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「ブキミきれい?」な内蔵系石に続いて、こんな石。パキスタン産の水晶です。画像にガーネット、ショール(黒トルマリン)、水晶、さらに厳密には、めだたないものの長石と雲母もくっついている、まさにペグマタイトな石です。ペグマタイトというのは、漢字で書けば巨晶花崗岩。地底深くからいろいろな鉱物の素を含んだマグマがあがってきて、冷えていくにしたがって量の多いもの結晶しやすいものからどんどん結晶し、最後に残った成分がゆっくり冷えたために結晶が大きく成長している岩のことです。ペグマタイトは、結晶鉱物の宝庫。水晶やトパーズ、アクアマリン、トルマリン、ガーネット、雲母などいろいろ出ます。……というわけで、水晶やガーネットトルマリンが集まったこの石は、まさしくペグマタイトな取り合わせ。大きさも高さで8.5センチほど。太さもあるので、掌の上でずっしり存在感を発揮します。水晶は、半透明に見えていますが、ちょっと欠けた所から中を見ると、内部は透明に見えるので、表面が磨りガラス状になっているもよう。水晶そのものも表面がゴツゴツしていてワイルドなのに、その中腹にくっつく赤黒い塊が、ガーネットです。ガーネットの大きな結晶がくっついているのではなく、ガーネットが成長しようとしているところに水晶が生えてきて、水晶とガーネットがしっちゃかめっちゃかに絡み合ってます。ついでにショールもくっついていて、見るからにゴツゴツ不気味。ガーネットがはいっているせいか、同じくらいの大きさの水晶に比べると、全体的にずっじり重いです。見た目でガーネットの約半分が外に見えているのかと思ったら、実はもっと大きな塊が中に入っていたりして……。ところで、知り合いの石好きさんに看護士さんがいます。しみじみこの石を見て曰く。「腫瘍っぽい……」……確かに。
2008/06/30
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新宿ショー最終日の撃沈石の一つです。すでに紹介したモロッコ産カルセドニーの仲間石。仲間と言うからにはこれもカルセドニーです。泡が群れているようなもこもこ具合は、いかにもカルセドニー。オレンジのようなピンクのような色合いが、ひどく生き物めいて見える、ブキミすれすれのおもしろさ。それだけなら手を出さなかったのですが、この石はこのもこもこの上を薄皮一枚、透明な層が覆っていて、その透明層が、カルセドニーと水晶のぎりぎりラインでわずかに結晶の形をしているらしく、シルクというかサテンというか、微妙な輝きを見せるのです。キモかわいいとかそう言う言葉は使いたくありませんが、これは、あえて「ブキミきれい」……といいたい。このとき見つけたカルセドニー達は、どれもこれもブキミできれいで超個性派ぞろい。そばには小さな水晶がぎっしり結晶したきらきらのミニジオードもあったのですが、この個性の前には迫力不足。こっち(カルセドニー)の方を先に見てしまったら、キラキラジオードの方は目に入りませんでした。私は、石については意味やパワーではなく、その石の表情・個性、石から(自分が)得るイメージの広がりを重視します。そんな私にとって、このカルセドニー達は、ど真ん中強烈ヒット。中にはジオード状になっているものもあり、それなどはもう、それだけで一つの世界。すてきすぎ。
2008/06/29
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mixiにて「アリゲーター・クォーツとは?」という質問がありました。この質問に簡潔に答えるとしたら、「エレスチャルのことです」ということになります。しかし……パワーストーンでブレスレット全盛の今、エレスチャルと言えば、内包物いっぱいのビーズを思い浮かべる人も多いことでしょう。では、ジャカレーは内包物入りの水晶……と言ってしまってもいいのでしょうか?違います。ジャカレーとは、ブラジルではワニのこと。ごつごつした表面のようすがワニの背中のようだというので、この名前が付けられたようです。ポルトガル語でワニ。英語に直せばアリゲーターです。ジャカレーの意味を受けてワニ水晶と訳すことがあるように、英語でワニ水晶と言えばアリゲーター・クォーツと言うことになるのでしょう。どちらにしろワニだというのですから、重要なのはその見かけ。内包物の有無ではありません。同じくエレスチャルと呼ばれていても、別名をスケルタルと呼ばれる、層状の水晶もワニとは言えないでしょう。やはりワニという名前にふさわしいのは、今回の写真のようにでこぼこした、ゴツゴツ系エレスチャルのこと。個人的なわがままを付け加えれば、色合いはスモーキーで。(透明キラキラではワニっぽくないからですが)そもそもエレスチャルというのはこのゴツゴツ系の石のことだったと思います。「他には(エレスチャルが名付けられた頃出回っていた水晶には)見かけない、特異な形状の石ということで、ヒーラーの目を惹いたのでしょう」想像するに、「特異な形状」ということで層状の石もエレスチャルと呼ばれるようになり、パワーのある、付加価値の高い石ということでビーズにされるようになったものの、ビーズに加工してしまうと、形の特徴は消えてしまい、たまたまエレスチャルに内包物がたくさん入っているものがあったことから色混じり(アメジストやスモーキーなど)、内包物たっぷり水晶がエレスチャルと認識されるようになってしまったのだと思われます。繰り返しますが、内包物の有無はエレスチャルの条件ではありません。あくまでも形です。また、エレスチャルの形状はビーズに加工するには不向きですから、塊状の内包物物入り石英が加工されているかもしれません。だとしたら、エレスチャル・ビーズとは言えないでしょう。また、店ではロット(良いのも悪いのも取り混ぜ一箱セット)で仕入れることもあり、ロットの中にはエレスチャルと言えるものも言えないものも混じっています。でも、それをいちいち区別するのも面倒だし、ここからここまでがエレスチャルという基準もはっきりしないので、仕入れ元がエレスチャルと言っていれば全てエレスチャルということになります。結果、原石であっても厳密にはエレスチャルと言えないようなものがエレスチャルと呼ばれていることもあり得ます。かくして、石の名前はみるみるうちに変化してしまい、きちんと把握するのが大変になるのです。ですから、時には「ワニという名前なんだからワニに見えるもの」というように、素直に名前が示す形や、ヒーラーの説明が示す石について自分自身が納得できるよう、考えてみることも必要なのではないでしょうか。さて、「アリゲーター」という名称ですが、英語でワニというと「クロコダイル」もあります。実はクロコダイル・クォーツという名前も見たことがあります。どちらもワニのことなんですが、ちょっと種類が違い、生息地域も異なっています。分布地域を見ていくと、アメリカ南部~南アメリカに生息するのがアリゲーター、アフリカ、インド、東南アジアに広く生息するのがクロコダイルらしいです。……ということは、名前の元であるワニに敬意を表して、ブラジル産は、現地の言葉でジャカレー、そのほかの南北アメリカ産はアリゲーター、アフリカやインド産のものはクロコダイル……というべきでしょうか。
2008/06/28
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スコレサイトという石があります。和名はスコレス沸石。名前の通り沸石の仲間で、白~透明の針状の結晶が放射状に生えそろった繊細な……繊細すぎてぱきぽき折れるので、魅力的だけれど取り扱い要注意の石です。そんな石に磨きものがあろうとは。スコレサイトのルースです。原石を見ている限り、こんな風に磨くことができるようには見えないのですが、原石の形状を忍ばせる放射状の筋模様がばっちり見えるので、「そういう商品名の別の石では?」とも思えません。写真の石は、一辺1.5センチほどですが、大ぶりなタンブルや丸玉もあります。石好き友達の桃猫さんちの丸玉は、結構大きいです。樹脂加工しているのか、圧縮でもしているのか。それともよほど大きいクラスター(放射状結晶)があって、その中心部を磨いているのか。あるいは、水晶に対する石英のようにがっちり塊状になっているものがあるのだろうか。今回の新宿ショーでは、いままで見たことがないほど太い結晶が集まったごついスコレサイトを見ました。ああいう石があるのなら、磨きものが作れるかもしれません。透明度が高くて美しい石でしたが、お値段が強気。しかも、かろうじてあったお手ごろ価格の石は、手に取ってみると肝心の部分の結晶がぐらぐら。今回は見送りましたが、次のショーでも見かけるかどうかは一種の賭です。いさぎよく白くて、シャープなスコレス沸石。原石もいいけど、心おきなくさわれる点では、磨きもいいかも。
2008/06/27
