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2017年04月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今朝、新聞を開いて、訃報を知り絶叫してしまった。

まさに「巨星墜つ」。冗談抜きで「死なない人」だと
信じて疑わない節があったから、本当に驚いた。

矢来町のときみたいに「これで落語が終わった」などと
バカなことは決して言わないが「戦後落語黄金時代」は
終わった…という気がする。

もちろん、まだ金馬、米丸、笑三というお歴々がいるが、
テレビ・ラジオ・映画と全てにおいて超人的な大活躍を
された最後の生き残りの噺家が、圓歌師匠だったと思う。


師匠だものね。

享年88。一部報道で「享年85」と発表されたようだが、
これは空襲で戸籍が焼け、後に改めて戸籍を作った際に
昭和7年生まれになっちゃったから。

ホントは昭和4年の生まれ(のはず)。圓菊師・金馬師と
同い年のはずだ。…ちょっとサバぁ読んだのか(苦笑)?




「昭和の爆笑王」という称号は、たけ平師の大師匠である
林家三平師に付けられることが多いが、「真の爆笑王」は
私は圓歌師だと思う。

「授業中」「月給日」「浪曲社長」「中沢家の人々」…。


圓歌師匠がウケなかったところを見たことがない。

どんなに重い客席(昼間の末廣亭とか)でも、圓歌師匠が
高座で喋りはじめると、クスクス笑いが徐々に起きてきて、
最終的には「天井が壊れるんじゃないか?」と思うほどの
大爆笑になったのを何度も経験した。



これは、ウチの母親がよく言っているのだが、歌奴時代に
一世を風靡した新作落語の「授業中」。

今日の訃報では「山のアナアナ」ばっかし言われていたが、
母親曰く「『授業中』は、一席まるまる全部が流行語」と
言ってもいいほどだったらしい。

それが証拠に…最近、ハンバーガーのパンのことを
「バンズ」と言うことが増えたが、この言葉が出ると
我が家では…

「バンズバンズ(まんずまんず)、座ってけれや」
「おい、饅頭座って蹴飛ばせとよ!!」


…という「授業中」のフレーズを必ず言う(笑)。
ワインの「マンズワイン」ならば、もっと言う(笑)。

あと「浪曲社長」の…

「♪敵の爆弾、雨あられ、親父目掛けて、ガバと!!」
「当たったのか!?」
「♪弾がよ~けていきまし~た~」


…てえのも、名フレーズであろう。65歳以上の日本人で、
小さいころに、ある程度テレビやラジオで演芸番組を
見ていた人なら、100%近く知ってるフレーズだと思う。

歌奴時代は、神風タレントとしても大活躍をされた。
ドラマにも出まくり、東宝の『落語野郎』シリーズには
4作全部に出てるし、そのうち1本は主役だし!

明治チョコのCMの「おれ、ゴリラ。社長の代理」ってのも
一世を風靡した大流行語でもあったわけだし。




しかし、最強に凄い功績は、上田敏が(上原敏じゃない!)
訳詩した、カール・ブッセの『山のあなた』を、全国区に
したということであろう。

「山のあなたの空遠く、幸い住むと人の言う…」という
この名訳詩を、虎造節で唸りたくなるのは、私だけでは
あるまい(苦笑)。

8~9年前に、末廣亭で1度だけ聴いて腹ぁ抱えて笑った
エピソード(クスグリ)があった。ほかの高座では私は
聴いたことがないクスグリ。

まあ、圓歌師匠の言うことだからウソなんだろうけど(笑)
昭和30年代~40年代、あるテストで「『山のあなた』の
作者を書け」との問いに、70%の学生が「三遊亭歌奴」と
書いたという(笑)。

でも、これが事実であってもおかしくないほど流行った…
ということを如実に表すクスグリだと思ったっけ。

一度でいいから、寄席で生で「授業中」と「浪曲社長」を
聴きたかった(涙)。




私は何度となく「中沢家」で客席をひっくり返した場面に
出くわしているが、最も印象的なのは、2012年6月29日の
鈴本演芸場「第3回・鈴本囀の会」にゲスト出演したときの
「中沢家」。

三遊亭司・林家たけ平・柳家喬の字の三人会に、ゲストで
出演された、このときの高座は忘れられない。

孫弟子の司師も、たけ平師も「震えた」と後に言うほどの
完成度&大爆笑で、若手相手でも決して手を抜かない姿勢に
「藝人スピリッツ」を感じ、感動したものだ。

…誰か録音してないかな?あの高座(笑)。




私は三平師の高座には間に合ってないが、圓歌師の高座は
バッチリ間に合うことができた。何回か数え切れないほど、
生で「中沢家」を聴き、次に何を言うか分かっているのに
涙を流して、腹ぁ抱えて爆笑した。この十数年間。

もう「中沢家」が生で聴けないのが、信じられない。

正月の寄席の看板に(通常興行もだが)「圓歌」の名前が
二度と出ないというのが、信じられない。

圓蔵師匠のときも同じことを書いたが、今まで何度となく
大爆笑させていただいた分、辛さと悲しさが半端じゃない。

「『しばらくでしたぁ~中沢さん…』同級生だョ、俺の!」
「『猪木が危ねえ!』、テメエのほうがよっぽど危ねえ」
「可哀想なのは鳩だよ、豆ェくれるンだか、くれねンだか…」


…このフレーズを書いただけで、もう涙が出てきてしまう。

ここでも書いたが、一昨年の3月8日、三遊亭司の真打昇進
披露パーティーの終宴時。勇気を振り絞って、圓歌師匠に
挨拶させていただき、2ショット写真を撮っていただいた。

談志師匠ももちろんだが、戦後の落語の歴史を語るときに
欠くことのできない大重鎮と話せた、写真を撮ってもらった
というのは、本当に私の中の財産である。

圓歌師匠、本当に長い間、お疲れさまでした!
噺家生活は72年…ということになりますでしょうか?

心より、ご冥福をお祈り申し上げます。





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最終更新日  2017年04月24日 22時57分08秒
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