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え~、今夜は諸般の事情で、明日は早番だというのに、午前3時15分までおきていなければなりません。その理由は、12月まではこの時間帯、つまり火曜日の夜は録画する番組が『もっけ』1作だったのが、ここに新たに『狼と香辛料』が1月から放送を開始したので、デスクを取り替えなければいけないためです。あ~ぁ、レコダーを買う時、奮発してHDD付きのにしておけば良かった・・・。後悔先に立たずとはまさしくこのことです。さて、話は変わりますが、今期、第4クールは中々良いアニメ作品が目白押しです。まずは人気絶好調で、そろそろ天野こずえさんの原作では終盤に差し掛かってきている『ARIA The ORIGINATION』に、先ほどの『狼と香辛料』。さらに『ウエルベールの物語 第二幕』、そして『キノの旅』の黒星紅白さんがキャラクター原案の『シゴフミ』など、見ごたえのある作品が結構あります。光に乗り換えたので、『ウエルベールの物語 第二幕』などは、ネットで配信されるのが視聴できるようになったのが良いですね。さて、ここで簡単に原作の『狼と香辛料』の解説を簡潔に(これが大変なんだな)しておきましょう。この本は、行商人の青年ロレンスと豊穣の狼神ホロの二人を主人公とした一風変わったライトノベルです。世界観は貨幣経済が定着し、様々な共同体が発展した中世ヨーロッパがベースとなっていて、王制や教会、商会などの利害関係、土着の信仰や慣習などが丹念にとり上げられています。そういったものが丁寧に積み上げられて商売に展開されていくのを、面白く読むことができます。幸運、不運に関わらず経済の動きにはなんらかの根拠があり、そこが商売の一番面白いところというのが良く書かれていると思います。また話のメインとなる商取引の顛末についても、なるほどなー、と納得できます。主人公のロレンスが常に一儲けたくらむ商人なので大筋は商売の話になりますが、ヒロインの賢狼ホロとの独特のしゃべり言葉での(「わっち]とかの)小気味良いやり取りも魅力の一つです。やり込められるロレンスや不意を突かれるホロの言葉遊びにニヤリとしてしまいます。とくに、ホロは商売の駆け引きでもなかなか尻尾をださない老練さを持っていながら、食べ物や衣装についてはその尻尾の動きで本音がばればれというところが可愛いです。ファンタジーが全く駄目でなければ、物語の筋もしっかり通っていて登場人物も魅力的な小説ですので一度読まれることをおすすめします。 簡潔ついでに『もっけ(1)』の解説もしておきましょうか。『もっけ』は主人公は姉の静流(しずる)と妹の端生(みずき)で静流は本来見えない妖怪が見える体質、端生は妖怪に憑かれやすい体質をそれぞれ持ち、彼女たちの日常生活の中での妖怪との出会いを中心に物語は構成されています。話は一話完結型でそのつど異なる妖怪が一種類紹介される形となります。作品のテイストは宮崎駿監督のトトロの世界観をイメージしていただくと近いと思います。そのため、お話は、ほのぼの、まったりと話が進んでいきます。でも、妖怪はトトロのようなよい奴ばかりではないので悪いものに憑かれて冷や冷やすることも…。このように、霊的な選良の物の怪への親近感と畏怖の両面が描かれていて、土俗的な独特の雰囲気とポピュラーな絵柄の絶妙な調和を降りなしています。何か落ち着いていて、夢のあるほのぼのとした穏やかな漫画を求めている人にお勧めの一冊です。(こちらは、最新刊です。)では、今夜はこれくらいで。それでは!