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17日にワイヤーラップ・ペンダントを紹介しましたが、以来ワイヤーひねくり中です。最初のペンダントが意外にうまくできたので、そのうち作ろうと集めていたぶっかき原石を次々にくるくる、巻き巻き。勢い余ってタンブルも巻いてみましたが、つるつる丸っこいタンブルは巻こうとしているうちにくるくる回転してしまって、なかなかうまくいきません。巻き巻きしながら考えました。つるつるしているものは巻きにくい。シンプルなポイント(単結晶)も巻きにくい。ごつごつしているぶっかき原石が、ひっかかりがいろいろあって巻けるのならば、クラスターならどうだろう?で、巻いてみました。意外にいける!これで調子に載ってさらに巻き巻きしているときに、例によって石好き友達と石屋巡りをしましたらば、とあるヒマラヤ水晶クラスターが目にとまりました。ワイヤー巻きに適しているクラスターは、適度な出っ張りがありつつころっと丸くまとまっているか、全体が短い結晶が集まった平べったいクラスターです。見つけたクラスターは、平べったくて適度に出っ張りもあって……しかし、ちょっと大きめ。でも……このクラスターを身につけてみたい。チャレンジ!ちょっとピンクに写っていますが、実際は真っ白。斜めに結晶が生えたようす、全体の形がちょっと龍を思わせます。石の表情を邪魔しないよう、なるべくシンプルにワイヤーを巻いて固定。アクセントとして金色のワイヤーで要所要所を結束。裏面にはワイヤーを大きく這わせて、身につけた場合にザラザラしている部分が肌に触れないようガードしています。身につけてみると結構いけるんじゃないか?さすがにちょっと重さはありますが、底面が広い分、体で支えることができて思ったほど気になりません。ワイヤーと石の間にすきまがあるので、見た目も重くありません。まあ……自宅で身につける程度なら十分かと。大きさはこれくらいです。
2008/06/26
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新宿ショー戦利品です。初日、例年よりも人出が少ないという意見がありますが、私にとっては前年と同じくらいのぎっしりすし詰め状態だと思っていた人混みのなか、知り合いの石好きさんと、あっちこっちのお店をチェックして回っていたときのことです。小さいけれど、遠目にも鮮やかな色彩の石。表示を見ると「Red Beryl」。同時に目に入ってきた「Each \1000」えーと。一瞬理解できませんでした。レッドベリルということはわかります。エメラルドやアクアマリンと同じベリルの仲間で、マンガンによって濃いピンクに発色している石。採れるのは世界でわずかに数カ所。数センチの結晶が最大級のものという、ベリル族きってのレアな石。鉱物名はビクスバイト(Bixbite)。ところがビクスビアイト(Bixbyite)という、一文字違いで全く別の石があるので、ややこしいためにレッドベリルの通称の方が知られています。宝石業界の方では、「レッド・エメラルド」と呼ばれていたりもしますが、エメラルドは誰がなんと言おうと緑の宝石の代表格。赤い緑の宝石なんて、変です。……とそんなことが頭を駆けめぐり……。えーと。「Each \1000」ってことは、ひとつ千円?「¥」だからドルじゃなくて円だよね?思わず、一緒にいた石好きさんにも同意を求めました。「ひとつ……1000円?」「だよねえ……?」石の大きさはわずかに7、8ミリ。小さいです。しかし、大きさはもうちょっとありましたが、ずっとずっと色の淡い石を3倍以上の値段で買いましたよ?結晶の頭(端面)はないけれど、柱面はばっちり。それにこの色。濃いピンクと言うよりホット・ピンクとでも言いたい、鮮やかな色!これはもしかしなくても掘り出し物!……ということでめでたく色鮮やかなレッドベリルをゲット♪最終日にものぞきに行きましたが、3分の2以上が売れていて、色が浅い結晶ばかりが残っていました。やっぱり、皆さん気が付いて買ってる。初日に見つけたのはラッキーだったかも。どころで、色が浅い結晶を見るとわかりますが、レッドベリルのピンクは、赤に白を混ぜたピンクよりも、若干紫がかっています。なので、某「クリスタル百科事典」で、レッドベリルが「オレンジ・赤の石」に分類されているのが納得できません。
2008/06/25
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久しぶりにガネーシュ・ヒマール産水晶です。私は、ヒマラヤ水晶(特にネパール、ガネーシュ・ヒマール産)好き。そしてただいま溶け水晶マイブーム続行中。見つけちゃいました。ガネーシュ・ヒマールで全面溶け水晶!こちらとかこちらとか、持っていることは持っているのですが、今回のは大きいです。片手(片手の掌+指)くらいあります。板状の、いわゆるタビュラー・クォーツで、全面溶け。水面はエッジが溶けてなめらか(トライゴーニックは出ていません)、柱面はごつごつ、どこかインド・マニカランのアイス・クリスタルを思わせます。お世辞にも「きれい」な石ではないのですが、むしろ、きれいではないところ、そして何より溶けてるところが個人的に大ヒット。「大きい~(つまり高い)、どうしよう~」といいながら、口元はほころび、石を手に握ったまま。どうしよう~といいながらすでに心は撃沈。時々、石好き仲間で石屋巡りをします。石好き同士で集まるとなれば、どこかに入り込んで一休みしつつ石を見せ合いするか、石屋巡りと相場は決まっているので、それはまあ自然な流れなのですが、出かけて、毎度毎度石を買っていたのでは、財布とけんかする羽目になります。なので、ひやかしというか、石屋さんの入荷状況や石の動向を偵察に。こんな時に情報交換もさせてもらいます。石屋さんからは産地の情報を、私たちからは最近の石のはやりや、ネットショップの動向を。買うとしても、なるべく小さくかわいいものを……のつもりが、往々にして「見つけちゃった~」と返り討ちにあうので、スリル満点です(笑)。
2008/06/24
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14日に紹介した「クラック・クォーツのひびは消えるか実験」変化でました。最初に実験の条件をまとめておきましょう。◇最初の「浄化」はなし。◇願掛けなし。◇就寝時、調理時、入浴時ははずす。(手を洗ったりお茶を入れる時などははめてました)まず、実験開始時をもう一度。そして今日の段階ビーズのアップ。実験開始時。今日の段階。ブレスレットの同じ場所のビーズです。さて。「クラック・クォーツのひびは消えるか」一応の結論としては「消えたように見える」と申し上げましょう。確かに透明度が増して見えています。実験開始時はクラック・クォーツの名前の通りひびだらけ。ひびが光を反射して、全体的にキラキラ白っぽく見えるほどでした。しかし、今日の段階では、はじめてこのブレスを見た人に、「これ、クラック・クォーツなんです」と言うと「え?」と怪訝な顔をされます。クラック・クォーツは確かに変化する。しかし、同時に申し上げておきたいのは、「ひびが修復されたわけではない」ということです。ひびが目立たなくなってあたかも消えたように見えていても、ひびは確かに残っています。ビーズ表面をルーペで見れば、クラックの筋がはっきりと見えますし、クラック・クォーツではない水晶ビーズと比べてみると、ひびのキラキラが残っていて、表情に違いがあります。しかも、ぶつけたり落としたりしていないのに、ビーズが欠けました。クラック、すなわちひびが入っているということは、「割れている」ということです。割れが貫通していなくて、微妙につながっていたり、破片が複雑な形でかみ合っているために、ぼろぼろ崩れずにいると考えてもいいかもしれません。しかし、割れているには違いがないので、わずかなショックなどで表面近くの破片が欠け落ちる可能性があります。……で、実際に身につけていて、ひびが目立たなくなるということは、わかりました。しかし、それは「なぜ」なのか。気を付けていてもかかってしまう水分が染みこむせいか、はたまた皮脂が染みこんだためか。「もしかしてこのためでは」くらいの見当が付けられなければ実験とは言えません。……で、実験してみました!水でさっと濡らしたら?水に漬けおきしたら?皮脂の変わりにおいるではどうだ?そんなこんなをいろいろと試してみました。結果はこちらをご覧ください!こんな変なことをするのは、私くらいでしょう(えっへん)。
2008/06/23
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まだ出てくるか戦利品。……「不調~」と嘆いていたために、あっちこっちでちまちま買ってしまって終わってみれば「ちりつも」ショーでした……。友人は、いつになく実りが大きかったショーのようで。ショーの戦果は人それぞれなのです。さて。画像に名前を入れてしまったので、クイズにはなりませんが、名前を伏せて色だけ見せたら、案外迷う人は多いのではないでしょうか。ターコイズです。繰り返します。ターコイズです。これ。ターコイズという石は、思い出した頃に「いいぞ、ターコイズ!」と「波」を繰り返す石で、原石好きにしては「磨いてあっても、アクセサリーでも」と、例外範囲が大きい石でもあります。私のターコイズの好みは、緑よりは青、空色系。あまり細かすぎないスパイダー・ウェブ(マトリクスが作る蜘蛛の巣模様)が入っているもの。なのに、今回の石は。色は緑。緑がかった水色ではなくて、くっきり緑。緑がかったターコイズ……というより、なんだか別の石のような。ターコイズは、鉄分が多くなると緑がかるようで、産地によって色はさまざまあれど、中国産(チベタン・ターコイズ)には緑がかったものが多いと聞いたことがあります。今回の石もチベタン・ターコイズということで買ったのですが……。ターコイズで緑と聞いて、思い浮かべる黄色みを帯びた緑ではなくて、どちらかというと青みを帯びているような濃い緑が目を惹きました。もう一つ、青~水色のグラデーションがやさしい、きれいなターコイズにも惹かれたのですが、この強烈な「緑」が強烈アピール。負けました。ショーの会期中、石屋さんやショーでしかお会いできない石好きさんと食事をする機会があります。それもショーの楽しみの一つ。石好き、石関係人が顔をそろえるとなれば、石談義。早速戦利品を取り出し、あれやこれやと話に花が咲きます。料理がやってくるころには、先に机の上に石が並んでいた……なんてことも。で、「こんなターコイズ買っちゃった~」と取り出しましたらば、「え?」「これ、ターコイズ?」「ほんとに……?」えーと、ターコイズらしからぬ強烈な色に惹かれて買ったので、『え~っ、(ターコイズにしては)変な色!』と言われることは想定していましたが、返ってきた反応は、予想以上に半信半疑。ルースを扱っておられる石屋さんまで「ターコイズ?」……ふ、不安になるじゃありませんか。「練りとか」「染めてたり?」うーん、実はこの石、もともと別の形に加工されててものをスライスしたもののようで、薄いプレート状なのですが、裏にビーズの穴であったとおぼしき溝が刻まれています。チベタン・ターコイズではビーズだったものを半分に割ってペンダントヘッドに加工し直していることもあり、そう言う場合には、裏側に穴の痕があります。つまり、この石は一度ビーズであったことがあるということで、練りターコイズをわざわざ割って売るとは思えないし、マトリクスの部分と緑の部分の質感が違うので、練りの可能性は低いと思うのですが……。ターコイズは加工が多く、加工を見分けにくい石だということを承知の上で買ってますが、予想外の反応でちょっとどきどきです。
