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ミャンマーはどうなる その2ミャンマーは、1948年1月、当時は植民地宗主国のイギリスがつけた国名のビルマとして独立しました。独立半年前に、政敵の凶弾に倒れたアウンサン将軍の片腕として活躍していたウ・ヌーが後継者となって、首相の座に就きましたが、中国共産党の快進撃にあって、国境を越えて逃げ込んだ中国国民党の勢力が、ビルマ国内のカレン族やカチン族などの少数民族の兵士たちを仲間に加え、ビルマ東北部を支配したため、独立ビルマの政情は安定しませんでした。しかもビルマ国内には、社会主義への親近感を持つ人たちも多く、社会生活の混乱から、生活水準の向上はなかなか進みませんでした。ウ・ヌーの死の数年、1962年にネ・ウィン将軍を中心とする軍部のクーデタが成功し、以後ほぼ50年(半世紀)に及ぶ、軍部独裁が誕生します。ネ・ウィンは社会主義に親近感を持ちますが、中国共産党には敵意を持ち、ビルマ独自の社会主義を目標に掲げました。彼は厳格に非同盟中立政策を運用、諸外国の介入を断乎拒否して、どの国の介入も許しませんでした。そのため、経済先進国の資金が入ることもなく、経済的には厳しい状況が続きました。ネ・ウィン後も軍部独裁に変わりはなかったのですが、88年以降民主化要求が強まり、スーチー女史を中心とするNLD(国民民主同盟)も、この時期結成されました。ただし、活躍するようになるのは、もっとずっと遅れます。 続く
2021.03.31
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ミャンマーはどうなるミャンマーは日本の1,8倍の国土に、約5千万人の人々が暮らす国で、インドや中国などと国境を接しています。人口の6割強がビルマ人で、他に10近い少数民族が暮らし、中にはミャンマーからの独立を志向している民族もあるようで、そのため軍の力が特に強くなる面があるようです。ミャンマー国内、特に中年以上の人々の間で、特に高い人気を持つアウンサン・スーチー女史は、元ミャンマーを植民地にしていたイギリスを中心に、欧米でも人気が高く、その影響か日本でもマスコミ中心にチヤホヤする向きが多いようですが、私は彼女の政治手腕には疑問符をつけ、厳しく見ております。ビルマ国軍の父として、今でも軍人たちの高い尊敬を得ているアウンサン将軍(弱冠32歳で政敵の放った刺客の凶弾に倒れ、ビルマ独立の半年前、1947年7月に亡くなった悲劇の人物です)の娘として、父を慕う人たちに担がれているのですが、彼女には、政治的駆け引きとか、大所高所の判断が出来ないように見えます。その点で、軍部による国民の虐殺に対する対応が進まず、今もまた軍部の乱暴狼藉が続いている状況に、変化を産むことが出来ない、そんな印象を受けています。ミャンマーをどう考えるかとの問いかけもいただいていますので、明日から数日私の考えるところを記したいと思います。単なる軍部非難では、問題解決に役立ちませんので、もう少し実際にできそうなことを記したいと考えています。
2021.03.30
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続・米中会談中国では楊ケッチ政治局員(外交トップ)の株が上がっていますね。つまり米国側に言いたいことを言い、米中は上下関係でなく、対等の関係だと強調して、優勢に言い合いを進めたということなのでしょう。こうしたマスコミ報道を推奨しているところからして、中国側の失点隠しが透けてみえます。第一にアラスカでの会談は、中国側の申し入れをアメリカ側が受け入れたことで実現しました。確かにサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、ワシントンからやってきましたが、ブリンケン国務長官は、韓国での2+2会談の岐路、給油のために立ち寄ったアラスカです。日本、韓国と回って外相、国防相の2プラス2会談を行いながら中国は無視して引き上げる行為にあって、政権交代によってトランプ時代に悪化した米中関係がリセットされるのではないかと期待していた中国側は、これは様子がおかしい、何としてもアメリカ新政権の本音を探りたいと、辞を低くしてアラスカまで出向くので、会談してほしいと持ち掛けたのです。そこまで言われると断るわけには行かなかろうと、アラスカ会談を引き受け、サリバン補佐官にも来てもらったのですね。後ろめたい中国側は、国内向けにアラスカは米中の中間点だと、苦しい言い訳を創り出したのです。これも国内向けの宣伝でした。で、確認できたことは、クワッドや2+2、そして欧州(英とEU)を巻き込んでの対中包囲網を組んで、対決姿勢を強めるアメリカの現政権は、トランプ政権よりも手ごわい相手であると認識したのでしょう。中国も豊富な資金で懐柔した国々との連携を強化して、連合対連合で対抗しようとし始めたようですね。日本の立ち位置、トランプ時代よりも厳しい状況に置かれることになりそうですね。ちょっと厳しくなりそうです。
