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この前も書きましたが、父の主治医の話はやはり相当厳しいものでした。
痛みを訴えるようになって、鎮痛剤を使いながらもまったく効果がなく、どんどん痛みが強くなる中、いろんな検査をした結果とどのつまり骨髄腫の病気からくる痛みだということで、今後は痛みを取ることに専念する緩和ケアに移るということでした。
これまで、どんなに大変な状況で、腎臓内科のドクターがあきらめた時でも、「私はまだあきらめる時ではないと思います」「緩和ケアはまだまだ先の話です」「病気がよくなっても動けないと大変だからリハビリがんばりましょう」「私はどんな状況でも完治をめざします」と、常に前向きな発言しかしなかった主治医が、今後は緩和ケアを・・・と言った時点で、あぁ、父は本当にダメなんだと思いました。
この時、骨のレントゲン写真を見せてもらったのですが、素人の目でも悪いところがはっきり。全身の骨がぼろぼろの状態・・・どんなに痛いだろうとかわいそうで、かわいそうで・・・
ドクターの話では、モルヒネを使っていく上で、これからは意識がしっかりしないことも出てくるので会話ができなくなってくることをわかってもらって、痛みのコントロールをしていきたいとのこと。
それから延命治療(人口呼吸器などの)は行わないという、当初からの確認もしました。
私たち家族は、とにかくまずあの痛みを一刻でも早く取ってあげてほしいとお願いしました。そのために、眠った状態になっても、話ができなくなってもしょうがない、それよりも痛みを取ることを最優先してほしいと・・・
この頃、痛みがピークのときは、本当に痛がって痛がって、血圧測定やオムツ替えなどを完全拒否。体に少しでも触っただけで、「痛い」と叫び「触るな」と怒る状態でした。でも、あいかわらず下痢が続いているので、オムツも替えないと大変なことになるし・・・
こんな状態が何日も続いたら父もかわいそうだし、一生懸命ケアをしてくれているナースのみなさんに申し訳なく、少しでも早く痛みを抑えることができればと願っていました。
モルヒネを増やしてからは、だんだんと効いてきて、楽そうに眠ることが多くなってきて、うつらうつらしながらも目が覚めたときに、少しだけお話する(時々とんちんかんなこと言うけど)・・・最近はそんな毎日です。
ある日、部屋に様子を見にきたドクターが、「コントロールできるようになってきたので、このまま痛みを取っていきますね。ところでお孫さんは来てる?できるだけ来てもらったらいいよ。これまでいろんな患者さん見てきて、お孫さんが一番の薬になるみたい。お孫さんのパワーはすごいですよ」とおっしゃいます。
ちょうど次の日が土曜なので、元々娘はお見舞いに来るつもりでした。さっそく土曜日に娘を連れて病室に向かうと・・・
娘の顔を見るなり、娘の名前を呼んでにっこり笑ってピースサイン。父の笑顔なんて何日ぶりに見ただろう・・・。ここ数日意識もしっかりしてなかった父が、孫との会話を楽しんでいます。前日とはまったく別人。
この日は神戸にいる息子の誕生日。そのことを話すと 「結婚式行けなくてすまんと言っといてくれ」って。そして「行きたかったなぁ・・・」って。それ聞いて、父はもう長くないことを覚悟してるんだなと涙でそうになったけど、我慢、我慢。
私とはタイガースネタで盛り上がり、すっかり以前の父のようで嬉しくなりました。とにかく痛みのないことが救いです。
この日の状態が続けばいいと願ったけれど・・・
その次の日になると、また意識がしっかりしなくなりました。土曜日の父があんなに調子がよかったのは、ドクターの言うように、孫の力なんでしょうかね。娘には、以前のままのじいちゃんと会わせてあげられて良かったと思います。