2008/06/22
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マダガスカル産水晶です。長さ3センチほど、太さは5ミリくらい。細くて、小さくて、油断すると無くしそうな小さな石です。でも、こんなに透明で、中にはくっきりレッドファントム。ファントムの形がややいびつで、レッドと言うよりちょっとオレンジなので、個人的には「にんじん・ファントム」と呼びたいです。ファントムがこういう形だということは、この石は途中まで、芯まで真っ赤なレッドファントムとして、ややよろけながらも細長く成長し、途中から気分が(環境が)変わって透明水晶として成長したということ。この石がその後も地下深く、結晶が持続できる環境下にあったとしたら、どんな水晶に育っていったのでしょうか。マダガスカル産では、同じように小さくて細いながら内部に緑やオレンジ、白など色とりどりのファントムが入ったものがあり、たくさん集めるとシリーズみたいでおもしろいです。そう言えば、以前ロシア・ダルネゴルスク産の水晶で、表面は緑泥で抹茶をまぶしたようなしぶ~い緑色なのに、内部は赤、例えて言えばケチャップのような濃い赤という「え?」と驚く様な色の取り合わせの石がありました。(半分に切って断面が磨いてあったので中が見えたのです)磨きだけどいいかも!……と一度は買う気になったのですが、よく見ると割れた後を接着した痕跡が……。接着剤がわずかながらはみ出している、ちょっと下手なくっつけ具合で、お店の人に「接着ですか」と聞いても、ごにょごにょとごまかし加減。(ええ……まあ……と接着とも接着でないとも言わない)接着であることとその対応が気になって、買わずじまいだったのですが、以後、そんなどっきり石に巡り会えません。ちょっと惜しかったかも……。
2008/06/21
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新宿ショー戦利品です……去年の。自他共に認める「水晶好き」ですが、「珍しい」「変」「なんだかいい」「きれい」をキーワードに、水晶以外の鉱物にも手を出します。フローライトやガーネット、アクアマリンやトルマリンなど、わかりやすい石が多いですが、見た目重視で選んでいると、「???」という石に出くわします。今回の石は、ローズ石の上に水晶が結晶した薔薇氷石を買ったのと同じ店で、同じ時に手に入れた物。「ローズ石!? きれ~い! はじめて見る!(でも高~い!)」と、仲間の石好きさんたちと大興奮、わいわいと品定めをし、それぞれこれぞと言う石を手に取った後に見つけました。「おや、これは?」巨大鱗のような半透明の結晶をを縦にならべ、その中に別の赤い鉱物が染みこんでいるような。ちょっとあやしげで不思議な雰囲気の石です。「外側はカルサイト……かな?」ローズ石選びですっかり舞い上がっていたために、お祭り気分でこの石もチョイス。お店の人(外国の方)に身振り手振りで「この石は何?」と聞いてみました。すると、お店のおじさんは、「◎△※◆○□※▽*!」「へ?」「◎△※◆○□※▽*!」……わ、わかりません。何度聞いてもごもごもごっ。失礼ですが、なんだか「酔っぱらった名前」に聞こえるんですが。あ、店の方が酔っぱらってるようだと言うのではなく、石の名前の発音が酔っぱらってるような感じで「◎△※◆○□※▽*!」。同じ店で黄色いフローライトに小さくて真っ赤な水晶がちりばめられた石を買われた石好きさんがいらっしゃるのですが、この方も「この赤いのは何?」と聞いて、返ってきた「ブラ~ックォ~」の答えに、思わず頭の上に?マーク。何度かやりとりして「もしかしてブラッド・クォーツ!?」やっと判明。(血水晶の名前がぴったりなキラキラ真っ赤な水晶でした)このように目の前の石を見つつ名前を聞いて、石の正体に心当たりがあれば「もしかしてコレ!?」とひらめくこともできますが、それもわからないとなるとお手上げです。「コレも買います。でもラベル書いてくれますか」(……と身振りで)お願いして、手書きでラベルを付けていただきました。以前、外国の方に書いていただいたら、なんというか「アルファベットの草書」状態で、「地名の最初はBか?」と判読するのに2,3年かかったことがありますが、今回は大丈夫(笑)。読めます。読めます……が、わからない。「CALSITE/COBALTOLOTARMAYRITE」最初の予想通り、外側の半透明白の部分はカルサイトで間違いないようす。中の赤い部分が「COBALTOLOTARMAYRITE」なんでしょう。早速検索、こいつは何だ。結果「cobaltlotarmayerite に一致する情報は見つかりませんでした。」書いていただいたラベルと見比べましたが、私の打ち間違いではありません。「つ、綴りが違う……?」全く未知の石。しかもこんなに長い名前。どこか一個文字が抜けているのか多いのか間違っているのか……!?そんなのわかるはずがありません。石イベントの折に持っていって、くわしい石屋さんに見ていただきました。石を見分けるのはただでさえ大変なのに、内包物となるとその困難さは倍増。「うーん、何だろう……タルメサイトじゃないかなあ?」調べてみると、タルメサイトはモロッコで出ているようす。しかもコバルトが入ったものもあるようです。これか?でも、コバルト入りのタルメサイトは「ピンク」だというのですが、これは赤。綴りも「Talmessite」ですから、全く違う。間違うにしてもここまで違ってしまうとは考えにくい。こんなわけで、すっかり「謎の酔っぱらい石」として定着していたのですが……この度、新宿ショーでお会いした石好きさんから耳寄り情報をいただきました。「加藤の鉱物・化石コレクション」様に、とてもよく似た綴りの石が出ているというのです。早速検証。綴りが間違っているのは確定なので、英語表示にして「Cobalto」を頼りに探してみます。……これかなあ?Cobaltlotharmeyerite綴りを比べてみます。こちら↓がラベルの。Cobaltlotarmayerite似ている。二つ目のtのあとのhがなくて、mのあとのeがaになっているだけです。これなら誤字脱字の範囲に収まるでしょう。で、Cobaltlotharmeyeriteって何だ?日本語表記すると……コバルトロタールマイアー石……長ッ!もうひとつコバルトロザマイローライトの表記もありましたが、検索してヒットしてくる日本語サイトはこれくらい。少ない……。拝見したのはこちらのページですが、その説明をお借りすると、「赤褐色球状の鉱物」で、「紅色のベータローゼ石(Roselite-beta)などと共に産出」するのだそうです。標本の産地は、「Aghbar Mine,Aghbar,Bou Azzer District,Tazenakht,Ouarzazate Province,Morocco」とあり、私がもらった手書きラベルが「Aghabar Morocco」ですから、これも同じ。やはりこれ?……で、どんな石なのでしょう……謎はまだ続くのでした。
2008/06/20
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これが、先だっての新宿ショーの堀先生による無料鑑定で見ていただいた石の一つ。大きさは親指と人差し指で輪を作ったくらい。最初から、母体はガーネットであろうと思っていました。色は黄色みが強い褐色。ガーネットなだけあって、大きさの割にずっしりと重いです。問題は、中に食い込むようにくっついている緑の鉱物。断面がクリアに見える部分はありませんが、見えている部分から想像するに、断面は六角形であるように思われます。色は濃い緑。質が良ければ透明感がありそうです。私は、六角形であること、結晶のエッジ(角の部分)がちょっとなめらかでそのようすからしてアパタイトではないかと予想を立てました。この石の産地はパキスタンだそうで、パキスタンでもアパタイトは産出するからです。しかし、結果はダイオプサイト(透輝石)。予想は大ハズレ!でも、ガーネットとダイオプサイトの組み合わせははじめて見たので、ちょっと嬉しいかも。
2008/06/19
