ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.11.18
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カテゴリ: 日本経済
バブルを考える(49)

簿外債務の累積

証券会社の簿外債務や、その前提となった利回り保証について、当然大蔵省は知っていました。

大蔵省の証券会社に対する金融検査の時に、利回り保証を証拠立てる担当者のメモ書きが見つかることもあったようです。
「例えば、○○○の運用をすれば、○%程度の利回りは。確保されるものと予想できます」。判で捺したように、似たような表現のメモが見つかっています。このメモに社判を捺せば、立派に利回りを保証した覚え書きに転じます。

この覚え書きの延長に、本質補填がありました。大蔵省は、株価が上昇基調の今は良いが、いずれ下落局面になると厄介だからと、証券各社に早期の処理を促していました。

しかし、大手4社体制から、脱落しかかった山一は別でした。山一は、売上げで、野村、大和、日興3社に大きく遅れをとることを畏れ、いかなる無理をしてでも、注文を取れと、社員にハッパをかけつづけていたのです。その無理が、他者が辞めた後でもなお、にぎりと呼ばれた利回り保証、それも損失補填付きの保証を濫発することで、大口注文を繋ぎとめていたのです。

当然株価が下落局面に入ると、阪和興業の例のように巨額の損失補填が必要になります。時価が簿価よりも、大きく値下がりしている銘柄を、簿価で引き取るしかないようなことも、頻繁に起きます。

損失補填は法令で禁止されましたから、この契約は表に出せません。そこで、山一は、決算期の異なる得意先企業に、買戻しを約束して簿価で引きとって貰う形にし、その場を凌ぐのです。これが飛ばしの手口でした。やがて、その好意的企業の決算期には、さらに別の企業に飛ばして難を避けるのです。評価損を抱えた株式は、こうして決算期の異なる企業間で回し続けて、飛ばしを続けてきたのです。



その山一が、膨れ上がった簿外債務の大きさを支えきれず、市場からの大波に飲み込まれる時が来たのです。拓銀破産の1週間後のことでした。山一もまた、市場から退場宣告を受けたのです。
                            続く





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最終更新日  2007.11.18 16:13:09
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