2021.03.24
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続・米中会談米中会談、結局2日間で約6時間に及んだようですね。日米、米韓の2:2会談の様子も分かってきました。冒頭の言葉の喧嘩模様の政治ショーは、どちらも国内向けのパフォーマンスを必要とした事情を互いに理解してやりあったのでしょう。互いに本音でもあったのでしょうが…それでも、互いに対立する同士が会談するということは、互いにその必要を認めているからであって、観客のいない舞台に移ったところで、本当の腹の探り合いがスタートしたことになります。その点で、会議を終了して引き上げる途中、ブリンケン国務長官がぶら下がり会見に応じ、次のようなことを応えたようです。長い会談で主として話し合われたことは?との問いに対し、イラン、北朝鮮、アフガン、そして気候変問題、それに経済問題として、貿易や技術についても突っ込んだ話し合いが行われた様子が底から明らかになりました。突っ込んだ話し合いの1番が対イランの核問題で、2番目が北朝鮮問題、そしてアフガン問題がきます。その後の4番目にやっと気候変動問題がやってきます。その後に貿易や技術など、中国側が主として話し合いたいテーマがやってきます。米国にとって、イラン、北朝鮮、アフガンと来るのですから、バイデン政権にとっても核拡散問題が最大の関心事と言うことがはっきりしました。少なくとも、米中会談が単純な双方言いっぱなしによる、決裂に終わらず、実務者同紙による継続的な話し合いの可能性を残したことが分かりました。双方ともに大人の対応をしたということになりますね。
2021.03.21
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米中会談日本時間では今日と明日、アラスカのアンカレッジで米中外相会談が開かれます。今日だけかと思いましたら明日もやるのですね。午前中から日本のTVでも、各社相互の非難合戦の模様を伝えていました。双方とも態度は冷静ですが、出てくる言葉は遠慮会釈のない非難合戦でした。マスコミが入って、夫々国内向けに報道されることは先刻承知ですから、互いに国内向けの宣伝を意識して、エスカレートしたのでしょうね。日本の国会中継はつまらないですが、こっちは面白かったですね。しかし、これは政治ショーですから、互いの本音は別のところにあると考えないとごまかされますね。今回中国側は、わざわざ北京からアンカレッジまでやってくるわけです。対してブリンケン国務長官は、帰国の途中にアンカレッジで一休みするついでに会いましょうというスタイルです。会談は中国側の要請で開かれたのは間違いないところです。さて、会談メンバーは、中国が王毅外相と楊ケッチ外務委員(党内序列は楊委員の方がずっと上位です。しかし2人とも党の最高幹部会の7人のメンバーに入っていません。対してブリンケン国務長官は、正副大統領に続く政権のナンバー3です。ですからブリンケン氏と同格のメンツとなると、李首相クラスが出てこないと釣り合いが撮れません。つまり中国は、アラスカまで追いかけていく屈辱を我慢するのだから、格下を派遣することでバランスをとろうとしたのでしょう。つまり今回の交渉で、実のある議論には入れないことを百も承知で、米国の本気度の値踏みに来たのでしょう。双方の随行メンバー同士が、非公式に接触して、情報交換しているのでしょうね。代表同士も明日はマスコミを入れないところで、互いの本音をぶつけ合うのでしょう。中国側は、党の最高幹部たちに対して、同時に中国国民に対して、米国に対して一歩も引かなかったことをアピールできましたし、米国の側も、議会と国民に対して、中国に妥協などしないぞという姿勢を見せたことに意味があります。米国議会は超党派で対中強硬姿勢を取っていますし、今やクリントン及びオバマ両大統領の対中姿勢、「中国が豊かになれば、民主化が進むに違いないから、しばし待ってやろう」という対中融和姿勢は、大変な間違いあだった」という点は、超党派で一致しているのです。中国に妥協する選択肢は、今のアメリカにはないのです。融和的な姿勢を取れば、それだけで22年の選挙でボロ負け確実になります。