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まだある新宿戦利品(汗)。「いまいち~」と言いつつ、ちまちま「ちりつも」したのがバレてます。今日の石は、毎年必ず「掘る」お店での戦利品。たしか、昨年(2007年)12月の池袋ショーでは、同じ店で「パイライト入り、珍しいでしょ」と(英語だったので、たぶん)すすめられた記憶があります。大きめの石で、値段も「大きめ」だったような。なのに、今年は一つ800円とか1000円の箱の中にあるじゃありませんか。ほくほく。「あ、これは大きめパイライトがパラパラと」「これはパイライト以外にも入ってるような」「クラックなしの透明の中にパイライト!」あれやこれやと手にとっては戻し、また手に取り直し、贅沢に選んでコレ。見えるでしょうか。小さなパイライトのつぶつぶがファントムになってます。しかも多重。パイライトの粒は小さめですが、比較的透明度が高い中に入っているので、キラキラがばっちり見えます。たっぷり内包されているようすはまさに「星くず」。パイライト・ファントムと文字を入れてみましたが、ここはひとつ、思い切って「スターダスト・ファントム」と呼んでみたい。去年は、くっきりアメジスト・ファントムを見つけたし、このお店、はずせません。
2008/06/18
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久しぶりにワイヤーをひねくってみました。石は、ローズクォーツのぶっかき。産地がちょっとおもしろくてアフガニスタンです。アフガニスタンのローズクォーツといえば、まさしく「バラ色!」の結晶が産出しますが、これは自形結晶ではない塊状。色も普通にローズクォーツですが、個人的にはちょっとジラソルを思わせるオパレッセンス(ふわっとにじむような光の感じ)を感じると思っています。透明感があって、涼しげで、ぶっかきであるために甘すぎない。これからの季節に、革ひもで身につけてみたい感じです。よく見ると、奥の方に何カ所も虹が見えるのもいい感じ。これを手始めに3つくらいペンダントヘッドにしてみて、ごつごつしたぶっかき原石ならば、石の表情を隠さぬよう、シンプルにかこうできるようになってきました。あとは、ワイヤーの端をどうするか。なるべく渦巻きにしないで始末したいです……。
2008/06/17
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ともすれば「初心者向け」扱いされてしまうタンブル。しかし、安くて、気軽に持ち歩けるメリットは、侮れません。それに、探せばおもしろい石に出会います。瑪瑙?違います。不透明っぽいから、ジャスパー?違います。水晶です。リチウム水晶です。不透明に見えるのは、ぎっしり内包されているから。縞模様に見えているのは、ファントムです。角度を変えれば、このとおり。無数のファントムが重なっているのが、おわかりいただけるでしょうか。今回の新宿ショーでは、リチウム水晶を扱っているところが一店あり、原石(中くらいの、小さいの)、磨きポイント、タンブル、丸玉など、さまざまなバリエーションを見ることができました。本来の私の趣味から言えばもちろん原石のはずなのですが、リチウム水晶原石というと、内にはすでにこれがあります。リチウム水晶が欲しい……と探していたら、予想以上に大きくてきれいなものが目の前にやってきて、えいや!と思い切って買ってしまった石。これがあるので、たいていの原石は「いいや……」となってしまいます。今回も原石は一応パス(小さなクラスターを買いましたが)。それよりも、見たことがないタンブルや個性豊かな磨きを「掘って」しまいました。磨きはたまに見かけますが、気月に変える値段のものはまれ。タンブルは初めて見かけました。このチャンスを逃すわけにはいきません!さて、写真のタンブルは、タンブルに磨いてなお磨ききれなかったへこみがあるところを見ると、磨く前はかなりごつごつとしたかけらたっだようです。それにしても、一見そうは見えないのに、実は水晶、しかもファントムという隠し芸(?)が何ともツボ。リチウムのしぶ~いピンク色と重なる柔らかなファントムが好きなので、タンブルでありながら、好みど真ん中なのです。
2008/06/16
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ミネラルショーともなれば、「この機会じゃないと!」とばかりに清水ダイブな石を買ってしまうケースがままあります。いろいろくらべ、実物を手にとって決断できる機会というのは、そうあるものではないからです。もちろん、お祭り気分で浮かれているせいもあるかもしれません。「え~い、買っちゃえ!」な、高額石は、買った!という満足感を掻き立ててくれますが、家に帰った後、何度も取り出して眺める石は、その高額石とは限りません。私の場合、買った石は写真に撮るので、じっくり見る=写真の枚数……という側面があるのですが、最高額石よりも写真枚数が多かったのはこの石。グリーン・ムーンストーンのタンブルです。初日にふとムーンストーンのタンブルに目を留めたのが発端でした。ふだん、ムーンストーンには惹かれないのに、タンブルの、石全体に薄ぼんやりと現れる朧月夜のようなシラーがなんだかいい感じに見えたのです。しかし、なんといっても初日です。ついつい別の石に目がいき、そのままふらふら歩き回って買わずじまい。2回目、日曜日に「あのタンブルがあれば」と見に行ったところが、やはり、売れてしまっていました。残念。その店を後にして、また歩き回っていると、別の店でまたムーンストーンのタンブル。しかもグリーン。グリーン・ムーンストーンはルースは見るけれどタンブルは見かけないかも。手に取ってみると、意外に透明感があり、ムーンストーンらしいシラーも出る。ひとつ行っとこうかな、というくらいの気分で選んだのが写真の石です。ショーも終わり、本格的に写真を撮るぞと窓際に陣取っていたときのことでした。ムーンストーンのシラーは光の反射で現れるので、透過光で緑の色を出しつつ、ムーンストーンらしいシラーをどう写そうか。そう思って、タンブルをひねくり回していたら。ある角度で現れた、無数のラメのような光。うっわー!買うか、どうするかと悩む大物石は、決心するまでにじろじろ見ているので、写真に撮るにも、「この石はこの角度」「はい、OK!」「うーんやっぱりカッコイイ」……という感じで、写真にとってびっくり大化けということはなかなかありません。しかし。気軽に買った石は、時に化けます。ムーンストーンでラメ!どうも、サンストーンのように、長石の中に別の鉱物の小片が内包されているのではなく、ムーンストーンの輝きを生む層状構造のあちこちにクラック……というかひずみによる傷のようなものがあるためではないかと思われます。たぶん、ルーズに加工するには傷と見なされるものなのでしょう。しかし、突然石の中に現れる、無数の光の粒!このサプライズに、思わずたくさん撮りました。
2008/06/15
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久しぶりに石ブレス。しかし、ちょっと訳あり。タイトルが「experiment」であるように、これは「実験」ブレスなのです。何を実験するのかと言いますと……。あちらこちらネットを渡り歩いていると、「ブレスレットに使ったクラック・クォーツのひびが消えた」という話をみかけます。クラック・クォーツというのは、人工的にひびをいれキラキラ感を出した水晶ビーズのこと。全体的に細かいひびが入り、しかもビーズに磨かれているのでひびが表面に達していて、何らかの水分が中に染みこみ、クラックのすきまを埋めて、あたかもひびが消えたように見えるのだろう……とは想像できるのですが、実際見たことはありません。果たして、普通に身につけていてひびが消える(消えたように見える)ものなのか。新宿ショーで安売りビーズを見つけたので、さっそくクラッククォーツを一連買い込み、ブレスを作って実験開始。実験とはいえ、好みではないブレスを身につけるのはいやなので、ラルビカイトとラブラドライトを合わせてみました。ラルビカイトはブラック・ラブラドライトとも呼ばれるように、一見ラブラドライトそっくりの石。しかし、表面のシラーは白~青で、ラブラドライトのような濃い青や金色は見えません。成分としてはムーンストーンが属するカリ長石が大半を占める石です。つまり、見た目はラブラドライト、成分はムーンストーンというややこしさ。しかも、今回使ったビーズは、あろうことか「大理石」の名前で売られていました。まったく、ビーズの名前は要注意です。実験ブレスなので、好みよりはクラック・クォーツの分量が多め。濃いグレーのラルビカイトの銀色シラーが、クラック・クォーツのキラキラと釣り合い、小さいけれど青い輝きがつよいラブラドライトがアクセントになっています。現在のひび具合はこんな感じ。日常の着用範囲と言うことで、調理や入浴、就寝時ははずします。さて、今後このブレスはどう変化していくのか……。実験経過をお楽しみに♪
2008/06/14
