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開催日:2018.5.4(金) 12:30開演場所 :まつもと市民芸術館主ホール(1,367名収容)日本でも最大規模を誇るスクールバンド大阪桐蔭高校吹奏楽部のアルプス一周特別公演に行ってきました。プログラム第一部 課題曲ステージ1.古き森の戦記2.マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ3.吹奏楽のための「ワルツ」4.コンサートマーチ「虹色の未来へ」-ジョイント演奏-5.宝島第二部 ミュージカルステージ6.ミュージカル「ラ・ラ・ランド」7.ミュージカル「ノートルダムの鐘」第三部 マーチング・リクエストステージ-マーチング-1.歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲2.桐蔭ファンファーレ3.「スターウォーズ」メドレー4.キャラバンの到着5.「美女と野獣」メドレー-大阪桐蔭高校吹奏楽部の歩み-6.栄光の架橋7.風が吹いている8.今、咲き誇る花たちよ9.HERO-リクエストコーナー-10.「ゲーム」メドレー11.「嵐」メドレー12.甲子園応援メドレー13.北国の春~北酒場14.愛燦燦15.ラプソディー・イン・ブルー16.情熱大陸アンコール17.銀河鉄道99918.星に願いをレポート公開リハーサル開演前、10時30分の公開リハーサルからの取材となりました。公開リハーサルでは、第二部のミュージカルステージの合わせがほとんどであったようですが、これは会場によって照明等の調整が変わるためなのかなと思いました。また音楽的なことはほぼ完成されているようで、やったことはティンパニの音量調整くらいで、後はほぼ曲が自然に流れていて踊りやセリフ合わせをするという感じで、本番でのクオリティーの高いステージが目にうかぶようでした。12時からは合同演奏リハーサルということで、地元小中学生が入っての合わせとなりました。こちらは宝島を2回通しということで、その人数に圧倒された次第です。古き森の戦記課題曲の演奏は、170名いるという部員から55名に絞っての演奏となりました。課題曲1を生で聴くのは初めての機会となりましたが、55名という人数を揃えてうまく演奏すると重厚感もあって聴き栄えする曲になるのだなと感じた次第です。マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ楽譜通りに演奏してもあまりよい音がしないマーチとの風聞がありますが、そのあたりも大阪桐蔭吹奏楽部にかかると魔法にかけられて・・・のようで、なかなかにキラキラしたステキなサウンドの曲になっている!と思いました。吹奏楽のための「ワルツ」課題曲3は昨年のインテツメッツォに続いて静かな曲となりましたが、ある意味課題曲にしておくにはもったいないようなステキな曲で、演奏会で時間を気にせずゆったりやりたいという感じがしました。コンサートマーチ「虹色の未来へ」4つある課題曲の中で一番人気となるのは間違いなさそうな良曲ですが、普段からウインズスコアの郷間氏の編曲に慣れているとさらに吹きやすいのかもとも思いました。そしてその良曲を大阪桐蔭吹奏楽部が演奏すると、まさに虹色の未来がステージ上に広がるように感じられた次第です。宝島ステージ上には200名以上いるだろうか・・・。という合同演奏ですが、ステージの床が見えないくらい人がいる・・・。そんな表現が近いのかもしれません。そして宝島名物のサクソフォーンソロは、9人で前に出ての演奏。普通これだけ人数がいれば合わないのが当然ですが、これが1本に聴こえるのだからかなりすごいことです。さらに、木管群の細かい動きもとても合っていて、恐れ入りましたというところです。ミュージカル「ラ・ラ・ランド」ダンスと歌をメインにしたミュージカルですが、公開リハーサルとは違いカラフルでステキな衣装がステージに映えてとても素晴らしかったです。ちなみに演奏者はステージ下の客席の前の方にピットを作って演奏していましたが、それでは人数がおさまるはずもなく、ステージの左右にも奏者の列ができている豪華さでした。ミュージカル「ノートルダムの鐘」公開リハーサルで入念にチェックされていたステージですが、本番の衣装を着てなるほどそういう役柄だったのか!とわかり得心した次第です。それにしても生歌といい、生演奏といい、こんな豪華なステージは今まで見たことが無かったのでただただ驚くばかりでした。そしてノートルダムの鐘のストーリー。これも大変面白く興味をそそられるもので、曲もちょっとシリアスな感じが心にぐっとくるものがありました。歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲~桐蔭ファンファーレ~「スターウォーズ」メドレー~「美女と野獣」メドレーこちらのマーチングは4曲ノンストップでの演奏になりました。アイーダはファンファーレ的な位置づけ。ブリッジに桐蔭ファンファーレが入り、スターウォーズは目の覚めるようなトランペットの冒頭部。キャラバンの到着は福田氏アレンジの私的には昨年演奏したのでなじみがあり、この曲こんなにサウンドぶ厚かったっけ?と思ったりしましたが、トロンボーンのソロが、本当にソロになっていて、その部分だけさっとソリストを盛り上げる演出がされていて、これはとてもカッコ良かったです。美女と野獣は、3月に松本文化会館付属管楽アンサンブルで演奏したハイライト版をピックアップしていたようで、懐かしくもあり、とても楽しめました。栄光の架橋~風が吹いている~今、咲き誇る花たちよ~HERO大阪桐蔭高校吹奏楽部の歩みが前部スクリーンにて紹介されながらの演奏となりました。2005年の創部でわずか13年で部員170名への急成長。さらに吹奏楽コンクール全国大会常連。年間80回にもおよぶ公演。1曲目が栄光の架橋だからという訳ではないですが、まさに栄光の歴史という感がありました。余談ながら、2005年といえばあのAKB48の創設の年と同じということで、今のAKBの発展と比べてもすごいことだと思うところでした。「ゲーム」メドレーここからはリクエストコーナーということで、50曲のレパートリーの中からリクエストに応えて演奏してくれるという内容でした。そしてそのリクエストの方法はどうやるのか?と思っていたら、音楽監督の梅田先生が、ボールをバットで打つ、または投げるで、それをキャッチした人がリクエストできるというシステムでした。最初は梅田先生の不調で前方座席までしかボールが飛びませんでしたが、後半は後部座席まで飛んだりしてなかなか盛り上がりました。リクエスト最初の曲は、ゲームメドレー。子供さんのリクエストでした。「嵐」メドレーリクエスト2曲目は、嵐メドレー。梅田先生が「TOKIOでなくて良かったです。」は、少々ブラックユーモアでしたが、人気からすれば嵐はダントツなのでもしも嵐にスキャンダルが出たらジャニーズが傾きかねない事態になるのかなと思ったりました。甲子園応援メドレー大阪桐蔭と言えば野球が強い訳ですが、こちらで応援する曲のメドレーだそうです。リクエストでこちらを選ぶと、さらに甲子園で演奏した曲の一覧が出て、「どの曲にしましょう?」となります。今回選ばれたのはアフリカン・シンフォニーとなりましたが、これに加えて得点が入った時の曲なども演奏してくれて、行ったことはないが、甲子園気分を味わうことができました。北国の春~北酒場こういう曲もいいね!というリクエストでした。冒頭のトランペットソロがちょっと失敗してしまって、梅田先生のリアクションで会場から笑いが出たりと和やかなひとときになりました。愛燦燦こちらは、ボールのリクエストではなく前売り券を買う時に事前にたくさんの人からリクエストされていたとのことで特別演奏となりました。昭和の歌姫の名曲。次の時代の平成も終わろうとしている今、感慨深いものがありました。ラプソディー・イン・ブルー梅田先生いわく、この曲は演奏者にとってはなかなかしんどい曲。とのことですが、「クラリネットのリード奏者がリードを一番良いのに交換しますので少々お待ち下さい!」とアナウンスするなど、とても親近感を覚えるところでした。曲は7分にもおよぶもので、確かにこれは演奏者にとってはしんどい曲だなぁと得心するところでした。情熱大陸リクエストコーナー最後の曲は、情熱大陸となりました。こちらはサクソフォーンのアンサンブルから始まる編曲版で、こちらはさっとサクソフォーン奏者が前に出てきてスタンバイ。演奏しなれている感じがしました。銀河鉄道999アンコール1曲目は、大阪桐蔭高校吹奏楽部の18番のようですが、冒頭はかなり豪華な作りで何の曲かわからなかったですが、サビが始まると999だとわかりました。星に願いを締めはこの曲。西洋の夕焼け小焼けというイメージがある曲ですが、12時30分に開演して3時間におよぶステージが無事コンプリートとなりました。まとめ今回のアルプス一周特別公演は、5月3日が岐阜、4日が長野、5日が新潟、6日が石川という遠征スケジュールだそうですが、翌日の信濃毎日新聞の記事によれば大阪桐蔭高校吹奏楽部三年生の立川万里子さんが長野市の昭和小学校金管バンド、川中島中学校吹奏楽部の出身であり、ふるさとで演奏したいとの想いを部が知って企画したそうです。また立川万里子さんを応援するタレ幕も会場内に設置されており、故郷に錦を飾るとはこういうことかと思う次第でした。また梅田先生の話では、4公演の中で、まつもと市民芸術館が最も設備の優れたホールで、ここでできる最高の演出を足を運んでくれた皆さんに見て頂きたいと思ったので、そのために照明要員も増員して臨んでいますとのことでした。じつは私もこのホールに来たのは初めてでしたが、なるほどすごいホールだと思わずにいられないところがありました。そして大阪桐蔭高校吹奏楽部の楽器運搬専用の10トントラック。こちらは運転手付の専用車で、ある方が寄付してくれたそうで、こちらも梅田先生からの紹介がありました。終演後は梅田先生以下、スタッフと部員たちは急いで撤収して次の新潟公演のため妙高市へと向かうとのことでしたが、これだけの公演を4日連続で行うというのはすごいと思いきや、よくよくきけば年間80公演をこなすとのことで、そうなると計算上週に1回は本番があるということになり、これも本番をこなすことが力量アップにつながるという信条のもと行っているとのこでした。
May 5, 2018
開催日:2018.4.30(月) 14:00開演場所 :紀尾井ホール(800名収容)日本最大のクラリネットクワイアーである東京クラリネットクワイアーの演奏会に行ってきました。プログラム前半1.序曲「ローマの謝肉祭」作品9 2.ポルカ「突進」作品3483.ワルツ「ウィーンのボンボン」作品3074.狂詩曲「スペイン」後半5.交響曲第2番 作品36アンコール6.アダージォ・カンタービレ7.クラリネット・ポルカレポート序曲「ローマの謝肉祭」作品9 フランスの作曲家へクトル・ベルリオーズの作品で、冒頭の導入部の後、アルトクラリネットのソロによる穏やかな弱奏部が続くとても印象的な編曲になっています。吹奏楽のアルトクラリネットは、他の楽器の音に溶け込んでしまいなかなかの生の音色というものを聴くことができない傾向がありますが、こういうところでアルトが主役を取るのはクワイアーならではの醍醐味なのかなと思いました。後半は華やかな曲調が続きますが、同族楽器の利点なのか高音クラから低音クラまでのサウンドがうまく融合して、とても耳にしっくりくるやさしい音楽で癒されるひとときになりました。ポルカ「突進」作品348ヨハン・シュトラウス2世の作品で、クワイアーの演奏会ではおなじみのポルカ系ですが、突進の題名の通り、とても前に進む感じのする音楽だと感じました。ワルツ「ウィーンのボンボン」作品307こちらもヨハン・シュトラウス2世の作品ですが、1865年頃に産業協会舞踏会のために書かれたワルツだそうで、ウィーンの砂糖菓子ボンボンをモチーフにして、とても甘い感じのするステキなワルツと思いました。狂詩曲「スペイン」フランスの作曲家シャブリエの作品ですが、彼がスペインに滞在した時の想い出を曲にしたもので、どこかスペインの香りのする曲になっているようでした。交響曲第2番 作品36今回の演奏会のメイン曲。9曲あるベートーベンの交響曲の中でも、演奏会機会が少ない2番との紹介文がありましたが、この2番には第3番『英雄』、第5番『運命』、第6番『田園』、第9番『合唱付き』のような副題が付いていなかったりとインパクトが薄い印象があったようです。紹介文によれば第2番は他の交響曲には無い試みが入っているそうで、聴いていてどこかベートーベンらしくない気がする・・・と感じたのはそういったことなのかもしれませんが、複数楽章からなる堂々たる大曲であり、クラリネットクワイアーとの相性もとても良いように感じられました。アダージォ・カンタービレアンコール1曲目。どこかできいた事がある有名な曲・・・でも曲名が想い出せないというところでしたが、終演後に看板が出ていてすっきりしました。アンコールの1曲目は静かな曲というのが最近の演奏会のトレンドになっているようですが、その流れでとても良い耳休めの曲と感じました。クラリネット・ポルカTCCのアンコール2曲目の定番曲かと思いますが、上から下まで交代で旋律をとってゆくのもクワイアーならではの楽しみというところでした。まとめTCC演奏会には過去2回ステージで演奏者として参加していたので、今回初の客席での鑑賞となった訳ですが、客席ではこんなふうに聴こえているのかと感じ、それはとても新鮮なものでした。そして改めてクラリネットクワイアーによるやさしい音色のハーモニーに癒された感がありました。およそ1時間半の演奏を聴いた後も耳の疲れを感じなかったのも不思議な感覚でした。
May 3, 2018
開催日:2018.4.29(日) 14:00開演場所 :千曲市文化会館 あんずホール(760名収容) GW恒例となっている長野県の吹奏楽伝統校である屋代高校吹奏楽班のOBOG会である奏鳩会のコンサートに行ってきました。プログラム第1部1.エル・カミーノ・レアル2.Sheltering sky3.マーチ「ライヴリーアヴェニュー」4.「アンセム」~吹奏楽のための第2部 特別演奏5.屋代高校校歌~屋代高校附属中学校吹奏楽班の皆さんによる演奏~6.吹奏楽のための民話~屋代高校吹奏楽班の皆さんによる演奏~7.コンサートマーチ「虹色の未来へ」8.序曲「春の猟犬」9.シングシングシング第3部10.オリエント急行11.メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード12.お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~~合同演奏~13.レ・ミゼラブルアンコール14.エルクンバンチェロレポートエル・カミーノ・レアルつい先月に演奏された長野消防のエルカミがまだ記憶に新しいところでのエルカミでしたが、こうやって繰り返し演奏されるというのはやはり曲が良いからに他ならないということでしょうか。私自身もリード作品の中では、最も好きな曲ということもあり、機会があればまたやってみたいかもと感じた次第です。Sheltering skyいわゆる演奏会で1曲は必ずある静かな曲カテゴリーの1曲ですが、この曲はとても美しいハーモニーが印象的でした。それを象徴するような場面として、ビフラフォンの音板の背を弓で弾いて音を出す奏法が出てきていましたが、とても繊細な音が出ており、とても癒されるひととになりました。マーチ「ライヴリーアヴェニュー」昨年は天国の島でしたが、今年は同じ2011年のこちらです。正統的なマーチですが、当時ミセスロイドのマーチと呼ばれていた記憶があります。このあたり、曲は無限に作れるけれど、コード進行のパターンには限りがあるのかもで、そこで似てくる曲がでてくるのはやむをえないところなのかな・・・と感じるところです。「アンセム」~吹奏楽のための奏鳩会のコンサートといえばこれ。という無くてはならない曲になってきましたが、思えばアンセムの初演を聴いてから早数年。何度聴いても素晴らしい賛歌だと感じます。そして曲紹介でも触れられましたが、指揮者によって色が変わるとのこと・・・。そういった意味ではこれからもたくさんのいろいろなアンセムが聴けると想像したらなんだか楽しくなったひとときでした。屋代高校校歌例年通り高校吹奏楽班の現役生が歌い、中学吹奏楽班が伴奏するというスタイルでの演奏となりました。余談ながら中高一貫教育だと校歌は1つで良いのか・・・なるほどそれはそうだよなと妙に納得してしまった次第です。吹奏楽のための民話60~70年代にかけて圧倒的な人気と演奏頻度を誇った。さらに冒頭のクラリネットのシャリモー音域による1メロが印象的・・・。というのがこの曲の大まかな印象な訳ですが、その名曲をまた新進気鋭の中学生が演奏して歴史は繰り返されると思うと何やら壮大なものを感じました。コンサートマーチ「虹色の未来へ」この曲は今年の課題曲4ですが、特筆すべきは作曲者がウインズスコアの社長の郷間氏であること。その点が曲紹介でも語られた訳ですが、数多くの名曲を作ってきた故・岩井氏、それに続いた故・真島氏、その後は天野氏などの大物作曲者が何人かいる中で、良い意味で多くの人に演奏されるような曲を作る作曲者として郷間氏の存在は今の日本の吹奏楽にとって欠かせないものになりつつあるのかなと感じるものがありました。序曲「春の猟犬」時期とすれば、晩冬~初春にかけての曲かと思いますが、こちらもリードの曲としては演奏頻度が高く、昨年は奏鳩会本体で演奏され、今年は現役生が演奏と不思議な縁を感じるところです。シングシングシングシングシングシングもいろいろな編曲版がありますが、こちらは一番難しい岩井氏版のようで、クラリネットのソロが2回あります。聴いていて思ったのですが、ベークラでその音域はキツそうでかなり命がけで吹いている感があるので、もしかしたらソロをエスクラでやればもっと自然な感じ吹けるのではとも思いました。最もその命がけな感じが良いと言われれば、それも一理あると言わざるを得ないところではあります。オリエント急行スパークだなと思う1曲ですが、思い切り豪華な冒頭、そして汽車が発車する時の汽笛。これは使う笛によってイメージが変わると思いますが、今回の演奏で使った汽笛の笛がなにやら本物っぽくてすごく気に入りました。もしかするとパーカッショニストさんのこだわりの逸品の笛なのかもしれませんが、とにかく音色が良いです。余談ながらこの曲は私自身もいま取り組んでいる曲なので、ここはこう吹いたら良いとかいろいろ勉強にもなりました。メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード去年ファンティリュージョンだったので、今年は原点回帰でこの曲!ということかもしれませんが、なかなか大変な曲というのは聞いた感じでよくわかります。木管も金管も容赦ない・・・。そんなところです。お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~今年はこの曲にえらく縁がある・・・。ここまで既に演奏2回、そして聴いて3回目。ということですが、ここまでくると聞きながら譜面が浮かんできて、また別な楽しさが出てくるところです。乾杯の演出もあり、本当に演奏会映えする曲ってこういうことだよな・・・と思うばかりでした。レ・ミゼラブル現役の三年生を加えての超大編成での演奏となりましたが、こちらも演奏頻度が相当高く、とにかく森田氏のアレンジが超絶カッコイイだけに、演奏者冥利に尽きる面ところがたくさんあるなと改めて思いました。こちらは機会があればまた演奏したいと感じた次第です。エルクンバンチェロ屋代高校の18番とも言うべき曲ですが、中高生が全員入っての超超大編成での演奏となりました。それでいて容赦の無いハイスピードということで、まさにこれぞ屋代サウンドの真骨頂なのかもというところです。まとめ今年で奏鳩会の演奏会は12回目になるとのことですが、毎年けして易しくない大曲群を揃え、現役生も絡めたステージで見所満載とこの地域の一大イベントとして定着している印象を受けました。また演奏会の時期もちょうどよい感じで、連休のお決まりイベントになっているのかなと思った次第です。
April 30, 2018
開催日:2018.4.8(日)15:00開演場所 :軽井沢大賀ホール(784名収容) 軽井沢を拠点に活動する廣田喜美先生と細井美来先生の生徒たちによる発表会に行ってきました。また今回は上田ウィーンアカデミーで廣田先生にお世話になっている縁でクラリネットアンサンブルの一員としての出場もありました。プログラム1.【ピアノ】小さな世界、となりのトトロ(連弾)2.【ピアノ】こどものうた、よろこびのうた3.【ピアノ】茶色のこびん、しろい雲とあおい空4.【ピアノ】たんじょう日のマーチ、アビニョンの橋の上で5.【ピアノ】こいぬ、シンデレラのおはなし6.【ピアノ】お人形の夢の目覚め7.【ピアノ】ソナチネ作品36-1より第1、3楽章、カントリーロード(連弾)8.【ピアノ】フランス人形、真夜中の火祭り9.【クラリネット】2本のクラリネットのための協奏曲10.【クラリネット】イントロダクション、テーマとヴァリエーション11.【クラリネット】ロンド12.【クラリネット二重奏】オーラ・リー、ふるさと13.【ピアノ】ねこふんじゃった(連弾)、ふまれたねこの逆襲14.【ピアノ】練習曲 作品10-3より、ロンドン橋(連弾)15.【ピアノ】オペラ「マルタ」より16.【ピアノ】仔犬のワルツ17.【ピアノ】ドレミの歌、魔弾の射手18.【ピアノ】ト調のメヌエット、くるみ割り人形より金平糖の踊り、トレパック(連弾)19.【ピアノ】森のかもつれっしゃ、威風堂々20.【クラリネット五重奏】ある森の一日21.【ピアノ】お人形と夢と目覚め22.【ピアノ】スケーターズワルツ、ミッキーマウスマーチ23.【ピアノ】紡ぎ歌24.【ピアノ】エリーゼのために25.【ピアノ】アイネクライネナハトムジークより第1楽章26.【ピアノ】ピアノソナタ第1番より第1楽章27.【ピアノ】魔女の宅急便より晴れた日に28.【ピアノ】エーデルワイス29.【ピアノ】千本桜30.【ピアノ】エリーゼのために31.【ピアノ】バームクーヘン32.【クラリネット】コンチェルティーノ33.【クラリネット】クラリネットのための第1狂詩曲34.【クラリネット】クラリネット協奏曲 第2番より 第3楽章35.【ピアノ】愛の小径36.【ピアノ】ピアノソナタ第3番より第1楽章37.【クラリネットアンサンブル】悪魔の踊り講師演奏:細井美来 【ピアノ】 練習曲 作品10-12講師演奏:廣田喜美・細井美来・田中美恵子(賛助出演) 【ピアノ・クラリネット・ヴィオラ】おとぎ話 作品132より 第1、4楽章レポート演奏出演のため、35番~36番は聴けませんでしたがそれ以外はじっくり聴くことができました。その中でも特にこれいいかも!と思ったものについて少々レポートしたいと思います。魔弾の射手昨年TCCで演奏する機会があった曲なので懐かしいということもありますが、演奏された下りがアルトクラリネットの二重奏の一番おいしいところ!ということで、これはいいなと思いました。金平糖の踊り昨年軽井沢ファミリーオーケストラの定期演奏会で演奏する機会があった曲であり、会場も同じ大賀ホールということで、あの時の緊張感が蘇ってきた感がありました。改めてくるみ割り人形はいつかフルオーケストラで全曲聴いてみたいところです。ある森の一日ウインズスコアから出ているコンテスト向けのアンサンブル譜の曲ですが、クラリネットの音色によく合うとてもステキな曲と思いました。講師の廣田先生以下、実力派5人によるアンサンブルは聴き応え十分でした。魔女の宅急便より晴れた日にジブリもいろいろな曲がありますが、やっぱり魔女宅は良いと思いました。千本桜これをピアノでやるとこうなるのか!というところで、ジャズピアニストを彷彿とさせるリズム感のあるステキな演奏でした。クラリネットのための第1狂詩曲昨年NCCでドビッシーの小組曲を演奏する機会があったので、全部聴いて見ていかにもドビッシー的だろうとの感想を持ちました。このあたりクラリネットとドビッシーとの相性は良いのだろうという印象です。クラリネット協奏曲 第2番より 第3楽章ウェーバーの曲は動きが細かいようで、よく出てくる上昇や下降音がなかなかテクニカルという印象でしたが、曲が持っている終始ただよう楽しい雰囲気が、なんともよい感じでした。悪魔の踊り昨年9月の上田ウィーンアカデミー2017クラリネットアンサンブルにて演奏した曲目の再演となりましたが、半年ぶりにやることと、大賀ホールが持つ他のホールには無い音響的特長に翻弄された部分はありましたが、どうにか無事演奏することができました。余談ながら、ユーチューブなどではこの悪魔の踊りのエレクトーン版が聴けるのですが、これ一人でやっているの?!という神演奏・・・。我々は11人でやっているのに・・・という想いがありました。おとぎ話 作品132より 第1、4楽章音楽教室の発表会では最後に講師演奏!というのが一般的かと思いますが、やはりクオリティーが別次元の素晴らしい演奏と思いました。まとめ今回初めてMUSIC RAUMコンサートを拝聴ならびに演奏参加させて頂いた訳ですが、楽器を習い始めたばかりの子供達から、かなり研鑽を積み高度な演奏をする子供たちまでが次々に本番を踏んでゆく様は、とても微笑ましいものがありました。そんな中で私たちの悪魔の踊りが子供達にはどう聞こえたのか?という思いもありました。余談ながら長野県でもほぼ桜が満開になったこの週末ですが、軽井沢はまだつぼみということで、季節の差を感じた次第です。
April 15, 2018
開催日:2018.3.31(土) 15:00開演場所 :阿波踊り会館・阿波おどりホール たまには少し毛色の違うレポートをと思い、世界に誇る徳島の阿波踊りの取材に行ってきました。阿波踊りとは阿波おどりは徳島県を発祥とする盆踊り。 日本三大盆踊りや四国三大祭りの代表的な存在であり、約400年の歴史を持つ日本の伝統芸能のひとつ。夏季になると徳島県内各地の市町村で開催され、なかでも徳島市阿波おどりは踊り子や観客数において国内最大規模となっている。レポート本来阿波踊りは、盆踊りのため時期にしか見ることができないものですが、徳島市眉山のふもとにある阿波おどり会館にて専属連による定期公演が行われていて、併設される阿波おどりミュージアムと合わせて阿波おどりの何たるかを学ぶことができるようになっています。ということで、まずはミュージアムで阿波おどりの概要をチェック。こちらは、3Dの紹介ビデオや本場の阿波踊りのジオラマなど見所多数となっていました。そして阿波おどりホールにて実演の鑑賞となりました。こちらは、専属連「阿波の風」による踊りでしたが、オープニングでは定番の阿波おどりの披露。そして、阿波おどりの歴史にふれ、昔の阿波おどり~現代の阿波おどりを実演にて解説してくれたのでとてもわかりやすい内容でした。そして阿波おどりイロハについて。手の動かし方、足の運び方と基本動作を学びました。そこで希望する観客はステージ上で専属連の人たちと一緒に踊るコーナーもあり、これは楽しまねば損!というところでした。そして次に阿波おどりを支える楽器群についての解説。平素音楽に携わっているとこちらの方がより興味が湧くところですが、三味線、笛、鐘、小太鼓、大太鼓のパートがあり、それぞれ実演にて生音と聞かせてもらい、さらにパートがどのような役割を担っているかという詳細な解説になるほど!と思うところがありました。さらにもう一回観客も含めたおどのの時間を経て、最後は専属連による渾身の踊りにて締めとなりました。まとめ世界的な有名な阿波おどりですが、40分という短い時間ながら実際に生のおどりを見ることができたのは、とてもよい刺激になりました。また専属連の定期公演ということで、阿波おどりのイロハについても知ることができ、いつか盆踊りの阿波おどりを見てみたいと感じるところとなりました。
April 14, 2018
