ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.01.13
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カテゴリ: 教育問題

 クロニクル 共通一次試験始まる

 1979(昭和54)年1月13日

 この日と翌14日の2日間に渡って、
 第1回目の共通一次試験(現在のセンター入試の前身)
 が全国で実施されました。
 出願者341,874人、実際の受験者327,163人にのぼる
 マンモス受験でした。受験生は各試験場で一斉に
 HBの鉛筆を持ち、マークシート方式の試験に
 挑みました。

 巻き込まれた高校教育の正常化をめざすとう意気込みで
 鳴り物入りで準備されたのですが、
 予備校や受験業者が、自己の存在の生き残りをかけて、
 受験生の自己採点結果をコンピューターで集計、分析して
 独自に合否を事前推定するなどして、2次試験の出願に
 影響力を及ぼすことを防げなかったため、
 高校や大学のランク付け、大学間、高校間の格差は
 かえって激しくなるという結果を生んだのでした。
 その上、受験科目が増えたために、受験生の負担は
 以前にも増して厳しくなり、偏差値重視の弊害もまた
 改善されるどころか、以前に増して激しくなり、

 なったのでした。

 その結果、考え、理解し、自分の脳の引出しにしっかり
 しまい込むために、考えるヒントとして脳に染み込ませる
 のではなく、とりあえず詰込んでおく式の、ハウツー的な
 暗記教育全盛の時代が訪れます。袋に詰込み過ぎれば破裂

 反対側から逃していかなければなりません。一夜漬で詰込んだ
 ことは、試験が終ればほとんど忘れてしまっているのが良い例
 です。覚えていたのでは、翌日の試験科目を覚える隙間がないの
 ですから…。こんな経験が皆さんにもあると思います。

 ここに共通一次試験施行後の受験競争の過熱、詰込み教育の
 全盛の中で、自ら学ぶ姿勢を身に付けるチャンスを失った
 気の毒な若者達は、能動的な思考訓練の欠如から、常に受け身で
 教えられることを待つだけの、受動的な姿勢ばかりが目立つように
 なったのでした。大学世界で「目の光る、活きの良い学生が少なく
 なった」「いなくなった」といったような嘆き節が聞かれるように
 なるのは、共通一次試験導入の4~5年後のことでした。

 この考える力の喪失傾向に歯止めをかけないと、将来大変なことになる
 という思いもあって、導入されたのが、反詰め込み教育ともいうべき、
 「ゆとりの教育」だったのですが、教育現場の消化不良もあって、十分な
 実践期間もとらずに、再び1度破綻した詰込み教育に戻そうとする、
 現在の政府及び教育再生会議の方向は、益々マイナスの方向に進んでいくように
 思えてなりません。
 考える力、そして感じとる力、論理的に思考し、豊かに想像をめぐらせる時、
 何故と発問して、自ら考え解決する能力が獲得でき、かつ他者の傷みを
 わが事として甘受しうる想像力も身につきます。現在養うべきは詰込む
 能力(袋が多少大きいかどうかが違っても、そうどうということもないのです)
 ではなく、この思考力と想像力であるはずですから……。

 教育を巡る問題についても、今後折りに触れて取り上げていきたいと
 考えています。皆さんのご意見もお聞かせください。





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最終更新日  2007.01.13 01:05:20
コメント(3) | コメントを書く


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詰め込み教育  
ザビさん、こんにちは。
私が高校入学した年が共通一次元年でした。一応、地方の進学校だったのですが、それでも3年生の先輩達や先生方の切羽詰った顔が、今でも忘れられないほどです。
詰め込み教育の弊害や、ゆとり教育の弊害など、様々な問題がおきていますが、これは関係者の(親を含めて社会全体の)学問に対する認識の誤りから起こっているのではないでしょうか。
例えば「数学」は計算して答えを出す為にあるのではなく、数学的な見地から社会現象や自然現象を見つめる為にありますよね。「国語」でも「化学」でも・・・とにかく学問とは全てがそうであるはずです。
また「歴史」は時系列に物事を整理整頓して考える為のその考え方を学ぶ、あるいは考える基礎を作るためにあり、日本が国際外交で誇らしい位置を占める為には、なくてはならない学問だと思うのですが・・・

そのあたりの考え方を再認識しないと、いつまでたっても堂々巡りのような気がするのですが・・・ (2007.01.13 13:47:18)

パパさんへ  
ザビ神父  さん
書き込み有難うございます。
このあたりの問題は、本当は一献酌み交わしながら、じっくり語り合いたい問題ですね。ご指摘の通りかなり根の深い問題だと私も考えています。大きな間違いを犯していたと、やっと気付いた詰込み教育を再度はじめてどうなるのか、再度行き詰まることが見えているのに……
詰込みが良かったと思い込んでいる人達と、詰込み教育の勝者たちが集った再生会議の限界が浮き彫りになっています。
おっしゃる通り、数学は論理の指導に力点があり、論理的思考力を涵養するための時間なのだというのが、だいぶ前からの私の主張です。
(2007.01.13 21:40:46)

Re:共通一次試験始まる 13日の日記(01/13)  
めーさん さん
こんにちは.
いつも楽しく拝見しております.
ちょっと間の抜けた時期のコメントになり申し訳ございません.

共通一次が施行されてそのような弊害が発生していたのですね.
私はセンター試験元年に受験しましたが,このタイミングでは
制度が変わったというぐらいであまり変化はなかったと思います.
詰め込み教育を改善する方法の1つとして,センター試験をなくす
ことも考えられますが,膨大な受験料の恩恵を被っている方々も
いるでしょうから,簡単には中止できないでしょうね.

まあこれは枝部分の話で,もっと根本的なところから改善して
いかないとだめでしょうね.
学校教育制度だけの問題ではないと思います.子育ての基本は家庭です.
考えるきっかけは日常生活にごろごろ落ちています.
それに気付かせてあげるのが親の役目の1つではないでしょうか.
とはいえ,高度成長期あたりから核家族化が進み,子供たちと
一緒に過ごす時間がとれない家庭が多いですよね.
昔は祖父母やご近所さんの影響も大きかったのでしょう.
それが欠落してしまった現在,それに変わる家庭環境を
構築していかないといけないのでしょうね.
それがどういうものなのかはよくわかりません.
ただ先に高度成長を終えた欧州の方(例えばフランスなど)に
何らかのヒントがあるのではないかと思ったりもします. (2007.01.26 11:40:34)

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