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今回の新宿ショーで意外に見かけたな……と思う石があります。「メタモルフォーゼス」です。一見半透明の塊状ミルキー・クォーツ、しかし「metamorphosis」の名前が示すように、放射線照射+加熱でわずかに緑がかったゴールデンカラーに大変身する石。数年前から見かけるようになり、一時期見かけなくなったと思っていました。噂では、変色後のグリーンゴールドの石がジュエリーに用いられ、原石では出回らないのだ……と言うことでしたが、今回は複数店舗で見かけました。最近は、ビーズでも見かけるので、たくさんの産出があったのかもしれません。さて、この「変身!」石ですが、メタモルフォーゼスとは、変色前の半透明白の状態のものを言います。グリーンゴールドに変色させたものは「オーロ・ベルディ」と呼ばれます。オーロ・ベルディはパワーストーン系のネーミングで、宝飾分野ではレモンイエローと見て「レモン・クォーツ」とか「グリーン・ゴールドクォーツ」と呼ぶことが多いようです。先ほどメタモルフォーゼスは、「放射線+加熱」で変色すると書きました。半透明白からグリーン・ゴールドへ。これだけでも見てびっくりの大変化ですが、この間にもう一段の変化があります。それは……黒。半透明白のメタモルフォーゼスに放射線を照射すると、透明感も全くない漆黒に変化するのです。以前に一度見せていただいたことがあり、あまりに意外な……いや、メタモの変化のメカニズムを考える上では納得できるけれども、予想を超えた黒っぷりにびっくり。ひとつ見本に欲しいと思っていたところ、今回のショーで手に入れることができました。メタモルフォーゼスのネーミングは、かのA・メロディ氏だそうですが、氏は、このびっくり大変化をご存じだったのでしょうか。私は密かにご存じではなかったかも……と思っています。なぜならば。なんと言ってもこの変化。メタモルフォーゼスで検索すると、たいてい「変化・変容の石」という説明が出てきますが、そんな程度では足りない!半透明であったものが不透明黒に、さらに加熱で透明グリーンゴールドに。こんな劇的な変化をするのですから、私だったら「闇を超えて光をつかむ希望の石」とかなんとか、この変化にちなむ説明を付けたくなります。買った店の説明によると、バリウム・アルミニウム・銅・ニッケル等を含む水晶であるそうですが、別の説では、水晶はごく微量ながらいろいろな鉱物を含んでいるので、バリウムや銅が検出されても不思議ではない。放射線+加熱で変色する原因になるのは、主にアルミニウムや鉄だとのことです。
2008/06/13
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新宿ショー戦利品!インド産のグリーン・クォーツです。一辺10センチほどの三角形をした母岩に、白っぽい緑の緑泥をぎっしり内包した水晶がざくざく。残念ながら、2カ所ほど大きめ結晶が折れてしまった痕跡があるのですが、全面にきれいに結晶が生えているし、その全てがパステルグリーンの色合い。おまけに裏面も椎差なパステルグリーンの結晶で覆われています。この色合い、全体の雰囲気を考えれば、2カ所のダメージも納得の範囲内。もちろん、値段も納得の範囲内。決定!ところで、このクラスターには、「Manikaran, H Pradesh, India」のシールが付いていました。末尾を見れば、インド産であることは一目瞭然。でも、もうちょっと知っておくと、このクラスターの産地がおもしろいことがわかります。まず真ん中の「H Pradesh」。これは「ヒマチャル・プラデッシュ州」のこと。インドの北部、インド産ヒマラヤ水晶の産地であるクル渓谷がある場所です。つまり、このクラスターは(インド産)ヒマラヤ水晶でもあるということ。普通の水晶クラスターとしても納得値段なのに、ヒマラヤ水晶となればいっそうのお得感。しかもヒマラヤ水晶できれいなグリーン! ラッキー!残る「Manikaran」。この地名を見て、ちょっとびっくりしました。マニカラン。それって、アイスクリスタルの産地じゃありませんか。ただし、このクラスターには、アイスクリスタル最大の特徴であるエッチングの痕跡は全くありません。地名としては同じでも、鉱脈が違えばタイプの違う水晶が出てもおかしくないのですが、マニカラン産というのが意外でびっくり。びっくりというよりこれまで、ただクル産と表示されてきた水晶の中にもマニカラン産があったのではないだろうかと、ちょっと考えてしまいました。(※マニカランは、クル渓谷の一角に位置するようなのです)最近は、大まかな産地ではなく、くわしい産地名を冠して「○○クリスタル」「○○クォーツ」という名称にすることで目先を変え、付加価値を付けて売る手法もあるようなので、産地情報はなるべく知っておいた方が安心です。今回の場合は、鉱物のラベルとしての産地表記でしたが、単に「ヒマラヤ水晶」の名称を頼りに探していると、今回のような産地表記のみでは見落とす可能性も出てきます。さらに、「世界でもっとも強いパワースポット・ヒマラヤの水晶!」として買うよりも、「Manikaran, H Pradesh, India」として売られている方が、値段的にもお得であることが多いです。このように、産地情報は知っておいた方がお得なのです。また、ミネラルショーのような場所では「ヒマラヤ水晶」のような名称を使わない店や、一つ一つに表示していない店も多いので、やはり知っておいた方が、選択肢が増えて便利。さて、ミネラルショーのいいところは、たくさんの店が一堂に会しているということ。A店でわからなかったことを、B店で確認することができるのです。しかも、お店の人は会場にいながらなかなか他の店を回ることができないので、実は他の店の情報を求めていたりします。そこで出てくるのが、やたらに会場をぐるぐる歩き回る入場客。お客は、石を買うだけでなく情報も運んでいたりします(笑)。さっそく顔見知りで、アイスクリスタルを扱っておられるお店の人の所へ行って「マニカラン産で、緑のクラスターを買ったんですよ」……と、お話。そこでお聞きしたところによると、マニカランではやはりいろいろなタイプの水晶が産出するようす。「従来のアイスクリスタルの産地の隣から、エレスチャルタイプが出てますよ」……これは、探してみなければ。昨年末の池袋ショーでは、まだたくさんのアイスクリスタルが売られていましたが、今回のショーでは、一気に少なくなりました。最初にアイスクリスタルを扱っていたインドのお店でも、原石そのままの扱いはなく、ペンダントヘッドの加工したもののみ。複数の原石を扱っていたのは、お話しさせていただいたショップのみのようでした。アイスクリスタルの産出がなくなってしまったのか、今回はインドの業者が少ないようだったので、たまたま扱っている業者がいなかったのか。産出がなくなったとしても、普通は一気になくなるのではなく、すでに市場に流れた分が以後数年に渡ってぐるぐる流通していることが多いので、今回は偶然かもしれません。ともあれ、ショーも終盤になってこんな石に出会うことができたのは、とてもラッキー。だkらショー通いはやめられません。
2008/06/12
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新宿ショーの最終日、「石好きの祭典」が終わろうとする雰囲気に心が騒ぎ、「さ、最後だし……」と、ついつい手を伸ばしてしまった石のひとつをご紹介。(ひとつ、ということは……)昨年も同じような石に目を留めた記憶があります。そのときはたしか、大きすぎて「この部分だけだったらいいのに」と、パスしたはずでした。それが、今回はまさに「その部分だけ」のお手頃サイズ。「あっ」しかも、これぞショーの醍醐味ワンコイン価格。「ああっ」か、買うしかないっ!……撃沈。当たり前のことですが、ミネラルショーではいろいろな石が売られています。見たことも聞いたこともないような石、ネットショップの画像や、本でしか見たことがない石。同じ種類の石でも、「え?」と目を疑う個性的な姿をしていたり。おなじみの種類で個性派の石は、「見つけた!」という喜びが大きい石でもあります。形、色、独特の表情が持つ魅力を、この場で「自分が」見つけたのだという満足感。たくさん並んでいる同じ種類の兄弟石の中から「これだ」と手に取る、興奮の一瞬。最終日に撃沈した石も、おなじみの種類の個性派石でした。モロッコ産のカルセドニーのジオードです。ジオードというのは漢字で書けば「晶洞」。地中にすきまがあってそこが熱水などで満たされていると、そこにはさまざまな鉱物が結晶します。すきまは空間なので、結晶の形がきれいに残ります。今回の石の場合は、カルセドニーが結晶したものです。半透明の、つららのようにも、ぷるぷると柔らかな質感にも見えるのがカルセドニーです。実際地中に埋まっていたときにはどの方向だったのかはわかりません。半透明の繊細な形は、まるで生き物のよう。「あ、妖精が作った形」と、思わずそんなイメージが浮かんでしまいました。大きさは差し渡しで5センチほど。マクロ撮影で迫ってみたら、ちょっぴりデンドライトも確認できるではありませんか。今にもぽきんと折れてしまいそうで、怖いことこの上ありませんが、この何とも言えない美しさにノックアウトされました。ふと見ると、周りには超個性派のジオードがころりころり。かくしてこの石は仲間を引き連れ、我が家にやってきたのです。追記:画像に入れた文字が「Calcedon」になっていますが、誤植ではありません。かったお店がドイツのお店だったので、たぶん、ドイツ語綴り?Chalcedonyに直しても良かったのですが、産地の綴りがどうなるかわからなかったので、あえてそのままにしました。
2008/06/11
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お祭りすんで日は暮れて。「飛んで火に入る夏の虫」という言葉をしみじみとかみしめる、ミネラルショーの最終日というのは、そういう日。買うぞ! という石は、初日に買ってるはずなのに。見落とした石だってその後の日にチェックしているはずなのに。ああ、終わっちゃう。これからしばらく(といってもたかが数ヶ月ですが)、たくさんの石が一堂に会する機会はないんだ……と思うと、目の保養を含めて見ておかねば、探しておおかねば……と、わけもなくいそいそとした気分になり、結果、撃沈される羽目になるのです。まあ、今年は個人的に不作……という感じなので、最後の最後まで未練たらたら、後ろ髪を引かれすぎて撃沈というパターンではありませんでしたが、それでもちょこっと……(汗)。最終日、海外業者さんの中には午前中から少しずつ片づけ始めるところあり、業者さん同士があちこち見て回っている場合あり、最終日の値引き期待の人がやってきていることもあって、午後はなかなかの人出でした。当然、品物の動きもなかなか。「あ、あれ売れたんだ……」という感じで、見ていた石が気が付くと棚から消えています。……というわけで、目玉の石をねらうなら初日、じっくりゆっくり選ぶなら、月曜日(4日目)が正解のようです。写真は、8日の閉場間際。