開催日:2018.3.25(日)14:00開演場所 :須坂市文化会館メセナホール(1,124名収容)2014年~2016年の3年間に渡りメセナホールで実施した「東京佼成ウインドオーケストラ 吹奏楽大作戦inメセナ」の合同演奏参加者を中心に、須坂市内外の吹奏楽愛好者で2016年5月に結成された吹奏楽団の第2回定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.吹奏楽のための民話2.たなばた3.ジャパニーズ・グラフィティ12 銀河鉄道999 TV版~宇宙戦艦ヤマト~銀河鉄道999 劇場版4.ウィ・アー・オール・アローン5.追憶のテーマ(Alto Sax Solo:田中靖人)6.モリコーネ・パラダイス(Alto Sax Solo:田中靖人)7.チャルダッシュ休憩中8.サクソフォーンアンサンブル メリーウィドウメドレー第2部9.ミュージカル「レ・ミゼラブル」より (ゲストシンガー:加藤茜・元榮菜摘)アンコール10.エメラルドシティー11.宝島12.星条旗よ永遠なれレポート吹奏楽のための民話吹奏楽の世界では、あまりにも有名な曲ですが、上原先生の解説によれば、人気の理由は比較的易しいのに演奏効果が高いことが挙げられていました。私も何度か演奏したことがありますが、古風ながら堂々たる強奏部や中間部の重々しいがどこかストーリー性を感じさせるような弱奏部が魅力的だなと感じることがありました。たなばた酒井格氏が高校三年生の時に作曲した曲で、氏の代表作品と言われていますが、夏の定番曲として知名度も人気度も高い曲になっているようです。たなばたの魅力は、煌く開放感を感じさせるような力強い強奏部と、織姫と彦星の出会いをロマンチックに語るような中間の弱奏部の2つが、いずれも美しい旋律でまとめられていることなのかなと感じます。ジャパニーズ・グラフィティ12不動の宇宙ものアニメの二大巨頭「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」。いずれも主題歌にささきいさおが絡んでいますが、その人気作2つをメドレーにしたジャパグラ12は、人気作品なのかなと感じます。また不思議な縁になりますが、私自身前日の松本文化会館付属管楽アンサンブル定期演奏会の本番で演奏したばかりということもあり、昨日演奏した曲を今日は客席が聴く。なんというか耳が松本管楽の演奏の色に馴染んでいる状態で聴こえて来る音がメセナウインドというシチュエーションは、同じ曲でもだいぶ違った印象になるものだなと感じた次第です。ウィ・アー・オール・アローン上原先生の解説によれば、この曲の解釈は失恋の悲しみの曲と失恋から立ち直って希望を抱く曲という2通りあるのだとか・・・。確かにどこか悲しげな曲調が、私には夕焼け小焼けの西洋版みたいな印象を受けた訳ですが、それゆえアンコールの定番曲にもなっているもので、そういった曲をプログラムの真ん中で聞くのもなにやら不思議なものだな・・・・という印象を受けました。追憶のテーマ日本の吹奏楽のアルトサクソフォーン奏者の第一人者とも言うべき田中靖人氏のソロによる追憶は、心に残るとてもステキなものでした。余談ながら、今まで何回かこの追憶をアルトサクソフォーンソロで聴いたことがありますが、それらを走馬灯のように思い起こしながらの鑑賞となりました。モリコーネ・パラダイス田中靖人氏が、吹奏楽団に招かれてソリスト演奏する際は、かなりの確率でこの曲が演奏されるという、田中靖人氏のオハコとも言うべき曲ですが、それだけ氏がこの曲、モリコーネを好きだから・・・ということなのかなと思いました。編曲が真島氏なので、とてもお洒落なのもまたオススメなところなのかもしれません。チャルダッシュソリストアンコールとして披露されました。この曲はこれまでいろいろな楽器で演奏されているのを聴いてきましたが、サクソフォーンのような音色に大きく表情をつけられる楽器で演奏すると、とても奥深い! ちょっといつになく豪華なチャルダッシュを楽しませて頂きました。メリーウィドウ メドレー休憩中に、客席の中ほどで田中靖人氏とメセナウインドのサクソフォーンパートによるアンサンブル演奏となりました。この曲は私もクラリネットアンサンブルでやったことがあるので、とても懐かしく楽しませて頂きました。ミュージカル「レ・ミゼラブル」より森田一浩氏編曲版をベースに、ゲストシンガーが歌う部分を挿入し、20分にも及ぶ大曲となりましたが、なかなか本場のミュージカルを楽しむ機会は得られないので、大変貴重な鑑賞の機会となりました。改めて思ったのは、やはり歌の力ってすごい・・・ということで、もともとレ・ミゼラブルは曲が感情移入しやすいものの、そこにプラスしてすごいことになった!という感がありました。エメラルドシティーミュージカルつながりということで、ゲストシンガーのお二人が引き続き迫力の歌声を披露しました。宝島アンコールはやっぱりこれ!ということになりますが、今回は田中靖人氏がゲストで来ているのでちょっと特別な宝島を楽しめるかも!という予感がありましたが、期待通りの圧巻の演奏でした。特筆すべきは、後半のサクソフォーンソロが、ソプラノ田中靖人氏→アルト(メセナウインドメンバー)→テナー(メセナウンイドメンバー)→バリトン(メセナウインドメンバー)とリレーソロになっていたことで、これは相当に豪華と感じました。星条旗よ永遠なれ昨年のメセナ吹奏楽の夕べでも合同演奏でやりましたが、上原先生こだわりの星条旗。そしてお約束のピッコロソロをチューバで!という演出もありました。まとめ吹奏楽の有名定番曲。そしてゲストに田中靖人氏を迎えてのソリスト曲。さらにゲストシンガーを迎えてのミュージカル曲と、見所聞き所満載で大変豪華なステージでした。演奏会では普通は目玉は1つのことが多いですが、2つ以上あるのは、佐久消防など限られたバンドのみということで、今後もメセナウインドの演奏会には是非期待したいと感じた次第です。
April 13, 2018
開催日:2018.3.24(土)14:30開演場所 :長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容) 長野県松本文化会館を根拠地に活動する管楽アンサンブルの定期演奏会に行ってきました。また昨年に続いて今年も縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。プログラム第2部 後半4.「美女と野獣」よりハイライト5.ボレロアンコール6.コンサート・マーチ「虹色の未来へ」7.ブラボー・ブラス!レポート「美女と野獣」よりハイライト8分半にも及ぶ大メドレーですが、これ1曲で美女の野獣の世界をほぼ網羅できているのでは?という充実ぶりと思いました。そしてこの曲は、昨年の大町市吹定演にて演奏したばかりということもあり、曲の構造も理解していたつもりですが、パートが違うと曲の印象もだいぶ変わるもので、ある意味とても新鮮な気持ちで演奏することができて、改めて素晴らしい美女と野獣ハイライトを異なるパートで演奏できたことに感謝というところです。ボレロ司会より4拍子のボレロのキャッチフレーズで紹介されましたが、元祖のボレロは3拍子だから!ということで、吹奏楽ポップスの父、岩井氏によるポップスアレンジによってとてもお洒落なボレロに仕上がっている感がありました。原曲同様にソロもあり、クラリネット、フルート、サクソフォーン、トランペットとおなじみの旋律がリレーされてゆき、それぞれの楽器の特性(クラリネットは暖かい音色で、フルートはキラキラした音色で、サクソフォーンは艶のある音色で、トランペットは金属的な音色で)がよく出ていてなるほどと思いました。その後は、ホルンやトロンボーン、サクソフォーンのソリが入ってゆきますが、だんだん全体の音量が大きくなってゆくのも原曲通りで、展開が予測できるだけに聴き手も安心して楽しめるのかなと思いました。またドラムスがなかなかカッコイイリズムを刻んでいるもので、このあたりもアピールポイントか?!という感じです。演奏にあたっても、そこまで高度なテクニックを要する部分はないようで、そういった意味では演奏しやすく、聴衆にも受け入れられやすい良曲ではなかろうかと感じた次第です。コンサート・マーチ「虹色の未来へ」今年も数え切れない程日本中で演奏されるであろうコンクールの課題曲ですが、5つある課題曲の中でも作りが良く、一番親しみやすい曲ではないかと思いました。作曲者はウインズスコア社長の郷間氏ということで、平素からウインズスコアを通じて郷間氏アレンジの曲に免疫ができている私にとっても、しっくりくる部分が多々ありました。余談ながら今回の演奏会のチラシにも2018年の課題曲をやります!と書かれており、後でお客様アンケートを拝見させて頂いた折に、「2018年の課題曲をやるから演奏会に来ました!」というシーンが多く見られたので、ああなるほど!今年の課題曲を夏より前にやることは大きな集客効果を期待できるものなのだな・・・ということに気付かされたところです。ブラボー・ブラス!松文管楽の定番のアンコール2曲目ですが、あいからずの超特急演奏!そのスピードに乗り遅れないようについてゆくのがなかなかのものですが、演奏していて今年で3回目のブラボーブラスはどうかな?と感慨深いものを感じました。第2部後半まとめメイン曲とも言える美女と野獣に続いて、おなじみのボレロ!2部後半はなかなかのボリュームがありました。そしてアンコールも定番の課題曲とブラボーブラスで締めとなりました。演奏会まとめ昨年に続き、今年もB♭クラリネットにて演奏に加わらせて頂いた訳ですが、席を移動しながらいろいろなパートをやる面白さと、またいろいろなプレイヤーとの合わせの面白さ、総じて多人数パートだからこその醍醐味を感じた演奏会になりました。
April 7, 2018
開催日:2018.3.24(土)14:30開演場所 :長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容) 長野県松本文化会館を根拠地に活動する管楽アンサンブルの定期演奏会に行ってきました。また一昨年、昨年に続いて今年も縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。プログラム第2部 前半1.英雄の証「モンスターハンター」より2.お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~3.ジャパニーズ・グラフィティ12 銀河鉄道999 TV版~宇宙戦艦ヤマト~銀河鉄道999 劇場版レポート英雄の証「モンスターハンター」より聴き栄えも良く、ステージのオープニングにはピッタリの良曲でカッコイイが演奏はなかなか難しい・・・というイメージの曲ですが、私自身一昨年の大町市民吹奏楽団の定期演奏会においてこの曲をやらせて頂いた経緯から、少しアドバンテージがある状態で臨むことができました。とはいえ、パートは違うので一から練習を積み上げることには変わりないのですが、基本となるリズムは変わらず、役割がちょっと違う・・・的なことで相対的には抵抗無く入れて楽しむことができました。余談ながら、同じ曲をやるとして、また同じパートだったら楽ではあるが、楽しさは半減してしまうのかなぁとふと感じた次第です。お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~中間部のかんぱーい!で良い演出ができるので、演奏会やイベント演奏にはもってこいの良曲ですが、こちらも1月の小諸市消防団音楽隊のふれあいコンサートでやらせて頂いた経緯から、少しアドバンテージがある状態で臨むことができ、さらにこちらもパート違いで、バス&ベークラ3番→ベークラ1番ということで、パートが違っていてこれも良かったなと感じました。そして注目の乾杯の演出は、団長挨拶を絡めるというアイデアも良く、さらに演出で使う乾杯グラスはとても手がかかっていて、プラスチックのグラスに色紙を入れお酒が入っているように見せるという、その手があったか!という素晴らしいものでした。またソリストの演奏も圧巻。さらにテキーラのかけ声もナイス。まさに音楽でお酒をコンプリート!という感がありました。ジャパニーズ・グラフィティ12ジャパグラシリーズの中でも演奏会などでよく耳にする人気曲ですが、改めてテレビ版の999はカッコイイ!原曲はささきいさおのあのしぶい声がたまらないが、吹奏楽にしても良いというところです。今は当時のTV版をユーチューブなどで見ることができる訳で、基本的に1話完結型で面白くよくできているよな・・・。と感じました。演奏にあたっては、けっこう難しい・・・。劇場版の999では、大ユニゾンみたいな感じになるので、アーティキレーションをあわせていかないと!ということがあったり、いろいろな面でだいぶ骨があるジャパグラと思いました。第2部前半まとめ第2部のレポートを前半・後半に分けているのは、ひとえに松本文化会館が誇る最新鋭の映像機器による演出のためで、大変素晴らしいステージバックの映像を紹介するためです。残念ながら演奏しているとこのステキな映像機器によるショーは全く見れずなのですが、後で記録されたのを見ると改めてそのすごさを感じることができた次第です。*** 第2部レポート後半に続く ***
March 28, 2018
開催日:2018.3.24(土)14:30開演場所 :長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容) 長野県松本文化会館を根拠地に活動する管楽アンサンブルの定期演奏会に行ってきました。また昨年に続いて今年も縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。プログラム第1部 1.フラッシングウインズ2.憧れの街3.管楽器と打楽器の為のセレブレーション4.稲穂の波5.ミス・サイゴンレポートフラッシングウインズ演奏会のオープニングの定番曲として演奏機会が多いヤン・ヴァンデルローストの曲ですが、私自身演奏するのは初めてということで楽譜をもらった時はついにやれるのか!と楽しみでした。そして実際に取り組んでみると、木管は休みが多く金管中心に組み立てられた曲かなという第一印象を受ける一方、トリオ(と楽譜には明確に書かれてはいないが・・・)は、やっぱり木管の音色の聞かせどころ。とくに弱奏部はクラリネットの活躍するところとなります。総合的に見ると、打楽器の見せ場もたくさん用意されているので、まさにザ・吹奏楽的な曲なのかもと感じました。憧れの街2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲3。その当時は第1小節目の1・2拍目の和音の出来で即効で点数が決まってしまう・・・などと言われたものですが、聴いてみると確かにこの第1小節目はそのくらいインパクトがありそうでした。取り組んでゆくと、コンクールでは無いのでそこまで第1小節目にこだわることはありませんでしたが、その分曲全体のおいしいところをじっくり楽しめた感がありました。また頂いたパートが1番クラということもあり、旋律の王道を行くシーンが多く、トランペットなど他パートへの旋律の受け渡しが行われる場面もバトンを渡す渡される感があっていいなと思いました。管楽器と打楽器の為のセレブレーションスウェアリンジェンの曲の中でも、演奏機会が多い方だと思いますが、親しみやすいメロディーは全国共通で、改めてよい曲作っているよなぁ・・・と思うところがありました。演奏についてはテクニカルな部分が少ないので、他パートを聞くだけの余裕がでてきて、その分だけ指揮者との連携、音色やタテの線をどれだけ合わせられるとか、いろいろな部分で1つ次元の高いところで合奏している感がありました。難しい曲も良いですが、こういった曲で合奏の基礎を学ぶべきとの認識を再確認したところです。最も、そう考えている指導者が多いから、スウェアリンジェンは世界で繰り返し演奏されるのだろうというところです。稲穂の波美しい旋律はいかにも福島弘和氏らしい深みがあって心に訴えるものがありました。演奏にあたっては1ヶ月前に所属楽団で福島弘和氏のホルン協奏曲をやった関係で、福島弘和氏の音楽に免疫ができていたこともあり、ここはこう来る、ここはああ来るみたいな空気感がなんとなくつかめる感じがあり、そういった意味では、すんなり練習に入ってゆけた感がありました。そして福島氏の美しい旋律をこれまた多く堪能することができたことは、とてもよい想い出になりました。ミス・サイゴンこの曲はあまりにも有名なので、いつかやってみたいと思っていましたが、念願かなって!ということで、いろいろ楽しみでしたが、実際に取り組んでみると、想像していた以上に素晴らしい曲!ということで、第1幕「序曲」は、テクニカルだが、絡みが面白い部分。そして第2幕「我が心の夢」は繊細な部分。演奏は集中力が勝負というところでした。第3幕「サイゴン陥落」は、戦いを彷彿とさせる激しいがとてもカッコイイ部分。ここは思い切り行く感じで、ヘリコプターの音が有名なところ。第4幕「今がこのとき」は、グランドフィナーレ的な壮大な音楽をホールいっぱいに響かせる・・・という感じでしょうか。いずれにしても、ここまでドラマチックな曲もそうは無いだろうという素晴らしさで、演奏しながら思わず感動してしまう場面が多かったです。第1部まとめいわゆるクラシックステージという位置づけのステージでしたが、オープニングにピッタリのフラッシングウインズ。そして親しみやすい旋律が良い憧れの街。さらに吹奏楽の定番スウェアリンジェン。毛色が変わり、課題曲とはいえ本格的な吹奏楽オリジナル曲の稲穂の波。締めくくりはミスサイゴンと、かなりのボリューム感のあるステージだったように感じました。*** 第2部レポートに続く ***
March 26, 2018
開催日:2018.3.4(日)14:00開演場所 :長野市芸術館メインホール(1,292名収容)長野県の消防音楽隊の中でも演奏力において一日の長があり、抜群の集客力で定評のある長野市消防団音楽隊の演奏会に行って来ました。プログラム第3部6.ザ・オリンピック・スピリット7.あの日聞いた歌8.フライデーナイトファンタジー9.ジャパニーズ・グラフィテイー15 アニメヒロインメドレー10.ルパン三世'8011.ジャパニーズ・グラフィティー9 いい日旅立ちアンコール12.シャル・ウィー・ダンス13.信濃の国レポートザ・オリンピック・スピリットオリンピックイヤーの定番曲とも言えるジョン・ウィリアムズの名曲ですが、ステージのオープニングとしてとても映える良曲と感じました。余談ながら、オリンピックイヤーというと4年に一度という印象があるのですが、それは1992年までの話で、それ以降は冬季と下記が2年ごとに開催されるようになったため、実際はオリンピックイヤーは2年に一度ということになろうかと思います。さらに余談ながら夏季大会は規模も大きく華がある印象がありますが、今回のピョンチャン冬季大会を見ていて、どちらも素晴らしい大会ではないかと感じるところがありました。あの日聞いた歌故郷~浜辺の歌~椰子の実~赤とんぼ~春の小川~花がメドレーになった曲ですが、この曲は古きよき日本を彷彿させる曲としてわりと演奏会での演奏頻度は高いように感じます。そしてなんといっても真島氏のアレンジということで、ごくありふれた原曲がえらくカッコイイものに仕立てられるということで、改めて編曲者のマジックを感じることができました。余談ながら、東京佼成の日本の叙情曲集第2弾「このみち」という日本の曲ばかり集めたアルバムを持っているのですが、今日のこの素晴らしい演奏を聴くにつけ、久々に聴いてみたくなった次第です。フライデーナイトファンタジー金曜ロードショーでおなじみのトランペットをフューチャーしたテーマ曲ですが、特別な曲となりました。それは長きに渡って隊長を務め、長野市消防団音楽隊の一時代を築いたミスター長野消防こと籾内嘉彦氏のラストステージとのアナウンスあり・・・。どこか悲しげなメロディーが涙をさそうものがあり、会場内に多数いると思われる籾内氏のファンも涙したに違いない記憶に残る名演ではなかったかと感じるものがありました。ジャパニーズ・グラフィテイー15 アニメヒロインメドレー脈々と続くジャパグラシリーズの中でも人気の高い15ですが、私自身も一昨年に演奏する機会があったので、小過去を回想して懐かしく聴かせていただきました。改めて感じたのは、この曲やっぱりお洒落に仕上がっているよな・・・ということで、アニメヒロインとはいえ、大多数が昭和のアニメ曲ということもあってアラフォー以上の大人のツボにはまる曲だろうと思った次第です。ルパン三世'80こちらはビブラフォンソロの北澤菜央氏をフューチャーしての演奏となりました。思い起こせば、長野消防の演奏会では、これまでフューチャー演奏の頻度がけっこうあった記憶がありますが、その一角を担っていたのが北澤氏ということで、今回もまたマレットパーカッション特有の打音の魅力ととともに素晴らしい演奏を楽しませて頂きました。そして恒例のドラム屋さんによるソロも登場し彩りを添えました。ジャパニーズ・グラフィティー9 いい日旅立ち山口百恵が伝説のスターたりえたのは、絶頂期に引退したからという意見もありますが、そんな限られた活動時間の中で生み出された名曲「秋桜~プレイバックパート2~イミテーションゴールド~いい日旅立ち」がメドレーになった曲です。こちらも良アレンジ。特に冒頭のクラリネットの大ユニゾンによる秋桜はツボにはまります。あとはいい日旅立ちのトランペットの前奏ソロ。こちらは本当に最後の最後、籾内氏のソロが映えていました。シャル・ウィー・ダンスアンコール曲としてはよくはまる曲で、とてもお洒落で手拍子が良く合う曲です。スタンドプレーの演出もきれいにきまってとてもステキなアンコールと感じました。信濃の国最後の最後は恒例の信濃の国ですが、長野県でも北信や佐久地方など歌詞に地名が入っている地域ではよく歌われている印象があります。ということでラッパ隊も加わってのグランドフィナーレになりました。第3部まとめ多くの曲でソロ演奏あり、そしてフューチャー曲2曲と、例年通り個人技が光るステージになりました。このあたり、ソロ演奏がよく映える芸術館という箱によく合うプログラムだったかな?という印象です。来年は改修が終わったホクトにまた戻るとのことで芸術館での演奏会の集大成としての想い出のステージになったように感じました。
March 9, 2018
開催日:2018.3.4(日)14:00開演場所 :長野市芸術館メインホール(1,292名収容)長野県の消防音楽隊の中でも演奏力において一日の長があり、抜群の集客力で定評のある長野市消防団音楽隊の演奏会に行って来ました。プログラムロビーコンサート1.セカンドバトル2.糸第1部1.スカイブルー・ファンファーレ2.さくらのうた3.エル・カミーノ・レアル第2部4.木遣り隊3.ラッパ部レポートロビーコンサートメインホールの外、中二階的な位置でのサクソフォーン四重奏によるアンサンブルで、「セカンドバトル」と「糸」の2曲が演奏されました。テクニカルなセカンドバトルとしっとり系の糸との対比がメリハリがあり、さらにサクソフォーン特有の艶のある音色がとても印象的でした。スカイブルー・ファンファーレ初めて聞く曲でしたが、コンサートのオープニングにピッタリのとてもステキな曲と感じました。吹奏楽らしい木管系の音色を生かしたテーマもさることながら、弱奏部のサクソフォーンソロもGood。パーカスもウィンドチャイムの響きがキラキラしていました。ふと思ったのですが、会場の長野市芸術館は風聞では響きすぎるホールという評判があるようですが、逆にとらえると普通のホールでは埋もれてしまうような繊細な音も聞こえるので新しい発見ができるのでは?という感想を持ちました。さくらのうた2012年のコンクール課題曲ですが、コンクールで演奏した団体は少なかったようで、全国大会で演奏したのは一般では聖徳ウィンドアンサンブルのみ。そして私自身も2012年当時にこの曲でコンクールに挑戦しているので、聴き所を一つ一つ想い出しながら楽しませて頂きました。聴き所はいろいろあるのですが、フルートソロは音色。ホルンソロは安定感。そして一番の注目は、やはりトロンボーンソロでしょうか?この譜面はもともと1stトロンボーンにソロが記譜されているようですが、実際には使う音域がバストロで吹いた方が演奏効果が出るらしく、全国大会での聖徳ウインドもバストロがソロ担当でした。そして本日の演奏は・・・と思って注目していたら、やっぱりバストロがソロ担当!調べてみたところ、福田氏がその後改訂版を書き、そこでのソロはバストロがデフォールトになっているみたいです。本日演奏されたものがコンクール版か改訂版かはわかりませんが、吹奏楽論議としてちょっと興味をそそられるものがありました。そして演奏の方は、これまた芸術館との相性が良い曲で、これも会場が芸術館だから選曲したという必然だったのかもしれません。エル・カミーノ・レアル伝説の作曲家であるリード氏は数多くの吹奏楽曲を書いていますが、その中で最高にカッコイイのがこの曲と思います。それぞれのパートで様々な見せ場がありとても輝いていたように思いました。そして私自身も5年前に演奏する機会があり、その記憶から特に印象の深かった中間の弱奏部をより楽しませて頂きました。それにしても何度聴いてもなんとドラマチックな曲なのだろうと思うばかりです。木遣り隊扇子を体の前にかざして歌う伝統のスタイルが印象的な木遣り隊ですが、よく聴いていてると庶民的な言葉も出てきているようで、そこでちょっと親しみを感じてしまう場面がありました。ラッパ部長野ラッパ隊の広告塔とも言える原山副隊長のトークは、プロの司会者のような安定感があると思うところですが、そんな中ラッパ演奏としては珍しい座奏を見ることができました。その光景はさながらラッパオーケストラ!と命名すれば良いでしょうか。そしてなんと言っても今回の最高のエンターテイメントは、パーカッション隊のパフォーマンス演奏で、太鼓の素晴らしい演技には感動的なものがありました。またビジュアル的には、シンバル隊のフォーメーションがジャニーズのダンスばりに揃っていて、これは相当練習したのだろう・・・とただただ感心するしかない素晴らしい出来だと思いました。第1部・第2部まとめ昨年に続いての芸術館での演奏会。新しいだけに明るく感じる照明の中、さわやかなオープニングのマーチから音楽性の高いさくらのうた。そして大曲エルカミ。伝統の木遣り隊、新時代のラッパ演奏のスタイルの何たるかを見せてくれたラッパ隊。とても充実したステージだと感じた次第です。*** 第3部のレポートに続く ***
March 7, 2018
開催日:2018.2.18(日) 13:30開演場所 :千曲市文化会館 あんずホール(760名収容) 新しい吹奏楽の風が吹くのコンセプトのもと、独自の音楽色で活動を続けるウィローウインドオーケストラの定期演奏会ですが、今回はNHK交響楽団首席ホルン奏者の福川伸陽氏をソリストとして迎え、初の協奏曲に挑戦。そして客演指揮者は昨年に引き続き東京吹奏楽団コンサートマスターの粟生田直樹先生を迎え、おなじみのディズニー音楽の数々を取り上げ、2部ではより親しみやすい曲目を取り上げた11回目の定期演奏会となりました。なお、今回は演奏者視点によるレポートとしたいと思います。 第2部1.センチュリア2.ケルト民謡による組曲3.美女と野獣4.交響組曲パイレーツ・オブ・カリビアン5.塔の上のラプンツェル・メドレーアンコール6.レッツ・ダンス7.メリーゴーランドレポートセンチュリア吹奏楽の世界かつスウェアリンジェンの代表的作品として大変人気と知名度が高い曲になろうかと思いますが、やり尽くされているだけにウィローらしいセンチュリアをどう表現してゆくかということを念頭に曲作りを進める傾向があったかもしれません。本番では、本場ワシントンウインズの演奏に迫るハイスピード演奏となり、結論とすればオリジナルに忠実に!というウィローにもともとからあるスタイルを踏襲した形になったようでした。ケルト民謡による組曲今回粟生田先生が特別な想い入れを持って取り上げた1曲で、事前に本場のアイリッシュ音楽も配布され、この曲でアイリッシュカラーをどれだけ出せるかが大きな目標になっていたようでした。私個人の感想とすれば、アイリッシュ音楽の魅力は1曲目マーチや3曲目リールに代表される強奏部の一見粗野にも取れる荒々しくもどこか奥深いサウンド感。その一方で2曲目のエアに代表される癒し系のやさしくてゆりかごの中にいるようなサウンド感。この2つが大きなものなのかなと感じた次第です。美女と野獣実写化以来、全国でかなり多くの団体で演奏されている美女と野獣ですが、その中でも今回演奏した真島俊夫編曲版はその頻度が高いと思います。この曲の魅力はとにかく、お洒落なこと。フリューゲルのソロやホルンの合いの手、トランペット美女とトロンボーン野獣のデュエットなど見せ場もたくさん用意されているところが、演奏側にとっても聴き手にとっても楽しめる要素満載なのかなと改めて思いました。交響組曲パイレーツ・オブ・カリビアンパイレーツ・オブ・カリビアンも昨年の新作発表後に全国で演奏されまくっている訳ですが、今回演奏のアレンジはよりシンフォニック寄りに編曲された「シンフォニックスイート」バージョンです。ということでもともとシンフォニック系が得意なウィローにはピッタリの編曲で、その長所も十二分に生かせたのかなという思いです。私的には、この編曲版は2年前に松本文化会館付属管楽アンサンブルの定期演奏会で演奏機会を頂いていることもあり、その時に学んだこと+粟生田先生のご指導で学んだことの2階建てという贅沢な曲作りを体験することができたのがとてもよい体験になりました。塔の上のラプンツェル・メドレーこの曲は、おそらく一番最初に定期演奏会の曲目として決定したものだと思いますが、そういった意味ではやはり1年近くかけて積みあげてきたものは大きかった・・・と感じるものがありました。そんな渾身の1曲がレギュラープログラムの最後を飾るという演奏会構成にも納得な次第ですが、曲そのものは美女と野獣の作曲者と同じA.メンケンということもあり、良い意味で似ていました。そしてこちらは編曲の妙になりますがソリストによるドラマチックな見せ場も用意されており、演奏会を締めるのにふさわしい曲であると感じた次第です。レッツ・ダンス粟生田先生のクラリネットと福川氏のホルンの夢の共演が実現しました。こちらは特別アレンジによるものですが、お客さんだけでなくステージ上の多くプレイヤーもお二人の楽しそうなコラボを演奏そこそこに楽しませてもらったふうでした。メリーゴーランドアンコール2曲目。最後の最後は、今回リフレクションズで我々を相当に苦しめたスパークの曲。ちょっと振り返ってみると、第6回定期のオリエント急行、第10回のファンファーレ・フォー・トウキョウはあったものの、同じ演奏会で2曲もスパークをやるというのは初になり、そういった意味ではスパークにしてやられた感のある演奏会になったような感想を持ちました。第2部まとめ親しみやすい吹奏楽のド定番曲。そして音楽的に魅力の高いアイリッシュのケルト民謡。その後はディズニー特集で締めくくるという構成で、いろいろな意味で詰め込んだ2部になったかなという印象がありました。演奏会まとめ改めて第11回定期演奏会を振り返ってみると、10回に続いて客演としていらして頂いた粟生田先生の指導を受けることが出来、さらに協奏曲のソリストとしていらして頂いた福川氏との共演。大変ではありましたがなんとも贅沢な演奏会になった!という印象がありました。
March 4, 2018
