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って私はどちらかというと後半が聴きたかったのですがね。(笑)
ベートーヴェンは時差ぼけと仕事の疲れもあって、ちょっと気が遠くなっていました。実は開場後客席入場前に間違えて中を見てしまったのですが(ロビーで無料のドリンクを飲んでいる時間です。。係員に追い出されました)、リハーサル後ピアニストがずーっと曲をさらっておりました。
なので、ちょっぴり「大丈夫かな」なんて思っていた(失礼)ら、本番は当然ながら余裕の完璧な演奏。微妙にピリオド演奏のようなモダンのようなところを揺れ動いていて、ノンビブラートのところがあったり、歌い込んだり、でその間合いはとても自然。無理矢理やっている感がないので、「最近のベートーヴェン解釈はこんな感じなのかなぁ・・」なんて思っているうちに心地よくなって、意識を飛ばしてしまいました。ホールの音響はそれくらい美しいです。
演奏内容のページ(いつなくなるか判りません)から 演奏会の曲目の録音が少しだけ流れる(ページの下の方
にあります)演奏も、まるでCDかのようですが、ほんとにこんな響きが降ってきます。
https://www.concertgebouw.nl/en/page/36876#581ffb57eae47db881558b389f1d9b196bf67b27
拍手で意識が戻り、休憩時間で気を取り直していよいよお待ちかねの「英雄の生涯」。開演前にコントラバスの団員がさらっているのが聞こえるだけでも、「あー、上手いなー」と思わせる物でしたが、本番の音が流れ始めると、とにかく美しい。
強い音、強烈な音(例えば「英雄の敵」や戦いの場面)でも、常に「美しい」が前提にあって、その中での表現という感じでした。個人的にはもっと戦闘シーンなどはカタストロフに至る打楽器群を鳴らしても・・と思いましたが、それは指揮者の個性なのかも知れません。
それとは別に、 自分たちが汲々としながら演奏
したのに比べて、なんと見通しのよいことか。それなりにさらって、各楽器のかなり難しいパッセージもアマチュアとしては何とか弾いたレベルにはいっていたと思っていましたが、この日の演奏は、我々が弾いているスコアが30声部くらいで書かれた曲に聞こえるとすれば、同じ曲が8声部くらいで聞こえるのでした。
こういう楽器が変わりながら一つの声部を引き継いでいくスタイルは、近代以降のオーケストラ曲ではよくあることですが、これを練習で鍛えるのはなかなか難しく(数小節単位でつながる声部になるように各楽器に指示を正しく出すこと、理解することがまず大変。一度学生時代に学生指揮の方が「マイスタージンガー」でやろうとして、破綻した練習現場に居合わせました)、まさに奏者がスコアを知った上で周りの音を聞き合ってアンサンブルしていくしかありません。もう、さすが、という感じです。
もちろん、各個人、セクションの技量は高く、「VcみたいなCb、VaみたいなVc、2ndVnみたいなVa,1stみたいな2ndVn」(1stVnは・・知りません)と言われるこの曲のパート譜が、いとも簡単そうに(実は全然簡単じゃない)演奏されます。
2ndVnが通常チューニングでは出せない最低音(Ges音)を出すためにチューニングを下げ、上げするところなど、どんな感じか気にして見ていましたが、さすがに慣れたもので、キュキュッと数回の調整で素知らぬ顔して音替えが進んでいきました。
最後のコーダ、圧倒的なクレッシェンドでの頂点から、どこまでも続くディミヌエンドは技量未熟な自分たちの演奏ではどうしようもなく苦しいところでしたが(最後の最後で・・)、これもよく響くホールに音を乗せた上で、管楽器群がどんな腹筋しているのか、と思わせるような支えでもって、揺らぎもせず音が無に帰って行きました。
演奏後の響きを十分に味わった長い無音のあと、猛烈な拍手、ブラボー、そしてあっという間にスタンディングオベーションが始まり、私の辺りだと一緒に立たないと(オランダ人は背が高い!)何も見えなくなるので、私も立っての拍手。そういえや日本も熱狂的な拍手やブラボーはあるけど、スタンディングオベーションは少ないかな。 コバケンとその仲間たちオケ
では何度かいただいたことがありますが、そういう評価をいただける演奏が出来ると良いなぁ、と思いました。
演奏時間が長く、カーテンコールもあったせいか、アンコールはなし。もう外は午後10時近くで、気温はすでに氷点下。雪もちらついてきました(翌日はアムステルダム市内も少し積もってた)。単独行動の上夜も遅い(とはいえ、トラムは臨時便が大増発されていて、帰宅の足は全く問題なし)ので、ホテルに戻ってノンアルのハイネケン飲みながら余韻に浸っておりました。
今回はオランダでの仕事が夕方に終わり、翌日の帰国フライトの前泊でアムステルダムに宿泊できたのが幸運でした。先に滞在・帰国した同僚の方は、同じパターンでハイティンクのブラ4を聴けたみたい(それはそれで羨ましい!)。またオランダ出張ないかなぁ(笑)。できればコンサートシーズン(9月~6月くらい)に。
海外での鑑賞履歴です。新婚旅行と、仕事での欧州出張時に偶然乗り継ぎ泊でアムステルダムで昼に行動できた時の3回だけ。
仕事で私が縁があったのは中国、東南アジアがメインだったのでしょうがないですね。
・ウィーン国立歌劇場管弦楽団 ウィーン国立歌劇場 1997/3/23
ドナルド・ラニクルズ
指揮, ジークフリート・イェルザレム
, ジェーン・イーグレン
他 (神々の黄昏)
・ローマ歌劇場管弦楽団 ローマ歌劇場 1997/3
(マスネ:ドンキホーテ)
・ピアノ演奏会(ランチコンサート) コンセルトヘボウ小ホール 2002/4
2021年総括 2021.12.31
オーケストラ・モデルネ・京都 第2回演奏… 2021.11.14
2020年総括 2020.12.31