2008/06/10
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新宿ショー3日目。会期は4日目ですが、私にとっては3日目。懲りません。今日は、鉱物科学研究所の掘秀道先生による無料鑑定会が開催されたので、ものは試しと参加してみました。事前に整理券をもらい、時間前に中央階段で待機。待つ間、周りの石好きさん(知り合いの人も、初めてお話しする方も)とおしゃべり。遠目に鑑定の様子を見ていると、対象の石は、石製の香炉のようなもの、両手で持つような水晶のクラスターなどさまざま。掘先生は、ルーペで覗き、時に条痕を確かめて鑑定されています。知り合いの石好きさんは、酸を付けて鑑定されたと言っていましたが、できれば「非破壊」でお願いしたいものです(笑)。見ている限りでは、ルーペでの観察が中心のようす。そしていよいよ私の番。鑑定をお願いしたのは、パキスタンのガーネットの中に食い込んでいる緑の鉱物。もう一つは、緑泥で緑になっているとおぼしい柱状結晶の謎の鉱物クラスター。「どちらもパキスタン、北部のギルギットのあたりが産地だと言われました」とまずは知る限りの情報をお伝えし、先生が鑑別するようすを観察。この石が何であるかを知りたいという思いはもちろんありますが、同じくらい、どうやって石を判別するか、そのようすにも興味あり。先生は、ルーペを手に、あっちからこっちから入念に観察。結果、どちらも「透輝石ですね。透輝石はわかりますか?」「ダイオプサイト……ですね?」「そうです。どちらも、標本としてはまあまあいい石だと思いますよ」とも言っていただきました。ガーネットの中の鉱物の方は、アパタイト?と思っていたのですが、予想は見事に大ハズレ。やはり石を判別するのは素人には荷が重い。しかし、先生にも苦手分野はあるようで、別の石好きさんは水晶の内包物が何かを聞いたそうですが、「それは難しい……」とおっしゃっていたそうです。今回持ち込んだ石は、自分の判別に自信が持てなかったので「鑑別でも」と思い立ったわけですが、それまでに何人かの石好きさんや石屋さんに聞いてみたことがあります。結果は諸説さまざま。聞くところによると、鑑別ができる人でも得意不得意があるようで、やっぱり数を見ている人は強いとのこと。もっとわかるようになりたいです……。
2008/06/09
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行ってきました、新宿ショー。いつもは土曜日に出かけて日曜日は自宅待機なんですが、今回は気分を変えて日曜日。……初日に比べて人は少なかったようです。初日、私はかなりの人出だと思ったんですが、人によっては例年より少ないと言う人もいて、考えてみたら、個人的にこれぞと心躍る石がなかったためにうろうろ会場をうろつき回っていたので、「人をかき分けかき分け」の印象が強かったのでしょうか。ともあれ、会期としては3日目。出かけた日としては2日目。やっぱり会場内をうろうろうろうろ……つ、疲れた……。戦果の方も人それぞれで、「今回のショーは予想以上に買っちゃった」という人もいれば、私のように「いまいち~」といいながら、いつの間にか財布が軽い人もいます。やっぱり、戦利品を期待して複数日出かけるならば、初日と土曜日。この2日間でどっと品物が消え失せます。今日の思いがけない戦利品は、「真っ黒メタモルフォーゼス」!すでにご紹介したのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、メタモルフォーゼスといいますのは、見た目半透明のぶっかき石英。これを放射線と加熱で処理すると、驚きのグリーン・ゴールド色に変化するので、「変身!」というような意味合いを込めて「メタモルフォーゼスの名前が付けられています。(グリーン・ゴールドに変色させられたものは「オーロ・ベルディ」と呼ばれます)一般には半透明→グリーン・ゴールドの変化が説明されていますが、実はもう一段階あるのです。実際は半透明のものに放射線を当てると、黒くなり、黒いものを加熱するとグリーン・ゴールドになります。この黒というのは、黒も黒。不透明漆黒。不透明黒が加熱で透明なグリーン・ゴールドになるとはこれぞ「変身!」あまりに意外な変化なので、この黒い段階のものが欲しかったのです。見本で見せていただいたことがある石屋さんに、お願いしようかと思っていたらあるじゃありませんか。半透明・黒・グリーンゴールドの2個セットもありましたが、他の色は持っているので、とりあえず黒メタモをゲット。じっくり見てみましたが、黒いです。不透明です。全く透けません。本当にこれが透明グリーンゴールドになるんでしょうか。石って不思議。
2008/06/08
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例年だと、2日目も新宿ショー突撃なのですが、今年は気分を変えて日曜日予定。よって今日は自宅待機(笑)。明日から天気がぐずつきそうなので、今日の日差しを大切に、写真を撮っておりました。でも、満足のいく写真が撮れていないので、お披露目は日を改めて。しばらくひとりじめで楽しみます。というわけで、今回の石はショーの戦利品ではありませんすでにおなじみになってしまった、パキスタン産の水晶。ただし、産地は北部ギルギット周辺ではなく、もうちょっと南、アフガニスタンとの国境側のワジリスタン。ファーデン・クォーツの産地です。写真の石は、ファーデンではない……と思うのですが、芯のようなものがあって、そこから結晶が生えているようにも見えるので、もしかしたらファーデンに似た成長をした水晶なのかもしれません。ファーデンや、その他、私が「変!」と賛美の声を送る水晶に比べると、どこがどう変というわけではありません。一部分黄色く見えますが、ゴールデンヒーラーと言うにはちょっと金色さ加減が足りないし。(個人的基準)透明度はあるけれど「氷のような」というほどではない。もちろん、触像を受けているわけではない。でも、どこかいいな、と、心惹かれてしまった石です。結晶がもこもこ固まったようすは、なんだか「むちむち」(笑)。豊かで、おおらかな、元気な感じ。理由になるようなならないような……。しかし、ふだんこの石のここが変、この組み合わせが珍しい、この結晶の具合が不思議……と、頭でっかちにいろいろ理屈をつけてしまうので、言葉にできない、理屈ではない部分の「いい」という感覚も、大切にしたい気分があります。新宿ショーのさなか、「変」と「珍しい」に終始してしまいそうな時期だけに……。
2008/06/07
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新宿ショーから帰ってきて、かろうじてまだ光があったので急いで撮影。一つだけきれいに撮れた写真です。産地はブラジル。ほとんどは欠片状のくすんだアメジストの箱があり、ちょっと除いてみると、部分的に金色のカコクセナイトあるいはゲーサイトが内包されたものでした。その中にひとつだけ結晶の形が残っているものを手に取ってみると、おや、おもしろい。内包されているのは、茶色くて放射状。人によってはゴミが混じっているように見えるかもしれませんが、内包物というのは、じっくり見ると味わい深いものなのです。かわいい値段だったので(……と言いつつ、それが重なると……)、買って帰ってマクロレンズで迫ってみると、思った通りおもしろい。色の濃淡、内包物の散らばり方が、まるで抽象絵画のようではありませんか。ミネラルショーでは、ついつい珍しい石に目を奪われますが、おなじみの石も、じっくり見るのを忘れるわけにはいかないのです。こんな感じでいろいろ首をつっこんで見ていると、何人かの方に声をかけていただきました。会場でお会いした皆さん、ありがとうございます!……そういえば、昨年の新宿ショーの初戦利品もアメジストだった……。
2008/06/06
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行ってきました新宿ショー。開場10分くらい前に会場に到着したのですが、なんですか、あの行列の長さは。幸い行列の流れはスムーズで、さほど待つことなく会場入りできましたが、いつになく行列が長いその人数があふれているわけで……会場すし詰め。あっちを見てもこっちを見ても、人、人!!!どこへ行くにも、何を探すにも人をかき分けなければ何もできません。とりあえず、事前情報で目指すお店は決まっていたので、そこへ直行。直行といっても気分はそうですが、実際は、人をかき分けかき分け、後ろに置いて行かれる鞄をひっぱり、やっとの思いでたどり着き、お目当ての石をキープして確保。ゆっくり見るのはあとにして、次なる目当ての店に。そこで知り合いの石好きさんたちと顔合わせ。なんの連絡も待ち合わせもしていませんが、たいてい皆さん初日ははずしませんし、趣味が似ているので、そういう石を扱っている店で顔を合わせることになるのです。そこでもいくつか石をキープして、やっと一息。初日は、とにかくいい石ねらいなので、時間勝負。あとから追加で掘り出し物を見つける可能性もありますが、それはそういうことがあればラッキーという部類にはいります。お店一押しの石はたいてい初日に並ぶので、そういう石をねらうのであれば、積み重ねた経験と勘で「この石ならばあの店」を割り出し、ピンポイントで勝負です。日頃のネットワークと情報収集がものを言います。しかし初日はそれでは終わりません。会場30分も経ってないのに、すでに石を買っている石好きさんもいて、そういう人から「○○石があそこらへんにあった」という情報が舞い込みます。「それは見なければ!」またしても人をかき分けかき分け……(略)……。