開催日:2018.2.18(日) 13:30開演 場所 :千曲市文化会館 あんずホール(760名収容) 新しい吹奏楽の風が吹くのコンセプトのもと、独自の音楽色で活動を続けるウィローウインドオーケストラの定期演奏会ですが、今回はNHK交響楽団首席ホルン奏者の福川伸陽氏をソリストとして迎え、初の協奏曲に挑戦。そして客演指揮者は昨年に引き続き東京吹奏楽団コンサートマスターの粟生田直樹先生を迎え、おなじみのディズニー音楽の数々を取り上げより親しみやすい曲想による11回目の定期演奏会となりました。なお、今回は演奏者視点によるレポートとしたいと思います。 第1部 1.交響的序曲 2.リフレクションズ~ある古い日本俗謡による~ 3.ホルン協奏曲<ホルン独奏 福川伸陽> レポート交響的序曲アメリカ空軍ワシントンバンドの創立50周年を祝うために委嘱されたバーンズ渾身の作品ですが、オープニングにふさわしい・・・というかメイン並みのボリューム感のある相当に豪華な曲でした。演奏にあたっては、木低の譜面についてはぱっと見できそう!と思う反面、実際にやってみると全く刃が立たないという難曲でした。強奏部は金管群の勢いにのっかることが重要かもしれませんが、中間部の弱奏は誰も頼れない自主性が求められる部分も多く、そういった意味では、やりがいがある曲でした。リフレクションズ~ある古い日本俗謡による~日本好きのスパークが、日本の伝統音楽の色をベースに、西洋音楽の手法で作った曲。日本的でとても面白い曲ですが、入り組んだ構造な上テクニカル。全体の練習時間の半分をこの曲に費やしたと言っても過言ではない印象がありました。そしてこの曲では、私にとって第5回定期演奏会のリンカーンシャーの花束以来となるピッコロとの絡みがありました。リンカーンシャーはピッコロとアルトクラでしたが、リフレクションズはピッコロとバスクラということで、少し違いますが、不思議とこのピッコロとLowクラとの音色の相性が良く、スパークもそれをうまく利用しているのかなと感じた次第です。他にもバスクラは曲の弱奏部を締めるソロが用意されていたりと、大変だがバスクラ冥利に尽きる想い出の1曲になったように思いました。ホルン協奏曲<ホルン独奏 福川伸陽>第11回定期演奏会の最大の目玉にして20分を越える超大曲。そして福島弘和氏らしい深みのある美しい旋律を持つ繊細かつ雄大な曲想。さらに福川氏でなければ演奏が困難な超絶難度のソリストパート。そして練習を進めて掘り下げるほどに曲を好きになってゆく不思議な魅力。いろいろな意味でこの曲に取り組めた幸せを感じながらの本番の演奏になりました。そしてこの曲では、バスクラパートはバリトンサクソフォーンの隣へ移動したのですが、その分指揮の粟生田先生、ソリストの福川氏と近くなったこともあり、お二人がコンタクトを取り合う様子などもしっかり見ることができ、自分のパートをしっかりやることは大前提ながらも、ステージ上でほっこりするシーンがたくさんありました。 第1部まとめ3曲と少ない印象ではありましたが、練習時間は.それこそ1部の曲で7割は使っているはずで、それだけ難しい曲があったということかもしれません。また演奏側からの視点として1部が終わった時、7割がた演奏会が進んだという錯覚をした程でした。 *** 第2部のレポートに続く ***
March 3, 2018
開催日:2018.1.28(日) 13:30開演場所 :小諸市文化センター(712名収容)昨年と同様、佐久消防に続いて2番目となりましたが、1月の本格的な演奏会の聴き始めの恒例行事となっている小諸市消防音楽隊のふれあいコンサートに行ってきました。また昨年に続き縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。プログラム第3部1.花より男子2 メインテーマ2.オーメンズ・オブ・ラブ3.「魔女の宅急便」より4.若い広場5.天城越え6.お酒ソングコレクション~酔奏楽のための~アンコール7.ヤングマン8.信濃の国レポート花より男子2 メインテーマステージのオープニングにふさわしいさわやかかつ雄大な曲調は、タイトルの花より男子2のイメージと結びつきづらいところはありましたが、良曲であることには変わりはありません。演奏に際しても編曲者が佐藤博昭氏ということで細かい動きをクラリネットに持ってきたり、パートごとにその細かい動きを分散させている手法が天国の島を彷彿させるものがありました。余談ながら正式な曲名は、花より男子2(リターンズ)のようで楽譜のタイトルのところの2の上に白抜き文字で小さくリターンズと書かれているのがお洒落ではなかろうかと演奏する度に感じておりました。オーメンズ・オブ・ラブ宝島と並んで原曲よりはるかにカッコイイ曲になっている真島マジックにより生まれたおなじみの曲ですが、青空を疾走する飛行機のような爽快感がやっぱりいいなと感じました。演奏も真島氏の編曲だけに木管系は容赦ないところがありましたが、それは金管とて同じこと・・・ハイトーンお疲れさまという感じです。あとはご機嫌な打楽器群の活躍。オーメンズといえばチャイムですが、ビジュアル的にも音色的にも大きな存在感を示していたようでした。「魔女の宅急便」より魔女の宅急便もいろいろなアレンジのものがありますが、こちらは荒井由実のオーニングテーマ「ルージュの伝言」とエンディングテーマ「やさしさに包まれたなら」をメドレーにした楽曲で、ある意味魔女の宅急便の他の楽曲群とは一線を画したものになっているのかなと思いました。演奏に際してはそれぞれのパートで見せ場はありますが、取り上げるとすれば木管系による大ユニゾンの醍醐味かなというところです。編曲は山下国俊氏ですが、メインテーマをあえてはもらせず、大ユニゾンにすることでバンドとしてのサウンドが前に出ていく感じがよくわかり、これいいかも!と思える瞬間がありました。若い広場NHK連続テレビ小説ひよっこの主題歌ですが、楽譜が発売されたのが放送が終わるちょっと前だったにも関わらず、終わってからもけっこうな演奏頻度があるようで、それだけ曲の完成度が高いのかもしれません。演奏的には私自身は2回目の演奏となりますが、パートが変わったためまた違う曲のような新鮮さを感じつつ取り組めたことが良かったです。余談ですが、冒頭と最後のバスクラとバリサクのくだりですが、どうしてユーフォニアムをかぶせなかったのか・・・譜面上はバスーンとエレキベースもかぶるのですが、それらが無い楽団の方が多数派と考えると木低だけでは荷が重いかもと思いました。ユーフォニアム好きの郷間氏は好んでユーフォニアムのソロを設定しますが、ここはユーフォニアムに影譜を入れておくというのがベターだったかなと感じました。天城越え踊りの演出がありました。改めて思ったのは、演奏していると踊りは全く見れない・・・ということです。このあたりは、後で録画や写真で確認するしかないのが残念なところです。お酒ソングコレクション~酔奏楽のための~この酔奏楽のための~シリーズ(吹走楽→運動会コレクション、吹奏岳→お山コレクション)は、ネーミングのチャラさと入っている曲の受けの良さから聴き手にはとても好評なところですが、演奏側とすれば難易度が高いため、演奏会のメイン曲としてやる覚悟がなくてはならないかなと感じました。具体的には曲と曲の接続部をいかにうまくやるか・・・このあたりは指揮者と演奏者がいかにコンタクトを密にとってゆけるかということも関わってくるので、曲の切り替わり部分は本当に真剣になっていた感がありました。ヤングマンヤングマンと言えば「YMCA」ですが、踊り隊が加わって盛大に行われました。演奏者も一箇所YMCAをやるところがありますが、これもだいぶ練習したな・・・と感慨深いものがありました。信濃の国小諸消防恒例の締めくくり曲ですが、いわゆる4番のところで終演のナレーションが入るということで、堀さんの名司会もこれにて聞き納めとなりました。まとめ3部は良く知られたおなじみの曲を集めて構成されたステージで、まさにふれあいコンサートの名にふさわしい聴衆寄りのステージだったように思いました。このあたりは消防音楽隊ならではの親しみ感を覚えるものだったように思います。また最後のお酒コレクションは大曲だが十分な練習を積んでゆけば成せば成るという自信もつきました。
February 4, 2018
開催日:2018.1.28(日) 13:30開演場所 :小諸市文化センター(712名収容)昨年と同様、佐久消防に続いて2番目となりましたが、1月の本格的な演奏会の聴き始めの恒例行事となっている小諸市消防音楽隊のふれあいコンサートに行ってきました。また昨年に続き縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。プログラム第1部1.吹奏楽と喇叭のための「雷神」2.美女と野獣序曲3.序曲バラの謝肉祭第2部ラッパ吹奏レポート吹奏楽と喇叭のための「雷神」スーザのあまりにも有名なマーチを喇叭隊と合同で演奏するよう編曲した曲ですが、消防音楽隊の特徴である喇叭隊を生かすのにはもってこいという感がありました。演奏的には木低も金低もほぼ一緒の動きか?と思いましたが、マーチらしく休みがほとんど無いのでなかなか大変な曲なのかもしれません。美女と野獣序曲昨年の実写化以来かなりあちこちで演奏されてきている美女と野獣ですが、こちらは序曲を吹奏楽用にしたアレンジでとてもシンフォニックで上品な感じのする曲になっており、特に中間部のクラリネットソロから始まる繊細な弱奏部はきかせどころではと感じるところです。演奏的には、頻繁に拍子とテンポが変わるため慣れるまではうまく入れなかったり・・・ということが続出する状況になりますが、練習を積んでうまく入れるようになると難しい分、指揮者との一体感がより強く感じる気がしました。序曲バラの謝肉祭吹奏楽の世界では「バラ肉」の愛称で親しまれている曲ですが、いろいろなパートに旋律がまわり、古典的だがよく考えられている曲だと改めて思いました。私もこの曲を演奏するのは数回目になりますが、曲の尺もさることながら、合奏するのが楽しいと感じる部分がたくさんあり、ステージメインの曲としてかなりの充実感を得ることができた次第です。ラッパ吹奏おなじみの喇叭吹奏ですが、相変わらずの切れのあるサウンドは健在で目が覚めるようでした。今回は、ラッパについての解説が入り、わかっているようでもなるほど!と思うところもあり、よく考えられていると感じた次第です。まとめ喇叭隊を加えてのオープニング曲。そしてシンフォニック寄りの美女と野獣序曲~序曲バラの謝肉祭。そして再び喇叭隊吹奏というステージは起承転結が明快でわかりやすかったです。そして演奏会プログラムには掲載されていませんでしたが、昨年に続き警察の方が見えられて、ワッハッハ体操もありました。日頃より消防と警察は連動して地域の安全のために尽力されている訳ですが、特に小諸市は消防署と警察署が隣り合っていることもあり、このようなタイアップが容易にできるのかもしれません。*** 第3部のレポートに続く ***
February 3, 2018
開催日:2018.1.21(日) 14:00開演場所 :佐久市コスモホール(800名収容) 2018年の演奏会の旅のスタートは、年明け一番目の演奏会がおなじみになりつつある佐久市消防団音楽隊の定期演奏会に行ってきました。プログラム第3部1.「千と千尋の神隠し」ハイライト2.カヴァレリア・ルスティカーナ3.リベルタンゴ4.ルパン三世のテーマ5.アンパンマンたいそう6.雪國7.ミラクルショットアンコール8.森のくまさんSAMBA BEAR ME(サンバベア・ミー)9.佐久わが市レポート「千と千尋の神隠し」ハイライト昨年話題になった「君の名は」も記録を塗り替えられなかった歴代興行収入ダントツ1位の「千と千尋の神隠し」のハイライトをメドレーにした曲ですが、鈴木英史氏の編曲ということもあり、良いとこ取り感満載で、聴き栄えがじつに良いと感じる場面が多かったです。「千と千尋」もいろいろな編曲版がありますが、これは演奏会のメイン曲としても使える大曲では?と思うところがありました。カヴァレリア・ルスティカーナ今年のゲストは「よなよなトリオ」。ヴァイオリンとベースギターとピアノというアンサンブルチームですが、あの真田丸をきっかけに知り合い結成されたということで、なるほどと思いました。そしてそのゲストの1曲目がカヴァレリアの間奏曲。この曲を演奏するととても上品である。との評価を頂けることが多いので、そんなことからよなよなトリオってこんなグループ?と淡いながらも感じ取ることができました。リベルタンゴピアソラの代表曲ですが、会場の手拍子をリズムにしての演奏となりました。ピアソラといえばバンドネオンなのですが、その乾いた音色は鍵盤ハーモニカ(ピカニカまたはメロディオン)で表現していましたが、ヴァイオリンだけでなくベースにもソロが回っていくのを聴くと改めてピアソラって独特の世界観持っているよな・・と思うところがありました。ルパン三世のテーマよなよなトリオと佐久隊のコラボ演奏となりました。旋律はよなよなトリオがほぼ担当していた感がありましたが、バッキングの気合の入りようはさすが消防音楽隊かなと思いました。そして長い長いベースのアドリブ・・・。なんとも渋くて最高かもと思いました。アンパンマンたいそう恒例となりつつあるダンスステージです。このアンパンマンたいそうは、その親しみやすいメロディーからイベント演奏にはもってこいなところがありますが、こういった演奏会のステージでも演出を加えれば盛り上がるものだなと思いました。立て看板による「新しい顔だよ!」というのはアンパンマンにとってはツボにはまる演出かなと思いました。雪國恒例の歌の舞踊の曲となりました。雪國そのものは歌詞が年末の紅白歌合戦を狙って作られている感がありますが、今年こそ晴天に恵まれましたが佐久隊と雪は切っても切れない縁があったので、この選曲は狙っている?とも思いましたが、歌と舞踊でおいしいところを独占したかなという盛り上がりようでした。ミラクルショットノリノリのダンス系ミュージックですが、トロンボーン、サクソフォーン、トランペット、フルートの前立ちのソロがありました。終始ご機嫌なサウンドでトリ曲にふさわしい熱いステージとなりました。森のくまさん森のくまさんをモチーフにした曲ですが、オープニングがNSB版の踊りあかそうに似ているが違う・・・。1メロに入り森のくまさんのようであるが、木星のようでもある・・・という感じで、曲名を聴かないと何か主役なのかわからない不思議な曲という印象がありました。佐久わが市グランドフィナーレはよなよなトリオも加わっててのステージ。1年に1回ではなかなか歌を覚えない訳ですが、佐久のご当地アピールとすればこれ以上の曲は無いだろうと感じた次第です。まとめ佐久市消防団音楽隊の定期演奏会は毎年雪に祟られるという印象がありましたが、今年は晴天に恵まれ足元も良くありがたいことでした。また恒例のゲスト招聘や舞踊演出もすっかり板についてきて期待に応えてくれるのがとても素晴らしいと感じました。
January 27, 2018
開催日:2018.1.21(日) 14:00開演場所 :佐久市コスモホール(800名収容) 2018年の演奏会の旅のスタートは、年明け一番目の演奏会がおなじみになりつつある佐久市消防団音楽隊の定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.フラッシング ウインズ2.吹奏楽のための「風之舞」3.ルーマニア民俗舞曲4.トランペット吹きの休日5.知恵を持つ海第2部ラッパ隊吹奏レポートフラッシング ウインズ演奏会のオープニングでよく使われる曲ですが、同じような用途として使われるヤン・ヴァン・デル・ローストのアルセナールに比べると、より疾走感があり、こちらの方がよりオープニング向きという印象がありました。あと冒頭のカッコイイティンパニのソロ!これはもうパーカッショニストにとっては最高の見せ場というところですが、途中で入ってくるシロフォンやタンバリンなども同様ながら、充実した打楽器群がいてこそ管楽器群の奏でる旋律のカッコ良さが際立つのかなと感じるところがありました。吹奏楽のための「風之舞」この曲の作者である福田洋介氏は、今では演奏会を開けば氏の作編曲のものは必ず1つ以上はあるという程、吹奏楽の世界では存在感がある気がします。そして福田氏の代表的楽曲の1つがこの風之舞なのかなというところですが、和のテイストの絡み合う旋律が一度聴くと耳に残り、また聴きたくなる・・・。そんな不思議な魅力がこの曲にはあるのかなと改めて感じました。ルーマニア民俗舞曲佐久隊としてはかなり久しぶりの演奏とのことですが、確かその1回目の演奏の時も聞いた記憶があります。そんな訳で、どこかでこの曲を聴く都度、佐久隊で演奏していたルーマニア民俗舞踊みたいな印象がありましたが、本家本元の再演ということで、里帰りの気分で聞かせて頂きました。この曲の魅力はやはり木管系のトコトコ歩くような旋律にあるのかなと思ったり、ダブルリードの存在感ここにあり的なものがあったり、サクソフォーンの艶っぽい音色に誘われてみたり・・・話題に事欠かない名曲であろうという感想です。トランペット吹きの休日演奏会の構成上トランペットパートが休みたいと言ったら内田先生がこの曲をチョイスしたということですが、これは休めないのでは?と誰もが思ったことでしょう。パートがどうなっているかはわかりませんが、ソロの3人以外のトランペットパートの方は休めたのか?! そのあたりはわかりませんが、ソリストの演奏は軽くてじつにテンポ感の良いさわやかな感じが前面に出ていて、これは良い!と思いました。知恵を持つ海いわゆる邦人吹奏楽オリジナル作品という位置づけの曲ですが、クラリネットによる鳥の声を模した特殊奏法はシナトを彷彿させるものがありました。あとは随所に出てくる歌いこまれる旋律の数々は、やっぱり吹奏楽はこういう曲をやらないと!と思わせるものがあり、1部のメイン曲にふさわしい大曲と感じた次第です。ラッパ吹奏消防音楽隊の定期演奏会の風物詩であるラッパ隊のステージは、素朴ながら素晴らしい規律とよく訓練されたラッパのサウンドの統一感が魅力的なものですが、紹介の語り口から演奏まで大変わかりやすい内容と感じました。まとめ第1部・第2部では、消防音楽隊にとっては正装であるバンドユニフォームを着用し、曲もよりクラシカルなものが集められていました。そして第2部ではラッパ隊が締めるという内容で、よくまとまった雰囲気の2ステージだったかなと感じた次第です。
January 25, 2018
開催日:2017.12.17(土) 14:30開演場所 :相模女子大学グリーンホール 大ホール(1,790名収容) 関東を代表するバンドで2017年度全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した相模原市民吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.音楽祭のプレリュード2.紺碧の波濤3.カルミナ・ブラーナより第2部 市吹 THE MOVIE~想い出の名画をあなたに~4.大脱走のマーチ~20世紀FOXファンファーレ5.マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(タイタニック)~パイレーツ・オブ・カリビアン6.木管五重奏・ニューシネマパラダイス7.ロッキーのテーマ~ミッションインポッシブル~雨に濡れても~ドレミの歌~すべての山に登れ8.前前前世9.美女と野獣10.パーカッションアンサンブル ララランド11.千と千尋の神隠しアンコール12.ザ・クリスマスソング13.Yours!レポート音楽祭のプレリュード演奏会のオープニング曲として演奏されているのを耳にすることが多い曲ですが、冒頭のファンファーレの華々しさ、旋律のわかりやすさ等々、吹奏楽の入門曲としても良曲という感じですが、リードの曲は大編成でやってこそ映えるという感もあり、そういった面ではしました。紺碧の波濤全日本吹奏楽コンクールの自由曲として演奏された曲になりますが、やはり金賞受賞の曲ということで細かいところまで練り上げられており、聴いていて鳥肌が立つようなシーンがたくさんありました。ハプニングというか曲が始まると赤子が泣き出したのですが、これは曲の冒頭の雰囲気に怯えてのもの・・・そのくらいに高い表現力で演奏がされていたのだろうと思いました。余談ながら私自身ここ数年コンクールの全国大会になかなか足を運べない状態が続いていますが、そう・・・全国大会の演奏ってこんなハイクオリティーの演奏が続いていたよな・・・と思い起こし、どこか懐かしく感じるところもありました。カルミナ・ブラーナより演奏会の1ピースとして、またメイン曲として演奏されることが多い曲ですが、もともとが25曲から成る壮大な音楽集だけあって色彩感がとても豊かで、なかなかの聴き応えでした。余談ながら、こういう色彩感が豊かな曲を聴くとどうも展覧会の絵を連想するのですが、ある意味音楽と絵画は同じ芸術だけにどこかリンクするものがあるのかもと感じた次第です。大脱走のマーチ~20世紀FOXファンファーレ2部の幕開けとしてアンサンブル演奏の大脱走のマーチにのって奏者が入場し、最後は20世紀FOXファンファーレで締めるという2部テーマ「市吹 THE MOVIE~想い出の名画をあなたに~」にふさわしい内容で、これはなかなか面白い演出だと思いました。マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(タイタニック)~パイレーツ・オブ・カリビアン1990年代後半の最大のヒット映画タイタニック。当時私も3回見に行きましたが、今となっては同じ作品を複数回見に行くなどということは考えられないので、とても懐かしく感じました。そしてタイタニックといえば船首でのローズとジャックあの演出まで見れて感激です。そしてパイレーツ・オブ・カリビアンは今年はとにかく演奏するバンドが多く裏課題曲とも言えるところですが、こちらもチャンバラシーンの演出あり。特筆すべきは、チャンパラの剣がぶつかり合う音をパーカッションでうまく再現していたのが他では見ない斬新な演出でした。木管五重奏・ニューシネマパラダイス福本先生からも話がありましたが、音の大きい吹奏楽の演奏会ではどうしても聴き手の耳の負担は小さくないと思います。そんな中木管アンサンブルというのは耳が休まる癒し系サウンドとなり、いいなと感じるひとときになりました。多くのバンドではこういうシチュエーションはクラリネットアンサンブルが担うことが多いものですが、今回はダブルリードとクラリネットによる木管アンサンブルで、オーボエの明るい音色がちょっと暗めの曲調のニューシネマパラダイスに明るい色を加えており、なんだか光り輝いて見える印象がありました。ロッキーのテーマ~ミッションインポッシブル~雨に濡れても~すべての山に登れロッキーがスパイだったら雨に濡れても山に登る・・・という語呂合わせでの紹介になりましたが、ロッキーではロッキーとコーチがスパーリングをやったり、他の3曲でもなるほどと思うステキな演出があり楽しく聴かせて頂きました。最後のサウンドオブミュージックはやっぱりいいなと思うところで、やはり映画音楽特集には欠かせない1曲という思いを改めて感じました。前前前世映画「君の名は」の中で最もメジャーな曲が前前前世かと思いますが、なんでも音楽と映画作品を融合させながら作っていたのことで、それは知らない事実でありました。この曲で演出を担当したのはタキくんならぬタクミくん、ミツハちゃんならぬミヅサちゃんというのも憎い演出かなというところです。美女と野獣今年の裏課題曲、さらにおなじみの真島俊夫氏編曲版の美女と野獣ですが、ストーリーの朗読を所々で入り、より美女と野獣の世界を連想できるようになっていました。この美女と野獣ですが、実写版が公開ということで話題ですが、私も公開終了間際に滑り込みで見ることができたので、その時のキャラクターと朗読がじつによくマッチングして、しみじみときました。演出も含めおそらく今年聴いた美女と野獣の中では一番良かったという印象です。パーカッションアンサンブル ララランド鍵盤打楽器が旋律をとり、ドラムスがリズムを。小物楽器で味付けというパーカッションアンサンブルですが、管楽器には無い打音によるサウンドがとても歯切れ良くよくまとまっていて素晴らしいものがありました。千と千尋の神隠し日本の映画史上最も興行収入を上げた、しかもダントツで・・・。ということはよく知られている作品ですが、その音楽もまた印象的なものがあります。吹奏楽のサウンドとも相性も抜群で、まさに2部の締めくくりに相応しい良曲で、その情緒豊かな演奏に感動した次第です。ザ・クリスマスソング福本先生のサクソフォーンソロによるクリスマスソングとなりました。こちらですが、真島俊夫氏編曲版ということでとても豪華なサウンドになっており、冒頭は真島氏の曲に良く見られる細かい動きの連続。その後はいろいろなクリスマスの曲を断片的に織り交ぜながら、主題はサクソフォーンソロを聴かせる内容になっていました。この曲を聴いて良いクリスマスプレゼントをもらったな・・・と感じるものがありました。Yours!相模原市吹のテーマ曲であるYours!この曲で締めるのは定番となっていますが、演奏する度に少しづつソロ楽器を変えたりして楽しませてくれています。そんな中、今回は冒頭のソロをマリンバで!という初耳のバージョンで始まり、さらにトロンボーンやホルンのソロ、締めはトランペットのソロでとなりました。まとめ第52回定期演奏会でが、全日本吹奏楽コンクールで金賞受賞記念という副題がついており、内容もそれを意識したものが感じられました。自由曲の演奏はもちろんですが、第2部においても金賞をとっても変わらない魅力があるというアピールもよくわかりました。実際のところ全国大会に出場するだけでも大変なことなのに、そこで金賞というのはかなり偉大なことなのですが、それはそれとして演奏会は庶民目線で楽しく!というのがいいなと改めて感じた次第です。
December 19, 2017
開催日:2017.12.10(日)14:00開演場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ大ホール(1,650名収容)全国的に有名な指導者である近藤久敦氏のもと、県内のバンドでは最も都会的で洗練されたサウンドを奏でる上田市民吹奏楽団のポップスコンサート2017に行ってきました。レポート開演前0.木管アンサンブル パイレーツ・オブ・カリビアン第1部1.ディズニー・クラシックス・レビュー2.美女と野獣3.どこまでも~How Far I'll Go~4.クラリネットアンサンブル アンダーザシー5.~手遊びうたメドレー~6.運動会コレクション~吹走楽の為の~第2部7.ジャパニーズグラフィティー17~美空ひばりメドレー8.「君の名は。」メドレー9.お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~10.宇宙戦艦ヤマト・ハイライトアンコール11.J-POPの曲12.聖夜~お正月レポート木管アンサンブル パイレーツ・オブ・カリビアンアンサンブルでこの曲をやるとは!ということでまず驚きですが、その編曲の内容も本格的なメドレーになっておりとても聴き応えがありました。余談ながら木管アンサンブルにダブルリードが入るとやっぱり一味違う響きがする・・・と感じた次第です。ディズニー・クラシックス・レビューいわゆるチューニング音から、指揮者がタンタンタンで演奏開始!ということで、ステージオープニング曲にもってこいの曲ですが、トランペットのマウスピースだけでの演奏や中盤のお洒落なサクソフォーンアンサンブルなど編曲的にもよく出来ている感がありますが、今回のポップスコンサートの企画が子供を前面に押し出したものになっていることから、それをよりアピールする意味でもこれは良いのかなと感じた次第です。美女と野獣今年の裏課題曲とも言うべき美女と野獣ですが、これまでいろいろな編曲版のものを聴いてきましたが、こちらはメインの美女と野獣のみに特化したもので、そういった意味ではより歌うという素晴らしさを感じる部分がありました。どこまでも~How Far I'll Go~モアナと伝説の海のエンドソングを吹奏楽版にしたものですが、加藤ミリヤが歌ったものを忠実に再現しており、曲を知っていることもあり、とても楽しく聴かせて頂きました。それにしてもこの曲、躍動感が素晴らしい。そしてパーカッションはもちろんとしても、ホルンに相当カッコイイパートが与えられているのでは?と思うところがありました。クラリネットアンサンブル アンダーザシー海つながりでアンダーザシーということかと思いますが、このアンダーザシーはクラリネットアンサンブルではわりとよく演奏されているのを耳にすることから、クラリネットの音色と曲想がよく合うのだということなのかもしれません。~手遊びうたメドレー~子供達がステージに上がり、手遊びうたをしながら大いに盛り上がりました。解説によれば上田市吹には職業として保育士の方が多いそうで、なるほど本業を生かして趣味のステージを盛り上げるというのはなかなか良いことだなと感じた次第です。運動会コレクション~吹走楽の為の~演奏を聴いているだけでもなかなか楽しいコレクションであるのですが、今回は運動会をやってしまおうという大企画です。赤組と白組が騎馬戦・二人三脚リレー・借り物競争で競い合いました。このあたり、サントミューゼという広い会場だからこそできる企画ではあるのですが、相当に楽しいと感じるところがありました。ジャパニーズグラフィティー17~美空ひばりメドレー平成が終わろうとしている今、その前の昭和という時代を回顧するのもまたよいもので・・・。ということで昭和の歌姫美空ひばりメドレーですが、さすがジャパグラだけあって編曲は抜群にカッコイイと思いました。余談ながら私もこの曲は2年前に演奏させてもらっているのですが、いろいろ難しいですが出来上がってくるとはまってくる感じがある曲と思いました。「君の名は。」メドレー大流行した君の名はですが、当初は作品と音楽が乖離しているのでは?という想いがありましたが、今年に入り前前前世を自分の手で演奏させてもらえる機会を得たりして、だんだんと考えが変わってきました。これらの曲群はやっはり君の名はなのかなと思うところです。お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~舞台上に特設バーが設置されたり、演奏者が乾杯のための酒ビンを持ったりした演出はさすがと思いましたが、この曲は聴いている側だけでなく演奏者も楽しまないと!という感じがあるのかなと思いました。余談ながら私自身の次の本番での演奏曲ともなっているのですが、今日の演奏を聴いていろいろ生かせたらいいなと思った次第です。宇宙戦艦ヤマト・ハイライト今年のニューサウンズインブラスに収録されていた曲ですが、今まであったヤマトの中でも一番カッコいい部分をハイライトしている感がありました。オープニングではオーボエのソロとトライアングルのコラボがかなり素晴らしく感動。そして一番はやはりコスモタイガーのテーマ。改めて考えるにヤマトがたった一隻で多くの敵艦隊と渡り合えるのは、ヤマトが戦艦だけの役割でなく空母として多くの艦載機を持っているからに他ならぬ訳で、そういった意味でこのテーマは重要であると言えるかもしれません。いずれにしてもヤマトを題材にした曲としてはとてもよいハイライトという印象です。J-POPの曲曲名がわからなかったですが、おそらくコブクロのようなJ-POP癒し系の楽曲と思われます。きっとステキな歌詞がついているのだろうな・・・と思った次第です。聖夜~お正月上田市吹恒例の聖夜~お正月のメドレーですが、これを聴くと今年の演奏会の旅もあと少しで終わり・・・という想いがしてきます。まとめおなじみの司会者コンビによる楽しい司会のもと進められた演奏会ですが、今回は子供達の手遊び歌あり、運動会ありと例年以上のパフォーマンスがあり、とても楽しめました。また選曲された曲群が良く知られた曲で、また自身も手をかけた曲・かけつつある曲も数曲あり、懐かしかったり、勉強になったりと実り多き演奏会だったように感じた次第です。