2021.03.19
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バイデン政権の困難 その36結局バイデン政権は、安全保障の観点で、グルリと世界を見渡してみると、台湾海峡あら日本にかけての一体が、一番危ういとみているからこそ、日米同盟を強化し、さらにそこに韓国を加え(ブリンケン国務長官は、今日は韓国に飛び、明日文政権と話をして、帰路は給油に立ち寄るアラスカで、そこまで飛んでくる中国の王毅外相と彼より序列の高い楊国務委員に面会するそうです)ようとしています。米国にとって、幸いだったのは、これまで米中等距離戦略をとっていたオーストラリアとインドが、最近の中国のやり口に、すっかり腹を立てて、米国や日本と共同戦線を組む側に回ってくれたことです。習指導部の強面外交が、一部(例えばカンボジアのような)の中国べったりの国を除くと、マイナスに出ているのですね。いわば敵失に助けられて失地回復に努めているのが、現在の状況です。米中関係、友好国との関係も含め、ミスをしないことがポイントになりそうです。日本の場合、いかに不愉快であっても、韓国を「北」や中国の側に追いやるような態度はよろしくないと、おそらく昨日の2プラス2の会談で釘を刺されたことでしょう。日韓関係の舵取り、難しくなりそうです。
2021.03.17
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バイデン政権の困難 その35マスコミが賑やかに報じていますが、昨晩オースティン国防長官とブリンケン国務長官が相次いで来日。本日茂木外相、岸防衛相と2プラス2の会談を開きました。そして来月上旬のどこかで菅首相が訪米、バイデン大統領と、日米首脳会談をリアルで開くことにもなっています。日米関係を米国が重視している姿勢が見えますが、一方で米国はオーストラリアやインドとの関係も重視し、日米2プラス2会談に先立ち、日米豪印4か国首脳によるウェブ会議を開いて、自由で開かれたインド・太平洋の構築を共同で宣言しています。リアルでは、なぜ日本を優先したのか? 米国に厳しい注文を付けてくる可能性が圧倒的に低いのが日本だからです。経済関係では時に揉めますが、それ以外の分野では、例えば尖閣や拉致問題でお願いされることはあっても、そこさえフンフンと応じていれば済むこと、懸案事項が生じる可能性が最も低いのが日本なのです。首脳会談でミソをつける心配が最も低いのが日本なのです。安全運転を重視するバイデン政権が、トップバッターに日本を指名したのは、こういうわけなのでしょう。そして、米国外交にとって、現下の最大の関心が米中関係にあることもはっきりしています。ここ数年、習近平政権2期目に入ってからの中国の軍備増強はものすごく、南シナ海からインド洋にかけての地域の海・空軍の戦力は、量的には米軍を大きく上回っているのです。米国はトランプ時代という厄介者の出現で、大事な4年間を棒に振ってしまったことで、中国に後れを取ってしまったのです。中国との差を詰める手っ取り早い方法は、政治思想を同じくする同盟国の軍隊と統一行動、具体的には米軍への支援に活用できることにあります。 太平洋海域での共同演習の実施は、まさにそのためでしょう。抜き身の刀を引っ提げて海上を睨みまわしているような中国の行動に対する歯止めの構築を急ぎたいアメリカの思惑に沿った、今回の2人の重要閣僚の訪日でした。喜んでいるととんでもないことになるかもしれません。
2021.03.16
