売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2023.12.27
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​​​​​​​​昨日目にとまったニュース。今年中国は日本を抜いて自動車輸出国ナンバーワンに躍り出た話、ショッキングです。いずれはそうなるだろうと予想していましたが、もうその時が来てしまいました。しかも輸出は日本が遅れているEV車(電気自動車)、簡単に言えばモーターで走る大型電気製品なんです。

中国ではEV車のナンバープレートは薄い緑色、一般ガソリン車の青色プレートとは区別されているので誰でも判別できます。今回お邪魔した浙江省の杭州市と寧波市の中心部ではEV車比率が40%くらいに達するのではないかというくらい頻繁にEV車を見かけました。そんな光景は想像していなかったので驚きました。

ネット検索してみたら、各国のEV車比率は以下です。日本がこの分野でいかに遅れているかよくわかります。

 ノルウェー  88%
 スウェーデン   54%
 デンマーク       39%
 オランダ          35%
 中国                29%
 ドイツ             31%
 イギリス          23%
 フランス          21%
 イタリア            9%

 日本                  3%

2022年世界のEV車総販売台数は1020万台(前年より60%増)、前年までに販売されたものと合わせると世界中で約2600万台が走っていることになります。そのうち中国の昨年度EV車販売台数は590万台ですから世界全体の約60%を占め、既存のものと合わせると中国製は約1380万台、世界のEV車のなんと2台に1台は中国生産。日本は昨年経ったの10.2万台ですから世界のEV車シェア1%、かなり遅れをとっているのは明らかです。





上の2枚の写真は杭州市中心街のショッピングモールにショップを構える通信機器大手メーカーHUAWEI、スマートホンと一緒にEV車を販売していました。同社は昨年から電気自動車の販売を開始しています。私は米国アップルや英国ダイソンが自動車専業メーカーよりもカッコいいEV車を近未来発売すると期待していましたが、HUAWEIはすでにEV車販売に着手、中国はやることが早いです。

10年前に北京出張したとき、黄砂の影響もあってかものすごい空気汚染にびっくりしました。高度経済成長の中国では環境問題にあまり関心がないのかなと思いましたが、どうやら私の間違いでした。一部の中国人は環境問題への関心高く、ガソリン車から電気自動車に切り替えているんです。そして気がつけば中国製EV車は輸出の重要品目、ついに今年日本を抜いて自動車輸出ナンバーワンの国になりました。


Li Auto社「理想L7」




杭州市の中心街では電気自動車のショールームが目につきました。写真のLi AutoとNIO ​​ に加えXpeng​が急成長3企業と言われているようですが、いずれも創業してまだ10年足らずの新興企業、既存の自動車メーカーではありません。急成長中の会社ですから資金面はまだ盤石ではないでしょうが、彼らは国内市場のみならず世界市場に打って出ている。こういう新興企業の台頭で中国は日本車の輸出台数を上回る、すごいことだと思います。

​​小泉純一郎政権後半、私たちは政府のコンテンツ戦略会議に招集され、そこで担当官から「電気ではもう外貨を稼げなくなる」と衝撃的な説明を受けました。まだシャープの亀山工場製の薄型液晶テレビが世界中で人気だった頃、信じがたい説明でした。

その議論から6年後に国の方針としてクールジャパン政策が打ち出され、それまで政府に軽視されてきた柔らかジャンルの産業を強化されることになり、私自身もその政策のお手伝いをしました。担当官の発言通り日本製電気製品のポジションは著しく低下してシャープはすでに台湾企業に買収され、日本の国際競争力は著しく下がりました。そして、今度は自動車輸出まで中国に追い抜かれてしまいました。

日本の自動車産業、電気と同じ道を辿らなければ良いんですが....。






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Last updated  2023.12.30 19:20:38
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