作ってて楽しいし、ドラゴンボールに限らず、ほかの漫画とかアニメのプラモデルがあってもいいと思う。これが、逆にガンダムだとフィギュアはほぼ見ない。技術的に作れないわけじゃないとは思うんだけど…。なんにせよ、また作ったら感想書くかな。追記:2019年5月3日の日記で超サイヤ人4ベジータ作った。
2019.01.02
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