例年新宿ショーは暑くてふうふういいますが、今年は昨日まで気温が低かったので、珍しく過ごしやすいかと思ったら、やっぱり暑い。石好きさんの間での情報交換したお店と、毎年お世話になる石屋さん(すでに顔見知り)を挨拶がてらに回って、どんな石が出ているか、値段や質の傾向はどうか、頭の中にショーのマップを作っていきます。そうこうしているうちに、いつの間にやらお昼の時間は過ぎ、再び顔を合わせた石好きさんと、残りのメンツを探して集まり、やっとお昼。そこで本来なら身軽が基本のはずなのに、えんやこらさと持ってきた自分たちの石を見せ合い、午前中にぐるぐるまわった会場の情報を交換しあい、おなかを満たして、気力も復活したところで午後の第2ラウンド。個人的に言わせてもらえば、ミネラルショーは単独で半分、仲間で(集団で)半分の割合で会場を見て回るのが良いと思います。単独で回ればじっくり選ぶことができますが、集団で行動すると、一人の時ほどゆっくりできないものの、目の数が倍、三倍になるので、発見や掘り出し物に出会う機会が多くなります。同じ箱の石を見ていても、自分一人では見つけられなかった特徴のある石を見つけることができるのです。さて……今回の新宿ショーは。あまりの人手に初日だけでは隅々まで掘ることができなかったので、気が付いたところだけ。アイスクリスタルの数は激減。一番最初にアイスクリスタルを紹介したお店は、ペンダントヘッドに加工したものを売っていました。レッドベリルの結晶(母岩なし)が1000円! さすがに大きさは1センチ未満の小さいものですが、色はなかなか濃くてきれい。これが1000円とは絶対お得!ベトナムやラオス、カンボジアなど、ちょっと珍しい産地の水晶を扱っていたお店あり。ラリマーのペンダントヘッドがお値打ちなお店あり。ラリマーを扱っている店は難店舗かあり、一方はサイズで均一価格、一方はグラム単価。デザインや色を比べて、価格を秤にかけて選ぶといいかも。フローライト入り水晶(磨き)が3000円のところあり。中国・インドのお店はちょっと元気がないようすで目立たず。リチウムクォーツやシトリンの小さめ原石がお手ごろ価格の店あり。例年「これ!」という大きな特徴が見えないショーだ……と言ってますが、今年はさらにその傾向が強いようで、たぶん、じっくり隅々を掘れば意外な掘り出し物があると思いますが、ざっと流した程度では、なかなかこれぞという石を見つけるのは苦労です。そんな中でやっぱり来たか! と思ったのがアホーアイト入り水晶。ご存じ、南アフリカのメッシーナでのみ採れるこの魅力的な水晶は、すでに鉱山が閉山しているため、レアで価格も高騰していました。……が、どうやらメッシーナの裏口が開いたようなのです。そのためアホーアイト入り水晶を扱う店が複数。中の一店は、なんとアホーアイトの磨きを多数扱っていました。結晶表面を磨いたものだけでなく、ラフな感じのルース状に磨いたもの、結晶をつるりと磨いてそのままペンダントヘッドにしたものもありました。ただし、再び産出があったとはいえ、価格崩壊はまだ先のようで、値段は従来のレアもの価格。はじめて見るルース状のアホーアイト入り水晶を見るに、アホーアイトは水晶のかなり表層近くにファントム状に内包されるもので、まんべんなくまざって、石全体を色づかせて見せるものではないと改めて思いました。手が出なくても、実物を見ておくことは重要な情報となります。実物のアホーアイト入り水晶を見れば、時々ネットで見かける、全体がまんべんなく淡い色に色づいている「アホーアイト」が果たして本当にアホーアイト入りなのか、判断が付けられると思います。今年は、ビーズの扱いがさほど目立たないように思ったのも特徴です。ビーズの店もあるにはあるのですが、少ないようです。ただし、スギライトのビーズ、シャーマナイト、チューライトなど、レアめのビーズを集中的に扱っているお店があります。ミネラルショーは、普段見ないような珍しい石があります。おなじみの種類の石でも、え、これがあれ? というほど個性的だったりもします。石の名前や説明が親切に付けられている店は少なく、初心者さんが選ぶには厳しい条件かもしれませんが、とにかく数を見ることができるのは、大きなメリット。かくいう私も、ミネラルショーを楽しみたいがためにちまちま情報をあつめ、自分で石を見分けられるように努力しているようなものです。石の説明ではなくて、石そのものを見る。その石の個性と魅力に注目する。ミネラルショーは石と人との勝負の場かもしれません。
2008/06/06
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いよいよ明日は新宿ショー!石好きさんには嬉しいお祭り日。お祭りならば、より楽しみたいもの。そこで準備!先だってエコバッグを作ったのと同じアイロンプリントを使って作ってみました、オリジナルTシャツ。Tシャルといえば、以前、こんなTシャツがあったらなーなどと言ってましたが、実際作って着ようとなると、思ったより冒険できませんでした。とりあえず、着てもあまりおかしくないものを。模様のアップはこんな感じ。白いTシャツには「てくてくくぉーつ君」。水色のTシャツには、水晶ハート。水晶ハートの色違いでバッグも。白いシャツに赤いハートもいいかなと思ったのですが、とりあえずバッグに。例によって新宿ショーは朝から参戦予定です。水晶アップリケ鞄を持って行くと思いますので、会場で見かけた方は、声をかけてくださいね。話のネタに石をいくつかと、ブレスレットも持っていくと思うので、見事会場にてKUROを捕獲できた方は「生(なま)石」「生ブレス」がごらんになれます(笑)。直前ではありますが、関連情報など。◇ミネラルショーを攻略せよ◇ミネラルショー、お買い物心得◇偽物ってなんだ?◇加工された水晶◇水晶以外の要注意石
2008/06/05
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溶けてる水晶マイブーム、今も密かに継続中です。長いです(笑)。溶けた水晶というのは、表情豊かで、妙に魅力的ではありませんか。今回登場いたしますは、ブラジル産。ブレジルさんの触像水晶は、過去にもいくつか登場していますが、比較的結晶の形をとどめていました。しかし、今回の水晶は、かなり溶けていて、結晶の先端と根本の区別が付く程度。表面は激しく凸凹していて「おお、溶けてる」という感じです。売られていたときは、お店によって「オーラ・ウィング」という名前が付けられていました。やや白濁していて全体的に白っぽい水晶が、複雑な形に溶けた様は、なるほど白い翼がたたまれたようすにも見えるかも。でも、「オーラ」とは?実は、この水晶は、裏技を持っていました。それは。真ん中あたりにうっすら虹色の被膜が見えますか?そうです。この水晶は、いわゆる天然アクアオーラ。あるいは、違う言い方アルケミスタ。表面に酸化鉄か何か別の鉱物が薄い皮膜状に付着することで、アクアオーラと同じように虹色に見えているのです。「天然蒸着」と呼んでみましたが、蒸着とは水晶と別の鉱物を高温で熱して鉱物を水晶の表面にメッキしている感じですが、天然の場合は、表面にうっすら皮膜状に付着したと考えた方が正しいように思います。ともあれ、溶けて複雑な形状になった上にうっすら虹色被膜をまとった石。そのために「オーラ・ウィング」という名前が付いていたのでした。肉眼で見ても、光の具合によってきれいに見えるときと見えないときがあるほどなので、写真に撮るのは困難を極めました。「あれ? アルケミスタだったはずなのに?」「もしかして気のせいだった?」……と、時に自分の目を疑うほど。あっちへ向け、こっちへ向け、自分(カメラ)も、表面の時に色を探してうろうろうろ。やっとちょっぴり写すことができました。ところで、触増水晶の表面の複雑な凸凹について、「結晶表面にエピドートなどが付着していたのが先に溶け、溶けた痕が凸凹になって現れている」という説明を見かけたことがあるのですが、これにはちょっと疑問。なぜなら、写真には写りませんでしたが、今回の石にはエピドートあるいはアクチノライトと思われる別の鉱物がくっついています。しかも、その鉱物には溶けた痕跡がないのに、ぐらぐら今にもはずれそう。……ということは、水晶の方が溶けてぐらついているわけです。その他の石でも、水晶の方が溶けた痕跡を示す例がいくつもあります。よく似た凸凹を持つアイスクリスタルには、エピドートの共生は見られませんし。表面の凸凹は、やはり水晶が溶けてできたものだと思います。
2008/06/04
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マダガスカル産のオーシャン・ジャスパー。オーシャン・ジャスパーといえば緑だったりピンクだったり黄色だったり、ジャスパーの中でも派手やかな色で、丸い模様が出ているのが特徴です。 今回の石は、オーシャンジャスパーだけれど、ちょっと珍しく全体的にパステルカラー、そして半透明。「中が見える、おもしろい~」と買ったものの、この手のオーシャンジャスパーは写真の石以外見かけません。部分的に透明感のある石はあれど、全体的に半透明はないのです。実はレアだったりするのでしょうか?写真をよくご覧ください。何や多丸いものや、もこもこ、ぐにょぐにょしたものが見えております。その一部分が削られることで丸い模様になっているのもおわかりいただけるかと思います。オーシャンジャスパーの模様は、こんな構造になっていたんですねー。普通の不透明タイプではわからない、透明スケルトンタイプだからこそ見えるオーシャンジャスパーの構造です。さて、オビキュラー・ジャスパーという名称があります。ジュディ・ホールの本にも出てきます。このオビキュラーとは、球状や円形の状態を指す言葉。「円状の模様がある」というような感じで、ジャスパーでなくても丸い模様があれば、「オビキュラー○○」と呼ばれます。オーシャンジャスパーは、丸い模様があるジャスパーだからオビキュラー・ジャスパーと呼ばれることがあるわけで、オーシャンジャスパー以外でも丸い模様があればオビキュラー・ジャスパーです。ジャスパーは、ご存じのように水晶(石英)の仲間。顕微鏡サイズの細かい石英の結晶が沈殿して固まったもので、不純物が多いために不透明になったのがジャスパーだ……と言われていますが、いったいこのオーシャンジャスパーは、なにごと。つぶつぶしていたり、ちょっと不気味にぐにょぐにょした構造が、ミクロサイズの石英の沈殿……でできあがるものでしょうか。とてもそうは思えません。石屋さんに、宝石は高価だから研究する人も多いけど、水晶はもともとが安い石だから、真剣に研究する人は少ない。と聞いたことがありますが、どうか、真剣に研究していただきたい。
