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2026年05月13日
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カテゴリ: 情報的生活行為



焔に手をかざして  新版 (ちくま文庫 いー7-5) [ 石垣 りん ]

引用ここから→p232 

 福田正夫を追想する人々が、その作品について語るより人間を語ることが多いのを、私は師にとって不名誉と思っていない。まだ肩上げも取れない少女を相手にしてさえ、どれほどの情熱をこめ、詩について語ったか。
 学歴で、財産で、家柄で、人は見くびりあうことが多い。不幸なことに、それらを持ち合わせない人によっても、他者へのものさしとなっている。勤労者としての四十年間、私はそのことを身にしみて味わった。
 若い日、ひたむきな心で通った一軒の二階家。その家の玄関を戸を開けたとき、細く長く私は詩の方へとみちびかれて行った。そこで私は何一つ侮られることはなかった。それが福田正夫の他者を前にした、日常の態度だった。
 「一つの列車が/わつと魂(たま)ぎるやうに万歳をわめきながら/西伯利亜(シベリア)出征の兵士をのせて/通過して行く瞬間―」
 「窓から争ふやうにふるハンケチ/沿道の人々は呆然として見送る/一人の老いた車夫だけが/万歳と叫んだ、帽子をふつた」
 「私の魂はまづ驚く/何んといふ悲壮だ/まるでやけのやうに呼ばはる彼らの叫喚/死にに行くのだ、死にに行くのだ/なんといふ国民的の悲劇だ」

 「一つの列車とハンケチ」という題名の詩である。シベリア出征兵士を送るとき、すべてを知って万歳と叫ぶことが出来なかったにもかかわらず、この天真な社会派詩人も、やがて第二次大戦においては天皇に帰一する方向をたどり、御稜威(みいつ)を歌い、言霊(ことだま)を語り、私はその後に従った。 引用ここまでp233 (( )内はその単語のルビ)

石垣りんと言う詩人がいることは知っていたけれども、
詩、というものを他の方のものでも、あまり読むのは好きではない、、というと
語弊があるが、まとにかく、詩、はあまり読まないのだ。
彼女の、エッセイなら、大いに興味があると、今回引いた。読了。
もっと、彼女のエッセイは、読んでみたいと思っています。
りんさん、ありがとう。





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最終更新日  2026年05月13日 06時09分42秒
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