December 11, 2017
開催日:2017.12.2(土) 17:00開演場所 :坂城テクノセンター(180名収容)坂城町吹奏楽団最大のイベントであるクリスマスコンサートのレポートです。また演奏会のテーマは「クリスマスと日本発の音楽」で、第1部ではクリスマスを彷彿とさせる曲群を。第2部では日本人が作曲した曲群を集め、そのカテゴリーの中でもさまざまな曲想の音楽を楽しめる演奏会となりました。プログラム第2部 アンサンブルステージ坂ブラクラッツ1.赤鼻のトナカイ2.残酷な天使のテーゼ坂ブラ金管アンサンブル1.ありがとうプレゼントコーナー第3部 日本発の音楽ステージ1.マーチ・エイプリル・メイ20122.渡月橋 ~君 想ふ~3.天国の島4.若い広場5.願いごとの持ち腐れ6.サンバ・テンペラードアンコール7.ムーンライトセレナーデ8.もろびとこぞりて~We Wish You A Merry Christmasレポート赤鼻のトナカイ坂ブラクラッツとしては、昨年に続いての演奏となりましたが、定番こそ良曲ということで前座的な意味も込めての演奏となりました。残酷な天使のテーゼ坂ブラクラッツの今演奏会におけるメイン曲という位置づけかと思いますが、ベークラ×3+バスクラの編成によるでダイナミックで幅広い音楽性と、耳に残る旋律とがとても印象的でした。ありがとう初登場となった坂ブラ金管アンサンブルてすが、いきものがかりの代表曲である「ありがとう」をしっとりと演奏し、とても癒された瞬間でした。マーチ・エイプリル・メイ2012原曲であるマーチ・エイプリル・メイを小編成用に編曲しなおしたものですが、それだけに小編成でも音の厚みがしっかり保てるようになっており、終始安定感のある演奏かなと感じるところがありました。この曲の魅力はやはりトリオの旋律かなというところですが、作曲者もそれは承知しているようで執拗なリピートが見て取れました。渡月橋 ~君 想ふ~渡月橋は京都にある橋で、そこで十二単を着て歌うというシチュエーションが想像される訳ですが、いかにも京風の調べが風流を感じさせ、そこがお洒落なのかなというところです。天国の島2011年のコンクール課題曲として発表された曲ですが、コンクールが終わってからも大河ドラマのテーマ曲を想わせる曲調が壮大で人気が出て、毎年どこかの演奏会では必ず耳にする程演奏頻度がある曲ですが、銅鑼が必要であるなどいくつか制約があり躊躇するバンドも多いようです。そんな中、坂ブラはシンセサイザーを使うことにより銅鑼問題を解決。また冒頭のカギとなるクラベスもドラムスと兼任により解決と工夫により演奏を実現できたようです。教訓として、○○が無いから演奏できない・・・ということは無くなく、成せば成るということが見て取れました。若い広場NHK連続テレビ小説ひよっこのテーマ曲ですが、ドラマが終わる頃にようやく楽譜が発売されたというスローペースにも関わらず、親しみやすい曲調から、これからあちこちの団体で演奏されそうな感じがします。坂ブラでも10月の病院祭で初披露後、2018年初頭のイベント演奏まで引っ張れそうな感触がありました。願いごとの持ち腐れAKB48の曲にしてNHK学校音楽コンクール中学校の部課題曲という2つの顔を持つ曲ですが、独特の3拍子進行で一回聴くと何やら耳に残る感があります。おおよそ演奏会の中でいろいろな曲をやる中でこういった異色のものがあると起承転結の転の部分で面白いのかなと感じるものがありました。また1メロの2回を1回目オーボエ、2回目ユーフォニアムとしているのも編曲者のセンスが見て取れました。サンバ・テンペラード坂ブラの2017年後半を象徴する曲という印象がありますが、この曲はルパン三世カリオストロの城でルパンと銭形がゴート札工場に火を放ち、逃走するスリリングなシーンで流れる曲なので、そんな疾走感のようなものがあります。またアルトサクソフォーンとテナーサクソフォーンのご機嫌なソロもこの曲のウイークポイントかなという印象がありました。ムーンライトセレナーデこの曲の吹奏楽アレンジは数多く出ていますが、今回演奏されたのは比較的新しいアレンジのもので、そういった意味では新鮮な感じがありました。そしてムーンライトセレナーデといえばなんといってもクラリネットのソロ!これを生かすために伴奏がいかに気をつかってソロを引き立てるか・・・。そんなところにも関心があつまるところですが、ソロの音がよく通っていたので音楽としてGoodかなというところです。もろびとこぞりて~We Wish You A Merry Christmasクリスマスコンサートのラストはやはりクリスマス曲で締めるということで、ご機嫌なジャズテイストの2曲となりました。Xmas Swingin'コレクションからの抜粋演奏ではありますが、1回目の演奏とは多少違うことをしているパートもあったようで、トランペットのオクターブ上げなどがとても印象的でした。まとめ第2部はアンサンブルステージの楽しみ。そして恒例のプレゼントコーナーを経て、第3部は日本発の音楽ステージということで、若手からベテランまでの幅広い日本人作曲家が作った曲を集め、曲想もバラエティーにとんでいて、構成としての起承転結がまとまっており良かったのではと感じました。
December 10, 2017
開催日:2017.12.2(土) 17:00開演場所 :坂城テクノセンター(180名収容)坂城町吹奏楽団最大のイベントであるクリスマスコンサートのレポートです。また演奏会のテーマは「クリスマスと日本発の音楽」で、第1部ではクリスマスを彷彿とさせる曲群を。第2部では日本人が作曲した曲群を集め、そのカテゴリーの中でもさまざまな曲想の音楽を楽しめる演奏会となりました。プログラムオープニング0.サンタが街にやってくる第1部 クリスマスステージ1.J-BEST ~定番!Xmasメドレー~2.白い恋人達3.ユーロビート・ディズニー・メドレー4.Xmas Swingin'コレクションレポートサンタが街にやってくるおおよそクリスマスというイベントへの導きとして、これほどはまる曲は無いのではないかという名曲ですが、今回はXmas Swingin'コレクションからの抜粋での演奏となりました。このあたり、編曲者である福田洋介氏もコレクションからの抜粋演奏を推奨しており、1曲買えばクリスマス関係の演奏会ではフル活用できるお得な譜面なのかな・・・と感じた次第です。J-BEST ~定番!Xmasメドレー~昨年に続いての演奏となりましたが、それだけにメドレーに入っている曲(すてきなホリデイ、クリスマスキャロルの頃には、恋人がサンタクロース、クリスマスイブ)が耳なじみが良くおなじもなもの・・・まさに定番であるがゆえということでしょうか。またこの曲のお洒落なところはその名曲群を連ねたただのメドレーではなく、各所に工夫が見られるところで、特に中盤の木管アンサンブル(オーボエ、フルート、クラリネット、バスクラ、ホルン)はとてもお洒落な作りになっており、クリスマスの・・・それもできれば夜の公演に是非演奏したいようなメドレーかなと感じるところがありました。白い恋人達2001年にリリースされた桑田佳祐のミリオンセラー曲ですが、同名曲のフランシス・レイの白い恋人たちと混同しがちですが、日本においては桑田版の方がおそらくは一番先にひらめく曲なのではないでしょうか。曲調はしんしんと降り積もる雪の中、聖夜を迎える・・・というようなイメージで歌詞もそれに追従しており、これもまたクリスマスをコーディネートする1曲として素晴らしいものがあるように感じました。いわば和風ホワイトクリスマスとも言えるかもしれません。ユーロビート・ディズニー・メドレーかつてユーロビートが全盛期だった頃、この曲も吹奏楽の世界ではネコも杓子もという程演奏されていたようですが、ブームが去りおちついたところでの演奏となりました。純粋に楽曲として見た場合、やはり定評のある磯崎氏の編曲の妙があちこちに感じられ、いろいろなパートに見せ場が作られています。特に坂ブラの音楽はドラムス主導で動いているため、そのドラムスに少し長めのソロがあるというのもはまり曲ではなかったかという印象です。あとはディズニーでは珍しいくまのプーさんが曲中に登場し、これはフルートを主体としたかわいいアンサンブルになっており、こちらも見せ場の一つかなというところです。Xmas Swingin'コレクションクリスマスコンサート2017のメイン曲にして10分を越える尺を持つ大曲ですが、「サンタが街にやってくる」「赤鼻のトナカイ」「サンタクロースがやってくる」「きよしこの夜」「荒野のはてに」「もろびとこぞりて」「We Wish You A Merry Christmas」「ホワイトクリスマス」というクリスマス有名どころの曲が、ジャズテイストを主体とした福田洋介氏のアレンジでまとめられており、これ1曲でクリスマスの気分にどっぷりつかれるという内容かと思います。また各所にいろいろなパートのソロがちりばめられており、演奏会のメイン曲としてビジュアル的にもじつに良い効果があるという、演じて聴いて楽しめる良曲かなと感じました。第1部まとめクリスマスステージと題した第1部ですが、近年これほどまでにクリスマスカラーを前面に押し出したことは無かったので、この演奏会が終わった後早くもクリスマスロスになりはしないか・・・という危惧がありましたがそれはそれ、ロスした後にまた盛り上がってきて一年に2回クリスマスがあるかのようなのもまたよいかなという感じを受けました。*** 第2部のレポートに続く ***
December 9, 2017
開催日:2017.11.26(日) 13:30開演場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ大ホール(1,650名収容)東信地区の一般団体では屈指の規模と実力を誇る上田市消防団音楽隊の第12回定期演奏会に行ってきました。プログラム開演前1.トロンボーン五重奏2.クラリネット九重奏第1部1.コンサートマーチ「アルセナール」2.フラッシング・ウインズ3.主よ 人の望みの喜びよ4.吹奏楽のための「竹田の子守唄」による幻想曲第2部5.ラッパ隊演奏6.火消し太鼓演奏7.八木節第3部8.宇宙のファンタジー9.童謡メドレーVol.210.にじ/つるの剛士11.美女と野獣メドレー12.エル・クンバンチェロアンコール13.ムーン・リバー14.ラデッキー行進曲レポートトロンボーン五重奏スイングテイストの星に願いをの演奏となりましたが、こういうのを聞くとトロンボーンがバンド全体の役割の中でいかにハーモニーパートとしてサウンドを形作っているのかということがよくわかります。というのもこの5人のアンサンブルでこれだけ立体感のあるサウンドを作れるのはちょっと無いだろうという印象です。あとはサントミューゼのホールの響き特性も関与しているのかもしれません。クラリネット九重奏アンダーザシーの演奏となりましたが、ベークラ7人とバスクラ2人というアンサンブルで、クラリネットらしいまとまり感のとてもステキな演奏でした。楽譜の編曲詳細はよくわかりませんが、この人数だとおそらく1パートを二人以上で吹いている部分があるのかもしれませんが、そうなるとクワイアー的なサウンドになってきて、クラリネットファミリーとしてより重厚な感じになっているように感じました。コンサートマーチ「アルセナール」あまりにも有名な曲ですが、私自身もこの曲をつい一月ちょっと前に本番のオープニングで演奏したこともあり、シチュエーションも同じでなんだかとても親しみを持てました。いろいろな意味で名曲中の名曲ですが、演奏機会が多いがゆえにバンドのカラーの違いがわかりやすく、聞き比べがまた興味深いところかなと思いました。フラッシング・ウインズアルセナールと同じヤン・ヴァンデルローストの曲ですが、こちらの方が変拍子が入ることもあり難易度が高いのかなという印象です。躍動感・前進感というものはフラッシング・ウインズの方があり、ある意味演奏会の雰囲気高揚にはもってこいで2曲目という位置も絶妙に良いと感じた次第です。主よ 人の望みの喜びよ演奏会に不可欠な静かな曲カテゴリーで、昨年はカヴァレリアの間奏曲が入っていましたが、今年はバッハの名曲が来ました。こちらですが、聴き手には静かな曲調でゆったり感がありますが、演奏側はほぼ休みが無くスタミナをどうやって最後まで持たせるかという過酷なものになっており、「あ~この曲は相当に大変だな!」という演奏者側への同情を禁じえないところでした。吹奏楽のための「竹田の子守唄」による幻想曲原曲に竹田の子守唄があるということですが、それをモチーフに現代的な吹奏楽テイストの大変カッコイイ内容に編曲されているという印象を受けました。太鼓の使い方などはどこか八木澤氏の曲みたいなところがあったり、とにかくサウンドがぶ厚くて聞いていてやはり吹奏楽はこういう曲をやってこそ長所が出てくるものだなと感じた次第です。ラッパ隊演奏毎度のことながら規律が素晴らしくカッコ良く演奏も素晴らしいラッパ隊の演奏ですが、聞いていて感じたのが、大災害によって今世の中を席巻している携帯電話に代表されるようなインフラがすべてダメになった時・・・。その時に本当に役に立つのが消防ラッパなのだろうかなと感じた次第です。火消し太鼓演奏第1分団による演奏となりました。太鼓はその圧倒的なビジュアルでまず驚かされる訳、そこから出る音がまたすごい・・・。さらにリムショットなどをうまく活用して曲に輪郭をつけてゆく訳ですが、この乾いた音がなんとも好きかも・・・と感じたひとときになりました。八木節音楽隊と火消し太鼓とのコラボ演奏になりました。いわゆる吹奏楽に和のテイストを盛り込むという点では、真島俊夫氏の和の三部作に代表されるような作品群で世界に認められるクオリティーがある訳ですが、この編曲は吹奏楽ポップスの神様岩井氏によるアレンジということで、元祖という風格があり、とても楽しめる内容でした。宇宙のファンタジー宇宙の雰囲気をシンセサイザーを使った音色で表現しているようですが、そもそも電子楽器と管楽器とのコラボは音量合わせが難しい印象がありますが、そのあたりのバランスも絶妙にはまっており、これは面白い!と感じた曲になりました。童謡メドレーVol.2編曲者が山里佐和子女史ということで洗練度が高く、聞いていてとても心地のよいサウンド感があるメドレーで、各種イベントで演奏するにも効果的な良曲という印象がありました。鳥の鳴き声のような擬似音もGoodでした。にじ/つるの剛士手話+ボーカルによる演出がありました。これどこかで聞いたことのある気がする・・・という親しみ感のある良曲でした。表現的にはほっこりするという感じでしょうか。美女と野獣メドレーエマ・ワトソン主演による実写化でも話題になった美女と野獣ですが、いろいろな編曲版がある中で、この真島俊夫氏のニューサウンズインブラス版が最もおなじみ感のある美女と野獣なのかなというところですが、この編曲版の特徴はベルと野獣のデュエットを2パートのソロによって表現しているところですが、これもベルのパートを女性奏者が、野獣のパートを男性奏者が担当するのが基本のようです。今回はベルパートがアルトサクソフォーン、野獣パートがトロンボーンという組み合わせになっていましたが、ビジュアル的にも良かったのではと感じた次第です。エル・クンバンチェロ冒頭にかけ声が入る、ニューサウンズインブラス版の難しいエル・クンバンチェロですが、この曲はスクールバンドがよく演奏しているのを耳にしますが、底なしの回復力を持つ高校生に比べると一般バンドではスタミナが少々きついかというのが演奏前の予測でしたが、人数で勝るトロンボーンとホルンがサウンドの厚みをキープしてド迫力の演奏になっていた感がありました。こういうのを聞くと吹奏楽はやっぱり人数を揃えるのが、良い演奏をすることへの一番の近道なのだなと感じた次第です。ムーン・リバー最近のトレンドとしてアンコール1曲目は静かな曲でクールダウンというのが上品な構成なのではないかと思いますが、そういった意味でこのムーン・リバーはとてもステキでした。余談ながら太陽と月で曲を分類するなら、月側にある曲をアンコール1曲目に選べばよいのかもしれません。ラデッキー行進曲ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでお馴染みのアンコール曲ですが、指揮者の客席に対する手拍子しよう、手拍子やめようのコントロールが腕の見せ所なのかなというところで、これは素晴らしい最終曲になった感がありました。まとめ消防の音楽隊の定期演奏会は、吹奏楽演奏に加えてラッパ演奏が入るのが基本となりますが、加えて木遣りが入ったりします。そんな中、上田では火消し太鼓というオリジナリティーのある演奏が入り、よいカラーが出ているという印象がありました。また長野県内では一番良いホールと言われているサントミューゼという素晴らしい箱の響きの特性もよく研究されているようで、さすがの地元の団体の演奏という貫禄も感じられた次第です。
November 27, 2017
開催日:2017.11.18(土)14:00開演長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容) 芸術の秋も深まる中、昨年に続き信州大学交響楽団の定期演奏会に行ってきました。プログラム前半1.「くるみ割り人形」組曲 チャイコフスキー後半2.交響曲第5番 マーラー I.In gemessenem Schritt. Streng. Wie ein Kondukt. II.Sturmisch bewegt. Mit grosster Vehemenz. III.Kraftig,nicht zu schnell. IV.Adagietto. Sehr langsam. V.Rondo-Finale. Allegro giocoso.アンコールなしレポート「くるみ割り人形」組曲今回演奏されたのは、小序曲・行進曲・金平糖の精の踊り・ロシアの踊り・アラビアの踊り・中国の踊り・葦笛の踊り・花のワルツの8曲ですが、小組曲以外はいずれもよく知っている曲でとても親しみが持てました。私事ながら5月に演奏したということもあり、その時の緊張感だったり、空気感だったりを想い出し懐かしい気持ちにもなりました。そして金平糖の精の踊りと葦笛の踊りはいろいろな意味で注目した楽章でした。最終曲花のワルツは、やはり冒頭のハープのソロが最高で、その後に続く優雅な旋律はほんとうにステキな音楽でした。交響曲第5番 マーラー1時間を越える超大曲ということで、まさに100回記念にふさわしいところですが、マーラーの楽曲はなんというかやっぱりカッコいいね!というところがあってこれは好きなところでありました。一言で1時間といってもこのように素晴らしい音楽の中で贅沢な1時間を過ごせたことが何よりのひとときと感じるところでした。まとめ年2回の公演を行っている信州大学交響楽団ですが、この第100回は、東京公演を加えて、長野・東京・松本の三公演を実現したとのことで、さらに今日の松本公演はそのグランドファイナルにあたり、指揮者以下全員の気迫が伝わってきました。演奏会回数を3ケタに乗せ、来年以降の活動がますます楽しみな楽団と言えそうです。
November 18, 2017
開催日:2017.11.12(日) 13:00開演場所 :上山田文化会館(952名収容)今年で11回目を迎える千曲音楽祭・第2日目へ行ってきました。プログラムオープニング みんなでうたいましょう“翼をください”1.上山田小学校金管バンド テキーラ 「名探偵コナン」メインテーマ2.ぽぷり<女声3部合唱> なんでもないや ぜんぶ エーデルワイス3.堀口鉄人<尺八独奏> 木枯 千曲小唄 千曲川4.アンサンブルエコー<女声アカペラ> シャボン玉 ト調のメヌエット 糸5.千曲フィルハーモニー管弦楽団<クラリネット三重奏> 5つのディヴェルティメントよりアレグロ・メヌエット・ロンド6.トゥインクル・ベル<ミュージックベル> 崖の上のポニョ カチューシャの唄 少年時代7.高野隆子・田島仁<ピアノ連弾> ウエスト・サイド・ストーリーより 「マリア」「クール」「トゥナイト」「アメリカ」8.上山田小学校4学年<合唱> 子供の世界 いのちの歌9.KBE上山田吹奏楽団 ホール・ニュー・ワールド 恋のバカンス10.千曲ギターアンサンブル “ニューシネマパラダイス”よりメインテーマ 運命第一楽章11.MiST Saxophone Ensemble<サクソフォン七重奏> 「子供の部屋」より 信濃の国12.コーラスくさぶえ<混声三部合唱> 花のまわりで 風になりたい 鞠と殿様13.ウィローウインドオーケストラ<クラリネットアンサンブル> フーガと神秘 魔女の宅急便メドレー14.Duo雫<箏・十七弦二重奏> おさるのかごや 巡る星座15.コーラス更級<混声合唱> 星に願いを すべての山に登れ 大地讃頌エンディング さいごに うたいましょう“夢の世界を”レポート上山田小学校金管バンド音楽祭のオープニングファンファーレも担当した上山田小の金管バンドですが、テキーラ・コナンともに比較的ゆっくりしたテンポで1つ1つ音を確実に鳴らしてゆく感じの演奏でした。そして金管バンドではありますが、シロフォンを入れることで音に輪郭ができて、これもバンドのサウンドを引っ張るよい指標になっていたように思いました。ぽぷり映画「君の名は」でヒットしたなんでもないやは、J-POP特有の1小節間にとても多くの言葉を入れねばならない難解な曲と思いますが、これを合唱で見事に表現していたのがとても印象的でした。そして2曲目のぜんぶは合唱向きのとてもきれいなハーモニーがステキでした。3曲目のエーデルワイスは王道のど真ん中を行く合唱曲ということで、こういうのを聞くと合唱の魅力を感じざるをえないと思いました。堀口鉄人第1日目は二胡が幅をきかせていましたが、今日は尺八が登場し圧倒的な存在感を感じさせるひとときになりました。PAを使っての音になりましたが、それでも尺八特有のなんとも味のあるよい音色を堪能するひととになりました。それにしてもこういったいろいろなジャンルの音楽にふれられるのが千曲音楽祭の良いところと感じた次第です。アンサンブルエコーアカペラということで、伴奏が無い合唱になりますが、シャボン玉は懐かしさ120%で癒され、ト調のメヌエットはアカペラでも言葉が無い中で音を声を表現する感じが新鮮な感じで、こんなアカペラもあるのか!と目からウロコでした。そして糸は名曲中の名曲なので、これをアカペラでハモルとそれはそれはステキなハーモニーになり、いいなと改めて思いました。千曲フィルハーモニー管弦楽団<クラリネット三重奏>音楽を志すにせよ楽しむにせよ、おおよそモーツァルトは必ず一度は体験する音楽かと思いますが、そんな超正統派のモーツァルトの音楽をとても息の合った心地よいクラリネットアンサンブルで楽しむことができました。このあたり、音域の広いクラリネットだからこそできる同じ音色での統一されたサウンドにもとても安心して聞き入ることができるのがいいなと思った次第です。トゥインクル・ベルとても心地よい癒されるベルの響き。これこそがミュージックベルの魅力かと思いますが、ちょっと音楽をやっている側から見ると一人1音のベルで合奏してこれだけ連なった音楽を作るのってとんでもなく練習しないと難しいのでは?という疑問が湧いてきました。それゆえチームワークがどれだけすごいのかということに想いを致した次第です。高野隆子・田島仁昨日に続いてのプロ奏者による連弾となりましたが、独特の色を持つウエスト・サイド・ストーリーの音楽が流れるようなピアノの音色とともに進んでゆくのがとても壮大でした。私的には「マリア」が一番好きな曲なのですが、この連弾はとてもダイナミックで聴き応え十分でよい耳の保養になりました。そして「トゥナイト」の風切る疾走感の心地よさはなんとも絶妙。締めはやはり「アメリカ」ということですが、これもドリームアメリカを想わせる夢のある演奏でした。上山田小学校4学年子供の世界はディズニーの小さな世界の替え歌版と思いますが、なるほどよく作ってある!と思う歌詞でした。そしていのちの歌は昨日に続いての演奏ですが、繰り返して演奏されるだけの名曲であると改めて感じた次第です。この曲の趣旨とすれば、生きるよろこびを感謝という形で表現したものと思いますが、まず曲がとてもステキでそこにつく歌詞も素晴らしいということで何度聞いても感動するものがありました。KBE上山田吹奏楽団千曲音楽祭の会場となった上山田文化会館をホームグラウンドとするご当地楽団として存在感を放つ団体かと思いますが、ビックバンドスタイルを取っており、管楽器の音圧と電子楽器の融合でパワフルなサウンド感がじつに魅力的なサウンドと思うところがありました。1曲目のホールニューワールドはそんなパワフルサウンドでじつにゆったりと。2曲目の恋のバカンスは、管楽器の生音を生かしながらもご機嫌なスイングテイストがとても印象的でした。千曲ギターアンサンブル癒しのサウンドという言葉がぴったりのギターのやさしい音色がとても心が休まるアンサンブルでした。そしてニューシネマパラダイスはまさにギターの音色にマッチングした曲と言えるかもしれません。2曲目の運命はあの管弦楽の激しい雰囲気とは毛色の違う新しいものになっており、なるほどこういった表現方法もあるのかと大変勉強になった次第です。MiST Saxophone Ensemble坂城のバラ祭りで何度か演奏をきかせて頂いていますが、1曲目の子供の部屋よりは、初めてきく曲ですが、組曲方式で楽章ごとにいろいろなカラーを持っていて、まさに子供の部屋のあれこれを楽しめるおもしろい曲になっていました。2曲目の信濃の国はおなじみの曲ですが、吹奏楽でやるとわりとやぼったい感じになるのにサクソフォンアンサンブルでやるとなにやら超絶おしゃれな感じになって同じ曲でもここまで変わるものなのか?!と大変驚いた次第です。コーラスくさぶえ混声合唱にはまた違った魅力がありますが、花のまわりではとてもさわやかな曲。そして風になりたいはブームのあの曲とは同名異曲で正統的な感じのとてもわかりやすい曲という印象がありました。鞠と殿様はアップテンポなコミカルな曲ですが、蹴鞠を題材とした曲でじつはわりとおなじみの曲であったという感がありました。ウィローウインドオーケストラ昨年に続いてのクラリネットアンサンブルの出場ですが、1曲目は独特のサウンド感を持つピアソラのフーガと神秘ということで、この曲はフーガ部と神秘部に分かれる感じですが、編曲的には、主旋律を取るエスクラから始まり、ベークラ、バスクラへとリレーされてゆく構造になっています。また面白いのはバスクラも最初クールは通常の音域で2クール目になると音域が下がることで、これは一人二役的なねらいがあるのかなという感じを受けました。そして中間部の神秘の部分は、前半をエスクラのソロのもと他のパートが伴奏を寄せ、後半をベークラのソロのもと他のパートが伴奏を寄せという感じになっていて、これもデリケートな部分ながらとても味がある部分かなと思いました。2曲目の魔女の宅急便メドレーは、魔女宅の王道曲である「海の見える街」「仕事はじめ」「晴れた日に」「旅立ち」が入っており、それぞれのパートが交代で主旋律を取ったり、かけあいがあったりといろいろな仕掛けがとても面白い内容になっている感がありました。Duo雫日本的な楽器として箏が登場しました。この楽器は見た目もなかなかに上品ですが、その音色もまた格別のものがあり、残響音による独特の間合いがまた良くてちょっと京都を散歩しているかのような優雅さがとても魅力的なサウンドでありました。コーラス更級ピアノを中央に配置し、さらにギターが入って伴奏と合唱との一体感をより高めた雰囲気の演奏となりました。星に願いをはこれらの融合がじつに見事で聴き応えがありました。2曲目のすべての山に登れはサウンドオブミュージックの代表曲の1つですが、男声と女声のパート分けも絶妙でとてもステキなサウンドになっていました。そして3曲目の大地讃頌は他団体の出演者や音楽祭実行委員も加えての大編成での大合唱になり、この一体感は音楽がいかに人をつなぐ力を持っている素晴らしいものかと感じさせるひとときになりました。エンディング恒例となっている「夢の世界を」の全員合唱は子供達も加えて総出での大大合唱のフィナーレとなりました。今までいろいろな音楽祭に参加してきましたが、それこそ飛び入り参加でもステージに上がることができ、素晴らしい一体感を得られるこういった粋な計らいがあるのは千曲音楽祭ならではのフレンドリーなところかなと感じた次第です。まとめ二日間に渡った千曲音楽祭ですが、1日目14団体。2日目15団体とかなり規模の大きな音楽祭であり、また音楽のジャンルを選ばず、プロアマも選ばず、じつに間口の広い音楽祭だなという印象を改めて受けました。このあたり音楽文化向上に大変熱心な千曲市の理解もさることながら、それを支える実行委員の皆さんの運営力の高さもまた特筆すべきものがあると感じ、特に午前中から時間をかけて行われるステージリハがあるというのもより本番でのパフォーマンス向上に極めて大きな効果があると感じた次第です。
November 12, 2017