2008/06/03
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ロード……クロサイトではなくて、ロードナイトです。菱マンガン鉱ではなくて薔薇輝石。輝石ではないのに輝石の名前が付いている、ややこしい石でもあります。パワーストーンのブレスレットの分野では、相変わらずのロードクロサイト人気のようす。かわいい色ですから、好きな人が多いのも頷けます。しかし、個人的にはロードクロサイトならビーズよりも結晶。結晶でなければ、ロードクロサイトより、ロードナイト好きです。ロードナイトの中でも、写真のように赤みの強い、文字通りのバラ色で、若干光に透けるこのタイプが好き。以前に紹介したのは、ブラジル産でペンダントヘッドでしたが、今回はロシア産でルース。どちらも赤みの強いバラ色で、透明感のあるところが共通点です。ロードナイトといえば、ピンク色でも不透明というイメージですが、こういうタイプもあるのです。ピンクで、名前が薔薇ですから、パワーストーン的意味を調べてみると、やはり恋愛系の説明がたくさん出てきます。でも……。このタイプを、石としてはロードナイトであると言うだけで普通のタイプと同じ意味に押し込めるのもどうかと思いますし、「ロードナイト一般」としてではなく、「この石」に限って見れば、「血湧き肉躍る熱い石」。インパクトのあるこの色合いは、恋愛という嬉し恥ずかしの甘い感情には収まらないと思います。私も、石の入り口はパワーストーン(同時に化石もありましたが)。石の意味や伝説を見ているのは楽しいです。鉱物的側面からあれこれつついてみると同時に、石をイメージ的に見ることもします。しかし、「この石はこの意味」「パワーストーンはかくあるべし」とあらかじめ型を決めてしまって、その型にそって石を見るのは、どうも私のやり方ではないようです。私の場合はまず石。目の前の「この石」。「この石」はこんな感じ。また別の石は別の感じ。それを積み重ねて、ちょっと全体を見てみると、たとえばネパールのガネーシュ・ヒマール産は漠然と共通項があるかも。ヒマラヤ水晶と一口に言っても、ネパール産とインド産では違うかも。そんな大きな枠を見ることもありますが、基本はやはり「目の前のこの石」。……ということで、今現在目の前にあるこの石は、私にとって「気合い石」のイメージ。癒しやリラクゼーションではなくて、「やる気」や「気合い」。写真のように光に透かした色合いと来たらもう。新宿ショーを間近に控えた今の気分にぴったりかも?
2008/06/02
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毎度毎度の繰り返しで恐縮ですが、私は「変な石」が好き。自他共に認める「変な石」好きの私が「いい!」と言う石には、いくつかのパターンがあります・●「KUROさんらしいね~」と言われる石 →するに「またまたこんな変な石選んじゃって~」という、 他人から見れば変でよくわからない石。●「あ、これおもしろいね」と言われる石 →きれいではなくて「変」ではあるけれど、 その変さ加減が他人にもわかってもらえる石。●「うん、これいいよ、いい石だよ」と言われる石。 →他人から見ても「いい」と思える石。変な石好きの私でも、他の人も「いい」と思う石を選ぶことはあるのです。さて、このような「他の人もいいと思う石」というのは、当然、お店の人も「いい」と思う可能性が高いので、石を並べれば、目立つところに置かれたり、きれいにディスプレイされたり、もちろん、ひときわぬきんでた値段がつきます。つまり、素直に「あ、いいな」「すごい」と思う石は、やはりきれいで、値段も高い石……と言う可能性が高いのです。しかし、パワーストーンについてのやりとりで見かける「価格が高い石の方がパワーが強いのか」という質問についてはきっぱり「否」と申し上げましょう。前述した理由で「いい石」は、お店の中で高価格帯に位置することが多くなりますが、価格そのものには石のグレードによる差のほかに、人件費や店の場所代、仕入れたときの円相場など、石には直接関わりのない状況が大きく影響しています。それなのに、価格が石のパワーに直結しているとは思えません。石の判断基準を、そんなものに直結させないでいただきたい。(パワーストーンに限らず)「いい石」は価格も高いことが多いけれど、何事にも例外というのはあるものです。2007年12月の池袋ショーの白眉。私が「いい!」と思い、自慢し、見た人も「いいね」といってくださった石。それは、これ。おなじみ、インドはマニカラン村産のアイス・クリスタルです。長期継続中の溶けた水晶マイブーム中の私は、やっぱりアイスクリスタルを見てしまいました。最初の頃から比べると、人気に伴って高騰しているので、なるべく安くていいものを……と、籠に山盛りにされた石を「掘って」いました。籠に入れられた石は、ぶつかって欠ける可能性とも隣り合わせ。言ってみれば「B級品」。棚や台にきれいに並べられた石に比べると、一段格下の扱いであることが多いです。この石は、そんな中から見つけたのです。最初に目を付けたのは大きさでした。写真の石の大きさは約5センチ。小さなものが多い籠盛りアイスクリスタルの中では、ちょっと目をひく大きさでした。それにつられて手に取ってみると、緑の色合い。「あ、緑泥入り。珍しい」アイスクリスタルは鉄分でピンクになっているのが多く、中にはピンクを通り越して鉄さびに覆われかけているものもありますが、緑泥入りは初めて見ます。この特徴で、心の天秤はほぼ購入決定に。一応、いろいろチェックしてみます。大きな欠けはなし。籠盛りでは欠けチェックが欠かせません。表面も程よく溶けていて、先端もアイスクリスタルらしく平らに溶けています。よく見ると先端の溶けたところが年輪のようになっています。これもアイスクリスタルの特徴で、この特徴がきれいに出た石が欲しいと思っていたので、この点も○。先端が溶けているものでは、錐面の部分がまるっきりなくなっていて柱面だけの場合もありますが、この石には錐面が残っているので、ここもチェック。予想以上の▽連打。最初こそトライゴーニックだ~!と騒ぎましたが、このときにはすでに騒ぎは終了。しかし、これだけたくさん、重なり合うように現れた触像は、なかなかよろしい。後で写真のように拡大してみると、大きな▽の中に▽がさらに現れたりしています。緑泥入りで、形も特徴が出ていて、しかもはじめて見る緑泥入り。程よい大きさ。良いではないか、買いましょう!……と早速購入。買ってから、休憩がてらに座り込んで再びじっくりと見ていたところ……。これは!「それ」を見つけたときには、内心狂喜乱舞。まず、緑泥入りと見えていた部分は、ファントムでした。表面の触像による凸凹のせいで、見えにくいけれど、これは確かにファントム。緑泥入りでも初めてみたのに、ファントムとは!さらに。この石には柱面に大きなくぼみ、溶けてできた穴がありました。矢印の所です。触像水晶であるアイスクリスタルに溶けて穴が開いているのは珍しくもありませんが、この穴はちょっと変です。中が平面のように見えます。いろいろとひねくり回してみると……これは。写真ではどうしても移らないので、図示します。横から見ると、ファントムのラインと穴の中に見える平面部分とが一致している。ファントムの表面、つまり、かつての錐面が溶けて露出しているのです。錐面である証拠に、この穴の中の面にもトライゴーニック!形よし、特徴よし、▽良し。はじめて見る緑泥ファントム入りで二重の錐面持ち。これだけいろいろてんこ盛りの石が、籠の中にあったとは。まさしくラッキー!……ということで、「いい石」との出会いとは、びっくりするところにもあるものなのです。「いい石と出会うには?」そんな質問があったら「1に運、2以下が同率で気合いと根性と努力」と答えましょうか。運というのは確かにあると思います。私がたまたま石や巡りやミネラルショー通いができる環境にあるのは運かもしれません。「いい石」がある店にたまたま足を踏み入れたのも運かもしれません。しかし、そこから探して見つけるという課程には、気合いと根性と努力が影響します。いい石は自分で見つけるのだという気合い。時にはお昼を食べるのも忘れて籠の石を掘る根性(?)店の隅のラベルのない石から探すために石を見分けたり、どんな石があるのかの情報を得たり、素人なりにがんばります。好きなことに労力を使うのを「努力」というのは、ちょっとおこがましいかもしれませんが、自分では何もせずに「いい石が欲しい~」「安く買いたい~」と言っていてもそれは無理なことなので、やはり「努力」なのです。こちらではもうすぐ新宿ショー。どんな石との出会いがあるか、わくわくそわそわ。同時にそれは日頃の努力と石を見る目が試される場の到来でもあります。
2008/06/01
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