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2006年01月13日
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カテゴリ: クラシック音楽
 リヒャルト・シュトラウスの音楽はどのように演奏されるのがふさわしいかというと、「メタモルフォーゼン」以外はやっぱりゴージャス・サウンドなんだろうな、と常々感じている。

 シュトラウスの「アルプス交響曲」「ツアラトウストラはかく語りき」「英雄の生涯」などはいずれもとにかく贅を尽くした音響の世界に圧倒される。ホルンをはじめとした金管吹きまくり、弦引きっぱなしの豊穣な音世界、というのが彼の印象だ。

 ラトルの新盤「英雄の生涯」を聴いた。またも圧倒的な職人芸、きびきびしたBPOサウンドは、この作曲家の「金ピカ」な雰囲気よりもどちらかというと純粋な器楽音響のお披露目、といった印象を受けた。無用な派手さはいらない、純粋にシュトラウスの音響世界を再現すればよい、というラトルの意思が働いているのだろうか。

 ラトルの解釈をどうこうという前に、シュトラウスの音楽にはそもそも思想というものがあるのだろうか、といういつもの疑問が湧いて来た。「アルプス」も「ツアラ」も「英雄」も、表面的な派手さはもちろん評価できるものの、何回聞いても「すごい音だな」以外はどうにも心に残るものがないのだ。
これは私だけなのだろうか?

 私にとってその唯一の例外は彼の最後の作品、「メタモルフォーゼン」。
爆撃により崩壊していくドイツの街を描写したといわれ、23の弦楽器のみにより演奏される物悲しいメロディーは、金管を多用し派手な演出の多かったシュトラウスが最後に辿り着いた素朴な心象風景として、他の曲よりも私は非常に高く評価している。

 ど派手な音楽にはど派手な音色の楽団を、ということであるならばこれはカラヤン時代のBPO録音が一番ふさわしい。炸裂する金管、うなりをあげる弦をあれほどうまく、かつ余裕を持って演奏できたコンビはいないだろう。

 そのど派手コンビによる「メタモルフォーゼン」は数種類の録音があるが、お勧めはDVD化もされている最後の録音。滅多に感情移入を見せないカラヤンが悲しみに顔をゆがめるような表情を見せ、演奏も悲しみに包まれる。シュトラウスの派手さ加減に辟易している人は、是非一度聴いてみて頂きたい。



メタモルフォーゼン
カラヤンの遺産5 R.シュトラウス:交響詩「死と変容」、メタモルフォーゼン





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最終更新日  2006年01月13日 13時49分50秒
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