開催日:2017.11.11(土) 13:00開演場所 :上山田文化会館(952名収容)今年で11回目を迎える千曲音楽祭・第1日目へ行ってきました。プログラムオープニング みんなでうたいましょう“翼をください”1.戸倉上山田中学校吹奏楽部 プロヴァンスの風 ハナミズキ2.千曲マンドリンアンサンブル アルハンブラの思い出 津軽海峡冬景色 きよしのズンドコ節3.フレンド エコー<合唱> にじを歌って 雨にぬれても タラのテーマ4.戸倉小学校合唱団 一番はじめは 朝のワルツ いのちの歌5.高山賢人二胡教室 歓喜の歌 太湖船 ムーンリバー6.オカリナサークル そよかぜ アムール川の波 若い広場7.五加小学校合唱部<二部合唱> にじいろ 風の道しるべ8.滝沢久美子・志川由香<ピアノ連弾> 愛の挨拶 イタリア協奏曲 第1楽章 ハンガリー狂詩曲 第2番9.グリーンメイ コーラス モルダウ 群青10.更級小学校4学年<合唱> 棚田姫 この星に生まれて11.渡辺幸絵<フルートトリオ> 私のお気に入り アディオス ノニーノ12.高山賢人<二胡> 風のDIVA 旅人13.ウィローウインドオーケストラ<金管アンサンブル> エピソード 金管八重奏のための幻想曲「風刃烈火」 花は咲く14.戸倉上山田中学校合唱部<女声3部合唱> 同声合唱曲集「わらべぼっこ」より“十日夜のわら鉄砲” ヒカリへ15.有志合唱 大地讃頌エンディング さいごに うたいましょう“夢の世界を”レポート戸倉上山田中学校吹奏楽部音楽祭の中で唯一の吹奏楽団体ということで、1番手を飾るにふさわしい豪華な演奏という印象でした。2015年の課題曲プロヴァンスの風は異色のマーチということで、ちょっとヨーロピアンな風が会場に吹いたような気がしました。そしてハナミズキは久しぶりに聴きましたが、やはり名曲だなと改めて感じた次第です。 千曲マンドリンアンサンブル吹奏楽と比べると音圧がほとんど感じられないマンドリンだけにガラリと雰囲気が変わった感がありました。そしてアルハンブラの思い出はちょっと寂しげな曲で秋が深まり冬を迎える今の時期にはちょうど良い感じがしました。そして津軽海峡冬景色は、季節は冬!不思議とアルハンブラの後に聞くと明るい曲のように聞こえました。3曲目のきよしのズンドコ節は、マンドリンでやるど演歌もなかなか乙なものだなと思わせる名演でした。フレンド エコー横文字が歌詞に入る西洋の風が吹く的なにじを歌って。そして小道具として雨傘を使って良い雰囲気を出していてた雨にぬれても。こういう演出はとても好感が持てます。そしてタラのテーマは映画のワンシーンを彷彿とせる堂々たる演目でした。戸倉小学校合唱団一番はじめはわらべうたとのことですが、なるほどわらべがわらべ歌を歌うとやっぱりしっくりくるなと感じました。2曲目の朝のワルツは、とてもさわやかな曲。ハーモニーもとてもステキで癒されたひととになりました。3曲目のいのちのうたはNHK連続テレビ小説だんだんでマナカナが歌って有名になった曲で吹奏楽でも楽譜が出たりしましたが、歌詞がとてもステキなので、やっぱりこの曲は合唱で聴くのがベストと思った次第です。高山賢人二胡教室二胡の合奏団というものを初めて耳にしましたが、これってオケの響きでは?!と思うところがありました。1曲目がベートーベンの第9の歓喜の歌で余計にそう思いました。2曲目の太湖船は中国民謡ということでコテコテの中華テイスト曲。だいぶ前に女子十二楽坊というグループがありましたがそれを思い出しました。そして3曲目のムーンリバーは再び西洋テイストへ。二胡がジャンルを選ばない楽器であることがよくわかりました。オカリナサークル そよかぜPAをフル活用してオカリナの音色が会場中に響き渡りました。アムール川の波はロシア民謡ということでとても寒々とした印象。オカリナの音色の特徴である風切り音がはまっていた感がありました。そして2曲目の若い広場はまさに旬の曲。桑田テイストのあのねばっこい曲が、オカリナのさわやかな音色でまるで異次元の世界の曲に・・・このあたりも新鮮でした。五加小学校合唱部NHK連続テレビ小説花子とアンの主題歌にじいろですが、合唱曲としてとてもいいなと思いました。余談ながらハナコの末妹が土屋太鳳で、その後まれで主役となる・・・というのはわりと有名な話です。そして2曲目の風の道しるべは躍動感のあるとても心地の良い曲で、時々入る横文字がよいアクセントになっていると思いました。また演出として手をふる箇所があり、そこも躍動感をさらに高める効果がありとてもいいなと思いました。滝沢久美子・志川由香いきのあったデュオによるピアノ連弾でしたが、さすがプロの演奏家によるものは違う・・・ピアノ1台で手が4本で・・・ピアノは1台だが・・・改めて連弾の大きな魅力を感じたひとときになりました。グリーンメイ コーラス個人的に好きな交響詩モルダウですが、オケ版も良いですが合唱もまた味があって良いと思いました。群青は、福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生と、音楽教諭の小田美樹氏によって2013年に作られた曲で、震災を題材にした曲ですが、復興への希望を綴ったような曲調で聞いていてなんだか元気が湧いてくるようなステキな曲と思いました。更級小学校4学年ご当地ソングの棚田姫ですが、リコーダーを使って合唱曲としてはちょっとプラスアルファ感があるなと思いました。この星に生まれては、テーマを地球~宇宙に置いたスケールの大きな曲。とても壮大な印象を受けました。渡辺幸絵プロのフルート奏者による演奏ですが、こちらもPAを使ってソロコンサート風のステージとなりました。私のお気に入りはおなじみの曲。曲調がフルートの音色ととてもよくマッチングしていいなと思いました。2曲目はアディオスノニーノはピアソラらしいなんともエキゾチックな雰囲気のする良曲。聞いていてちょっとぞくぞく来るようなものがありました。高山賢人プロの二胡奏者による演奏ですが、いやはやPA使用で二胡がこんなにも音の立つ楽器に変貌するとは驚きでした。微妙な弦さばきはもちろん超弱奏へのこだわりと・・・とにかく素晴らしいの一言でした。二胡の素晴らしさを再認識したひととになりました。ウィローウインドオーケストラ音楽祭唯一の金管アンサンブルチームですが、1曲目のエピソードは解説によれば明るく溌剌としたファンファーレに始まり、各楽器が対位法的に重なり合い変拍子も交えながら小気味良いテンポで音楽が進む・・・とのことで、実際に聞いてみるとなかなかの超絶技巧の中で曲が組み立てられていることが感じ取れました。2曲目の「風刃烈火」はこの夏に発表されたばかりの新曲ですが、解説によれば演奏にはかなり高いテクニックが必要な上、劇的で変化があり本格的な金管楽器の表現力を発揮できる曲とのことで、なるほど聞いていてこれは難しそうだ・・・と思うところがありましたが、金管楽器のアンサンブルの魅力を十二分に感じる演奏だと思いました。3曲目の花は咲くはおなじみの曲ですが、この曲は金管楽器の太い音色でアンサンブルしてより魅力が増すのかなと思うところがありました。戸倉上山田中学校合唱部十日夜のわら鉄砲は、歌いだしの弱奏部からちょっとこれはレベル高いぞ!と感じる演奏と思いました。ちなみにこちらは伴奏無しの曲なのですが、それだけに声だけの微妙な抑揚も手に取るようにわかり、これはすごいと感じる箇所がたくさんありました。2曲目のヒカリへは、miwaの曲ですが、原曲より合唱曲の方がかなりステキな感じになっている・・・これは吹奏楽の宝島のような状況なのかもしれませんが、同時に戸上中合唱部の力量が相当に素晴らしいのだと感じるところでした。まとめ千曲音楽祭第1日目は、吹奏楽、マンドリン、オカリナ、合唱、ピアノ連弾、フルート、二胡、金管アンサンブルとバラエティーに富んだまさに音楽の宝箱のような1日になりましたが、よく練習されたアマチュアの練られた演奏。そしてプロの圧倒的な力量による演奏というプロアマ混合のとても充実したものでした。このあたり、改めて素晴らしい音楽祭だなと感じた次第です。
November 11, 2017
開催日:2017.10.22(日) 12:15開演場所 :長野市南部勤労青少年ホーム昨年に続き南部勤労青少年ホーム祭のちくたくミュージッククラブのイベント演奏に加わらせていただききました。発表12:15~12:45ちくたくミュージッククラブプログラム1.演歌メドレーVol.22.勇気100%3.いいもんだな故郷は4.日本の情景【秋】5.まつり6.ふるさと(アンコール)レポート演歌メドレーVol.2この曲は津軽海峡冬景色・与作、浪花節だよ人生はの3曲がメドレーになったもので、相当にメジャーな3曲の組み合わせということもあり、演奏会でもイベントでも使える良曲という印象がありました。演奏にあたっても比較的音が厚く書かれているので小人数でも曲として聴き栄えが良い、さらには与作のフルートソロや浪花節のアルトサクソフォーンのソロもあり見せ場もGoodと感じました。勇気100%25年前の楽曲ということですが、古さをあまり感じさせないのは多くの演奏会やイベント等で繰り返し演奏されているゆえでしょうか。演奏にあたっては、とにかく全パートで吹きっぱなしということでかなりスタミナを使うということがあり、きつい曲であります・・・。また私事ながら、この曲は今まで何回も演奏してきていますが、初の1stクラ担当ということでどこか新鮮なものがありました。いいもんだな故郷はちくたくミュージッククラブとしては吹奏楽の夕べに続いての演奏となりましたが、いわゆるカールの曲!ということで、練習時も曲名は言われず「カール」が俗称となっており、正式な曲名は何だっけ?というくらいのノリでしたが、短くて耳当たりが良くイベント演奏にはもってこいかなと改めて感じました。そして余談ながら、カール・・・先日チーズ味を入手し食べてみましたが、とても懐かしい味でした。日本の情景【秋】M8でおなじみの日本の情景シリーズの秋バージョンになりますが、虫の声・里の秋・まっかな秋・村・まつり・旅愁・故郷の空・もみじとなんとも懐かしい歌の数々に久しぶりに童心に帰った想いがしました。私事ながらこの日本の情景シリーズの中で秋は初めての演奏でしたが、季節感がよく出ていてとてもいいなと思った次第です。あと余談ながら故郷の空はスイングガールズでおなじみということで、秋の曲だったのか!という新たな発見がありました。まつり北島三郎のパワフルな曲ということで、歌番組では大規模なセットを組んでの歌唱がイメージされるところですが、そういった曲は吹奏楽にはよく合うと改めて思いました。そしてイベント演奏のトリとしても素晴らしい選択というところです。ふるさと日本だけでなく世界中で、誰もが持っているふるさと。アンコールでのクールダウン曲としていいなと改めて思いました。まとめ今回は少しスケジュールに余裕があったので、イベント演奏の他にミニカレーは抑えた上で、体験コーナーのパステルアートに挑戦してみました。40の手習い?的な新鮮な気持ちで講師の先生から丁寧に教えてもらいながら簡単な作品を作ってみましたが、淡い色合いがなんとも癒されたひととになりました。
October 22, 2017
開催日:2017.10.15(日) 14:00開演場所 :ホクト文化ホール 中ホール(1,070名収容) 4年ぶりに長野県の吹奏楽伝統校である柳町中学校吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行ってきました。第1部1.ファンファーレ柳町2.柳町中学校校歌3.大地讃頌4.スケルツァンド5.スペイン奇想曲第2部6.3年生演奏「春の道を歩こう」7.ファゴット独奏「無伴奏パルティータ」8.フルート独奏「2つの対話」9.クラリネット独奏「18のエスニックエチュードより 14,1,5番」10.サックス4重奏「サクソフォーン四重奏曲 第3楽章」第3部11.桜ソングメドレー12.ディズニー・クラシックス・レビュー13.J-BEST’1614.ディープパープルメドレー15.宝島アンコール16.宇宙戦艦ヤマト17.宝島 take2レポートファンファーレ柳町恒例のトランペットのファンファーレにて厳かに演奏会の開始が宣言されました。コンクールの演奏でもトランペットセクションの音がとても光っていて素晴らしいと感じていたこともありましたが、やはり音がキラキラと輝いていてとても素晴らしいファンファーレと感じました。柳町中学校校歌高校の定期演奏会ではよく校歌が演奏されていますが、中学校ではそもそも定期演奏会を開催するところが少ないこともありとても新鮮な感じがしました。プログラムの裏表紙に歌詞もあり、ステキな歌詞でした。大地讃頌第二の校歌ということでしたが、説明の必要が無いあまりにも有名な曲です。合唱オンリーも清楚で良いですが、やはり管楽アンサンブルの色彩感のある演奏だと迫力が違うと思いました。スケルツァンド2017年の吹奏楽コンクール課題曲聞き納めが、全国大会出場団体の演奏ということで感慨深いものがあり、さらにはコンクール課題曲としてはかなりの良曲との評判のスケルツァンドを大いに堪能させて頂きました。スペイン奇想曲冒頭のクラリネットソロはクラリネット吹きにとってはあまりにもインパクトが強く圧巻なものがありますが、それに続き金管群の抜群にカッコイイファンフィーレ。さらにはフルートソロへ→再びクラリネットソロ→サクソフォーンソロ。そしてスペインらしい熱い旋律を経て大きく盛り上がりエンディングとなりますが、カスタネットの調べに乗ってのノリもさることながらいろいろな意味で聴いていてとても幸せな気持ちになるようなステキな演奏でした。3年生演奏「春の道を歩こう」3年生だけによる演奏ですが、少人数なのに堂々たる演奏はさすが三年生という演奏でした。余談ながら2015年のこの課題曲は私にとっても最後のコンクール出場の想い出の曲として記憶に残る曲でもありますが、こうやって再び聴くといいなと思いました。ファゴット独奏「無伴奏パルティータ」いかにもバッハらしい音の動きが印象的でしたが、ここでファゴットの生の音色を堪能するにつけ、とても癒されるものがありました。フルート独奏「2つの会話」フルートは音域によって陰と陽の違いほど音色に差があると感じますが、ここではそんな音色の違いを利用して2つの会話を表現したのかなと思いました。クラリネット独奏「18のエスニックエチュードより 14,1,5番」聴きなれているクラリネットの音色な訳ですが、独奏とも別次元の難しさがあるのかなと思いました。そしてクラリネットの音域の広さは独奏でも大いに役立つものなのかもと改めて気付かされた次第です。サックス4重奏「サクソフォーン四重奏曲 第3楽章」4人集まればかなり豪華な響きになる・・・それがサクソフォーンアンサンブルの華やかなところと思いますが、ソプラノ・アルト・テナー・バリトンそれぞれが違うカラーを持っているのが要因なのかもしれません。桜ソングメドレーさくらにまつわる曲を集めたメドレーですが、SAKURA(いきものがかり)→ さくら(ケツメイシ)→ 桜坂(福山雅治)→ 桜(コブクロ)→ サクラ咲ケ(嵐)→ さくら(森山直太朗)と連なり、聴く人を暖かい気持ちにさせてくれるようなとてもステキなメドレーと思いました。ディズニー・クラシックス・レビューニューサウンズインブラスのディズニー曲としてはちょっと珍しい山里佐和子氏編曲によるものですが、冒頭のマウスピースだけの奏法の楽しさや、いろいろなパートが旋律を取ってゆくある意味楽器紹介的な面もある良アレンジと思いました。J-BEST’16前前前世(RADWIMPS)→ 好きな人がいること(JY)→ ラストシーン(いきものがかり)→ 未来(コブクロ)→ 友よ ~ この先もずっと…(ケツメイシ)→ FLASH(Perfume)→ ペンパイナッポーアッポーペン(ピコ太郎)→ PERFECT HUMAN(RADIO FISH)→ 海の声(浦島太郎(桐谷健太))→ Have a nice day(西野カナ)→ 全力バタンキュー(A応P)→ 恋(星野 源)と2016年を振り返るJ-POPの大メドレーですが、自身が単曲で演奏した曲も出てきて1年前なのに妙に懐かしく感じるところがありました。ディープパープルメドレー20年以上前のニューサウンズインブラスの曲ですが、スクールバンドではかなりの人気曲で、過去の柳中演奏会でも演奏されていることから18番的な曲と思いますが、やはり若さのパワーでする演奏はステキです。このあたり、市民バンドのいぶし銀も良いですが、どちらかというといやらしくなってしまうので、この曲にいたっては真っ直ぐな若さのエネルギーこそが前に出た方がよいかも・・・と感じた次第です。宝島OBOGも加わっての大迫力の演奏となりました。やはりスクールバンドの18番ということで、演奏しなれていて楽しんでいる感じが伝わってきました。そしてテンポがかなり速いのはスクールバンド特有のノリと思いますが、それもまた若さの力を感じさせるところでした。宇宙戦艦ヤマトアンコール1曲目は恒例の宇宙戦艦ヤマトで!という紹介がありました。余談ながら原作は相当古いのですが、これだけ繰り返し演奏される曲もそうはないだろうと思うとともに、何度聴いても良いというのが感じたところです。宝島 take2アンコール2曲目は宝島をもう1回!ということで、少し省略するのかなと思いきや、1回目と変わらずのフルバージョンということで、そういう手を抜かないところが素晴らしいと思うとともに、しっかり2回目の宝島を楽しませて頂きました。まとめここ数年吹奏楽コンクールの全国大会において長野県代表はなかなか切符をもらえない状況が続いていましたが、今年は見事柳中が切符を手にして出場となりました。そんなこともあり、定期演奏会でも折に触れその話がなされた訳ですが、その最高の舞台を1週間後に控えた中での定期演奏会はまた格別なものがあったのではと感じました。またコンクールでの演奏では見られなかった生徒たちの喜怒哀楽がたくさん見られたのも演奏会ならではのことで、これはとても素晴らしいことと感じた次第です。
October 18, 2017
開催日:2017.10.8(日)18:00開演場所 :大町市文化会館(エコーホール)(1,172名収容)黒部ダムで有名な大町を拠点に活動する大町市民吹奏楽団・アルプスシンフォニックバンドの定期演奏会に行ってきました。また一昨年、昨年に続き、縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。第2部テーマ「映画音楽」6.20世紀FOXファンファーレ7.「ミッション:インポッシブル」のテーマ8.キャラバンの到着 映画「ロシュフォールの恋人達」より9.「もののけ姫」メドレー10.グレン・ミラー・メドレー11.美女と野獣ハイライトアンコール12.サンライズマーチ13.また逢う日までレポート20世紀FOXファンファーレ映画音楽ステージに相応しいファンファーレとなりましたが、わずか9小節の曲でありながらオープニングゆえのこだわりもあったように感じました。「ミッション:インポッシブル」のテーマ20世紀FOXファンファーレから間髪入れずにの演奏でしたが、シリーズ化されるほどの人気作品の音楽ということで、親しみ感もありました。そしてこの曲はバリトンサクソフォーンのカッコイイソロがあり、また演奏しやすからすると冒頭こそ4分の5拍子で慣れが必要なものの、その後は4分4拍子で書かれていて、わかりやすい譜面という印象がありました。キャラバンの到着既存曲をスイング調にするのに定評がある福田洋介氏によるアレンジでとてもカッコいい曲調が印象的ですが、演奏するとなると2部の曲の中では一二を争う難曲である意味なかなか曲にならないような印象がありましたが、形が出来てくるととても素晴らしい!ベースギターのソロから始まり、厚みのある木管系の旋律、マレットパーカッションの輪郭付け、金管系のバッキングととてもお洒落な感じがしました。さらに40名越えの大編成での演奏ならばさらによく映える気がしました。「もののけ姫」メドレーもののけ姫そのものは1997年の作品なので今から20年前なのに、その音楽は全く古さを感じさせず未だに人気がある印象がします。そして今回はニューサウンズインブラス版のメドレーということで、これまた定評のある星出尚志氏のアレンジも手伝って、見せ場となるホルンソロが大変美しくコーディネートされていてとても神秘的なものを感じました。また毎年ジブリの曲を1曲はやるという定期演奏会のコンセプトの1曲としても素晴らしいものがありました。グレン・ミラー・メドレーあまりにも有名なグレンミラーの名曲の数々がつまったそれこそ全部入り的な曲ですが、各パートのソロも凝っていてサクソフォーンなどはソプラノ・アルト持ち替えはまあわかるとして、アルトバリトン持ち替えまであり、これがためサクソフォーンチームのまわりがかなり豪華なことになっており、これはとても華やかでありました。そしてグレンミラーの中で最もポピュラーと思われるのはムーンライト・セレナーデ。そしてやはりクラリネットソロ。こちらはムード満点と感じる好演でした。美女と野獣ハイライト今年は美女の野獣の実写版の公開で話題となっていますが、エマ・ワトソンの好演が印象に残った方も多くおられたのではないでしょうか。そんな中、今回演奏となったハイライト版は舶来の譜面で、ソロやデュエットなど派手な演出はないものの、全体として着実に盛り上がるアレンジとなっていて、まさに演奏会を締めるに相応しい良曲という感がありました。サンライズマーチ1982年の古い課題曲ですが、演奏頻度はかなり多い印象があります。私自身も昨年に演奏したばかりで不思議な縁を感じたところですが、今回は初の対旋律側&低音パートを受け持ち同じ曲なのにとても新鮮でした。最近、アンコールでマーチ!という演奏会をよく耳にしますが、これはじつは基本の形のようで、考えてみれば某ウィーン系バンドもアンコールでラデッキー行進曲ということで納得でした。また逢う日までアンコール2曲目として定番中の定番になりますが、歌い手であった尾崎紀世彦が2012年に亡くなったのを機に再ブームが来ているようで、あちこちで耳にする機会があります。そしてまた逢う日までは演奏者から聴衆に対してというのがメインメッセージではあるのですが、演奏者側としてもともに同じステージで演奏した仲間としてまた逢う日まで・・・という想いもあり、とても感慨深いものがありました。第2部まとめ映画音楽がテーマということで、洋画・ジブリ・ディズニーと幅広いジャンルからの選曲がとてもわかりやすく、かつ楽しめました。また曲順についても、なるほどと思えるものがあり、とてもよい構成かなと感じた次第です。そしてアンコールらしい2曲もまたGoodです。まとめ一昨年、昨年に引き続き演奏者として参加させて頂いた訳ですが、1部では吹奏楽ではおなじみの曲、さらに知らなかったがステキだと思った曲、いつかやってみたいと思っていた曲。といろいろ挑戦でき、2部では映画音楽の世界にどっぷりはまり、曲数もですが内容的にとてもやりがいのある演奏会であったと感じるところがありました。いずれにしても、石津先生のもとに集ったメンバーでこれだけのステージがやれたことに感謝する次第です。
October 14, 2017
開催日:2017.10.8(日)18:00開演場所 :大町市文化会館(エコーホール)(1,172名収容)黒部ダムで有名な大町を拠点に活動する大町市民吹奏楽団・アルプスシンフォニックバンドの定期演奏会に行ってきました。また一昨年、昨年に続き、縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。第1部1.アルセナール2.パスク・ロマーナ3.そして天使たちは告げた4.道 希望へ5.吹奏楽のための音詩「輝きの海」へレポートアルセナールヤン・ヴァンデルローストの曲の中ではおそらく一番演奏されていて認知度も高い曲で、曲想的にコンサートのオープニングにもアンコールにも使えるという万能曲かと思います。今演奏会ではオープニング起用ということで、より華やかに、期待感を持つようなテンションで演奏しようと心がけた次第ですが、私自身何回目の演奏だろうと思いつつ、限られた演奏活動の中でこうも同じ曲を演奏できる幸せを感じたところです。パクス・ロマーナ2005年のコンクール課題曲ですが、当時はマーチ「春風」の人気の影に隠れていまひとつ印象が薄いのかなと思いましたが、実際に取り組んでみると日本のマーチ王・松尾善雄氏の作品だけあって曲の作りがとてもよく考えられていてやりがいがあるものでした。特に冒頭ファンファーレの後のクラリネットの旋律は、バスクラも入ってのクラリネット族総出の見せ場となっており、これはこの曲で一番ぞくぞく来るポイントかなと感じました。そして天使たちは告げた明るくて親しみやすいスウェアリンジェンの曲の中では、やや異色の作品と言えます。この作品には吹奏楽部のメンバーが事故で亡くなった事件から始まる物語となっており、第1幕は事件発生・・・3人が死んだ!。第2幕は3人が生きている頃の回想シーン。第3幕は、亡くなった三人による歌(チューバ、トランペット、フルート)。第4幕は悲しみを乗り越えて前へ進む残された仲間たち。ともかく涙無しには語れないストーリーが入っており、演奏にあたってもそれはしみじみと感じるところがありました。道 希望へかつてコンクールの全国大会金賞を続けた横綱バンドの土気シビックウインドオーケストラが開催した東北復興祈念特別演奏の委嘱作品ですが、いろいろな意味で深い作品です。復興作品でスパークの陽はまた昇るも良いですが、道 希望へはより現実味のある内容である意味シビック=市民的に近いのかもしれません。演奏的には、昨年の松本文化会館付属管楽アンサンブルでの演奏に続いて2回目ということもあり、前回と今回の2回分の練習+レッスンを経てより曲を掘り下げられた感があり、とても充実感がありました。吹奏楽のための音詩「輝きの海」へ大町市吹にとっては2013年の「稜線の風」-北アルプスの印象以来数年ぶりの八木澤氏作品ピックアップということもあり、期待感もこめて楽しみなところでした。そして八木澤氏の作品は客観的に見て、起承転結のわかりやすさや重厚なコラール、そしてなんと言ってもこれでもかという豪華なエンディングは演奏会を盛り上げるという意味で他の追従を許さないものがあると感じます。私自身八木澤氏の作品を演奏するのは今回で3曲目になりますが、前回2014年に所属楽団で演奏した交響詩「母なる北方の大地-すべての命を讃えて」と対比しても曲の構造がよく似ていて、初めてなのにどこか懐かしい感触を受けました。第1部まとめ黒衣装のステージということで、硬めの曲のステージとなりましたが、吹奏楽の世界で著名なアルセナールに始まり、少しマイナーだが良曲で初めて聴いてもわかりやすいパクス・ロマーナ。そして中プロメインのそして天使たちは告げた。道 希望を経て、最後は輝きの海へで大いに盛り上がって終わるという構成的にもわかりやすい内容で、ボリューム感120%のとても親しみやすいステージであったと感じた次第です。
October 11, 2017
開催日:2017.10.1(日) 13:00開演場所 :千曲荘病院病院祭メインステージ今年11回目を迎える千曲荘病院祭のアトラクション演奏に行ってきました。プログラムちび音楽会ステージ・アンサンブル 11:30~クラリネット五重奏1.美女と野獣2.ホール・ニュー・ワールドクラリネット+トロンボーンアンサンブル3.川の流れのように4.ひまわりの約束5.残酷に天使のテーゼメインステージ・坂城町吹奏楽団発表 13:00~1.サンバ・テンペラード2.ムーンライト・セレナーデ3.若い広場4.およげたいやきくん in Swing5.また逢う日までレポート美女と野獣今年は実写版映画が発表されたことにより、話題性も十分の美女と野獣ですが、曲的にも坂ブラクラリネットパートの今年のレパートリーとして春先から積み上げてきた曲ということでツボを心得た感じの演奏になりました。また曲とすればクラリネット特有の温かみのある音色とのマッチングも良いのではと思うところがありました。ホール・ニュー・ワールドアラジンの有名曲ですが、こちらは坂ブラクラリネットパートの2016年のレパートリーの1つですが、一度作られた曲は久しぶりに演奏してもこなれ感があるもので、そういった意味では継続は力なり・・・と思わされた曲となりました。川の流れのようにこの曲からトロンボーンが入っての演奏となりました。こちらですが、人数の許す限り、クラリネットパートは1パート2名制を敷いて臨んでおり、普通はありえないアンサンブルの編成でもやりようかなと思える場面がありました。ひまわりの約束ドラえもんでおなじみの曲ですが、冒頭のクラリネットのソロから入ってくるとてもステキな曲です。残酷に天使のテーゼ実際にこの曲が世に出たのは20年も前のことなのですが、その後2009年頃に再ブレーク。現在に至るというヒット状況かと思います。なんというか、不思議と引き込まれる情熱的な旋律はもはや一アニメ作品のテーマ曲の域を超えているのでは?と思えるところがありました。サンバ・テンペラードルパン三世の不朽の名作であり宮崎駿の出世作でもあるカリオストロの城でおなじみの曲ですが、アルトサクソフォーンとテナーサクソフォンのソロがあり、じつにイベント演奏映えするアレンジになっていて、ユーチューブ等でも屋外での演奏が多い印象がある曲でした。いわゆるカッコイイ曲ということになり、坂ブラが誇るドラムスとサクソフオーンセクションが前面に出て、それを支える低音と金管群の活躍。クラリネット~フルート群の活躍も光っていたようでした。ムーンライト・セレナーデ昼下がりとはいえ、まだ真昼間に近い時間での演奏で、少々ムード作りは難しいものでしたが、そこはそれ、やはりグレン・ミラーの不朽の名作ということで、演奏時は何やらあたりが暗くなったかのような錯覚がありました。そしてこちらの見せ場はなんといってもクラリネットソロ。クラリネット特有の温かみのある音色がかもし出すこのソロはとてもステキな色を持っていました。若い広場つい昨日最終回を迎えた「ひよっこ」の主題歌ですが、とても耳になじむ親しみやすい旋律を持っており、万人受けするところがあるようでした。この曲ですが、なかなか譜面が発売されず、まだまだ新譜という感じですが、今年から来年頭くらいまでは使い倒せる・・・そんなステキな流行り物曲という感がありました。およげたいやきくん in Swing坂ブラ上半期の持ち曲として5月の子供フェスティバルinびんぐし、春の定期演奏会2017で演奏された曲ですが、福田洋介氏によるとてもかっこいいアレンジで、原曲の印象を残しつつもクラリネットやサクソフォーンのソロがあり、こちらもイベント演奏向けだなぁと改めて感じた次第です。また逢う日まであまりにも有名な曲ですが、イベント演奏の最後を締めくくるにふさわしい盛り上がりもあり、コンセプト的にもよろしかったのでは?と思うところがありました。まとめ千曲荘病院も近年改装が進み建屋が増え、かなり近代的な病院となってきていますが、そんな大きな施設をいっぱいに使っての病院祭はとても盛大でした。屋外のメインステージはもちろん、屋内の休憩スペースを使ったちび音楽会もとてもステキな企画と思えました。
October 2, 2017