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バイデン政権の困難 その34バイデン政権は、イエメン内戦の終結を目指して、フージ派(反政府派)を攻撃するサウジへの武器援助を中止し、これ以上飢餓が拡がり、餓死者が続出する事態の改善を強くアピールしました。しかし、勢いづいたフーシ派は、その後無人機やミサイルを使ったサウジへの攻撃を強めています。フーシ派による攻撃は、これまでサウジ南部の、イエメンとの国境に近い地域を主としてきましたが、ここにきて西部のジッダにあるサウジアラムコの石油施設や首都のリヤドを狙うようになり、さらに3月7日にはサウジ東部ペルシャ湾に近いダンマン近郊の2ヶ所のアラムコの施設が攻撃されました。7日朝、サウジのエネルギー省は、ペルシャ湾沿岸のラスタヌラ輸出ターミナルにあるアラムコの貯蔵タンクが海側から無人機で攻撃されたと発表しました。ラスタヌラ輸出ターミナルは、世界需要の7%相当にあたる日量650万バレルの石油輸出能力を持つ、サウジで最も重要な石油関連施設です。イエメンに近いサウジ南部の小さな空港が攻撃されるのとは、インパクトがまるで違います。バイデン政権が、「イエメン戦争を終わらせる」と宣言して、サウジへの攻撃兵器の提供と攻勢作戦への協力を停止し、和平に向けた外交に乗り出したことを受けての事でした。フーシ派は、バイデン政権がサウジへの支援のレヴェルを引き下げ、米・サウジ関係が悪化している状況を捉えて、サウジへの圧力を強めたのでしょう。彼らは国連主導の和平プランがサウジ陣営に有利で、フーシ派に不利であることを改め、現時点でのフーシ派の実力を反映した和平でなければ、交渉に応じないというメッセージを送っているつもりなのでしょう。フーシ派に、その実力相応の和平プランを提示しない限り、イエメン和平は実現しない可能性が高いように思われます。ドル箱の施設を攻撃されて慌てているサウジや外交政策の修正を迫られた米国の次の一手が注目されるところです。
2021.03.15
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バイデン政権の困難 その33バイデンさんの政府、大統領令を連発して国際社会への復帰を進め、あちこちで歓迎は去れていますが、未だ以前のような国際的な信用は、回復できずにいます。それはそうですよね、例えばクーデタでスーチー政権を打倒し、猛烈な国民の反発を暴力的に弾圧しているミャンマーの軍事政権に対し、選挙結果を尊重し、議会制民主主義を守れと伝得ることが出来るかというと、「お宅の選挙はどうなのですか?不正だという人たちが議会に乱入してますね。あれはどうなんですか?」と今では反論されてしまいます。トランプ流の分団の傷は残ったままなんです。コロナでも、50万人以上の死者を出し、今も感染者や死者は増え続けているのです。コロナを克服して、経済を成長軌道に戻して、完全雇用を実現し、最低賃金を引き上げて低所得層を貧困から解放する。いずれも難しい課題です。完全雇用の実現には、ラストベルト地帯の国際競争力を失ってしまった、いわば錆ついているような産業を保護する必要も出てきます。となると、自由貿易体制への復帰は絵に描いた餅に終わって、TPPhへの復帰は難しくなってしまいます。国際社会への復帰も簡単ではないのです。1.9兆ドルの補正予算を成立させましたが、続く2021会計年度(2021年9月~22年8月)本予算も、かなり大型なものを用意する必要がありますが、そのための財源に考えていた富裕層への増税は、上院で3分の2の賛成が必要です。この案には民主党の中にも反対の立場をとる人がいますから、現在の議会構成では、賛成票は50票を割り込むことが確実視されているのです。もし富裕層増税(と言ってもトランプ以前に戻すだけですが)が実現するとすれば、バイデン政権の経済・社会政策に対する信認が強まり、22年11月の中間選挙で大勝するしかないのです。バイデン政権の前途はなお多難です。そして、一応共産党一党体制で、少なくとも政権基盤は米国政府より安定している中国と向き合わねばならないのです。先は厳しいですね。
2021.03.14
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バイデン政権の困難 その32バイデンさん、内政も外交もチームバイデンで取り組み、大変慎重に進めているようなのですが、2月26日に実行した、シリア東部イラクとの国境地帯にあるシーア派民兵組織駐屯している空軍施設をロケット工芸した時の決定過程が漏れてきました。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のスクープ記事です。この米軍の攻撃は、2月15日に行われたイラク北部の米軍駐屯基地に対するロケット弾攻撃に対する報復でした。米軍関係者を傷つけたら、必ず報復攻撃を行うことを、シーア派民兵たちに理解させるためのものでした。