2008年01月15日
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みなさま、お久しぶりです。そして、新年おめでとうございます。本年も、鬱と戦いながら、また~りと自分のペースで生きて行きたいと思っております。それにしても、何ヶ月ぶりの更新となったのでしょうか?去年の8月あたりから書いてないような気がするので、半年近く放置していたのか!鬱と気に食わない同僚との闘いと、自動車での通勤による脳の磨耗で家に帰ってからはただ食事してダラリとテレビを見たり。パラリと本を捲ったり、調子の良い時は書を書いたりして、日付が変わる前には寝るという何とも健康的な(精神は荒み切っていましたが)生活を営んでおりました。で、何で今日更新しようかと思い立ったのは、一つ、正月明けたら絶対にブログを復活させるぞと、仏前と神前で誓ったこと。二つ、今日、ようやく我が家に光ケーブルが到達し、開通したという喜ばしき事があったからです。ちなみに今日は図書館は休館日。定年退職した父親と一緒になって工事とインターネットの接続作業を見守り、自分で無線LANをセッテングしてこうして気分晴れやかにブログに書き込んでいる、という状況なのであります。さて、私事はこのぐらいにしておいて、本のお話を少ししましょう。今日紹介する本は、佐野絵里子さんが描いた漫画『たまゆら童子』(2004年、リイド社)です。 佐野さんの漫画は、敬愛する森薫さんの『シャーリー』の新作が載っていた『雑誌 コミックビーム「フェローズ」Vol2』の中にあった『嵯峨野の月影~竹取物語絵伝』という短編作品で、その絵風に引かれていたのですが、去年、偶然にも新しくオープンしたあおい書店名古屋本店で、この絵風に良く似た本が面出しで売られていたので、即買いこんで読み込んだという一冊です。(ご覧のように、表紙からも綺麗で且つ繊細な絵であることがお分かりいただけるかと思います。本の中のカラーページも見事です。)さて、購入してさらに全三巻そろえて読んでみると、本当に独特な雰囲気を持った鳥獣戯画の流れを引き継いだともいえるような、「純日本」製と呼べる絵巻物的な雰囲気さえ漂う一品だと感じました。まさしく絵巻物を思わせる画面構成に、作者自身が丹念に選んだ面相筆によるシンプルな線の画線美。そしてそこから生まれる漫画の体裁を整えながら、決して漫画に収まらない佐野さんの独自の作風。三巻しか出版されていない、というか終わってしまっているのが惜しい、もっと読みたい、眺めたいと思う作品です。さて、そんな佐野さんの描く作品の主人公は、この世のものではない不思議な童子さま。その童子が、平安京の御世から鎌倉時代初期にかけての京の都を舞台に活躍(?)するお話です。登場人物も多彩で、都の一庶民から牛飼い童、侍、女人、さらには、歴史上の人物、紫式部や清少納言、藤原定家に小野道風、平清盛、変わったところでは安部清明まで登場します。さらに、菅原道真の都の館にあった梅の精や比叡の山の御神猿、さらには八百万の神様までお出ましとなるスケールの大きさ。ファンタジーの要素もたっぷりと加味されています。では、少しながら私の好きなエピソードを二つほど取り上げてみましょう。一つ目は、二巻目に収録されている「梅の淡雪」。これは、先に紹介した菅原道真の都の館にあった梅の精が、怨霊となって都人に恐れられているのを嘆き悲しんでいるところへ童子がやって来て、梅の精を道真が配流された大宰府まで一緒に連れて行くというお話です。天神様として、書の神様として崇められる道真と梅の精との関係を題材としたほんわかとなるお話です。二つ目は、同じく二巻目になるのですが「水鏡」。小野道風と藤原佐理とのおはなしです。若き頃から家柄に恵まれず書、一筋に励んで、老いてついに昇殿(宮中に正式に上がる事)栄誉をてにした道風が、同じく昇殿した藤原家の佐理の若く才能溢れる書を見て、己を何度も何度も飛び上がってやっと柳の枝にしがみ付いた蛙と嘆き、佐理を苦も無く柳の高みに燕に例えて、努力とは何ぞやと、己に問いかけている場面に、童子が現れ、佐理とて燕の雛のように最初から飛べたわけではないと、水鏡でその幼き日の姿を見せるというお話です。日本の三筆として称えられる和様の書を作り上げた小野道風(おののどうふう)と、それを受け継ぎ独自に昇華させた藤原佐理(ふじわらのさり)。書を書いている私にとって、どれも心に引っかかり、筆を持つ時にフッと思い出してしまうエピソードです。このように、この漫画の世界観は、とにかく読んでいくうちにいつのまにか引き込まれていくような感じで、多く語りすぎず、舌足らずでもないという読み手が最も心地よく思える、ちょうどよい表現だと思います。とにかく、この漫画の世界観というか、雰囲気は本当に心地よいものがあります。日本人なら、この雰囲気に馴染んで魅了されてしまう人が多いと断言できます。ですので、一度は読んでみることを是非におすすめします。
2008年01月07日
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