開催日:2017.9.18(月) 17:00開演場所 :信州国際音楽村 パノラマステージひびき(1,000名収容)9月14日から開講した上田ウィーンアカデミー2017の2daysアカデミーコンサートの第2弾にしてフィナーレコンサートである、ひびき野外ピクニックコンサートに行ってきました。プログラム第1部トロンボーンアンサンブル1.酒宴の歌2.ラルゴ3.契り4.ヘルツリーブ5.高みにて6.ランドスルクトの弓の歌トランペットコアー1.自然の神の栄光2.アヴェ・ヴェルム・コルプス3.ソナタ28番4.私は愛の力に祈ります5.主をたたえよ6.目覚めよ7.菩提樹第2部 大編成ウインドオーケストラ1.聖セシリアのファンファーレ2.「マリナッレラ」序曲3.ポルカフランセーゼ「カーレンベルグで」4.ポルカシュネル「雷鳴と稲妻」5.ワルツ「黄金の青春時代」6.パッペンハイムのファンファーレとマーチ7.オペラ「皇帝と大工」より木靴のダンス8.ポルカマズルカ「燃える恋」9.パリの謝肉祭アンコール10.ラデッキー行進曲レポートトロンボーンアンサンブル6曲の披露となりましたが、トロンボーンはまさにヤイトラー氏のお膝元ということでメンバーも充実していることからとても素晴らしいハーモニーを感じる演奏が感じれたかなというところです。トランペットコアー昨年に続き7曲の披露となりましたが、今後もトランペットコアーは続けるというヤイトラー氏の言もありウィーンアカデミーの3本柱として確立しつつあるのかなと感じるところがありました。大編成ウインドオーケストラ聖セシリアのファンファーレ上田ウィーンアカデミー開闢以来8年連続でずっとオープニング曲として演奏されてきていますが、この曲は音楽の神様へ捧げる曲なのだそうです。そういった意味ではオープニングにこの曲が来るのはこのコンサートがじつに厳かなものであることかもしれません。「マリナッレラ」序曲2曲目ながら今回のコンサートで最も難易度が高く、その分練習時間も費やしたこともあり時間的にも最長でメイン曲と言っても過言ではないところがありました。曲は、強奏部の躍動感はとても迫力がありますが、さらに魅力的なのは中間部の弱奏部でフルートのカデンツァソロを皮切りに始まるゆったりとした曲調がとても癒される感がありました。ポルカフランセーゼ「カーレンベルグで」第1テーマと第2テーマで構成されるわかりやすい曲ですが、こういう曲こそこだわりを持ってということで、主旋律はもちろん伴奏側にもあれこれ細かい指導が入り、とてもきれいに整頓された演奏になった感がありました。ウィーン的な独特な間合いもあり、そのあたりもウィーンアカデミーにふさわしい曲と言えるかもしれません。ポルカシュネル「雷鳴と稲妻」こちらは喜歌劇こうもりで使われていると言った方がわかりやすいかもしれませんが、そのおなじみの部分だけを取り出した感じの曲でした。こちらですが、とにかくハイテンポでぼやっとしているとすぐに置いていかれてしまうようなスピード感がありました。ワルツ「黄金の青春時代」延々と繰り返されるとてもわかりやすいワルツのリレー曲ですが、中間部にはちょっと日陰的な要素も入っていて演奏するにはとても楽しい感がありました。題名の黄金の青春時代と曲調の関連性についても想像してみましたが、山あり谷ありだが、総じて楽しいというものなのかなというところです。パッペンハイムのファンファーレとマーチ冒頭が金管と打楽器によるファンファーレが入りますが、本体はとてもシンプルでしたが、それだけに色づけについてこだわりたいというヤイトラー氏から改めて指示が出て、これぞアカデミーという1曲になりました。オペラ「皇帝と大工」より木靴のダンスダンスの曲ということで、舞踏会を連想させる優雅な曲調でしたが、導入部の動きはクラリネット族の腕の見せ所。クラリネットだけでなくバスクラリネットもかぶせる手法は、わりといろいろな曲で見られるので、そのあたりは納得なところです。そして曲は冒頭より主題、変化系、そして主題な戻りフィナーレという形はとてもわかりやすいものがありました。ポルカマズルカ「燃える恋」ちょっと寂しげな曲調ですが、内に秘めた恋心を表現したものなのかもしれません。このあたりは、作曲者のみぞ知るというところですが、そういったところを後世の演奏者である我々が想像するのもまた楽しいのかも感じました。パリの謝肉祭こちらも新幹線なみのハイテンポの曲ですが、このくらいのテンポになると8分音符の連続すら難しくなってくる程でしたが、その疾走感がこの曲の魅力かもしれません。ラデッキー行進曲この曲も第1回から演奏しているアンコール曲の定番ですが、ヤイトラー氏流のリピート方法もすっかり板についており、安定のラデッキーだったかなというところです。まとめ上田ウィーンアカデミーも今年で8回目となりますが、1月から月2回程度練習を積み重ねてきて6月の中間発表的な本番を経て、9月にヤイトラーさんをお迎えしての5日間のアカデミー開催というのがここ数年のパターンになっています。アカデミーは信州国際音楽村の全施設をフル活用して行われる祭典とも言えるべきものになっており、私は家が近いので通いですが宿泊して参加される方はまさに音楽漬けになれる贅沢な5日間というものがありました。また個人的な感想として今回はバスクラメインで譜面の無い曲は3番クラリネットというパートを頂き、人数の少ない低音部の一旦を担う楽しさ・・・例えばワルツの頭打ちなどの役割の重要性を再確認したような感がありました。
September 23, 2017
開催日:2017.9.17(日) 14:00開演場所 :信州国際音楽村 ホールこだま(300名収容)9月14日から開講した上田ウィーンアカデミー2017の2daysアカデミーコンサートの第1弾である、こだまアカデミー受講生コンサートに行ってきました。プログラム1.UWAフルートアンサンブル ・モーツァルト アヴェ・ヴェルム・コルプス2.UWAトロンボーントリオ ・ヨーロッパの舞曲集より シュタイヤーマルク地方の舞曲 アルゴイ地方のリボンダンス3.高崎トロンボーントリオ ・9つのデッサンより Gerhart Banco/ 1.Praeludium 4.Scherzo 6.Rondo aus "9 Miniaturen" Op.984.NBトリオ ・天使の賛美歌 ・ます5.UWAクラリネットアンサンブル ・ヘルメスベルガー/悪魔の踊りレポートUWAフルートアンサンブルアカデミー受講生コンサートとしては初のフルートアンサンブルの登場となりました。フルートアンサンブルというと、他の楽器のアンサンブルのようにハーモニー系の特殊管はあまり使われず、単一の楽器のアンサンブルが一般的のようですが、音域が限られる分特有のまとまり感がありますが、今回の8名でのアンサンブルでもとても澄んだ音色のハーモニーが美しかったです。UWAトロンボーントリオトロンボーンは人の声に近い楽器ということもあり、アンサンブルした時のハーモニー感は抜群のものがありますが、ダンスの情景が浮かんでくるような息の合ったトリオの演奏が大変印象的でした。高崎トロンボーントリオこの上田ウィーンアカデミーには第1回の時から高崎からの受講生の参加がある訳ですが、その系譜が今回もこのような形で続いていることが披露されました。なかなかの大曲ということで、一部楽器を持ち替えての演奏もありました。NBトリオ今回初参加のようですが、トランペット、トランペット、アルトサクソフォーンという異色のアンサンブルでした。考えてみればこれらは吹奏楽では花形と呼ばれる楽器ということで、それらのアンサンブルにはまた花があったように感じられました。UWAクラリネットアンサンブル今回も縁あって、チームの一員として参加させて頂きました。そして悪魔の踊りは、6分半におよぶ大曲ですが、アレグロ~ワルツ~アレグロととてもお洒落な作りになっており、特に中間部のワルツは酔っ払いをイメージしており、別名酔っ払いの踊りとも言われているようです。そして今回初めてアルトクラリネットが入り、代表的な4管エスクラ、ベークラ、アルトクラ、バスクラが揃い踏みとなりました。また実質的には2人のバスのうち1人はコントラアルトを意識したパートになっており、バスクラのLowC管の最低音に近い音域を多用してある意味演奏者泣かせという感もありましたが、これはこれで楽器の性能の限界まで使い切るよい研鑽となり、大変よい糧となりました。まとめ受講生コンサートは音楽監督のカール・ヤイトラー氏のレッスンを受けたチームが出演している訳ですが、ちょっとしたコンクール形式になっており、音楽監督票+聴衆票+出演者の自己評価票の3つで優勝が決まりますが、これまでのところクラリネットアンサンブルが2連覇中ということで、今日も期待がかかる演奏になりました。
September 17, 2017
開催日:2017.9.3(日)14:00開演場所 :須坂市文化会館メセナホール(1,124名収容)60回の歴史を誇る須坂地区の吹奏楽の祭典「吹奏楽の夕べ」に縁あって5年連続で参加させて頂きました。 プログラム1.メセナ・ホルンアンサンブル-花火- Pirates of the Caribbean~ホルン六重奏と打楽器のための~2.なんすってブラス Top of the World 愛燦燦3.相森中学校吹奏楽部 青いベンチ ディズニー・メドレー4.ちくたくミュージッククラブ Dirty Work 海の声 いいもんだな故郷は5.須坂創成高校吹奏楽部 須坂東高校ウインドアンサンブル部 アフリカン・シンフォニー BEAUTY AND THE BEAST<美女と野獣>6.常盤中学校吹奏楽部 シュガーソングとビターステップ アフリカン・シンフォニー7.東京ELEMENTS with 秋田孝訓(第60回記念ゲスト) メセナの丘で ディベルティメント 「名探偵コナンのテーマ」 スペイン8.旭ヶ丘小学校金管バンド コロブチカ ブリリアントマーチ9.須坂市消防団音楽隊 行進曲「ヘルメス」 パイレーツ・オブ・カリビアン・メドレー10.須坂高校吹奏楽部 交響組曲「パイレーツ・オブ・カリビアン~呪われた海賊たち」 11.東中学校吹奏楽部 恋(こい) Sing Sing Sing 12.墨坂中学校吹奏楽部 「名探偵コナン」メインテーマ(初代バージョン) ウィーアー!13.メセナ・ウインド・オーケストラ 吹奏楽のための民話 アフリカン・シンフォニー We're All Alone14.合同演奏 宝島 星条旗よ永遠なれレポートちくたくミュージッククラブ1曲目は、ここ最近のウインズスコア楽譜売り上げ第1位のDirty Work。ご機嫌なリズムでポスト星野源か?!とも思わせる曲想ですが、演奏は臨時記号が多くなかなか難しいため心してかからねばという印象がある曲でしたが、慣れてくるとなかなかツボにはまる曲か?!と感じました。2曲目は海の声は、水族館ガールの敵役の曲・・・。こちらは原曲にこだわり三線を用いての演奏がとても南国チックで、ホールの響きの良さも手伝ってとてもステキな雰囲気が出ていました。こういうのを聴くと改めて原曲を知ることの大切さを感じるところがありました。3曲目のいいもんだな故郷は、カールの曲。練習中も曲名は「カール」。日本人の特徴として希少価値が出ると買い占めるという文化がありますが、カールもそれまで見向きもしなかった人たちが発売中止を知るや買占め・・・。巷では未だに手に入らない状況が続いているようです。と余談はともかく曲としては、なかなかおもしろい。演奏会やイベント演奏の1ピースとしてとてもよいチョイスと感じるところがありました。東京ELEMENTS with 秋田孝訓第60回の特別ゲストとして素晴らしい演奏を披露してくれた東京佼成ウインドオーケストラ楽団員で構成されるアンサンブルチームです。中でもオーボエの宮村和宏氏の生音はいつか聴いてみたいと思っていたこともあり、大注目の演奏となりました。また司会も宮村氏が務め、想像通りのとても愉快なキャラクターであることがわかりました。その曲紹介の中で、名探偵コナンはカラフルの若林愛氏が東京ELEMENTSのために書き直してくれたものだそうで、なかなかご機嫌なアレンジになっておりました。他丸田悠太氏は黒いフルートを使っていたり、原浩介氏は見慣れないベルのついたクラリネットだったり、やはりプロはやることが違う・・・と感じるところが多々ありました。須坂市消防団音楽隊消防音楽隊はやはり音に迫力がある!というのは野外での演奏が多い所以でしょうか。とにかく力強くて、二階席でも相当の音圧を感じる演奏でした。そしてカリビアンは今年の裏課題曲。そこらじゅうで耳する訳ですが、こちらの森田一浩氏のアレンジは弱奏部がとても繊細に作られている感じがしました。須坂高校吹奏楽部演奏の前にチャンパラによる寸劇が入って、曲への感情移入がとてもすんなりできました。そして演奏もかなりまとまっていてさすが高校生というレベルの高い演奏と感じました。ちなみにこのシンフォニックスイートバージョンは、所属楽団の次期定期演奏会での演奏曲目でもあるので、曲のつなぎ目などいろいろな部分に注目しながら、勉強させて頂きました。東中学校吹奏楽部東はあずまと読むのだそうです。曲は星野源のご機嫌の恋(こい)、スタンドパフォーマンスを取れいれてとても楽しく見聞きさせて頂きました! そして間奏はやっぱりサクソフォーンに注目!というのは変わらぬようで、カッコイイと思いました。そしてシングシングシングはM8版のようでしたが、クラリネットのソロもステキだし、トランペットのソロも妖艶な感じがして聴いていてとても楽しめるひととになりました。墨坂中学校吹奏楽部50名という大きな規模の団体でしたが、サクソフォーンのソロから始まるコナンはとてもよい感じでした。ウィーアー!はもうスクールバンドの課題曲ですが、紹介でもあったようにウィーアー!はワンピースの初代テーマ。コナンも初代版ということで、初心を意識した選曲になっていたようでした。メセナ・ウインドオーケストラ今年の3月に記念すべき第1回定期演奏会を開催したメセナウインドですが、知っている方がたくさん参加していることもあり、とても親しみを持って聴かせて頂きました。1曲目の吹奏楽のための民話は、古典だがやはり根強い人気がある曲。クラリネット吹きならば曲冒頭の魅力からは逃れられないところがあると思います。そして2曲目のウィローアーオールアローンはアンコール曲の定番でもありますが、楽しかった夕べもあと少しで終わりというちょっと切ない気持ちになる・・・がとてもステキな終幕だなと思わざるを得ないところでした。合同演奏開場前に1時間半かけて上原先生のもと300人でリハーサルをしてから本番に臨んだ訳ですが、特に腐心したのは音量バランスということで、1曲目の宝島では後半のサクソフォーンソロをELEMENTSのファゴット奏者福井弘康氏が担当することもあり、その部分は伴奏の音量はもちろん音形まで指導が入りました。2曲目の星条旗も上原先生から大変な事実が知らされました。先生によれば世の中に出回っている星条旗の楽譜はほとんどは耳コピによるニセモノだそうで・・・。そうなるとオリジナルは?となりますが、それを知っている先生はよりオリジナルに忠実な曲作りを目指したようでした。こちらもピッコロのソロをリピートを1回増やすことでチューバでやり次にピッコロで!という運びになりました。これもまたバランス調整に腐心した部分でした。300人による演奏の全体の印象としては、普段は自分の音が聞こえなくなることが当たり前のクラリネットが束になることで、とても自分のパートがクリアに聞こえてこんなにも厚みのある音が出るのかということに感動した次第です。普段小さい音の楽器を吹いている奏者にとっては、ある意味このあたりが合同演奏の醍醐味なのかもしれません。まとめこちらの音楽祭には、縁あって5回目の参加となりましたが、機会を頂けたことに感謝したいと思います。また今回は演奏者として参加した都合により、メセナ・ホルンアンサンブル-花火-、なんすってブラス、相森中学校吹奏楽部、須坂創成高校吹奏楽部、須坂東高校ウインドアンサンブル部、旭ヶ丘小学校金管バンド、常盤中学校吹奏楽部のレポートができなかったことお詫び申しあけます。
September 4, 2017
開催日:2017.8.6(日)10:00開演場所 :長野県民文化会館大ホール(2,173名収容)8年ぶりに吹奏楽コンクールの中学校の部・県大会のA編成の部に行ってきました。県大会は出場団体が50団体と多いため5日と6日に分かれての演奏となりましたが、都合により2日目の一部団体だけの鑑賞となりました。課題曲1.スケルツァンド 2.マーチ・シャイニング・ロード3.インテルメッツォ4.マーチ「春風の通り道」プログラム 表彰 中学校名 課題曲 自由曲27.銅 中野平(中野) 2 ゴールドラッシュ28.銀 三郷 (安曇野)1 ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲29.銅 諏訪南(諏訪) 2 聖エルモの火~ウインドオーケストラのために 30.金 東北 (長野) 1 カルミナ・ブラーナ31.銅 梓川 (松本) 2 喜歌劇「ロシアの皇太子」セレクション32.金代 軽井沢(軽井沢)2 三つのジャポニズム33.金 屋代 (千曲) 2 交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」34.銀 伊那 (伊那) 4 ミュージカル「レ・ミゼラブル」より35.銀 信明 (松本) 2 喜歌劇「小鳥売り」セレクション36.銀 東部 (東御) 4 富士山~北斎の版画に触発されて~37.金 裾花 (長野) 2 復興38.金代 鎌田 (松本) 1 交響詩「ローマの祭り」より39.銅 墨坂 (須坂) 4 星空の物語40.銀 臼田 (佐久) 4 エル・カミーノ・レアル41.銀 辰野 (辰野) 2 龍神42.銀 坂城 (坂城) 2 遠つ人~雁金の宰~43.銀 上田一(上田) 4 ウインド・オーケストラのためのバラッド44.銅 飯綱 (飯綱) 2 吹奏楽のためのラプソディ 第4番「分福茶釜」45.銅 女鳥羽(松本) 2 ハンガリー狂詩曲 第2番46.銅 岡谷南(岡谷) 2 交響組曲「シェエラザード」より47.金 上田三(上田) 3 ノアの方舟48.銀 旭ヶ丘(飯田) 1 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より49.金 川中島(長野) 1 地球-美しき惑星-50.銀 箕輪 (箕輪) 1 メトセラ2 ~打楽器群と吹奏楽のために~51.銅 開成 (松本) 2 喜歌劇「ルーナ夫人」ハイライト ※代は長野県代表として東海大会へ出場 レポート中野平中学校今年の一番人気を象徴する1番手での課題曲2。自由曲のゴールドラッシュは、景気の良い音楽という印象ですが、もしも宝くじ1等が当たったらこんな感じ?!というどこかわくわくする感じがとても印象的でした。三郷中学校特にソロ部分で歌心を感じられる課題曲1。自由曲のルイ・ブルジョワはやっぱり冒頭部分の鬼連譜・・・これのインパクトが強すぎて中盤以降のゆったりしたところはあまり印象に残らない感がありますが、よく聴いてみると賛美歌にも似たところもあるのだなと感じた次第です。諏訪南中学校より骨太で躍動感がある課題曲2。自由曲の聖エルモの火は初めて聴く曲でしたが、神秘的なオープングとわかりやすい旋律で吹奏楽のサウンドがよく生かされてた良曲という印象がありました。東北中学校細部までしっかり鳴っている感のある課題曲1。自由曲のカルミナ・ブラーナは、1つ1つ聴いてゆくと組曲としての形が見えてきて、改めて魅力を感じた次第です。梓川中学校骨太かつハイテンポの課題曲2。そして自由曲のロシアの皇太子は、久しぶりに聴きましたが、この曲はサソクフォーンアンサンブルを主体としたポップス調のフレーズがあるのがちょっと異色というか特色なのだろうと思いました。あとはカスタネットがおいしいところです。軽井沢中学校よく楽器が鳴っていて安定感のある課題曲1。そして三つのジャポニズムは木管群と金管群と打楽器群の絡みが見事。あとはトロンボーンのグリッサンドが多用されている曲なので、それも聞き所かなと思いました。他、ソロの歌いこみも深みのある音色がステキでした。屋代中学校譜面通りの強弱ではなかなか聞こえない部分もしっかり響いてきた感のある課題曲2。自由曲のシンフォニーポエムは、ロシアの音楽だけあって、弱奏部の繊細なところもさることながら、強奏部のこれでもかと鳴らす部分がとても印象的でした。伊那中学校A編成だと大編成マーチはやはり映えるという課題曲4。自由曲のレ・ミゼラブルは冒頭はリコーダーを使うこだわりの演奏で、とても圧巻でした。曲の力も感じられ、聴いていてとても心地よいひとときになりました。信明中学校ややアップテンポだが、弱奏部でもよく音が鳴っている印象の課題曲2。自由曲の小鳥売りはコンクールではよく耳にする鈴木英史セレクション三部作的な位置にある曲と思いますが、聞いていて楽しくなれるのがとてもいいなと思いました。東部中学校おちついたテンポで丁寧に歌いこんでいる印象の課題曲4。自由曲の富士山は、真島氏の日本三部作の集大成とも言う曲ですが、改めて初心に帰って聴いてみるとこの歌心はやはり日本人でなくては表現できないものがあるのかな思うところがありました。いずれにしてもこの曲ができるバンドは偉大と思います。裾花中学校統一感のあるよく整ったサウンドがとても心地よい印象の課題曲4。自由曲はの復興は地区大会に続いての鑑賞となりましたが、夏休み返上で磨き上げられたサウンドは相当に聴き応えを感じることができました。鎌田中学校参考演奏CDを聴いているかのような素晴らしい課題曲1。自由曲はコンクール定番曲のローマの祭りですが、バンダの演出は無いものの圧倒的な音楽性での演奏にこれはすごい・・・と感じざるを得ない名演でした。墨坂中学校大編成を生かした曲作りの課題曲4。自由曲の星空の物語は冒頭はまったり系の曲ですが、後半からは星空を駆けるようなとてもカッコイイ旋律で躍動感にあふれるステキなものがありました。臼田中学校低音が安定してのびのびとした印象のある課題曲4.自由曲のエル・カミーノ・レアルはあの吹奏楽ドラマ仰げば尊しでおなじみの曲ですが、最近はコンクールでリードをやるところが少なくなってきたので、なんだかとても懐かしい感じがする名演でした。辰野中学校とてもすっきりとした印象のある課題曲2。自由曲の龍神は、指揮者の小松氏のオリジナル曲ということで自作自演となりましたが、なかなかどうして聞かせどころが満載で、聴いていてちょっとこれは演奏してみたいかも?と感じる良曲でした。坂城中学校地区大会に続いての鑑賞となりましたが、すっきりとしたサウンドにより表現力の深みが増した課題曲2。自由曲の遠つ人はこれまでの樽屋ワールドとは少し毛色の違う曲とは言え、改めてじっくり聞くとやはり作風というのは変えられないものだな・・・と思うところがありました。上田第一中学校強弱がはっきりとしたとても楽しそうな課題曲4。自由曲のバラッドは、やっぱりマインドスケープの姉妹曲というか、これが高氏の作風と言えばそれまでですが、それよりかは明るい系のサウンドになっているのかなの感じました。※飯綱中学校~開成中学校のレポはありません。都合により途中退席したためご容赦下さい。まとめ県大会ともなると、どこの団体も高いレベルの演奏となり、聴き応えがよりある訳ですが、コンクールという性格上、レベルがほぼ同じであればあとは選曲で決まるのかなと思う節がありました。そういった意味では今回代表となった団体が演奏した「ローマの祭り」「三つのジャポニズム」、それに「カヴァレリア・ルスティカーナ」あたりはコンクールでアドバンテージがあるのかなというところです。
August 12, 2017
開催日:2017.8.5(土) 15:10開演 場所 :長野市信更体育館(---名収容)縁あって2年ぶりに信更夏祭りのちくたくミュージッククラブの演奏に参加してきました。プログラム1.夏祭り2.夢をかなえてドラえもん3.海の声4.前前前世5.恋6.まつり(アンコール)レポート夏祭りまさに夏祭りにピッタリの1曲ということになりますが、吹奏楽との相性も良いようで、中間部にドラムスのソロがあったり、いろいろなパートに見せ場がまわってきたりと、音楽的にも楽しい感じがありました。夢をかなえてドラえもん主題歌が変わって早10年。だんだんと古いドラえもんの曲を知る人たちが減り、最近はドラえもんと言えばこちらの曲の方がデフォールトになってきた感があります。本日演奏はウインズスコア版ですが、4分の4で書かれていることも演奏しやすい印象がありました。海の声沖縄由来の弦楽器である三線(さんしん)が登場して曲の持つ魅力をよりアップしたイメージでの演奏となりました。桐谷健太の紅白歌合戦での演奏も記憶に新しいところですが、自分の中では桐谷健太は水族館ガールでも憎まれ役のイメージが強すぎてちょっといけ好かない感じがありましたが、役柄も海に関係あるということで、海の声と関係があるのか・・・と感じたところです。前前前世君の名はの主題歌ですが、昨年から今年にかけてのヒット感から裏課題曲とも言うべき状況下において、演奏できて良かったと思いました。楽曲とすれば、ありふれたJ-POPの曲調ではあるのですが、不思議と耳に残るのが名曲の証ということなのかもしれません。恋昨年のSUNに続き、ヒットしている恋ですが、こちらの方が吹きやすい感がありました。第一印象とすればさもありなん・・・的な曲なのですが、不思議と引き込まれる曲想で、このあたりが星野源の天才性を示すものなのかもしれません。余談ながら、この曲を演奏するにあたり、ユーチューブで精華女子高校吹奏楽部の演奏動画を見て曲に慣れた次第ですが、やはり上手な演奏を手本にするといろいろ近道だなと思った次第です。まつり夏祭りに始まりまつりで終わる・・・。まことに見事な構成と言わざるを得ないところですが、こちらのまつりも吹奏楽との相性が良くとてもよい音がする曲という印象がありました。まとめ信更夏祭りは2009年に初めて訪れてから、何度かお邪魔している夏祭りですが、じつはこういった夏祭りがあちこちで行われているということが今更ながらわかってきました。長野びんずるのような大きな祭りも良いですが、小さなお祭りには手作りのおまつりうどんや焼き物等々、古き良き日本の縁日的な文化が反映されていて、こういうのが本当の祭りだよなと感じる部分がありました。
August 7, 2017
開催日:2017.7.17(月)9:45開演場所 :長野県民文化会館大ホール(2,173名収容) 2年ぶりに長野県吹奏楽コンクールの中学校部門北信Bブロック地区大会に行ってきました。この地区からは昨年の県大会で12個配給された金賞のうち5個を獲得するという県内でも屈指のハイレベル地区ということで地区大会とはいえ注目度が高いように思われました。続いてA編成の部からレポートしたいと思います。課題曲1.スケルツァンド 2.マーチ・シャイニング・ロード3.インテルメッツォ4.マーチ「春風の通り道」プログラムA編成 表彰 中学校名 課題曲 自由曲12.金代 東部 (長野) 2 富士山~北斎の版画に触発されて~13.金代 広徳 (長野) 4 交響詩「ローマの祭り」より1.チルチェンセス 4.主顕祭14.銅 若穂 (長野) 2 マードックからの最後の手紙15.銀代 櫻ヶ岡(長野) 3 バレエ音楽「青銅の騎士」より16.銀 更北 (長野) 3 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より17.銀代 篠井西(長野) 1 歌劇「トゥーランドット」より18.銀 戸倉上(千曲) 4 歌劇「イーゴリ公」よりポーロヴェツ人の踊り19.金代 東北 (長野) 1 カルミナ・ブラーナ~20.銅 信大附(長野) 4 大いなる約束の大地~チンギス・ハーン21.銀代 坂城 (埴科) 2 遠つ人~雁金の宰~22.金代 屋代 (千曲) 2 交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」 ※代は地区代表として県大会へ出場 レポート東部中学校明るい音色と力強いサウンド感が印象的な課題曲1。そして自由曲は2014年に相模原市民吹奏楽団の第50回定期演奏会の記念委嘱作品として初演されたモンフジ。出版版では名称が「富士山」になったようですが、実際初演バンドの演奏を生で聴き、1年後に生前最後となる真島先生を迎えての演奏・・・。その遺作がこうやってコンクールで演奏されているのを耳にして感慨深いものがありました。広徳中学校かなり早く感じるテンポ設定の課題曲4は、自由曲に時間を使うために・・・とも感じるところがありました。そして自由曲はコンクールの定番とはいえ、最近はその難曲ゆえか演奏する団体が減ってきた印象のあるローマの祭り。この曲はトランペットのバンダが特徴的ですが、それもかなり圧巻。コンクールというものを抜きにしても心に響く素晴らしい演奏と感じた次第です。若穂中学校やや落ち着いたテンポで聞きやすい課題曲2。そして自由曲は樽屋氏の人気曲「マードックからの最後の手紙」。この曲はいつかやってみたいと思う訳ですが、どこかわくわくするような語り掛けるようなストーリー性が感じられたダイナミックな演奏という感がありました。櫻ヶ岡中学校曲としては神レベルの完成度を誇る課題曲3をとても情緒あふれる感じに仕上げていた感がありました。そして自由曲の青銅の騎士は前半の森田氏の編曲版とはまた毛色の違う石津谷氏の編曲版。青銅の騎士らしい華やかさ、そして弱奏楽章のしなやかさ、いずれもよく表現されていてとてもいいなと思いました。更北中学校この大会2団体しか演奏しなかった課題曲3だけに貴重な演奏として聴かせて頂きました。そして自由曲「ジャンニ・スキッキ」は、プッチーニでもトゥーランドットとはちょっと毛色と違う感じながらも、盛り上がり方はやっぱりプッチーニ的だよなと思うところがある圧巻の演奏でした。篠ノ井西中学校聴いていて面白いと感じるメリハリのある課題曲1。自由曲は、そして幸か不幸か続けてのプッチーニ。そしてトゥーランドットはおなじみの後藤版でしたが、やはりトゥーランドットはよく知っているだけに聴いていてとてもすんなり体に入ってくるステキな音楽になっていた感がありました。戸倉上山田中学校充実の人数でしっかり厚みを出した感の大編成版の課題曲4。自由曲は耳馴染みのあるイーゴリ公。なんというかちょっと切ないこのメロディー・・・聴くにつけ改めて不思議だなと思うともに、あとは木管群の早いパッセージの超絶技巧・・・これには圧倒された次第です。東北中学校骨太でしっかり鳴らす印象のある課題曲1。そして自由曲のカルミナブラーナは最終楽章だけ取り出して演奏されることがわりとあるので、それがカルミナブラーナだと思っているとちょっと意表を外される感じになりそうですが、連ねて聴くと改めていろいろな場面があるのだなと感じるところがありました。信州大学教育学部附属長野中学校躍動感があって高音部がキラキラしている課題曲4。そして自由曲はかけ声がとても印象的なチンギスハーン。改めて、面白い音楽だと思わざるを得ない色彩豊かな演奏でした。坂城中学校とてもすっきりした感じが心地よい課題曲2。そして自由曲の遠つ人~雁金の宰~は、ちょっと真島氏風?天野風氏?の匂いを感じる樽屋氏の曲ということで、とても新鮮な感じがありました。そして細部までよく練られている丁寧な感じの演奏がとてもすんなり耳に入ってきて心地良いステキな演奏でした。屋代中学校貫禄の横綱相撲的な印象のあるスケールの大きな課題曲2。そして自由曲のシンフォニーポエムはこれまた弱奏部が多い、表現力をより必要とされる楽曲なのかなと思いましたが、そこはさすがの屋中サウンド。圧巻の演奏という感がありました。まとめA編成は、50名の人数上限の団体だけでなく30名程度の比較的小さな団体も多く見受けられました。このあたりは、練りの程度にもよりますが、やはり人数が多い方がより有利なのかなと感じる場面がいくつかあったように思いました。