そのことは逆に見ると、親イラン勢力が、米軍施設を攻撃してこない限り、こちらも対立をエスカレートさせることはないという、イラン側へのメッセージでもあったのです。バイデン政権は、上の条件と軍事攻撃の主旨を明確にすると、数人のみの密室での拙速な決定にするのではなく、政府機能をフルに活用して、様々な省庁を政策の決定過程に関与させ、官僚たちが充実感を味わって、より熱心に政権の為に働くよう仕向けたのです。政権の協議は、15日のシーア派民兵組織の攻撃を受けた翌日の16日にはじめ、17日には情報機関が誰の攻撃によるものか分析をはじめ、同時に国防総省は、軍事オプションの検討に入りました。その後も連日会議を開いて、問題点を詰め、23日にバイデン大統領は、大統領執務室にオースティン国防相、ミリー統合参謀本部議長、ヘインズ国家情報長官、サリバン大統領補佐官、外2名を集め、上がってきていた複数の軍事オプションについて協議しました。同日バイデン大統領は、イラクのカディミ首相と電話会談を行い、事前に検討している軍事作戦について、説明し、カディミ首相の顔を立ってています。25日には、ホワイトハウスの地下にある危機管理室で、ハリス副大統領外主要な閣僚を集めて協議し、いくつかの標的から二ヶ所に絞ることを決め、2ヶ所セットの攻撃目標を3セット以上俎上に載せました。その中からバイデン大統領が選んだのは、最も被害の程度が軽くなるプランだったと言われます。この決定は、同日中に同盟国(当然日本も含む)に伝えられ、議会の主要メンバー(当然共和党の有力者を含みます)にも、攻撃の直前に耳打ちされました。さらに、米軍の戦闘機F-15Eが攻撃目標に向けて飛び立った直後に、2番目の攻撃目標(標的)の近くに、女性と子供がいることが伝えられ、その情報はただちに大統領や政権中枢に上げられ、オースティン国防長官の助言を得たバイデン大統領は、2番目の攻撃目標を攻撃対象から外し、攻撃目標は1ヶ所に絞られたのです。オバマ政権最初の軍事行動は、このような過程を経て実行されました。トランプ時代のようなトップダウンではなく、関連省庁を幅広く網羅して政策決定過程に関与させて、慎重に関連するオプションを選択し、関係国や議会指導者にも丁寧に通知するやり方は、まさにチームのやる気を尊重し大事にするバイデン流が、ここでも貫かれたことを示しています。国際情勢は前途多難を示しますが、無茶はしない政権として、見てゆくことが出来そうですね。
2021.03.12
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バイデン政権の困難 その31内政に関してバイデン政権が、政権の命運をかけて成立を急いでいた総額1.9兆ドル(約200兆円)の補正予算が、上院での一部修正を受けて、日本時間本日の下院議会で、可決成立しました。後はバイデン大統領の署名を待つだけですから、間違いなく成立を見ます。共和党下院議員は、全員反対票を投じたようですが、世論調査によると、バイデン政権の経済対策「米国救済計画」に対する支持は非常に高く、法案支持は共和党支持者の間にも広がっており、法案支持は何と76%もの米国民に広がっているそうです。共和党支持者でも法案賛成派が多数を占めているそうです。トランプの集会などを見ると、米国は社会的に分断されていると判断したくなりますが、「選挙は盗まれた」とか「選挙に不正があった」とか、未だに唱えている人たちの中にも、バイデン政権の経済政策に対する支持は広がっているようです。民主党の左派、サンダースやエリザベス・ウォーレンが主張する最低賃金の15ドルへの引き上げは、法案に盛り込まれず、サンダースらが提出した全国一律の最低賃金引き上げ法案は、上院で民主党からも10人近い反対者が出て否決されましたが、これは民主党、共和党を問わず中道穏健派の議員たちが、全国一律に枠をはめることに反対したのであって、経済状況が安定している州では、最低自給を15ドル以上に設定する州があっても良いが、逆に敬愛状況が悪い州で、無理に時給を15ドルに引き上げれば、逆に失業者を増やし、企業の倒産を増やすだけになるだろうと、一部の州を対象から外すことを求めているに過ぎないのです。実際に政治の経済への介入を極端に嫌うリバタリアンの多い、フロリダ州でさえ、最低時給の15ドルへの引き上げを、住民投票で可決成立させているのです。経済対策が実施される段階になれば、バイデン支持は、さらに広がる可能性を秘めています。アメリカの世論は、確実に変わりつつあるようです。
