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しかし、昼にはアメリカ軍部の中枢、国防総省ペンタゴンに来ていた。

ペンタゴンでインターンシップをしているクラスメイトのアメリカ人、Tがこの日なら空いているからガイドしてくれると言ってくれたからである。

1ヶ月以上前に交わした約束を彼女は律儀に果たしてくれたのだ。

(約束の現場は過去の日記、 2005-03-24-『 先輩であるパウエル元国務長官と会う:CEO of the Yearの表彰パーティにて』 参照)


そう、今の私には目の前の試験よりも残りわずかなアメリカでの日々をいかに満喫するかに情熱を燃やしているのだ。

いかん、後で良からぬ結果になった時に責められるようなコメントは控えておかないと(苦笑)。



日にちや時間のセッティングのメールのやりとりの中でTはこう言っていた。





前述の約束を交わした際の日記本文にも書いたが、テロ後はそれまであった一般観光客向けのツアーも無くなり、内部に入れるのは職員と彼らが保証人として入館を許された者だけになってしまった。

私としてはむしろそのような厳戒体制のペンタゴンがどのような雰囲気、構造なのかを実際に感じてみたいという思いもあったのだ。


ペンタゴンは私の居住地と同じヴァージニア州にあり、うちから地下鉄で1回乗り換えがあって15分くらいで着く。

地下鉄にはその名もペンタゴン駅がある。

かつては観光名所として一般の観光客もたくさん乗降していた駅だが、現在は乗降客のほとんどが職員(軍人・文民を含む)ということになる。

さらに、私がDCに来てからも何度かあったのだが、なんかしらの緊急事態が発生した場合には地下鉄はペンタゴン駅には停車をせずに通過する。

自分がテロのターゲットとなり得る建物の近所に住んでいるのだと実感し恐ろしくなる瞬間でもある。


そんな本丸へ今日は向かったのだ。

入館の時点で2か所の金属探知ゲートを通る厳しさ。

警備ももちろん軍人さんが担当している。

写真付きのIDも1種類では通らず、2種類見せなくてはいけない。



興味深かったのが「携帯電話やPDAを持っている場合はそれを見せなさい」という指示である。

警備担当のお兄さんが携帯の液晶をじっと眺めている。

私の予想であるが、これは携帯電話が爆弾の起爆装置として使われたテロの事例を受けての対策ではないだろうか。

でも液晶を眺めるだけで何か見破れるのかな??


入り口まで出てきてくれたTが保証人となって訪問者用の入館IDを作成してもらった。



つまり1人でうろちょろしていたら捕まるよ、ということである(笑)。

やはり、これまで入館したどの国際機関より厳しい。


かくしてTによるペンタゴンツアーが開始したのであった。

ペンタゴンでは軍人、文民の職員を全て合わせて23,000人以上が働いている。

ペンタゴンとは五角形という意味であり、建物の形を表しているのだが、五角形の5つの辺それぞれが、Army(陸軍)、Air Force(空軍)、Sea Service(海事関係)(Navy, Marine, Coast Guard)の5つに平等な割り当てではないそうだが、振り分けられているということだ。


T自身は私と同じビジネススクールでインターナショナルマネジメントを専攻する学生であり、ここではエアフォースに関わる1年契約の仕事をしているインターンシップという身分で軍人ではない。

本人は国防省の内部で官僚機構の効率の悪さを感じながらも、自分がこれまで知らなかった国家機構の仕組みを仕事を通じて理解できていることに充実しているとのことだったが、彼女のご両親は自分の娘がテロの格好のターゲットで働いているのをとても心配しているということだった。

無理もないだろう・・・。


内部に入ってすぐに目に付いたのがお馴染みのドラッグストア(CVS)やダンキンドーナッツなどの店の数々である。

それらの店は洋服店、宝石店、メガネ店から床屋、郵便局、銀行まであらゆるものを網羅していた。

車の登録をする役所であるDMVまであったのには驚いた。

2万3千人を超える職員達がオフィスを出る必要のないように揃えられたショッピングセンターがそこには存在しているのだ。

私もギフトショップの1つでペンタゴンTシャツやマグネットを購入。

ここでしか買えないかどうかは疑問だが(笑)。


その後、彼女のオフィスのある空軍のエリアを中心にペンタゴン内部を歩きに歩いた。

内部にはこれまでの戦争の歴史やNATOに関する資料・物品などが展示され、ちょっとした博物館のようである。

ちょうどTのオフィスのそばにラムズフェルド国防長官のオフィスがあるというので、その目の前も通ったが、彼がちょうど出てくるという偶然はさすがになかった。


Tのようなインターンを含む全職員のデスクの下にはバイオテロ用に着用するマスクなどの装備が1人1つ収納されているという。

また、廊下の至るところで非常用ガスマスクが設置されていた。

まるで自動販売機のように・・・・。


皆さんはペンタゴンの内部が中庭の公園のようになっているのをご存知だろうか。

さらに、ペンタゴンのちょうど中心にはサンドイッチやホットドッグを売っているような売店が位置しているのだ。

ここだけ見たら普通の公園である(笑)。


9.11のテロの時に破壊され改築されたというゾーンに入った。

確かにこの一帯だけ異様に新しい。

Tによれば、あのテロによるペンタゴンのダメージは致命的ではなかったとは言え、それでも200人を超える死者が出たという。


職員達がいったいどのようなプレッシャーで働いているのか想像もつかない。

しかし廊下を歩く彼らはみな誇りを持ち生き生きとしていたように思えた。



アメリカが関わる関わらないに限らず、これまで起きた戦争、これから起こり得る戦争に対して決して賛成はできないが、軍部の中心を垣間見て、物理的にも精神的にもアメリカの強さの1つであるのだと感じたのであった。



えっと・・・・、その後に受けた試験ももちろん頑張りましたよ(笑)。










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Last updated  2005/05/04 05:20:34 PM
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