うさぎ小屋 1番館

うさぎ小屋 1番館

2004年10月14日
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最近バヤシの兄貴は、なぜか羽振りがいいらしい。大学生で、バイトも特にしていないようだし、家も別に金持ちでもない。
 バヤシは兄貴に何故かと聞くと、得意げにパチスロで稼いでいると言ったらしい。それでバヤシはこれはいけると思ったらしく、兄貴をおだてながらそれとなく情報を聞き出したという。
 駅前のパチンコ屋『ベガス』はあまり人気はなく、いつも客はガラガラらしいが、日曜日にイベントをしていて朝から爆裂するようにセットされた台が何台かあるらしく、いがいと穴場なのだそうだ。
「それにしても、そんなんで本当にうまく行くとは思えないけどなー。第一パチスロなんてやったことあんのか」俺はバヤシに言った。「だから、そういうのもちゃんと聞いてあるから、なんとかなるって。だいたいほかに手はないだろ。バイトとかできないしな」
 確かにそれも一理あった。中学生を雇ってくれる バイトなんてなかなかないし、それ以前に俺達は受験があるので、どっちにしても時間が無い。でも、コンサートにはいうらか無茶をしてでも行きたい。   
「こんなカッコまでしてきたんやで、やるしかないやろ。どっちにしても、このままやったらどうにもできへんもんな」小心者のモンキーが、珍しく乗り気だ。

 結局作戦は決行する事となった。パチンコ屋に入るのは、バヤシとモンキーで、俺は店の見える駅前で、学校の教師とかが店に入ってこないかどうか、見張る役となった。
 それぞれがコンサートの為に取って置いた、一万円を出し合い、合計三万円が軍資金だ。

 モンキーは落ち着きが無く、周りをきょろきょろし、店員やほかの客に自分達がばれていないか気になって仕方がなかったが、周りの客はそんなのには関心は無く、真剣な顔で勝負に挑んでいる。
 一方バヤシはそんな事には動じずに、
「モンちゃんなんか挙動不審で、かえって怪しまれるで。それより、そこの穴に千円札をいれたらコインが出てくるみたいやぞ」と言った。
 二人は千円札を入れ、出てきたコインを慣れない手付きでスロット機に投入し、スタートレバーを押した。
 千円分のコインは、大当たりしなければ五分と経たない内に台に飲まれ、夏目漱石はみるみる内に姿を消していった。

・・・つづく





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最終更新日  2004年10月15日 00時39分29秒
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