2021.03.11
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バイデン政権の困難 その30昨日、バイデン政権が提出した1.9兆ドルの追加経済対策向け補正予算が、米上院で可決されました。数点下院が可決した無修正の政権プランに、修正が入りました。しかしその修正は、大変微々たるもので、「失業保険の上乗せ金を400ドルから300ドルに減らし、代わりに支給期間を延長する」ことが注目を弾く程度ですから、ほぼ満額回答に近い内容です。来週火曜日の9日に同じ案を下院が可決すれば、あとは大統領が署名すれば発効です。この修正は、共和党が求めたものではなく、民主党の中道派で最も共和党に近いジョー・マンチン議の提案を受け入れての修正でした。マンチン議員は、サンダースやウォーレンといった党内左派の論敵で、先日OMB(行政管理予算局)局長に推挙されていたニーラ・タンデン女史の指名に反対し、バイデン大統領の指名人事で唯一の黒星を生じさせたのも彼でした。1月5日のジョージア州の上院議員再選挙で、民主党が2勝して、上院議席を50対50に持ち込み、上院議長を務めるカマーラ・ハリス副大統領の票を見込んで、51対50に持ち込んだのですが、その結果は、党内で1人の反対者も出せない綱渡りをしなければならにことを意味し、造反議員が1人でも出たら、法案は通らないことになります。つまり1票の価値は限りなく高いのです。結果、今まで鳴かず飛ばずの陣笠議員だったマンチン議員は一躍時の人になってしまったのです。修正は共和党の要請したものではなく、マンチン議員対策で、財政調整措置を使って民主党のみの賛成で51対50で可決したのです。民主党内の中道穏健派と弱者救済に熱心な左派との党内対立を生じさせないことにも腐心しなければならないバイデン政権にとっては、頭の痛い問題が、マンチン対策であり、左派対策であるわけです。最後にOMB(行政管理予算局)ですが、この役所は格が高く、局長は閣僚と同格とされ、議会上院の承認が必要とされるのです。仕事の内容は、議会で成立した予算を忠実に執行する事で、各省の予算の使いぶりを厳しく管理する権限を持っており、局長は大統領名で議会に送付する予算教書の作成も担当します。その局長人事が振り出しに戻ってしまいましたので、2021年度の本予算を作成して臨ばねばならない、上下両院合同会議での大統領演説もまた、しばし先延ばしとなります。バイデン政権、まさに細心の注意をもって、綱渡りを続けなければならない状態にあります。
2021.03.07
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バイデン政権の困難 その29トランプが大統領退任後、初めて数千人の観衆の前で、得意の長広舌を振いました。2月25日からフロリダ州オーランドのホテルで開かれた、保守政治行動会議(CPAC)の年次総会の最終日28日に、最後の登壇者(つまり、最も大切なゲストという扱いです)として登場、気持ちよさそうにトランプ節を響かせました。彼はバイデン大統領を口を極めて罵り、相も変わらず選挙に不正があった。バイデンは不正によって大統領になったと何度も繰り返し、その都度聴衆は熱狂的な拍手で応えました。バイデン大統領の唱えるアメリカ社会の融和への道がいかに困難な茨の道であるかを覗わせるには十分な光景でした。この席でトランプ派24年の大統領選に立候補積りであると宣言しました。4年先ですから、私は出ないと見ていますが、出る出ると言い続けることは、寄付金を集める上で有効であること、そして自らの共和党並びにアメリカの保守勢力に対する自らの影響力を残すためにも必要であることから、今後も言い続けるでしょう。そして、この演説ではっきりしたことのもう一つは、共和党内の反トランプ勢力やトランプ自身が嫌っている人物には、来年の中間選挙に向けての共和党の予備選で、トランプ支持の刺客を立てて、選挙に出られないようにしてやると、名指しで宣言したことです。共和党のトランプ党化を進めることを明言したのです。こうなると、選挙に絶対の自信のある人物か、引退を決めている議員以外は、トランプの意向に反する投票行動をとりにくいですね。議会運営も楽ではなさそうです。 続く
2021.03.03
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