August 4, 2017
開催日:2017.7.17(月)9:45開演場所 :長野県民文化会館大ホール(2,173名収容) 2年ぶりに長野県吹奏楽コンクールの中学校部門北信Bブロック地区大会に行ってきました。この地区からは昨年の県大会で12個配給された金賞のうち5個を獲得するという県内でも屈指のハイレベル地区ということで地区大会とはいえ注目度が高いように思われました。続いてA編成の部からレポートしたいと思います。課題曲1.スケルツァンド 2.マーチ・シャイニング・ロード3.インテルメッツォ4.マーチ「春風の通り道」プログラムA編成 表彰 中学校名 課題曲 自由曲1.銀 豊野 (長野) 2 ラッキードラゴン~第5福竜丸の記憶~2.銀代 川中島(長野) 1 地球-美しき惑星-3.銅 埴生 (千曲) 2 組曲「動物の謝肉祭」より4.金代 裾花 (長野) 2 復興5.銀 三陽 (長野) 2 バレエ音楽「青銅の騎士」6.銅 松代 (長野) 2 喜歌劇「チャルダッシュの女王」セレクション7.金代 柳町 (長野) 1 スペイン奇想曲8.銅 屋高附(千曲) 2 プスタ9.銀 篠井東(長野) 2 リバーダンス10.銀 北部 (千曲) 1 大いなる約束の大地~チンギス・ハーン11.金代 犀陵 (長野) 4 バレエ組曲「エスタンシア」より ※代は地区代表として県大会へ出場レポート豊野中学校今年の一番人気の課題曲2を象徴する意味でもA編成トップバッターのさわやかな演奏でした。自由曲のラッキードラゴンはテーマがわりと重いこともあり、演奏にも深みが求められるところですがそのあたりも心が入っていて一音入魂を感じるところでした。川中島中学校難易度は少々高いが勝てる課題曲1との前評判から強豪と言われる学校が好んで演奏している感がありますが、曲の面白さを存分に発揮した演奏でした。自由曲の地球は、真島氏の人気作品の1つですが、これがどう地球と結びつくのか・・・ということを考えながら聴いてみましたが、後半はからはさすがにスケールが大きい気持ちのよい演奏だなと感じました。埴生中学校A編成としては人数が少ないバンドと思いましたが、それゆえ課題曲2は各パートの動きがクリアに感じられる演奏でした。自由曲の動物の謝肉祭は、お祭りをイメージした曲と思いますが、そういった動物たちが楽しくやっている雰囲気がとてもよく伝わってくる感がありました。裾花中学校フル編成のよく整理された感のあるバンドと思いましたが、弱奏部分も安定して聞こえてきてステキな課題曲2の演奏でした。自由曲の復興は、全国を狙うようなバンドが好んで取り上げる曲の1つですが、先日病床から復活したという保科氏とかぶるものがあり、心により伝わってくる演奏でした。三陽中学校躍動感のある課題曲2と、自由曲の青銅の騎士は聴くのを楽しみにしていたこともあり、いいなと思えるステキな演奏でした。この青銅の騎士ですが、いろいろなバレエ音楽がある中では、たぶん一番第一印象が受け入れられやすい曲想なのではと思いました。松代中学校つながり感を大切にした課題曲2と、自由曲のチャルダッシュの女王は、おなじみのあの部分もあってそういった意味では、一般受けもするよい選曲なのではと感じたところがありました。またピアノの音もよく聞こえてきていたので、そのあたりの融合性もよく考えられているのかなと感じる好演でした。柳町中学校なんといっても長野県の中学校の吹奏楽で最も有名な柳町だけに、この演奏だけを聴きに来る人も多そうでした。課題曲1はさすがの貫禄の演奏でお手本のような素晴らしい内容で、プラスアルファでソリストがよく歌えているのかなと思いました。自由曲はつい先日も聞いたスペイン奇想曲。演奏するだけでも苦労なこの難曲をよくぞここまで!という感嘆の演奏でした。クラリネットはもちろんですが、トランペットのファンフィーレもかなりステキでした。屋代高校附属中学校かなりテンポが速く感じられる課題曲2と、自由曲のプスタはアンサンブルでも有名な曲で、やはりローストは良い!と感じられるメリハリの感じられる演奏でした。篠ノ井東中学校元気な課題曲2と、自由曲のリバーダンスは冒頭はダンスというよりケルトの民謡のような雰囲気がまったりとしていてとてもよい雰囲気がありました。その後はダンスっぽくなりますが、なかなかに興味深いところです。北部中学校躍動感のある課題曲1と、自由曲のチンギス・ハーンはちょっと朝鮮というか中国風の曲想。このあたり、もともと騎馬民族であるモンゴルにどういった民族音楽があったかわかりませんが、これは興味深いところでした。犀陵中学校この大会最初の課題曲はとても新鮮な感じがしました。そして自由曲のエスタンシアは自楽団で昨年演奏した曲ということもあり、あの難しい曲をどう攻略しているのか興味深く聴かせて頂きましたが、さすがの演奏と感じました。1楽章の開拓シーン、2楽章のおやすみシーン、3楽章のお祭りシーン。どれもとても楽しめた次第です。*** 後半に続く ***
July 29, 2017
開催日:2017.7.17(月)9:45開演場所 :長野県民文化会館大ホール(2,173名収容) 昨年に続き長野県吹奏楽コンクールの中学校部門北信Bブロック地区大会に行ってきました。この地区からは昨年の県大会A編成の部で15個配給された金賞のうち8個を獲得するという県内でも屈指のハイレベル地区ということで地区大会とはいえ注目度が高いように思われました。まずは最初に行われたB編成の部からレポートしたいと思います。プログラムB編成 表彰 中学校名 課題曲 自由曲1.銀 信州新(長野) - 春に寄せて~風は光り、春はひらめく~2.銅 更埴西(長野) - 喜歌劇「ルーナ夫人」ハイライト3.金代 中条 (長野) - 鳥之石楠船神~吹奏楽と打楽器群のための神話 信更 合同4.金代 西部 (長野) - ナイトフライト5.銀 戸隠 (長野) - 眩い星座になるために・・・6.銅 七二会(長野) - レ・ミゼラブルメドレー ※代は地区代表として県大会へ出場 レポート信州新町中学校最少演奏人数14名という小編成用の曲ですが、音量ではなくサウンド感で!という曲で、実際に聴いてみるととてもさわやかな感じがして、人数が少なくても木管・金管・打楽器とバランスが取れていれば、音楽として心地よいものができるのだなと感じました。更埴西中学校最少演奏人数21名という小編成でもやや規模が大きめなところをねらった曲ですが、喜歌劇ということで、どこかメリーウィドウのようなコミカルさがあって演奏していて楽しそうな感じを受けました。こういうのを聴くとやはり音楽は演奏しても聴いても楽しいと感じるものでないと!というところです。中条・信更中学校合同演奏人数35名以上推奨という大編成の曲ですが、全国大会でも演奏された実績もあり、コンクールで演奏するには向いているなと感じる曲想でした。表題は、日本神話に登場する神様の船を現しているのでノアの箱舟の日本版的なものなのかなという印象も受けました。西部中学校吹奏楽にとって欠かすことのできないスウェアリンジェンですが、このナイトフライトは、アメリカのフロリダ州の夜を飛行機から眺めた3つの情景が描かれた作品とのことで、疾走感もあって演奏しても聴いても楽しめる感がありました。また早-遅-早の黄金パターンも健在でコンクールのみならず定期演奏会の1曲としてもよいピースになりそうな感がありました。戸隠中学校関東学園大学附属高等学校創立50周年記念委嘱作品とのことで、生徒から出された作品構想案をもとに八木澤氏が作曲したそうで、調べてみるとじつに細かいところまで生徒から要望が出ていてなるほどと思いました。とはいうものの、やはり八木澤氏が作る曲なので、曲想はそのようになっていて感動的なコラールもあり、聴き栄えのする良曲という印象を受けました。七二会中学校レ・ミゼラブルもいろいろな編曲版が出ていますが、曲のつなぎ方が違うとまた印象が変わって面白いと思いました。変わらぬのは、原曲が持つ美しさで、これはどんな編曲でもいいなと思うところです。まとめB編成というのはいわゆる育成部門という位置づけかと思いますが、その中でもアンサンブルにプラスアルファくらいの編成から、ほぼフル編成に近いバンドまでとけっこうハンディーがあるように感じました。このあたり、B編成の人数制限を20名~25名程度にして完全に小編成としての部門に特化してしまうのもありかなと感じる節もありました。*** A編成のレポートに続く ***
July 28, 2017
開催日:2017.7.8(土) 13:30開演場所 :坂城町文化センター(400名収容)坂城町音楽愛好会が主催する坂城町在住の音楽団体の音楽会に行ってきました。プログラム1.坂城町の歌2.モアナハワイアンズ[バンド演奏] ・ホノルルの今日は ・ケカリネイアウ ・南国の夜 ・ワイキキの浜辺 ・ブルー・ムームー3.坂城オカリナ教室 ・この広い野原いっぱい[オカリナ演奏] ・手紙[オカリナ演奏] ・夜明けのスキャット[オカリナ演奏] ・天使のパン[オカリナ演奏]4.村上小学校(2年生) ・ドンマイ[斉唱] 5.坂城高校合唱部[アカペラ合唱] ・ほたるこい[合唱] ・Babylon's Fallin'[合唱]6.坂城コーラス ・死んだ男の残したものは[混声4部合唱] ・愛は花、君はその種子[混声4部合唱]7.南条小学校 金管バンド部 ・スター・ツアーズ[金管合奏] ・GUTS![金管合奏] ・千本桜[金管合奏]8.アルストロメリア ・世界中の友達に平和を[コカリナ合奏] ・ドナドナ[コカリナ合奏] ・君をのせて[コカリナ合奏]9.坂城小学校合唱部[合唱] ・いまだよ ・ほほう!10.童謡・唱歌を楽しむ会 ・牧場の歌[斉唱] ・月の沙漠[斉唱] ・山小舎の灯[斉唱] ・あざみの歌[斉唱] 11.坂城町吹奏楽団 ・恋のバカンス[吹奏楽] ・見上げてごらん夜の星を[吹奏楽] ・世界に一つだけの花[吹奏楽] 12.全員合唱 ・故郷レポートコーラスから吹奏楽、オカリナ、コカリナ、金管バンドといろいろありましたが、それぞれ日頃の活動の成果を発表する舞台としての音楽会という印象でした。その中でも、坂城町吹奏楽団についてレポートしてみたいと思います。坂城町吹奏楽団今年は春の定期演奏会2017を6月に開催し、定期的な活動を続けているようですが、昨年に続き納涼音楽会としては20名を越える大きな編成での出場となりました。恋のバカンス巷では星野源の「恋」が流行っていますが、こちらはその昔の恋のバカンスです。編曲はウインズスコアの初期の頃の譜面ということで、どこか手探り的な感じのするアレンジですが、難易度Aのわりに難しい印象があり、完成までに要する時間がそれなりに必要な曲かなと感じた次第です。見上げてごらん夜の星をいわゆる楽器紹介のための~ということで、小編成バンドではなかなか演奏しづらい曲かもしれませんが、いないパートを工夫してつなぎ、それでもクラリネット、ホルンといった主要パートの生の音が聴けるというのは大きな魅力ではなかったかというところです。世界に一つだけの花解散してなお話題を提供するスマップですが、グループが解散しても音楽は解散しないということで、今なお演奏され続けている名曲と言えます。全員合唱・故郷昨年に引き続き、坂ブラの伴奏による全員合唱となりました。このあたり吹奏楽と合唱とでは音圧のパワーの差があり、なかなか難しいものがあるのですが、伴奏側はステージで。歌い手は客席で。ということもあり、バンド側が吹きすぎてしまう傾向があったかもしれません。まとめ坂城町音楽愛好会に所属する10団体の交流演奏会という位置づけになる納涼音楽会ですが、今年で39回目を迎えました。連続出場のグループもいれば、再出場のグループもいて、ジャンルは違っても音楽を通じていろいろな交流ができたら面白いと感じた次第です。
July 26, 2017
開催日:2017.7.2(日)12:00開演場所 :上田西高校体育館 縁あって、上田西高校の文化祭の吹奏楽部の定期演奏会に行ってきました。プログラム1.マーチ・エイプリルメイ20122.はぐれ刑事純情派3.レ・ミゼラブル ハイライト4.モアナと伝説の海より どこまでも5.美女と野獣6.宝島レポートマーチ・エイプリルメイ2012全日本吹奏楽連盟から発売されている「少人数バンドのための楽しい吹奏楽2」に収録されている曲ですが、原曲を小編成向けに改訂したもので各パートの3番やティンパニーなどが省かれた編成となっています。このあたり、原曲の持つエッセンスを十分に保ちつつ、かつ小編成バンドで聴き栄えがするようになっており、実際に聴いた印象もとてもよい感じでした。またこの曲は過去の課題曲でも人気が高く度々演奏されているのを耳にしますが、そういった人気の高さも小編成版の出版につながったのかもしれません。余談ながら、私自身はこの曲でコンクールに出ているので、とても懐かしいとも感じました。はぐれ刑事純情派トランペットのカッコイイソロが代名詞の曲ですが、顧問の萩原先生によるプロの腕前が披露されました。このソロですが、アマチュアでクリアーに成功した例はあまり聞いたことがないですが、さすがはプロという圧倒的な力量で鮮やかに決まっていて感動した次第です。レ・ミゼラブル ハイライト世界で最も有名なミュージカルであるレ・ミゼラブルからおなじみの曲をハイライト形式でメドレーにしたものですが、カッコ良さでは森田版に及ばないとは言え、演奏に際しては小編成でも聴き栄えするように書かれているようで、レ・ミゼラブルの音楽の魅力を存分に楽しめるとても好感の持てる内容でした。モアナと伝説の海より どこまでも最新のディズニー映画「モアナと伝説の海」より。リトルマーメイド、ラプンツェルやアナ雪などに連なるプリンセスものとしての系譜のようですが、やはりディズニー音楽は夢があると感じるところがありました。美女と野獣今年実写版が公開されて話題になったこともあり、演奏頻度が高まっているふうですが、今回はサプライズとして先生お二方によるトランペットとヴァイオリンのとてもステキなデュエットに、学生のダンスが加わりました。美女と野獣の愛の物語は、アニメにしろ実写にしろ見ていないとわからないものなので、まだ見ていない方は見ることをオススメしたいと思います。宝島スクールバンドの大定番である宝島。大定番だけに人気もある訳ですが、真島氏は本当に良い曲を残してくれた・・・と改めて感じる場面でもありました。まとめ上田西高校というと野球が強いというイメージがありますが、近年では吹奏楽部の活躍も目立つようになってきたようです。また今年からマーチングも始めたそうで、その衣装もお披露目されていました。県内では、これまでも松本第一、佐久長聖、松商学園、長野日大など私立高校勢の吹奏楽部の活躍が目にとまる場面が多々ありますが、今日の演奏を聴いていて上田西もそれに続くものと確信する勢いが感じられた次第です。
July 25, 2017
開催日:2017.6.25(日)14:00開演場所 :軽井沢大賀ホール(784名収容) 長野県の東端、避暑地でも有名で別荘が立ち並ぶ軽井沢で活動する軽井沢吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.キャンディード序曲2.ノアの方舟3.グリーンスリーブス4.スペイン奇相曲第2部5.スウィングしなけりゃ意味がない6.ポルコ・ロッソ7.ザ・ドリフターズ・メドレー8.星に願いを9.ミュージカル「レ・ミゼラブル」よりアンコール10.トロイカのような曲(曲名がわからずすみません・・・。)レポートキャンディード序曲曲紹介によれば、ミュージカル公演ではヒットしなかったが、バーンスタインの最後の弟子である佐渡裕がシエナウインドオーケストラと演奏したことがきっかけで、吹奏楽のレパートリーとして定着するようになったとのことです。そういえばこの曲は、演奏会のオープニング曲で取り上げられることが多く、改めて曲の歴史も確認できて勉強になった次第です。ノアの方舟曲紹介によれば、第1部お告げ、第2部動物たちのパレード。第3部嵐。第4部希望の歌。というストーリー仕立てになっていることで、それを理解した上で聞くとよりわかりやすい曲になっているように感じました。曲的にも吹奏楽のサウンドが生きるような良曲で機会があれば演奏してみたいという印象です。グリーンスリーブスここのところ演奏会における静かな曲カテゴリーの1ピースとして耳にする機会がありますが、蛍の光と並んで誰もが知っているであろう認知度は大きなアドバンテージなのかなと思いました。スペイン奇想曲原曲が管弦楽曲ということで、特にヴァイオリン系の旋律を担当するクラリネットセクションがなかなか大変そうという感じを受けましたが、弱奏の表現も大変興味深いものがありました。またコンダクター以下気合の入り方が一段高く感じられ、これが軽吹のやりたい曲!的なオーラが感じられました。スウィングしなけりゃ意味がないこれがさっきまでスペイン奇想曲を演奏していたバンド?と驚くほどガラリと演奏が変わりました。吹奏楽はどんなジャンルでも演奏できる編成ではあるけれど、実際はなかなか気持ちの切り替えが難しいもので、クラシカルスイングみたいなふうになってしまうものですが、このあたりはバンドの成熟度の高さを感じた次第です。ポルコ・ロッソアメージンググレース風のアンサンブルから始まり、ゆったり系楽曲かと思ったら、なにやらディズニー音楽のようなにぎやかなふうな感じとなり、さらにムーディーな感じに・・・。次々と変わる場面が新鮮で楽しめる曲という印象がありました。よくよく見たらジブリの曲ということで納得です。ザ・ドリフターズ・メドレードリフターズの看板番組だった「8時だよ!全員集合」が1985年9月28日に最終回を迎えてから、既に32年。それでもこうやってドリフターズの音楽が演奏されているのは、それだけドリフが偉大だったからか?!とも思いましたが、このアレンジは比較的新しくて洗練されている今風のサウンドが感じられました。余談ながら今はユーチューブなどで同番組も普通に視聴できるので、若い人たちも意外と知っているのかもしれません。星に願いを演奏会の静かな曲カテゴリーではおなじみの曲ですが、これを聴くとそろそろ寝るか・・・的な気分になってくるのは元祖ディズニー・メドレーでこの曲が一番最後にあるせいかもしれません。ミュージカル「レ・ミゼラブル」よりスクールバンドに絶大な人気があり、コンクール自由曲としても人気がある森田一浩版のレミゼですが、改めていいなと思いました。私も所属楽団の定期演奏会で演奏したばかりということもあり、楽譜を想い浮かべながらの拝聴となりましたが、これは機会があればまた演奏したいみたい曲の1つです。まとめつい先日、大賀ホールにて演奏する機会があったこともあり、また知り合いも多数出演されていたことからより、親近感を持って演奏を楽しませて頂きました。1部の大曲群はどれも聴き応え十分でなかなかのもの。そして2部はポップスステージかと思いきや、締めはレ・ミゼラブルでかっこ良くフィナーレを飾るというなかなか企画の大きく質の高い演奏会と感じた次第です。
July 17, 2017
開催日:2017.6.18(日) 14:00開演場所 :メルパルク長野ホール (712名収容(前席360席 後席352席))昨年に続き、今年もクラリネットだけで作るオーケストラであるクラリネットクワイアーの演奏会に行ってきました。また縁あって、昨年に続き演奏者として参加させて頂くことになりましたので、演奏者視点でのレポートも加わります。プログラム第1部1.Florentiner March2.ハンガリー舞曲 第5番3.ハンガリー舞曲 第6番4.小組曲 1.小舟にて 2.行列 3.メヌエット 4.バレエ第2部4.歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション5.Quit Kicking My Dog Around6.「聖者の行進」for Clarinet Choir7.組曲「惑星」作品32より<木星(ジュピター)>アンコール8.ハンガリー舞曲 第1番9.Can-Can alla Rossini! 編成レポート 本日のクラリネットクワイアーの全編成は下記のようでした。 Eフラ クラリネット 2名 Bフラ クラリネット 25名 アルト クラリネット 6名 バス クラリネット 6名 コントラアルト クラリネット 3名 コントラバス クラリネット 3名また 「東京クラリネットクワイアー」 「船橋プレス・クラッツ」 「クラリネット・フィルハーモニー名古屋」 「松本クラリネット・アンサンブル」 「長野市民吹奏楽団」 「メセナ市民交響楽団」 「和歌山クラリネットファミリー」 「金沢クラリネット・クワイアー」 「信州大学吹奏楽団」 「ウィローウインドオーケストラ」 の皆さんが賛助で参加しておられました。演奏レポートFlorentiner Marchフロレンティーナマーチとのことですが、フィレンツェ行進曲とも呼ばれており、私が以前演奏した時は後者の曲名でした。作曲者は、チェコのマーチ王フチークですが、稲垣先生の話ではシュトラウスと似た作風の曲をたくさん書いているそうでこのあたりは興味深いところです。ハンガリー舞曲 第5番有名なブラームスの代表曲ですが、その中でも圧倒的に5番が耳馴染みがあるかと思います。舞曲の代名詞と言っても過言ではないかなというところです。ハンガリー舞曲 第6番曲目解説によれば2番目に有名なのが、この6番とのことですが、歩いたり走ったり目まぐるしく変わる曲想が、狩りでもしているかのような印象を持ちました。小組曲ドビッシーというととてもみずみずしい感じの作風の曲が多いという印象がありますが、このあたりがクラリネットの音色とじつに相性が良いように感じます。実際に合奏してみた感じでも、例えばオーケストラにはない温かみがあり、クワイアーならではの醍醐味なのかなと思いました。歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション今年はメリーウィドウに縁があるようで、2回目の演奏となりましたが、編曲の違いによる内容に違いはあれど、やっぱりメリーウィドウは聴いても演奏しても楽しいと思える楽しい曲だなと改めて感じました。Quit Kicking My Dog Around犬にまつわるクラシックの名曲と題して、1.口笛吹きと犬、2.犬の散歩、3.四季より春 第2楽章、4.ワンワン!ワン・ステップ、5.私の愛犬アランを蹴らないでの5曲が組曲になっているものですが、いろいろな犬が登場している様が想像できてこれは楽しいと思いました。クラリネットは楽器の大きさと比例して、音が高い~低いになる訳ですが、そのあたりも含めての想像がふくらんだところです。「聖者の行進」for Clarinet Choirおなじみの聖者の行進ですが、ポップス調アレンジでソロがリレーされてゆく構造になっていました。こういった曲は伴奏との音量調整になかなか気を使うものですが、ソリストにはマイク使用て旋律が埋没しないようにうまく工夫されていました。余談ながらこれだけソロが続くと、何人もソリストがいないとできないものですが、そこはクワイアーだけにスペシャリストが多くなかなかの聴き応えのあるソロが印象的でした。組曲「惑星」作品32より<木星(ジュピター)>この大曲がクラリネットクワイアーでやれるとは感動ものというのが第一印象でした。そして弱奏部の繊細さはクラリネットの得意とするものなのでもちろん素晴らしいですが、強奏部もシャリモー音域のクラと曲がりクラが力を合わせて重厚なハーモニーを形成し、その上に旋律がのっかり、さらにそのセクションが旋律を担当すると厚みが半端ないものでに感銘を受けました。ちなみにクワイアー演奏は、基本的に同じパートを吹いている奏者が何人もいるので出るところは出るが引くところは引くというメリハリの中で演奏しています。それがこの曲だけば全員フルパワーで!という指示が出て、それだけでも驚きでした。そしてこの演奏版はノーカット版だそうで、演奏会のメイン曲としての圧倒的な存在感を感じ、聴衆からブラボーも頂けた次第です。ハンガリー舞曲 第1番アンコール曲はハンガリー舞曲で3番目に有名な曲という第1番ですが、やはりハンガリーの流れを組むものだなと感じた次第です。Can-Can alla Rossini! 一口サイズのメドレーという感じでしょうか。聴いたことのあるフレーズがあちこちに登場します。またこういった曲を演奏するに当たっては伴奏が旋律を上回ってしまいやすいため、そのあたりは相当メリハリに気を使う曲でもありました。まとめ縁あって、昨年に続き一奏者として演奏に加わらせて頂くことができましたが、アルトを本気で吹ける数少ない貴重なステージとして楽しませて頂きました。改めて、アルトの音色というのは吹奏楽だと周囲の音色に溶け込んでしまって、よほど目立つソロやソリでなければなかなか聴くことすら難しい状況かと思いますが、クワイアーではそのアルトがユニットを形成してしっかりアルトの音色を響かせているというのが、いつも感動するところです。このあたり、楽器の生かしどころはいろいろあるものだ・・・と改めて感じた次第です。
July 16, 2017
開催日:2017.6.17(土)13:00開演場所 :長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容)松本地域を代表する学校の1つである松本深志高校吹奏楽部の定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.松本深志高校吹奏楽部のためのファンファーレ2.セドナ3.スケルツァンド4.シネマ・シメリック第2部-オリジナル音楽劇-「テンポプリモ!」~音楽の都の奇跡~第3部-ステージドリル-5.Burn6.宝島-サクソフォンアンサンブル-7.スペイン-ファンタジー特集-8.STAR WARS Concert Selection9.Mr.インクレディブル10.ディズニー・メドレー11.珍獣ハンターイモトのテーマ~いくぜ怪盗少女11.「千と千尋の神隠し」ハイライトアンコール12.J-POPの曲(曲名が思い出せずですみません・・・。)レポート松本深志高校吹奏楽部のためのファンファーレFPWEオリジナルの定番のオープニング曲の思わせるカッコイイ曲です。こういったオリジナル曲を持っているということがある意味ステータスという感がありました。セドナパワースポットを題材にしているだけあって、力のある旋律が印象的な良曲のようでした。演奏にあたっては木管が細かい動きなのでテンポを遅くしたい・・・。金管はきついのでテンポを早く演奏したい・・・。という相反する要求が衝突するような感じがありましたが、早い部分は容赦無く早く、遅い部分はどこまでもゆったりと聴かせるという曲作りで、双方に妥協せず曲本意で仕上げた感があり、聴き手にとってはとても小気味良いものでした。スケルツァンド昨年のスカイブルードリームに続いて2年連続の選ばれる課題曲1となったスケルツァンドですが、早めのテンポで推進力がとても感じられるところがありました。シネマ・シメリックコンクール自由曲としても人気が高く、ここ最近よく耳にする曲ですが、聞かせどころの旋律もとてもカッコ良く作られている上、天野氏特有のサウンド感と世界観が全開となっている聴けば聴くほどおもしろい曲という感想を持ちました。「テンポプリモ!」~音楽の都の奇跡~音楽が失われた国、パルゴンティーナに住む音楽を知らない少女が過去にタイムスリップして、なぜ音楽が失われてしまったのか・・・という謎に踏み込み、そして歴史は変わる。という物語ですが、劇中でカーニバルのマーチ、into the strom、A列車で行こう、ロマネスク、パンドワゴンが演奏されました。パンフレットにもその曲名記載があるのがとてもありがたく、音楽劇としての完成度はかなり高いと感じました。-ステージドリル- Burn~宝島座奏に加えてステージドリルも行うというのが、ここ最近の定期演奏会のスタイルになってきているようですが、動きの少ない管楽器が集まる吹奏楽とすればステージドリルは「動」としてとてもよい効果を生み出していると感じた次第です。スペインサクソフォーンアンサンブルによるスペインですが、こういった妖艶系の曲は、やはりサクソフォーンの艶っぽい音色が必要で、曲が楽器を選ぶということだろうな・・・と思いました。STAR WARS Concert Selectionエピソード1より多数の作品群が連なるSF超大作のスターウォーズですが、いろいろなアレンジがある中でこちらのコンサートセレクションはメインテーマとダースベーターの2大メジャー曲を網羅してとても親しみやすいと感じるところがありました。Mr.インクレディブルスクールバンドに人気のNSB定番曲ですが、原作の方はどんなだったか?いや想い出せない・・・というところで、曲単体の人気が一人歩きしている感がありますが、曲単体でこれだけ人気があるのは良曲である証なのだろうというところです。ディズニー・メドレー元祖ディズニーメドレー。本当によく演奏されているなと感じずにはいられないところですが、ここまでくると曲が知り尽くされているので、あのソロは誰がやる?スライドホイッスルは?的な興味に終始することになりますが、これはおなじみ曲の楽しみ方なのだろうというところです。珍獣ハンターイモトのテーマ~いくぜ怪盗少女三年生男子によるダンシングステージということで、2曲のメドレーによる息の合ったダンシングが大変迫力がありました。そしてその弾けぶりからまた若さっていいなと改めて思った次第です。「千と千尋の神隠し」ハイライトスタジオジブリ最大のヒット作品ということで、曲もわりとよく耳にする機会が多いかと思います。その中でもこのメドレーは千と千尋に特化したものですが、「あの夏へ」「底なし穴」「竜の少年」「仕事はつらいぜ」「ふたたび」「帰る日」の6曲がメドレーでりシンフォニック風アレンジということで大編成で演奏するにはぴったりの良曲という印象がありました。まとめ昨年に続いての鑑賞となりましたが、よく練られた構成で聴衆を飽きさせない点。ストーリーがしっかりした質の高い音楽劇。等々見所多数と感じた次第です。また土曜開催というのも集客にはプラスなのかなという印象がありました。
July 15, 2017
開催日:2017.6.11(日) 13:00開演場所 :上山田文化会館(952名収容)初夏のこの時期に恒例になっているさざなみ音楽祭・吹奏楽祭に行って来ました。 プログラム 後半の部8.埴生中学校奏楽部 目覚めよ、と呼ぶ声あり 恋9.屋代高校附属中学校吹奏楽部 アルヴァマー序曲 DREAM SOLISTER10.坂城中学校吹奏楽部 マーチ・シャイニングロード ヒカレ11.屋代南高校吹奏楽部 青は遠い色12.千曲市吹奏楽団 インテルメッツォ Paradise Has No Border13.屋代高校吹奏楽班 マーチ「春風の通り道」 Tank!14.更埴地区中学生リーダーズバンド スケルツァンド 風紋15.全体合唱(更埴地地区中学校リーダーズバンド演奏) ふるさと レポート埴生中学校奏楽部1曲目の目覚めよと叫ぶ声ありは、バッハのいやし系楽曲(主よ~のような)のグループに属する曲ですが、耳新しい感じがしてとても新鮮でした。そして2曲目の恋はおなじみの1年生のパフォーマンスとしてこれまたおなじみの恋ダンスがありました。この曲ですが、やはりダンスとセットなのかなあと感じるところです。屋代高校附属中学校吹奏楽部バーンズは吹奏楽向きのよい曲をたくさん作っていますが、なかなかにハードルが高い曲が多いと感じます。そしてこのアルヴァマー序曲も木管・金管ともにそれぞれ大変さがあるようですが、こういった曲に挑戦できるのもスクールバンドならではの利点かもと思いました。2曲目のドリームソルジャーはたしか響けユーフォニアムでおなじみの曲。吹奏楽らしい厚みのあるサウンドを生かせるとてもステキな曲と思いました。坂城中学校吹奏楽部今年1番人気の課題曲シャイニングロードですが、今回さざなみ音楽祭ではこの坂城中だけが演奏することとなりました。演奏そのものは、テンポを落として丁寧に演奏している印象でしたが、これが夏のコンクールに向けてどうクオリティーが高まってゆくのか?というのが楽しみなところです。そして2曲目のヒカレはゆずの曲ですがアップテンポで聴き栄えが良く吹奏楽向きの良曲という印象を受けました。また余談ながらここ数年坂城中は人数が少なくなっていたのですが、今年はまた人数が大きく増えてかつての大編成の頃の坂城中を彷彿とさせる迫力のある演奏が戻ってきたようでした。屋代南高校吹奏楽部演奏曲の青は遠い色は、最低11名から演奏できるという小編成向けの曲ですが、とても情緒豊かな感じを受けるとともに、さわやかな印象を受けました。そしてとてもよく練習されていると感じる安定感のあるステキな演奏でもありました。千曲市吹奏楽団今年のコンクール課題曲の中では、曲は良いが難しい・・・というのがインテルメッツォかと思いますが、それだけに演奏しがいがあるということもあるようです。ましてコンクールではなく演奏会の1ピースとして取り上げるのであればなおさら曲の良さが生きてくるようで、かつでの風紋のようにコンクールが終わってからも繰り返し演奏されるような曲になるような印象がありました。2曲目は、ラテンパーカッションを用いたイケイケドンドン的な曲ですが一般バンドとしては長野県内でも有数の大編成を誇る千曲市吹だけになかなかの迫力がありました。屋代高校吹奏楽班このさざなみ音楽祭において、是非聴いておきたいのが屋高の演奏な訳ですが、期待通りの迫力のある演奏でした、チョイスした課題曲も大編成用に書かれた春風の通り道ということで、編成の大きさをよく発揮できていたようでした。2曲目のTank!はとにかくパフォーマンスがとても素晴らしく、見る側を釘付けにするばかりでした。更埴地区中学生リーダーズバンド今年の課題曲で一番の良曲。というかここ最近ではとても出来が良い曲との前評判があるスケルツァンドですが、いろいろな意味でリーダーズバンドでこの曲が聴けるとは思っていなかったこともあり、よい意味で予想が外れ楽しませて頂きました。そして2曲目の風紋。こちらは言わずと知れた名曲中の名曲。この大編成でやってもとてもステキな響きです。余談ながらこの風紋の年にコンサートマーチ87を選んでしまったわが母校・・・。思えば勿体無いことをしたとつくづく思い知られた感がありました。まとめさざなみ音楽祭・吹奏楽祭は今年で31回目を迎えますが、実行委員長からの話から親子で参加履歴がある、学生時代に参加して、さらに社会人バンドでも参加している、学生時代にプレイヤーとして参加して、顧問として指揮振りで参加している・・・。などなどじつに多くの人が31年間という歴史の中で関わりを持っていることが改めて感じられました。また昨年あたりから、屋代高校の生徒さんが総合司会を務めるなど、より自分たちの音楽祭という色が濃くなってきて、よい意味でこれからも続けてゆきたい音楽祭になってきたなという印象を受けました。
July 10, 2017
開催日:2017.6.11(日) 13:00開演場所 :上山田文化会館(952名収容)初夏のこの時期に恒例になっているさざなみ音楽祭・吹奏楽祭に行って来ました。 プログラム前半の部1.KBE上山田吹奏楽団 ムーンライト・セレナーデ 恋のバカンス2.坂城町吹奏楽団 ヒカリノアトリエ 美女と野獣 L-O-V-E3.埴生小学校金管バンド班HBB サンブル・エ・ムーズ オーメンズ・オブ・ラブ4.屋代中学校吹奏楽部 屋中メドレー20175.更埴西中学校奏楽部 シンクロ BOM-BA-YE 私以外私じゃないの6.治田小学校金管バンド 前前前世 オーラリー7.戸倉上山田中学校吹奏楽部 マーチ「ブルー・スカイ」 学園天国8.南条小学校金管バンド部ハッピーブラス It's Showtime! Jesus Christ Superstar レポートKBE上山田吹奏楽団毎年さざなみ音楽祭のトップを飾る少数精鋭のライブのプロフェッショナル集団というイメージのあるKBEですが、まったり系の2曲で音楽祭の雰囲気を和やかにしてくれた感がありました。特にムーンライト・セレナーデではおなじみのクラリネットソロは圧巻!聴き応えがありました。また恋のバカンスは、出だしがインザムード風という度肝を抜くアレンジになっていました。坂城町吹奏楽団昨年出場時に比べて金管が倍増したこともあり、迫力のある演奏となりました。ヒカリノアトリエはべっぴんさんでおなじみの曲。ミスチル渾身の秀作という感ありです。美女と野獣は正統派のアレンジで、とにかく音色に気を使って美女と野獣の単曲を美しく聴かせるものでした。そしてL-O-V-Eはイケイケドンドン!的な曲ですが、黒川さやか氏のカッコイイアレンジで、ひたすらお洒落に!がモットーのような演奏かなと思いました。埴生小学校金管バンド班HBB小学生のバンドはとにかく元気が良い!それだけでパワーをもらえる感じがありますが、今日演奏のサンブル・エ・ムーズはちょっと大人向けの感じのするマーチかなと思いました。オーメンズはおなじみの賑やかなアレンジのものでした。屋代中学校吹奏楽部初のオリジナルメドレー演奏となりましたが、内訳は「君の名は」でおなじみの前前前世、SUN、おどるポンポコリン、「君の名は」よりメドレー、屋中の18番である時の流れに身をまかせ、勇気100%、きよしのズンドコ節、気まぐれロマンティック、宝島といったふうでした。中では1年生のダンスが入ったりして演奏も演出も相当に内容の濃いもので、さすが伝統の屋中という感がありました。更埴西中学校奏楽部かなり懐かしいシンクロBOM-BA-YE。久しぶりに聴いてこんな曲もヒットしていたな~と思いました。2曲目の私以外私じゃないのは、ゲスの極み乙女の代表曲。こちらもそういえばそんなグループがヒット作飛ばしていたなぁと思い出し、いろいろ想い出すことができた演奏になりました。治田小学校金管バンド近年結成されたという治田小学校の金管バンド。今年からついにさざなみ音楽祭へ進出となりました。1曲目の前前前世はビートが効いた相当に力強いサウンドで曲の持つパワーをよく感じることができました。オーラリーはこんなアレンジもあるのか?!という新鮮味がありました。戸倉上山田中学校吹奏楽部2007年のコンクール課題曲であるマーチ「ブルースカイ」。余談ながら昨年埴生中が同じ2007年のピッコロマーチをやっていたので2007年リレーかと思いましたが、曲の人気度からすると圧倒的にブルースカイの方が高いので、これは偶然のリレーかと感じた次第です。学園天国も随分と古い曲ではありますが、スクールバンドでは定番曲ということで、今年も聞けて良かったと思ったところです。南条小学校金管バンド部ハッピーブラス毎年度肝を抜かれるハッピーブラスの演奏ですが、今年は素晴らしいステージバックを用意し、演奏の枠を越えた高いエンターテインメント性を披露してくれました。いつもながら小学生とはとても思えない演奏に脱帽です。*** 後半の部に続く ***
July 3, 2017
開催日:2017.6.11(日) 11:00開演場所 :さかき千曲川バラ公園バラ祭りでは3回目の公演となるサクソフォーンアンサンブル「MiST saxophone ensemble」のミニコンサートに行ってきました。プログラム1.花2.ムーンライトセレナーデ3.演歌メドレー4.恋ダンス5.夢をかなえてドラえもん6.勇気100%7.信濃の国レポート花春のうららの墨田川~のあの曲ですが、艶っぽい音色のサクソフォーンアンサンブルにはとてもよく似合う曲だと思いました。ムーンライトセレナーデさんさんと照りつける太陽の元でこの曲を聴くと、もともとこの曲について持っていたイメージとはまた違った新鮮な感じに聞こえてきて、改めて曲を聴く環境によって音楽のカラーは変わってくるものなのだなと思いました。演歌メドレー昨年とは違う曲が入った演歌メドレーでしたが、今年はド演歌系の「兄弟船→北の宿から→愛燦々」のメドレーでした。いずれも知名度の高い名曲中の名曲ということで、コンサートの1ピースとしてとてもよい選曲という感じを受けました。恋ダンス今年の流行曲ということですが、昨年SUNでだいぶ手こずった印象から、星野源の曲はリズムが難しい・・・。という先入観がありました。冒頭~1メロ~サビは吹きやすいかも!と思いましたが、後奏でやっぱり出た星野節・・・。これはなかなかの難易度かなと感じた次第です。余談ながら、この難しい後奏は吹奏楽版では短縮して演奏するような編曲になっているとのことです。夢をかなえてドラえもん2007年からドラえもんのテーマ曲になっていることから、今となっては古いドラえもんとの比較も話題にも上がらないくらいメジャーになった曲ですが、改めて聴いてみるとやはりこの曲は時代を下って作られた曲だけあって聴き栄えするよな・・・と感じました。勇気100%以外と新しそうだがじつは古い曲というのがこの曲ですが、聴き手は元気が出るが吹く方はスタミナを使い果たす的な印象があります。でも今回は聴き手ということで大いに元気をもらうことができました。信濃の国北信地域で好んで演奏される信濃の国ですが、考えてみれば坂城は北信の南限。しかし地理的には上田地域と極めて近い立地ということもあり、そんな葛藤を感じるひとときでもありましたが、演奏はフルバージョンでの聴き応えのある演奏となりました。まとめMiST saxophone ensembleの本日の編成はソプラノ×1、アルト×2、テナー×2、バリトン×1の6人でしたが、その人数でこれだけ奥深い演奏ができてしまうのはさすがサクソフォーンアンサンブル!という感じを今年も受けました。余談ではありますがこの日はバラ祭りの中での演奏だったので出店やバラ鑑賞も楽しませて頂き、さらには平素よりたまにお邪魔している坂城のおそば屋さんである「良竺庵」の出店にておいしいそばを頂きました。
July 2, 2017
開催日:2017.6.10(土)13:30開演場所 :東御市文化会館サンテラスホール(757名収容)昨年に続き、県下でも有数の規模と実力を持つ小諸高校吹奏楽部の定期演奏会に行ってきました。プログラム第1部1.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より2.金管8重奏「デ・デウム」3.マーチ・シャイニング・ロード4.バレエ音楽「火の鳥」より第2部 KWOポップスステージ1.20世紀FOXファンファーレ2.アンパンマンのマーチ3.ドラえもんアラカルト4.水戸黄門のテーマ曲 ああ人生に涙あり5.UFO6.ディズニー・メドレー7.エルクンバンチェロ8.花は咲く第3部 閏間健太 トランペットスペシャルステージ1.コンサート エチュード2.マンハッタン3.トランペット協奏曲4.シェアマイウォークアンコール1.合唱曲2.宝島レポート歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」よりオープニングからいきなりメインクラスの曲が演奏されるというのは小諸高校定期演奏会の定番なのかもしれませんが、結果として冒頭からいっきに聴き手のモチベーションアップとなり、こういう作戦もよいかも?!と思った次第です。曲は巷では演奏し尽くされた感のある宍倉版のカヴァレリアなので聞かせどころは心得ているようで、じつにドラマティックな印象を受けました。改めていいなと思う楽曲です。金管8重奏「デ・デウム」金管アンサンブルはいろいろな意味でうまく聴かせるのは難しい印象がありますが、そのカギを握る一番の高音パートであるピッコロトランペット。この張った音色がとてもよい芯になっていてメリハリのある素晴らしいアンサンブルという印象を受けました。マーチ・シャイニング・ロードおそらく今年の一番人気の課題曲になりそうなシャイニング・ロードですが、落ち着いて分析すると少し高音パートにメロディーが偏っていて、高音パートにとっては華がありますが、低音パートは歌う楽しみが少ないかな?という感じはありますが、これは例年の課題曲でも似た傾向があるのかもしれません。バレエ音楽「火の鳥」より今年のコンクール自由曲候補なのかもしれませんが、かなりの圧巻の演奏でした。バレエ音楽だけに旋律がけっこうはっきりしていて訴えたいことがわかりやすい楽曲と思いました。現時点でも十分素晴らしい演奏ですが、コンクールでのさらなる好演を期待したいと感じました。20世紀FOXファンファーレ21世紀に入って既に17年。20世紀がだんだんと遠い時代になりつつある訳ですが、そんな20世紀を代表する楽曲の1つがこのFOXファンファーレなのかなと感じました。アンパンマンのマーチアンパンマンが登場!メトロンとの絡みがありました。アンパンマンといえば顔を食べる食べないの話がありますが、そのあたりも話題になりました。ドラえもんアラカルトアンパンマンと来ればドラえもん・・・。ということで、ドラえもん登場!演奏曲は、テーマ曲の他、ドラえもんの作品中で使われた挿入曲がメドレーになっていました。水戸黄門のテーマ曲三人目は水戸黄門が登場。ピコピコハンマーで悪人を懲らしめる助さんと角さん。この寸劇はなかなか愉快でした。UFO四人目はピンクレディー?!ダンスチームが登場して場を盛り上げました。それにしてもピンクレディーもだいぶ古い楽曲ですが、舞台の生徒達は古典音楽として演奏しているのかなと思うところがありました。ディズニー・メドレー五人目はミッキーマウスが登場。ミッキーマウスというばあの甲高い声が特徴ですが、じつに本物をよく研究しているようで声色もしゃべり方もそっくりでこれには驚きました。エルクンバンチェロエルクンバンチェロのかけ声とともに演奏開始!おなじみのNSB版の派手な演奏でした。曲の途中でもかけ声が入ってじつに楽しそうに感じました。花は咲く全員合唱となりました。ここのところ全員合唱というと、ふるさとか信濃の国か、花は咲くかの三択という感がありますが、楽曲的には花が咲くが一番洗練されているかな?と思いました。コンサート エチュードプロトランペット奏者の閏間健太氏を迎えてのスペシャルステージのオープニング曲は、いきなりアップテンポのカッコイイこの曲。プロの超絶演奏を肌で感じるひとときになりました。マンハッタン2曲目はゆったり感のあるこの曲。こちらですが、ニューヨークのマンハッタンと何か関係があるのか?!でもマンハッタンの優雅な雰囲気を壮大に表現しているように感じた次第です。トランペット協奏曲コラールで有名な八木澤氏の作品による演奏ですが、先日の上田市吹定期演奏会で記憶に新しい田中靖人氏の例もあり、最近は邦人作曲家がプロがソロを演奏することを想定してこういった協奏曲を委嘱されて書く例がけっこう多いようです。作風は、とてもドラマティックでこういう協奏曲なら伴奏で参加しても相当やりがいがあるかもと感じたところです。シェアマイウォークトランペットスペシャルステージのアンコール曲ですが、もともとはプラスバンドとコルネットのための曲だそうですが、閏間氏超オススメの曲だけあって、美しい音色を聴かせるにはもってこいで、雰囲気として英国の片田舎を想わせる風情がとても落ち着く感じでした。宝島おなじみのカラフルな衣装で小諸バージョンの宝島演奏となりました。それにしてもこれだけ多く演奏される曲もそうはないだろうと思う次第です。まとめ今年度は62名で活動しているという小諸高校吹奏楽部ですが、少子化の中にあってもこれだけの規模を維持している小諸高校吹奏楽部の伝統はすごいものがあるのだなと改めて感じました。また県内高校では定期演奏会が唯一の2日公演(演奏曲目が異なるという点も特筆すべき点)というのもそのバイタリティーの高さを感じるところがありました。
July 1, 2017
開催日:2017.6.4(日) 13:30開演場所 :坂城テクノセンター(180名収容)昨年に引き続き初夏の時期に行われた坂城町吹奏楽団の春の演奏会、春の定期演奏会2017のレポートです。また演奏会のテーマとして「音楽で綴る まほろば」を採り上げ、幅広いジャンルから13曲が登場しました。プログラム第2部 アンサンブルステージ*** 坂ブラクラッツ ***5.ディズニー映画「美女と野獣」より 美女と野獣*** おにぎしブラス ***6.映画「タイタニック」より マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン第3部 全体演奏ステージ後半7.行進曲「虹色の風」8.ジャパニーズ・グラフィティー6 ~日本レコード大賞、青春の'70年代~9.千の風になって10.L-O-V-E アンコール11.エルクンバンチェロ12.また逢う日までレポートディズニー映画「美女と野獣」より 美女と野獣坂ブラクラッツとして3回目のアンサンブル演奏となりました。近年はいろいろな出版社から様々なアンサンブルの譜面が販売されているので、こういったクラリネットのアンサンブル演奏もずいぶんとやりやすくなった感がありますが、その中でもディズニー音楽については特に充実している感があり、その中でも今話題の美女と野獣の演奏となりました。今回の演奏譜面はアンサンブル譜の編曲では定評のある石毛里佳氏によるもので、5パートそれぞれがどこかで主役を取るような感じになっていて、クラリネット特有の木の温もりの感じられるハーモニーも素晴らしいと感じられるものでした。映画「タイタニック」より マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン映画のタイタニックが公開されたのが1997年のことなので、今年は20周年となります。改めて考えると、公開後20年たってもこのように曲が演奏されているのはタイタニックがいかにヒット作品だったかという証なのかもしれません。そして今回のおにぎしブラスでは、いわゆる管カラで伴奏をCDで流し、プレイヤーは独奏にて曲を作るというスタイルでの披露となりました。行進曲「虹色の風」2003年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲ですが、日本のマーチ王的な存在である松尾善雄氏が奇をてらわない王道マーチを目指して作ったというだけあって、とても素直な感じのする楽曲という印象がありました。この曲の見せ場はいくつかありますが、他の課題曲マーチと違ってトリオが二段構造になっていて、最初はユーフォニアムとテナーテクソフォーン、2回目はクラリネットとピッコロ・グロッケンといったふうです。特に2回目のクラリネットは落ち着いたシャリモー音域の魅力を十分に感じられるとてもお洒落な旋律となっていて、そこに飾りを入れるピッコロとグロッケンもまたステキな感じと思いました。ジャパニーズ・グラフィティー6 ~日本レコード大賞、青春の'70年代~ジャパグラ5が栄光の昭和50年代、そしてジャパグラ6が1970年代と時期的に5年ほどかぶる連作的なジャパグラの1つですが、これを考えると重複する1975年から1979年の4年間がこういった歌謡曲にとっていかに輝いていた時代だったのかということを連想させるものがありました。こういった楽曲を演奏する場合、特に原曲を知っておくのはイメージ作りには有効なことと思いますが、そういった過去の映像などを見るにつけ、1970年代はいろいろな意味で古きよき時代だったのだなと感じるものがありました。なお編曲はジャパグラを相当数手がける星出尚志氏ということで、オープニングの豪華な作りとそれぞれのソロの聴かせどころがじつに鮮やかであるのはもちろんですが、曲中の静かな部分の作りこみも吹奏楽のサウンドをじつによく生かすことができ、素晴らしいものだな・・・と思わざるを得ないところが多々ありました。千の風になってこの曲がブレークするきっかけは、2006年の秋川雅史氏による歌唱だったかと思いますが、吹奏楽版においては当時発足したばかりのウインズスコア社が2007年に出版したものがスタンダードになっている感があります。この編曲版では、トランペットのソロがある一方で曲の要所でオーボエがしめるような役割をしている感がありました。もちろんオーボエがいないバンドでも演奏できるよう影譜対応はありますが、曲想とオーボエの音色のマッチングからすればやはりオリジナルのオーボエが入ってこその千の風になってか?と思うところがありました。L-O-V-E この曲もいろいろなアレンジが出ていますが、今回演奏したのはビックバンドテイストで定評のある黒川さやか氏版で難易度は高いが相当にカッコイイ感じになっていました。イベント等の演奏曲として2~3回の練習で使おうというには無理があるとは思いますが、十分に練習期間を取って定期演奏会等で発表するにはじつによいと感じるところがありました。そういった意味では演奏会の本プロの最後の曲にするのが構成的にもわかるところでした。エルクンバンチェロ巷で良く演奏されているのはNSB版かと思いますが、M8版も演奏の仕方によってはなかなかカッコイイ感じとなっており、冒頭のシロフォンソロなどでまず度肝を抜かれる・・・。そして中盤のクラリネットソロも相当にカッコイイ。続くホルンのソリも生かした感じ!と挙げればきりがないですが、アンコール曲としてとても盛り上がる感がありました。また逢う日まで曲そのものは、相当に昔のものですが、NSB化されたことで原曲を知らない世代にもアンコールの定番曲として知られるようになっているようです。さすがに毎回毎回の演奏会でやっているとくどいかもしれませんが、何年かに一回取り上げると改めて過去の名曲回顧になってよいかなと感じた次第です。第2部・第3部まとめディズニー音楽、映画音楽、マーチ、昭和歌謡曲、洋楽、ラテンなど様々なジャンルから耳慣れた音楽の数々が、テーマ「音楽で綴る まほろば」にどう結びついたかはそれぞれの聴き手の感じ方一つかとは思いますが、音楽の持つ癒し効果によって心地よい空間が演出できていた部分もたくさんあったのでは?と感じる演奏だと思いました。
June 30, 2017
開催日 :2017.6.4(日) 13:30開演場所 :坂城テクノセンター(180名収容)昨年に引き続き初夏の時期に行われた坂城町吹奏楽団の春の演奏会、春の定期演奏会2017のレポートです。また演奏会のテーマとして「音楽で綴る まほろば」を採り上げ、幅広いジャンルから13曲が登場しました。プログラムオープニング0.およげ!たいやきくん in Swing第1部 全体演奏ステージ前半1.ヒカリノアトリエ 2.世界に一つだけの花3.サクソフォンとバンドのための青春の輝き 4.いきものがかりコレクション SAKURA~ブルーバード~じょいふる~気まぐれロマンティック~YELL~ありがとうレポートおよげ!たいやきくん in Swingあまりにも有名な曲ですが、こちらの福田洋介氏によるアレンジは、よい意味で原曲のやぼったい雰囲気を一掃し、かなり聴き栄えのする曲になっていて、特にクラリネットソロはかなり行けている感がありました。坂ブラとしては5月のびんぐし子供フェスでも演奏しましたが、さらに完成度を高めての演奏と感じました。ヒカリノアトリエNHK朝の連続テレビ小説べっぴんさんの主題歌ですが、ドラマを見ていた私としては回想録的な気持ちで感じることができました。物語終盤では19歳のすみれがおばあちゃん役を演じてさすがにそれは無理がある・・・という声もありましたが、それは朝ドラでは、あさにしても、常子にしてもそうだったのでいつものことでは?!という感もありました。曲的にはオーソドックスなアレンジですが、曲の前奏がどうも不安定になりやすいようで、このあたりは金管をかませた方がよかったかと感じた部分もありました。他、冒頭のユーフォニアムソロ。後半のオーボエソロは曲のイメージと良くあっていたようでした。世界に一つだけの花あまりにも有名な曲ですが、SMAP後・・・と言うべきでしょうか。解散しても曲は残る訳です。そしてこの曲のアレンジはM8にしてはひねりが少なく演奏しやすく、かつ鳴りが良くできていて好感が持てました。このあたりは山里佐和子女史の編曲の妙というところかもしれません。サクソフォンとバンドのための青春の輝きこの曲はもともと須川展也氏をフューチャーしたもののようですが、音色的にはクラシカルサクソフォンのそれがよく合うという感じかもしれません。ちなみに楽譜通りに演奏しても参考演奏CDのようにならない・・・ありがちなことではありますがこれを耳コピしてより参考演奏に近づけるというこだわりもまた楽しいところかもと感じました。いきものがかりコレクション放牧宣言で活動休止したいきものがかりですが、安定した人気を誇りつつも回想してみると絶頂期は「ありがとう」をリリースした頃だったのかな?と思うところです。そんないきものがかりのデビューから絶頂期のありがとうまでの人気曲をメドレーにしたのがこのコレクションということで、演奏曲とすればかなり前向きなものが集まっている印象がありました。ただ編曲にやや難あり・・・。特にB♭管では吹きづらい調が多いのが難易度を高めている要因になっていたようでした。このあたりは原曲の調にこだわったのかもしれませんが、吹奏楽なのにオケの曲を吹いているかのような小難しさがありました。とはいえやはりいきものがかり!楽曲の良さから、曲が完成に近づくととても聴き栄えのする音楽になったという満足感がありました。第1部まとめ第1部はすべて歌の曲ということで、歌詞を浮かべつつ演奏を聴くとよりよいインスピレーションが生まれる感じがありました。ステージの締めがありがとうというのも良かったのかもしれません。*** 第2部に続く ***
June 21, 2017
開催日:2017.6.3(土) 12:00開演場所 :信州国際音楽村 パノラマステージひびき(1,000名収容)例年1月~9月までの9ヶ月間限定で活動する上田-ウィーンアカデミーの中核バンドであるカールヤイトラーウインドアンサンブルのプレ本番となるステージに行ってきました。今年も、信州ルネッサンス2017野外フェスティバルのパフォーマンスステージの一公演としての位置づけとしての演奏となりました。プログラム1.パッペンハイムのファンファーレとマーチ2.ポルカ「燃える恋」3.ポルカ「雷鳴と稲妻」4.ラデッキー行進曲レポートパッペンハイムのファンファーレとマーチカールウインドのファンファーレといえば聖セシリアのファンファーレが18番ですが、今回は新曲であるこちらのファンファーレが演奏されました。こちらですが、冒頭のファンファーレは金管群だけで行われ、マーチは木管も加えた編成で吹奏楽特有の厚みのある演奏となります。ポルカ「燃える恋」ポルカではありますが、とても情緒的な曲で旋律がステキな曲です。こちらはアカデミーのクラリネットパート講師の廣田先生から曲についての解説があり、演奏者側もより感情を込めて演奏できたかなと感じた次第です。ポルカ「雷鳴と稲妻」これは聞けばあの曲だ!とすぐ分かるおなじみの旋律ですが、私的には喜歌劇こうもりの中での差し替え演奏の方がおなじみなところがあります。恥ずかしながら、雷鳴と稲妻がこうもりだと思っていた次第です・・・。ということで1つ勉強になりました。ラデッキー行進曲個人的にはつい先週も演奏した訳ですが、改めてラデッキー行進曲の認知度を考えた時に、これだけ演奏されている曲はそうはないだろうと改めて感じた次第です。まとめカールヤイトラーウインドアンサンブルは信州国際音楽村が主となって運営しているバンドですが、ウィーンからカール・ヤイトラー氏を迎えて行う9月19日の本番を目指し、1月からこの界隈に根拠地を置くプロの方々から指導を受けながら練習を積み重ね、まずは6月に中間発表!というスタイルになって5年目になりますが、年々活動が盛り上がりを見せ、近年は学生メンバーも増えて、より広義のアカデミーバンドとしてすっかり地域に密着したバンドになった感を改めて感じた次第です。
June 9, 2017
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